■立春ネット句会/入賞発表■


■2017年立春ネット句会■
■入賞発表/2017年2月4日

【金賞】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)

【銀賞2句】
★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子
早春の明るくい風景だ。「青空仰ぎ歩く」嬉しさが読み手に快く伝わってくる。(高橋信之)

★大空が広がる朝に寒明ける/高橋秀之
寒明けはすなわち暦の上では春の到来。大空が広がる朝に寒が明け、いよいよ春となる清々しい気持ちが伸びやかに詠まれている。(高橋正子)

【銅賞3句】
★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二
春立つ日、蹲の水に添えられた青竹の柄杓が特別に瑞々しく、清々しく思われる。春立つ日が青竹のすがすがしさとよくマッチしている。(高橋正子)

★まんさくの花は縮れて風を受く/祝 恵子
まんさくの花は、早春に先駆けてまず開く花とされる。もう咲いたかと見れば、ようやくに花びらを開き始めたばかりで、寒さに縮れたような感じで咲いている。日差しは明るいが、風が冷たく、「花は縮れて」は、実景として印象深い。(高橋正子)

★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
「立春の日」を詠んで力強い句だ。下五の「田を返し」がいい。一句の終わりまで気を抜いていない。(高橋信之)

【高橋信之特選/8句】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)
今日は折しも立春です。鮮やかな野菜の色に色々取り合わせ、春めいたサラダが嬉しい。春~、朝~、サラダ~、鮮やかとの、あ行の頭韻により立春の明るい日差しが想われます。 (桑本栄太郎)

★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
「立春の日」を詠んで力強い句だ。下五の「田を返し」がいい。一句の終わりまで気を抜いていない。(高橋信之)

★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子
早春の明るくい風景だ。「青空仰ぎ歩く」嬉しさが読み手に快く伝わってくる。(高橋信之)

★さえずりや湖についと日の奔り/小口泰與
さえずりが湖を渡るように聞こえてくる。日の光がついと湖に奔放に走る。春の訪れである。(高橋正子)

★大空が広がる朝に寒明ける/高橋秀之
寒明けはすなわち暦の上では春の到来。大空が広がる朝に寒が明け、いよいよ春となる清々しい気持ちが伸びやかに詠まれている。(高橋正子)

★春立てりマジックショーの人だかり/高橋正子
表現が明快で、平易な言葉が力強い。飾り気がない、いい句だ。(高橋信之)

★赤き芽を白く弾かせ猫柳/高橋正子
中7の「白く弾かせ」がいい。上5の「赤き芽」がいきいきとしている。(高橋信之)

★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二

【高橋正子特選/8句】
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
上五の季題「春立ちぬ」がいい。季節の嬉しさ、生活の喜びがまさに「鮮やかに」伝わってくる。(高橋信之)

★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
「立春の日」を詠んで力強い句だ。下五の「田を返し」がいい。一句の終わりまで気を抜いていない。(高橋信之)
今日の立春、とてもいいお天気でした。田の仕事も、春になった喜びを感じます。 (祝恵子)

★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子
早春の明るくい風景だ。「青空仰ぎ歩く」嬉しさが読み手に快く伝わってくる。(高橋信之)

★まんさくの花は縮れて風を受く/祝 恵子
まんさくの花は、早春に先駆けてまず開く花とされる。もう咲いたかと見れば、ようやくに花びらを開き始めたばかりで、寒さに縮れたような感じで咲いている。日差しは明るいが、風が冷たく、「花は縮れて」は、実景として印象深い。(高橋正子)

★立春の窓全開へ陽のおどる/佃 康水
立春の声を聞いて、閉め切っていた窓を全開し、風を入れる。日射しが踊るように窓から入り込む。心弾む陽の光だ。(高橋正子)
立春を迎えて窓から入る陽差しも春を感じるようになり、窓も全開したい気持ちになります。(高橋秀之)

