①投句:当季雑詠3句
4月7日(月)午前6時~4月13日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:4月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:4月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、4月14日(月)正午~
                     4月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:4月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:4月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、4月14日(月)正午~
                     4月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏
【銀賞/2句】
08,雪掻けど掻けど今宵の雪降りぬ/弓削和人
今年は人々が経験したことのないような豪雪であった。雪を掻いても掻いても、掻ききれない。そこに今宵の雪が降る。大変な作業であるが、「今宵の雪」と言う美しい表現でまとめ、現実を詩としてうまく一句にしている。(髙橋正子)
28.三月の漢字の増えし児の手紙/藤田洋子
三月は小学生には一年のまとめとなる月であり、新学年がすぐそこに待っている月でもある。習った漢字がだんだん増えて、きちんと漢字を使って手紙がかけるという立派さは、うれしく、ほほえましいもの。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
15.梅咲いて新しき手帳買い求む/土橋みよ
春の訪れの喜びと、手帳をあたらしくする楽しい気持ちが合わさって軽やかな雰囲気です。(髙橋句美子)
18.旅立ちは夜明けの春の港から/高橋秀之
旅立ちはいろんな場所から。夜明けの春の港からの旅立ちは特別感がある。冷たさの中にも艶やかなうるおいを感じる春の夜明け。緊張もするが前途洋々とした気持ちがうかがえて、清々しい旅立ちである。(髙橋正子)
37.旧友の土産は庭の蕗の薹/川名ますみ
家の「庭の蕗の薹」に親しみとあたたかさがある。古くからの気心の知れた友との早春の交流がさらりと「蕗の薹」の色のように詠まれている。(髙橋正子)
【髙橋正子特選/7句】
08,雪掻けど掻けど今宵の雪降りぬ/弓削和人
この二月の豪雪、雪国のみなさまの心情を代表する一句と感じました。日に四度雪かきをしてもまだどんどん積もるとか。この雪が日本を支える貴重な水資源となると聞けば、申し訳ない気持ちです。(多田有花)
15.梅咲いて新しき手帳買い求む/土橋みよ
春の訪れの喜びと、手帳をあたらしくする楽しい気持ちが合わさって軽やかな雰囲気です。(髙橋句美子)
22.春の宵あかり灯りぬ須磨明石/多田有花
「源氏物語」の舞台ともなった須磨明石。春の宵の灯りが静かな華やぎを青い闇の中に浮かびあがらせてくれ、古来からの土地にまつわる物語などが思われます。 (柳原美知子)
27.雀一羽たった一羽が春の影/吉田 晃
春の日差しによって生まれた雀の影に気付かされた小さな一羽の雀の存在感。生き物への優しい眼差しが感じられます。 (柳原美知子)
35.雛あられ米屋の棚に米が無く/柳原美知子
雛あられを買いに来た米屋さん。されど棚には本来の賞品である米がなく。まさに今年の世相ですね。(高橋秀之)
37.旧友の土産は庭の蕗の薹/川名ますみ
旧友が自宅の庭から蕗の薹を摘んで遊びに来た。いかにも春らしい句。蕗の薹が効いている。 (廣田洋一)
長い付き合いの友人の心遣いや自然の恵みの豊かさとともに、春の訪れと新たな始まりを感じました。(土橋みよ)
29.水際の色となりつつ柳の芽/藤田洋子
【髙橋句美子特選/7句】
