○第1回きがるに句会入賞発表
(1月1日~7日投句/投句者13名)
新年の企画として、「きがるに句会」を立ち上げ、その第1回入賞発表をアップ。投句者13名は、予想以上の参加者であった。句会のメンバーは、10名から15名までが理想であろう。
○ご挨拶
第1回きがるに句会に予想以上に大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。選者は私、高橋正子が努めますが、藤田洋子さん、多田有花さん、高橋秀之さんを特別選者としてご招待いたしました。3人のかた、選とコメントをありがとうございました。
きがるに句会の名前のとおり、きがるに句会をたのしんでいただくために、企画しました。きがるは、肩の力を抜いてといういみでもありますし、あまり、重厚にならずにということでもあります。ネット句会をきがるにお楽しみください。今後とも、よろしくお願いします。(主宰 高橋正子)
▼最優秀
★北目指す列車八両雪の原/黒谷光子
雪の原を、さらに寒い北を目指す八両の列車。さほど長くない列車は人を運んで、北国のどこまで行くのであろう。静かで温かい詩情がある。(高橋正子)
【特選】
★海蒼く潮風に咲く冬椿/小川和子
海の蒼さに、はっとするほど鮮明な美しさの冬椿です。潮風を受けてけなげに咲く冬椿が、逞しく清々しいかぎりです。 (藤田洋子)
★藻塩振り甘さとろけて七日粥/佃 康水
「甘さとろけて」が湯気のたつ美味しい七草粥を連想させてくれます。食べたらあたたまって元気がでてきそうです。(多田有花)
★富士山と冬夕焼の中に居る/川名ますみ
富士山はいつもしっかりと座っている。さびしさもあるけれど、あたたかさのある冬夕焼けに包まれて過ごすとき、大きく、偉大なものといる安心感がある。(高橋正子)
▼その他の入賞作品:
http://blog.goo.ne.jp/kakan02c/
★枯草を踏みおり人に離れおり 正子
枯草の道に入り、枯草を踏む。気づけば傍に人は居らず、一人で冬の草地と向き合っている。枯草の色と匂いと音に包まれ、さらに土の中にある春を想う時、心も「人と離れ」た境地となるのでしょう。(川名ますみ)
○今日の俳句
富士山と冬夕焼の中に居る/川名ますみ
富士山はいつもしっかりと座っている。さびしさもあるけれど、あたたかさのある冬夕焼けに包まれて過ごすとき、大きく、偉大なものといる安心感がある。
○帰り花
帰り花三年教へし書にはさむ/中村草田男
りんごの花(帰り花)
小春日の暖かい日に時ならぬ花を咲かせる。これを帰り花という。人の忘れたころに咲くので「忘れ花」といい、「狂い咲」ともいわれる。
十月も終わりごろだったと思うが、横浜四季の森公園近くの民家に林檎の帰り花を見た。赤い林檎の実が一つと、花が数花枝にあった。林檎の帰り花を見たのは、はじめてのこと。桜と紛れてしまうような林檎の花も小春日和の空に咲いているのを見ると、皐月などと違って、なにがしかの風情がある。
コメント
お礼とコメント
正子先生、富士山の句とあたたかいご講評を掲載下さいまして、ありがとうございます。励みになります。
★枯草を踏みおり人に離れおり 正子
枯草の道に入り、枯草を踏む。気づけば傍に人は居らず、一人で冬の草地と向き合っている。枯草の色と匂いと音に包まれ、さらに土の中にある春を想う時、心も「人と離れ」た境地となるのでしょう。