★節分会鄙の社も人多し/河野啓一
節分会は、鄙の方が伝統を守って行事を行っている言えるのだろう。鄙の神社に邪気を払ってもらうために人出がある。賑やかであることは、世の明るさでもある。(高橋正子)

★大空が広がる朝に寒明ける/高橋秀之
★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二

【入選/4句】
★青空の朝の玻璃戸や春の雪/桑本栄太郎
朝の玻璃戸を透かして見える青空。その玻璃戸には春の雪の降る様子も見える。名残の春の雪が朝の青空で鮮明になった。(高橋正子)

★探鳥会春を呼ぶなり四十雀/谷口博望 (満天星)
四十雀のツッピー、ツツッピーと鳴く声を聞くと寒禽の鳴く季節も終わり、春が来たと思う。探鳥会でいろんな鳥に出会う楽しみも増えることであろう。(高橋正子)

★飛び交いて蜜吸う鳥や梅日和/ 佃 康水
先日、探梅に行きましたが、白梅がぱっちり瞳を開いていて、蕊の奥に蜜がキラキラ光っていました。その蜜を鳥が来て吸っている景は私も見たかったです。谷口博望 (満天星)

★分校の土くれ返る余寒かな/小口泰與
日差しが春めいてきたとはいえまだ寒さの残る校庭で、分校の子供たちの手で、固くなっていた土が掘り起こされ、黒々と蘇った。作業をする子供たちの声が聞こえてくるようで、待春の思いが伝わってきます。 (柳原美知子)

■選者詠/高橋信之
★今日立春という天井の灯を仰ぐ
★立春の湯呑が丸い口開ける
★立春の今年また来て過ぎゆきぬ

■選者詠/高橋正子
★春立てりマジックショーの人だかり
★赤き芽を白く弾かせ猫柳
★飛び移る笹音させて笹鳴きす

■互選高点句
●最高点(4点/同点4句)
★春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに/古田敬二
★蹲に青竹柄杓春立つ日/古田敬二
★立春の日を鋤きこんで田を返し/柳原美知子
★桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

●立春ネット句会清記●


■立春ネット句会清記

2017年2月4日
11名33句

01.早春や利根の白波あいうてり
02.さえずりや湖についと日の奔り
03.分校の土くれ返る余寒かな
04.目覚めいて夢思い居る朝寝かな
05.立春の日射しを慕う木々の枝
06.青空の朝の玻璃戸や春の雪
07.大空が広がる朝に寒明ける
08.立春の休日外から子らの遊ぶ声
09.来週に受験控えて朝寝坊
10.春立ちぬ朝のサラダの鮮やかに

11.音階や水琴窟の春の音
12.蹲に青竹柄杓春立つ日
13.探鳥会春を呼ぶなり四十雀
14.春光やオーロラ色に鴨の首
15.銀色に光る鶚や春の堀
16.春立つや万博で子ら雪遊び
17.春寒し遊びに夢中の子らのいて
18.まんさくの花は縮れて風を受く
19.春立てりマジックショーの人だかり
20.赤き芽を白く弾かせ猫柳

21.飛び移る笹音させて笹鳴きす
22.どこまでも耀く瀬戸や春の波
23.立春の窓全開へ陽のおどる
24.飛び交いて蜜吸う鳥や梅日和 
25.窓越しにふくらすずめと昼餉かな
26.あおぞらに紅梅散るを見たきもの
27.節分会鄙の社も人多し
28.立春の日を鋤きこんで田を返し
29.石鎚迫る河岸に光る春の水
30.桜芽の伸びる青空仰ぎ歩く
31.今日立春という天井の灯を仰ぐ
32.立春の湯呑が丸い口開ける
33.立春の今年また来て過ぎゆきぬ

※選句を始めてください。5句選をし、そのうち一句にコメントを書いてください。

◆立春ネット句会投句案内◆

●立春ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2017年2月4日(土)午前0時~2017年2月4日(土)午後7時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月4日(土)午後7時~午後10時(五句選をし、そのうちの一句にコメントを書いてください。)
②入賞発表:2月5日(日)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月5日(日)正午~2月7日(月)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■新年ネット句会入賞発表■