06.いち早く利根の目覚めし春の波/小口泰與
坂東太郎利根川、関東一の大河の面に波がたちます。波の音、波の姿に敏感に春を感じ取っておられます。(多田有花)
09,桟橋の静かに朽ちる春浅し/弓削和人
もう今は使われていない桟橋が浅春の波に洗われ、人知れず朽ちていっている。往時の姿が偲ばれ、愛惜の念が感じられます。 (柳原美知子)
15.梅咲いて新しき手帳買い求む/土橋みよ
春の訪れの喜びと、手帳をあたらしくする楽しい気持ちが合わさって軽やかな雰囲気です。(髙橋句美子)
19.白梅は空の光とまじりあい/髙橋正子
春になり日差しも眩しくなりました。白梅に差しこむその日差しの眩しさが、花と相まって幻想的な感じを醸し出してくれます。 (高橋秀之)
冬が終わり、最初に色を見せてくれるのは梅である。そして、梅に早春の光がふりかかるのであるが、色のないこの季節、白梅と空の光が浮き立って見える。桜が咲くとこの光景は桜に奪われてしまうし、夏の強い色や秋の紅葉なども、他の色を目立たなくする。早春の今以外の景色では詠めない句だと思う。この季節だからこそ、「まじり合った決して派手でない色」がはっきりと作者の目に映ったのである。・・・このように感じました。 (吉田 晃)
26.春星の窓に栞の本を置く/吉田 晃
春星とあるので星の灯りの差し込む出窓なのでしょうか。栞を挟んだ読みかけの本を置く。ほっと一息の時間ですね。(高橋秀之)
28.三月の漢字の増えし児の手紙/藤田洋子
小学1年生からの手紙でしょうか。小さな子は一年で大きく成長して、学年末の三月に覚えた漢字を使っている健やかな姿が想像できます。読んで喜ばしい句ですね。(上島祥子)
四月の進級月を前にして、三月には覚えたての漢字を書けるようになった子供の成長がほほえましい。幼少時期の頃の自分の姿かもしれません。 (弓削和人)
18.旅立ちは夜明けの春の港から/高橋秀之
10.日向なる人待ち顔の犬ふぐり/廣田洋一
春の日差しに可愛らしく青い花を開いている犬ふぐり。春真っ先に出会う野の花は毎年待ってくれているようです。「人待ち顔」がぴったりですね。 (柳原美知子)
11.枝先に一輪咲きし枝垂梅/廣田洋一
枝垂梅の枝先に見つけた一輪の開花が、嬉しい春の訪れです。やがて次々と咲く枝垂梅の美しさも目に見えるようです。(藤田洋子)
12.名を知らぬ小さき花や青き踏む/廣田洋一
歩いている途中、道端に咲く名も知らない小さな花に気づいたが草を踏みしめて歩き続ける春の静かな一場面を切り取られているように思いました。(土橋みよ)
13.寒凪に舟の生む波赤く染む/土橋みよ
寒の夕凪、静かにひろがる小舟からの波がしだいに夕陽に染まり、美しく安らかな一日の終わりが感じられます。(柳原美知子)
18.旅立ちは夜明けの春の港から/高橋秀之
少し暖かくなったかと思えば、又直ぐ寒の戻りがあり、長い間寒暖定まらぬ天候がつづきました。然し漸く春の兆しです。待ちに待った旅立ちは、夜明けのしかも「春の港」からという。心弾む大いなる喜びに溢れている。(桑本栄太郎)
23.暮れかかる溜池に春の鴨の影/多田有花
貯水のために作られた溜池は、波もなく穏やかです。ゆっくりと暮れ始める頃、未だ帰らずにいる鴨の影が、その水面に映りました。せわしい動きがない、駘蕩とした春の夕べのひとこまに心惹かれます。 (川名ますみ)
31.暖かな日差し煌めくバスの旅/西村友宏
車窓の日差しの煌めきに、心浮き立つようなバスの旅の楽しさを感じます。春の心地よい暖かさと陽気に心明るくなれます。(藤田洋子)
34.風二月丘にふくらむホルンの音/柳原美知子
モーツァルトの「ホルン協奏曲」が脳裏に浮かびました。4曲とも大好きです。豊かなホルンの響きが早春の丘を包みます。(多田有花)
36.啓蟄の土踏み浴びる鶏の声/柳原美知子
啓蟄の時期に、春の土のぬくもり感じられ、春の訪れを知らせてくれる鶏の鳴き声が聞かれる農村の風景が、自然の中のリズムとして感じられました。(土橋みよ)
38.てのひらにしっとり蕗の薹二つ/川名ますみ