■2017年新年ネット句会■
■入賞発表/2017年1月2日

【金賞】
★四方晴れて湾穏やかや初渡船/佃 康水
「渡船」がいい。「渡船」には、向こうの島と、こちらの岸との間に密着した生活がある。穏やかに晴れ、凪いだ湾を今年初めて渡る。宮島への初詣であろうか。晴れやかな気持ちが一句にみなぎっていて、手堅い句だ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★見あぐれば冬芽と吾はビル谷間/祝恵子
ビルの谷間から見上げると、木には冬芽がついている。ビルの谷底にいる作者の視線は上へ。冬芽は小さいながら、自然のしたたかさと映る。(高橋正子)

★三山の山容違う初御空/小口泰與
作者のいうのは、上州の上毛三山、つまり、赤城山・榛名山・妙義山であろう。日々眺める三山であるが、それぞれに山容が違って、初御空に泰然と座っている。三山もそれぞれに正月を迎えた。(高橋正子)

【銅賞/2句】
★松ぼっくり足してリースの注連飾り/柳原美知子
注連飾りも、最近はリースの形をとったものが多く見られる。注連飾り松ぼっくりを加えた。現代的な注連飾りで新しい時代が来るようだ。(高橋正子)

★瞬いてその座占めたり冬オリオン/古田敬二
オリオン座は、星座のなかでも、すぐに目に入る。かなたの記憶の中にも、オリオン座は瞬いている。今も、その座は確かで、瞬きはかわらない。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★発声の婿に合わせて屠蘇祝う/佃 康水
正月は家族が出来るだけ一同に集まり、新年の健康と幸せを祈って屠蘇を酌み、祝うものである。今では少なくなりつつある正月の、仕来りと賑わいが想われる一句です。 (桑本栄太郎)

★生駒山超え来て初日の東(ひんがし)に/河野啓一
大阪から見る生駒山は東に位置するので、日の出は生駒を超えて上がってきます。普段は意識せずにみている光景でも、初日の出となれば、それはまた格別です。(高橋秀之)

★見あぐれば冬芽と吾はビル谷間/祝恵子
★四方晴れて湾穏やかや初渡船/ 佃 康水
★三山の山容違う初御空/小口泰與
★松ぼっくり足してリースの注連飾り/柳原美知子
★石垣の裾に列あり初詣/高橋正子

【高橋正子特選/8句】
★初詣石段のぼれば五色幕/高橋句美子
お参りする神社を目指して石段を一歩ずつ登っていく。そして、神社にたどり着くと初詣の五色幕が広がる普段とは違う神社がそこにある。まさにお正月のひとこまという感じがします。 (高橋秀之)

★除夜の鐘湯浴みのうちに聞きにけり/桑本栄太郎
一年間の疲れを癒す大晦日の湯浴の最中、折りしも除夜の鐘が聞こえて来ました。様々な事を思い出しながらも新しい年に向けての抱負も浮かんで来たことでしょう。作者の健やかで穏やかな去年今年の暮らしぶりを見る様です。(佃 康水)

★見あぐれば冬芽と吾はビル谷間/祝恵子
★四方晴れて湾穏やかや初渡船/ 佃 康水
★瞬いてその座占めたり冬オリオン/古田敬二
★三山の山容違う初御空/小口泰與
★初詣の空青あおとわが頭上に/高橋信之

【入選/6句】
★初日の出光とどけり妻を撮る/古田敬二
共に初日の出を拝す妻に清らかな光が当たり絶好のシャッターチャンスを得た。奥様を大切に思うお気持ちとともに新年を迎えられる喜びが感じられる美しい光景ですね。 (柳原美知子)

★初晴れや川の流れもきらきらと/廣田洋一
★初詣長き列なす天満宮/高橋秀之
★大年の空に雲浮き海青し/柳原美知子
★寒鯉の紅白鮮やか池の中/高橋句美子
★米寿という義兄へ元旦の挨拶/祝恵子

■選者詠/高橋信之
★初詣の空青あおとわが頭上に
初詣の空は晴れ、一年の幸福の予感が広がる。 (古田敬二)
元日の空は本当に青く澄み切っていた。それをわが頭上にと纏めた、良い句です。 (廣田洋一)

★元旦の空の青きその下を歩く
★元日のありがたきもの青き空

■選者詠/高橋正子
★初詣かやの木檜の木が聳え
榧(かや)の樹の寿命は1000年にも及ぶ貴重な存在とか。また檜に有っては宮殿建設用の最高の材になると言われています。神社仏閣にこれらの木々が聳え立っているとは心豊かな最高の初詣で有った事でしょう。 (佃 康水)

★石垣の裾に列あり初詣
★元日の晴れたる梢鵯が二羽

■互選高点句
●最高点(5点)
★四方晴れて湾穏やかや初渡船/佃 康水

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

★寒鯉の紅白鮮やか池の中/高橋句美子
寒い時期には鯉は水底に潜んでいますが、池の水が澄み、紅白の鯉が色鮮やかに見えています。新年の目出度さを一層引き立てている御句です。(佃 康水)

★米寿という義兄へ元旦の挨拶/祝恵子
義兄様が今年米寿を迎えられ、年の初めに先ず義兄様にご挨拶をされました。ご家族への深い愛情と、作者の温かさが伝わって参ります。あめでとうございます。(佃 康水)

★生駒山超え来て初日の東(ひんがし)に/河野啓一
大阪から見る生駒山は東に位置するので、日の出は生駒を超えて上がってきます。普段は意識せずにみている光景でも、初日の出となれば、それはまた格別です。(高橋秀之)

●新年ネット句会清記●


■新年ネット句会清記
2017年1月2日
12名36句

01.生駒山超え来て初日の東(ひんがし)に
02.四海波静かにあれと初日かな
03.初日透かし干し柿薄あかね
04.一炊の夢の果て居り年暮るる
05.除夜の鐘湯浴みのうちに聞きにけり
06.東雲の明かり寿ぐ初日かな
07.見あぐれば冬芽と吾はビル谷間
08.米寿という義兄へ元旦の挨拶
09.トランペット流れくる河原お正月
10.初写真毎年同じ場所で撮る

11.初詣長き列なす天満宮
12.正月の番組特に見るものもなく
13.四方晴れて湾穏やかや初渡船
14.今此処に来ている子らの賀状来る
15.発声の婿に合わせて屠蘇祝う
16.我は地にオリオン天に位置を決め
17.瞬いてその座占めたり冬オリオン
18.初日の出光とどけり妻を撮る
19.初晴れや川の流れもきらきたと
20.青空に紅梅咲きし初詣

21.ちらと見て若く見えしか初鏡
22.羽霧へ逆光差すや初御空
23.三山の山容違う初御空
24.露天湯の向こう側より御慶かな
25.大年の空に雲浮き海青し
26.松ぼっくり足してリースの注連飾り
27.梅の花の生麩浮かせて雑煮かな
28.新年の西日が当たり赤い木々
29.寒鯉の紅白鮮やか池の中
30.初詣石段のぼれば五色幕

31.初詣の空青あおとわが頭上に
32.元旦の空の青きその下を歩く
33.元日のありがたきもの青き空
34.初詣かやの木檜の木が聳え
35.石垣の裾に列あり初詣
36.元日の晴れたる梢鵯が二羽

※互選を開始してください。3句選をし、そのうちの一句にコメントをつけてください。

◆新年ネット句会(2017)のご案内


●新年ネット句会(2017)投句案内●
①投句:当季雑詠(新年か、冬の句)3句
②投句期間:2016年12月30日(金)午前0時~2017年1月2日(月)午後6時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月2日(月)午後7時~午後10時
②入賞発表:1月3日(火)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月3日(火)正午~1月4日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

第3回漱石忌(没後100年)ネット句会のご案内


下記アドレスブログで開催します。
http://blog.goo.ne.jp/siki2013n

◆第3回漱石忌ネット句会のご案内/12月1~10日開催◆

?「漱石忌」(没後100年)および「インターネット俳句センター開設20周年を記念して」?