てのひらを通して伝わる二つの蕗の薹のしっとりとした柔らかさ。その感触と、蕗の薹を見る作者のまなざしに春到来の喜びを実感します。(藤田洋子)
41.北窓を開いて仏間の花の揺れ/上島祥子
冬の間締め切った北窓を開けて、春の風や光を取り入れる仏間。花の揺れようがとりわけ優しく感じられ、季節を大切にされるお暮しがうかがえます。(藤田洋子)
07.囀を空耳とする湖の家/弓削和人
17.ふと見れば駅舎の中に雛飾り/高橋秀之
25.渡し舟ゆれて離岸の春帽子/吉田 晃
30.芽柳の雨こまやかに道後の灯/藤田洋子
■選者詠/髙橋正子
19.白梅は空の光とまじりあい
春になり日差しも眩しくなりました。白梅に差しこむその日差しの眩しさが、花と相まって幻想的な感じを醸し出してくれます。 (高橋秀之)
冬が終わり、最初に色を見せてくれるのは梅である。そして、梅に早春の光がふりかかるのであるが、色のないこの季節、白梅と空の光が浮き立って見える。桜が咲くとこの光景は桜に奪われてしまうし、夏の強い色や秋の紅葉なども、他の色を目立たなくする。早春の今以外の景色では詠めない句だと思う。この季節だからこそ、「まじり合った決して派手でない色」がはっきりと作者の目に映ったのである。・・・このように感じました。 (吉田 晃)
21.菜花茹で蕾の黄色ひとつある
茹でた菜の花に蕾が混ざるとひと際目立ちますね。黄色の蕾が日常に彩を与えているようです。(西村友宏)
20.降り込んで雪ともならず春の雨
■選者詠/髙橋句美子
43.桃の節句彩り軽く淡い空/髙橋句美子
桃の節句を迎えて仰ぐ空、その淡く優しい色合いが、快い季節の訪れを伝えてくれます。冬の寒さがようやくやわらぎ、暖かな春を迎える軽やかな心情が感じ取れます。(藤田洋子)
45.伊予柑のみずみずしさを朝食に
新鮮で爽やかな味わいを持つ伊予柑が朝食の食卓にあり、一日の始まりを明るくしてくれる幸せを感じました。(土橋みよ)
44.卒業の便りが耳に風強し
互選高点句
●最高点句(6点/同点2句)
19.白梅は空の光とまじりあい/髙橋正子
28.三月の漢字の増えし児の手紙/藤田洋子
集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。
11.枝先に一輪咲きし枝垂梅
12.名を知らぬ小さき花や青き踏む
13.寒凪に舟の生む波赤く染む
14.猫鳴けば孫も猫まね日永かな
15.梅咲いて新しき手帳買い求む
16.三寒を超えて十寒四温なり
17.ふと見れば駅舎の中に雛飾り
18.旅立ちは夜明けの春の港から
19.白梅は空の光とまじりあい
20.降り込んで雪ともならず春の雨
   
21.菜花茹で蕾の黄色ひとつあり
22.春の宵あかり灯りぬ須磨明石
23.暮れかかる溜池に春の鴨の影
24.春灯しおもてに映し川流る
25.渡し舟ゆれて離岸の春帽子
26.春星の窓に栞の本を置く
27.雀一羽たった一羽が春の影
28.三月の漢字の増えし児の手紙
29.水際の色となりつつ柳の芽
30.芽柳の雨こまやかに道後の灯
31.暖かな日差し煌めくバスの旅
32.カーテンの奥は淡雪さらさらと
33.手のひらで優しく沈む桜餅
34.風二月丘にふくらむホルンの音
35.雛あられ米屋の棚に米が無く
36.啓蟄の土踏み浴びる鶏の声
37.旧友の土産は庭の蕗の薹
38.てのひらにしっとり蕗の薹二つ
39.蕗味噌にレシピ聞きつつ箸を付け
40.真白なる美濃路の天守北窓開く
41.北窓を開いて仏間の花の揺れ
42.夕茜残る光や梅古木
43.桃の節句彩り軽く淡い空
44.卒業の便りが耳に風強し
45.伊予柑のみずみずしさを朝食に
※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:3月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:3月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、3月10日(月)正午~