主催:インターネット俳句コンテスト実行委員会

共催:俳句大学

協賛::夏目漱石記念年実行委員会

選者:高橋信之(愛媛大学名誉教授/花冠名誉主宰)・木暮陶句郎(「ひろそ火」主宰)・五島高資(俳句大学副学長/インターネット俳句協会理事長/俳句スクエア代表)・高橋正子(花冠主宰)・髙橋句美子(花冠編集長)・松野苑子(「街」同人/第62回角川俳句賞受賞)・仲寒?(「里」同人/芸術選奨新人賞受賞)・永田満徳(俳句大学学長/「火神」編集長 /俳人協会熊本県支部事務局長)

実行委員会委員長:永田満徳

▼投句
①投句:「漱石忌」の句3句を下記の<コメント欄>にお書き込みください。
②投句期間:2016年12月1日(木)午前0時~12月9日(金)午後5時
④選句期間:12月10日(土)午前9時~午後6時
⑤入賞発表:12月10日午後10時
⑥伝言・お礼等の投稿は、12月10日午後10時~12月11日午後10時

▼互選
①清記:投句一覧表がブログに載ります。
②清記(投句一覧表)の中から3句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、12月10日(土)午前9時から始め、12月10日( 土)午後6時までに済ませてください。
③選句の投稿は、ブログのコメント欄にご投稿ください。
※選者も上述と同様に選をお願いします。選者の選は、選者特選として表彰されます。

▼入賞・伝言
②入賞発表: 12月10日(土)午後10時
③伝言・お礼等の投稿は、12月10日(土)午後10時~12月11日午後10時

◆ご挨拶/10月ネット句会(句会主宰:高橋正子)◆


10月月例ネット句会に16名の方にご参加いただきました。ご参加ありがとうございました。10月月例句会の投句期間には、十三夜の月を観ることができました。それぞれの十三夜の句を寄せていただき、樋口一葉の名作「十三夜」を思い出しながら、皆様の十三夜の句を静かで明るく、またしみじみとした気持ちで読ませていただきました。深まりゆく秋を新鮮に詠まれている句がたくさんあり、感銘を受けました。入賞の皆様おめでとうございます。また、選とコメントをありがとうございました。これで、10月月例ネット句会を終わります。来月のネット句会もよろしくお願いいたします。

■十三夜ネット句会入賞発表■


■2016年十三夜ネット句会■
■入賞発表/2016年10月17日

【金賞】
★コスモスにうもれて子らの声がする/祝 恵子
コスモスの花に埋もれて遊ぶ子らの声が、コスモスの花の中に響く。コスモスに響く子らの声が天使のように清らかに、無垢に思える。(高橋正子)

【銀賞2句】
★十三夜ふと口ずさむ校歌かな/河野啓一
十三夜の月は淋しさを誘う。その淋しさは、また青春へのなつかしさでもあって、思わず、校歌が口をついて出る。(高橋正子)

★寝入る児に童話本閉ず十三夜/小川和子
読み聞かせていた童話に聞き入りながら、幼子は寝入ってしまった。静かに童話の本を閉じると、折しも今宵は十三夜。安らかな子の寝息に十三夜の月が光を投げている。(高橋正子)

【銅賞3句】
★抱きし子の鈴音響かせ秋祭り/藤田洋子
子を抱いて秋祭りに連れ出す。祭りの法被や鈴を着けられているのだろう、その鈴がりんりんと可愛く響く。その響きで、嬰児も祭りに加わっているのだ。(高橋正子)