                     3月13日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏
29.降りながら土に光りて春の雪/藤田洋子
やわらかく、しずかな春の雪が、降りつつ解けてゆく儚さが、凝視の眼で詠まれている。しずかな調べに奥深さが読み取れる。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり/廣田洋一
凧上げをする親子の光景であろう。凧はあがるまでが子供には難しい。揚がってから糸をわたされた子の喜びようが目に見える。親子の情愛が温かく詠まれている。(髙橋正子)
13.待春や子犬の駆けるちから増す/弓削和人
春が近づくと、子犬も元気になる。ころころと駆ける四肢に力が増している。「待春」の気持ちがそっくり表されて、楽しくなる句。(髙橋正子)
36.落葉轢く音を体に車椅子/川名ますみ
車椅子に轢かれる落葉の音は、すぐさま車椅子に乗っているものの体に響いてくる。一つ一つ違う落葉の砕ける音、自然の音。自然とのちょっと楽しい一体感。(髙橋正子)
【髙橋正子特選/7句】
24.驚きの余寒や鉄の十字架に/多田有花
このところの厳しい余寒には本当に驚かされます。南国では余り経験しない立春後の寒さです。頑丈な鉄の十字架さえも神様さえも想定外では。「鉄の十字架に」が効いていると思います。 (柳原美知子)
25.寒の水峡の社を鳴らしおり/柳原美知子
谷あいにある小さなお社でしょうか。豊かな水がそこに流れ込みいつもその音が社を包んでいます。社は神を祀っており、水は神自身の姿でもあります。(多田有花)
29.降りながら土に光りて春の雪/藤田洋子
春の雪は積もることなく、地面に触れた瞬間に解けて水となり、太陽の光を反射して光っている、そのような風情のある穏やかな情景が想像されました。 (土橋みよ)
36.落葉轢く音を体に車椅子/川名ますみ
車椅子に乗ることで、いっけん不自由な身に落葉一枚一枚を轢くたびに心身に自然の営みを敏感に感じ取っている景を表している。森羅万象が落葉に凝縮されて自然と一体となることを想像させられた句。車椅子の身だからこそ、健常者では味わえない瞬間だったかもしれない。(弓削和人)
43.大切に小さく咲いて節分草/髙橋句美子
春を告げてくれる節分草の白い可憐な花が咲いているのを見つけられた嬉しさ。余寒の中のその小さな希少な花のけなげさを愛しんでおられる優しさが伝わってきます。 (柳原美知子)
46.しんしんと雪降る闇を白くして/吉田 晃
先日からの寒波は南国の鹿児島や愛媛にも雪を降らせました。その降る雪を室内から眺めておられる情景でしょう。雪に光が当たり闇が白く輝くように見えます。(多田有花)
13.待春や子犬の駆けるちから増す/弓削和人
【髙橋句美子特選/7句】
04.凍雲の晴れて山の端白きかな/桑本栄太郎
雪の後の空模様なのでしょうか。山の端白きに遠目から見る冬の山の様子がうかがえました。 (高橋秀之)
11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり/廣田洋一
春先は風も良く吹き、凧揚げには良いものですね?ところが意外に難しく、風に乗るまでがひと苦労です。お孫さんでしょうか?子供さんでしょうか?凧を持って駆け、揚った所で凧糸を子に渡します。(桑本栄太郎)
21.春立ちて青天に白き月浮く/友田 修
立春となり、分厚い雲に覆われていた空も透きとおった青さに明けてゆき、淡く白い月を浮かべている。新たな季節を美しく捉えられ、実感された喜びが伝わってきます。 (柳原美知子)
28.春の雪窓に見つめて形見分け/藤田洋子
春になったのに思い出したように降る雪、形見分けの席に故人の気持ちが舞い戻ってきたように感じます。窓から見える雪景色は白く美しく、懐かしい故人の面影が浮かんでは消えているのではないでしょうか。(友田修)
39.睡蓮を沈めて青き冬の水/髙橋正子