★高原のベンチに?ける林檎の香/柳原美知子
高原と林檎の香りの取り合わせが、すっきりと爽やかだ。木から採ったばかりの林檎の香り、淡いグリーンの香りとしてイメージされる。(高橋正子)

★背筋立てきっぱり歩く冬支度/廣田洋一
背筋を立てて、きっぱりと歩く。その姿勢は「冬」という季節の本質であるのだ。冬支度の心構え。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★十三夜ふと口ずさむ校歌かな/河野啓一
最高の名月なので名残の月とも言われる十三夜を見て、ふと青春時代の懐かしいいろいろな事を思い出し校歌を口ずさむ作者の若かりし姿が鮮明に見えて来ます。
(小口泰與)
澄み切った夜空に輝く十三夜を愛で、眺めていれば、よって来たる遠い過去から今迄の長い年月を想い出します。何十年も会っていない学校時代の友人は、今頃どうしているのかな?など少し夜冷えもしている十三夜の感慨に、校歌を口ずさんでいます。 (桑本栄太郎)

★寝入る児に童話本閉ず十三夜/小川和子
子供さんに童話を聞かせて寝付かされた頃は9時ごろでしょうか。やっと空を見上げると、薄雲のベールに覆われた十三夜を見られたのではないでしょうか。私も広島でこの時間にこのような十三夜を見ました。 (谷口博望/満天星)

★コスモスにうもれて子らの声がする/祝 恵子
子どもの背丈を越えるほどに咲き群れているコスモス。子ども達はコスモスの迷路に入りこんで楽しそう。うららかな秋のひと時が思われます。 (小川和子)

★枝垂れたるままびっしりと萩は実に/佃 康水
可憐な紅白の花を咲かせ枝垂れて風に揺れていた萩が、いつの間にかそのままの姿で実をつけていて、秋の深まりを実感すると共にその生命力に感動します。(柳原美知子)

★伊予小富士稜線丸き十三夜/藤田洋子
伊予小富士の稜線が十三夜の月明かりに丸みを帯びて感じられ、幻想的な十三夜の景がしみじみと胸に沁みわたります。(柳原美知子)

★背筋立てきっぱり歩く冬支度/廣田洋一
★抱きし子の鈴音響かせ秋祭り/藤田洋子
★高原のベンチに?ける林檎の香/柳原美知子

【高橋正子特選/8句】
★夜半澄めば肌に染み入る後の月/小川和子
後の月の透明感のある美しさと清らかな月光は、本当に「肌に染み入る」ように心身を安らかにしてくれるような気がします。 (柳原美知子)

★星月夜駅舎に隠れ遠い空/高橋句美子
月も星も輝いているはずが駅舎に隠れて遠くに感じる。雲ののない秋の夜空が幻想的に感じます。 (高橋秀之)

★ごんぎつね出てきそうなり彼岸花/井上治代
江戸-明治期の民話に基づき創作された童話・ごんぎつね。戦後テレビその他で大変よくしられるようになりましたが、そうした庶民性と「彼岸花」という呼称がよく響き合っていると思いました。ほのぼのとした一句ですね。(河野啓一)

★十三夜ふと口ずさむ校歌かな/河野啓一
★背筋立てきっぱり歩く冬支度/廣田洋一
★コスモスにうもれて子らの声がする/祝 恵子
★抱きし子の鈴音響かせ秋祭り/藤田洋子
★高原のベンチに?ける林檎の香/柳原美知子

【入選/7句】
★富士山が秋の車窓に影絵となる/多田有花
新幹線や東名高速で行き来していると。光の方角によっては富士山が影絵のように見えるときがあるのでしょうね。素晴らしい大景を描写されたものと思いました。(河野啓一)

★朝明けやどどっと畦の曼殊沙華/小口泰與
朝の空の茜色と地の赤い花の大きな景色を読み込んだ美しい句と思います。 (廣田洋一)
朝の澄んだ大気の中、「どどっ」と畦に咲き揃う曼珠沙華、ことさらさやかで澄明な秋の到来に、季節の喜びを感じさせてくれます。(藤田洋子)