水中に睡蓮を沈め、際立つ冬水の青さ。冬の水の澄んだ透明感、冷たくも凛とした季節感を静かに伝えてくれます。(藤田洋子)
寒さが増すにつれ、磨かれるように青を深める冬の水。その水の底には、睡蓮鉢があります。翌夏に花を咲かせるでしょう、睡蓮の株を静かに沈めて、尚「青き水」です。(川名ますみ)
47.蜜柑摘み汽笛近づく海を背に/吉田 晃
海に面した日当たりの良いみかん畑が懐かしい風景です。(髙橋句美子)
13.待春や子犬の駆けるちから増す/弓削和人
【入選/20句】
02.木を叩く小啄木鳥の嘴や春の杜 (コゲラ)/小口泰與
杜に聞くコゲラのドラミング。木を叩く嘴のせわしない動き、心地よい音の響きに、明るい春の訪れを感じます。(藤田洋子)
03.上州は山風豊か冴え返る/小口泰與
上州はかかあ天下と空っ風、という言葉を耳にしたことがあります。風の国上州の山から吹く風は身を切るような冷たさでしょう。それを「山風豊か」と表現されたのに詩心を感じます。(多田有花)
05.白きものほつほつ頬に春浅し/桑本栄太郎
春になりもう雪はないと思っていたのに、寒の戻りか雪が舞っている。外に出て見上げると頬に優しくあたる雪はやはり春の雪。氷のように固い雪の粒ではなく、「ほつほつ」と頬を撫でる。季節の変わり目の、季節の移ろいの「逡巡」を感じます。(友田修)
06.補助輪のこきこき行くよ春立ちぬ/桑本栄太郎
幼い子が小さな自転車に乗る練習をしている情景です。喜んで懸命にペダルを漕ぎます。まだ自立して走れませんがそれを支える補助輪の音が可愛らしいです。(多田有花)
07.文字を打つ指が悴む朝の駅/高橋秀之
寒中の早朝の冷え込みが想像される駅のベンチ。まだ人気もない時間帯でしょうか。ご自身の息遣いがかんじられるようです。体調にはお気を付け下さい。 (柳原美知子)
10.春暁や星のまたたき強くなり/廣田洋一
春とはいえまだ冷たい薄明かりの夜明け前、ことさら強い星の瞬きに、冬から春への季節感をあきらかに感じさせてくれます。(藤田洋子)
15.冬銀河鳰の湖へと流れけり/弓削和人
 冬は大気が澄み、凍空の星の光が鋭い。その輝く星が琵琶湖へと輝き流れ流れていく素敵な景ですね。(小口泰與)
19.朝日受け今は明るき枯野かな/友田 修
朝日を浴びて輝く枯野、荒涼と広がる野の侘しさにも、やがて迎える芽吹きの季節の明るさを感じ取れます。(藤田洋子)
23.少年ら余寒のなかを駆けゆけり/多田有花
この時期、体育の授業であったり、部活の基礎練習であったりで駆けている様子をよく見かけます。それは、私たちのころも同じでした。元気な子供たちを見ているとこちらまで昔を思い出して元気をもらえそうです。 (高橋秀之)
26.節分や猫驚かす鬼の面/柳原美知子
節分の鬼。最近はかわいい鬼も多いですが、本来は猫も驚くぐらいの鬼こそが「鬼は外」の節分の鬼なのです。 (高橋秀之)
31.寒風や散髪帰りの耳を打つ/西村友宏
散髪でさっぱりした耳に寒風が当たるとより一層の寒さを感じる。冬の日にあるあるの光景ですが、その気持ちがすごく共感です。(高橋秀之)
34.梅のどの蕾も珠となりし朝/川名ますみ
梅の蕾のふくらみを日々楽しまれ、いよいよ蕾が全て色と光を帯び、珠のようにふくらんだ朝の喜び。待春の思いが梅の蕾に美しく表されています。 (柳原美知子)
35.梅咲いて紅色すこし薄らぎぬ /川名ますみ
ぎゅっと堅かった紅梅のつぼみ。その濃い紅色は、花開くにつれて周囲を明るくし、やがて景色に溶け込んでいく。梅の紅も次第に薄らいでいくようだ。ひかりが一枚一枚の花びらを透かしているのだろうか。ぎゅっとした凝縮から明るい広がりを感じます。(友田修)
42.春浅し卒寿の母の祝膳/上島祥子
平均年齢が81才を越えているとは言え、やはり卒寿はお目出度い。祝膳が効いている。 (廣田洋一)
09.打ち寄せる白波高き冬の海/高橋秀之
14.寒椿落ちゆくならば淡海/弓削和人
17.春待ちて慣れしクラ手にK.545を/土橋みよ
19.朝日受け今は明るき枯野かな/友田 修
27.春雪解け真夜の星座のありありと/柳原美知子