★一枚を羽織り二夜の月を愛づ/桑本栄太郎
十五夜の頃はまだ暑いくらいでしたが、十月も半ばを過ぎ、朝晩は肌寒さを覚えるようになりました。季節の移り変わりの微妙な感覚がさらりと詠まれていて好きです。 (多田有花)

★虫の背に月影青き十三夜/河野啓一
小さな虫の背にも、十三夜の月の光が降り注ぎ、静かに夜が更けてゆく様子が感じられます。細かな観察と流れるような五、七、五の調べがすばらしいと思いました。(井上治代)

★鰯雲茜に染まりゆくかなた/柳原美知子
茜に染まる夕暮れのいわし雲が晴香彼方の遠い空にある。秋ならではのひとときを感じます。(高橋秀之)

★藤袴へアサギマダラは命継ぐ/谷口博望 (満天星)
どちらも生存数の減少が懸念されている希少生物かと思いますが、大げ差に言えばお互いに相手を必要とする共生関係なのでしょうね。うつくしいちょうときれいなはな。興味深く読ませていただきました。(河野啓一)
海を渡り長距離を移動するアサギマダラ、淡い藤袴に浅葱色の羽の紋様も美しく、命を継ぐアサギマダラに心寄せ、愛しむ眼差しを感じます。(藤田洋子)

★電車待つホームにふたり十三夜/高橋秀之
日中の喧騒とは違ってひっそりと静まるプラットホーム。ふたりとなるホームに秋の夜の澄んだ空気が漂い、深まる秋の十三夜です。 (藤田洋子)

■選者詠/高橋信之
★いさぎよく切られ南瓜の内部の黄
この南瓜は、見事というほど、すぱっと、いさぎよく切られている。そして中は充実した黄色の実となっている。昨今はハロウィンの南瓜を思い出させるが、収穫への感謝でもある。(高橋正子)

★さわやかに朝日射し込むわが書斎
書斎へ今、朝日が射し込み心も晴れ晴れした今日一日のスタートです。と同時に書斎もきれいに整理され、さっぱりとした快い佇まいまでも見えて参ります。 (佃 康水)
大変な残暑が去って急に朝晩寒くなりました。それだけに書斎に朝日が差し込むさわやかさと温かみは何物にも代えられないと思います。共感の一句です。(河野啓一)

★さわやかな畳の上に寝転べる
秋の日差しがほんのりと畳をあたため、秋風がさわやかに感じられる和室。その畳の上に伸び伸びと寝転ぶ心身ともに安らかな至福の秋のひとときです。(柳原美知子)

■選者詠/高橋正子
★木の実落つる音に子の耳鋭くなれり
小さな子どもは何にでも素直にまた敏感に反応し興味を示します。そういった時期に自然豊かな場所へご一緒され、益々感性も養われるのではと思います。素早く反応を示す子に作者の喜びも伝わって参ります。 (佃 康水)

★蝶ふたつ野菊をこぼれ地に遊ぶ
蝶が遊んでいる、ふたつで遊んでいる。野菊の後は地に下りた蝶たち。「野菊をこぼれ」とは、新鮮な思いです。 (祝恵子)
「蝶ふたつ野菊をこぼれ」がすばらしいと思いました。秋チョウがもつれ合うように花からこぼれおち、地面すれすれにあそんでいる光景が目に浮かびます。晩秋の虫たちへの愛情も感じられる情景です。 (河野啓一)

★天空の紺ひと色の十三夜
月夜の空をすっきりと直截に言い切られた御句と感じました。(河野啓一)

■互選高点句
●最高点(5点/同点3句)
★電車待つホームにふたり十三夜/高橋秀之
★コスモスにうもれて子らの声がする/祝 恵子
★高原のベンチに?ける林檎の香/柳原美知子

●次点(4点/同点2句)
★十三夜ふと口ずさむ校歌かな/河野啓一
★寝入る児に童話本閉ず十三夜/小川和子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
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