33.きらきらと輪切り蜜柑の映える朝/西村友宏
41.河風やマラソンランナー城下駆け/上島祥子
■選者詠/髙橋正子
37.万作やまだこれからの蕾なり
春とは名ばかりで木々の蕾はまだ硬く寂しい風情が伺えますが、それでも蕾が大きくなっていくのを楽しみに待っている心境が早春をよく表していると思いました。(上島祥子)
  
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に 
荒海の冷たさを表現するのは難しいと思われるが、「寒き翳り」と表現されており、そして「羽裏」とすることで、荒海を飛ぶかもめの姿がはっきり見えてきた。荒れ狂う風に羽裏を見せてバランスを取りながら体制を立て直し浮かんでいる姿である。(吉田晃)
  
39.睡蓮を沈めて青き冬の水   
水中に睡蓮を沈め、際立つ冬水の青さ。冬の水の澄んだ透明感、冷たくも凛とした季節感を静かに伝えてくれます。(藤田洋子)
寒さが増すにつれ、磨かれるように青を深める冬の水。その水の底には、睡蓮鉢があります。翌夏に花を咲かせるでしょう、睡蓮の株を静かに沈めて、尚「青き水」です。(川名ますみ)
■選者詠/髙橋句美子
44.藪椿郵便受けに落ちる赤
あざやかな花弁の藪椿が郵便受けにぽとりと一つ落ちている。厳しく寒い毎日に暖かさを感じる素敵な光景と思いました。(西村友宏)
45.晴れた日にメジロを探して空仰ぐ
晴天の空を眺めるのが私は好きです。雲一つない空でも、淡い雲があっても。透き通る空に引き込まれます。梅の木にやって来たメジロでしょうか?見つけたと思ったらぱっと飛び立ってしまった。急いでその先を目で追うとそこには広い晴天が広がっています。(友田修)
43.大切に小さく咲いて節分草
互選高点句
●最高点句(6点)
39.睡蓮を沈めて青き冬の水/髙橋正子  
集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。
11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり
12.春寒や大賑わいの中華街
13.待春や子犬の駆けるちから増す
14.寒椿落ちゆくならば淡海
15.冬銀河鳰の湖へと流れけり
16.春の風レターパックで本届く
17.春待ちて慣れしクラ手にK.545を
18.寒空に来たりし友と多々良沼へ
19.朝日受け今は明るき枯野かな
20.節分会袋に入った豆を取り
21.春立ちて青天に白き月浮く
22.風の音高まる余寒の厳しさに
23.少年ら余寒のなかを駆けゆけり
24.驚きの余寒や鉄の十字架に
25.寒の水峡の社を鳴らしおり
26.節分や猫驚かす鬼の面
27.春雪解け真夜の星座のありありと
28.春の雪窓に見つめて形見分け
29.降りながら土に光りて春の雪
30.城濠の梅のふくらみ見て歩く
31.寒風や散髪帰りの耳を打つ
32.突風やコートすり抜け肌を刺す
33.きらきらと輪切り蜜柑の映える朝
34.梅のどの蕾も珠となりし朝
35.梅咲いて紅色すこし薄らぎぬ
36.落葉轢く音を体に車椅子
37.万作やまだこれからの蕾なり   
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に     
39.睡蓮を沈めて青き冬の水   
40.近況の挨拶其々コート手に
41.河風やマラソンランナー城下駆け
42.春浅し卒寿の母の祝膳
43.大切に小さく咲いて節分草
44.藪椿郵便受けに落ちる赤
45.晴れた日にメジロを探して空仰ぐ
46.しんしんと雪降る闇を白くして
47.蜜柑摘み汽笛近づく海を背に
48.春闇に金星夜漁の舟の灯と
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月10日(月)正午~
                     2月13日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