7月月例ネット句会/入賞発表


■2018年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年7月8日

【金賞】
03.石段へ薔薇の崩るる朝かな/小口泰與
石段へ薔薇の崩れた花びらが散っている朝。散ったのは暁か。石段の清潔さ、華やかな薔薇の儚さが、一層薔薇を美しく思わせる。(高橋正子)

【銀賞/2句】
06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌/桑本栄太郎
楸邨忌は、7月3日。楸邨は、隠岐に流された後鳥羽上皇に思いを重ねるため、昭和16年隠岐に遊んだ。36歳の時。そのときの句に「隠岐や今木の芽をかこむ怒濤かな」がある。この句を下敷きとした句で、類想句とも言えるが、楸邨の忌日に隠岐へ押しせまる漁火に、作者もまた、隠岐への強い思い、楸邨への思いを重ねたのである。(高橋正子)

07.大和路を各駅停車夏の旅/古田敬二
大和路を各駅停車の電車でゆっくりと、時間を巻き戻したように旅をする。日がいつまでも高い夏だからこその各駅停車の旅なのだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎/祝恵子
今年初めて食べる鮎。焼く火の加減、焼き色にも、どうか上手く焼けますようにと、細心の注意を払う。みんなが初鮎の焼けるのを楽しみにわくわくしているのだ。(高橋正子)

14.テーブルに座ってまずは冷奴/高橋秀之
いかにも涼しそうな夏のテーブルの景が見える。座って先ず、冷奴の冷たさを喉に通す。これでひとまず落ち着いてゆっくり食事をいただくのだろう。さっぱりとした句だ。(高橋正子)

28.まるまると桃が売られる帰り道/髙橋句美子
帰り道は、仕事の帰り道か。店頭には、桃がまるまるとして売られている。手にそっと取りたいような瑞々しい桃だ。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】 
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎/祝恵子
まだかな、まだかな、とそわそわしながら焼き具合を覗き込む気持ちが、初の鮎の感じを引き立ててます。(高橋秀之)

06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌/桑本栄太郎
壱岐は流人の島、漁火を後鳥羽上皇たちも眺めたことでしょう。7月3日は加藤楸邨の忌日。人間探求派として活躍し、金子兜太、森澄雄らを育てました。(多田有花)

03.石段へ薔薇の崩るる朝かな/小口泰與
12.眼科受診思い立ちたり半夏生/河野啓一
14.テーブルに座ってまずは冷奴/高橋秀之
34.夜濯ぎの干す衣に近く大き星/高橋正子
36.百合の巨花わが胸丈に匂うなり/高橋正子

【高橋正子特選/7句】
07.大和路を各駅停車夏の旅/古田敬二
時間の制約を受けず、気ままに巡る旅。大和路であれば見所も多いことと思います。いまごろなら日も長く、ゆったり旅することができるでしょう。(多田有花)
古都、古寺を巡る明るい夏の旅。各駅停車の旅に、ゆったりとした豊かな旅の充足感が感じとれます。(藤田洋子)

31.石鎚を容れて夕虹くっきりと/柳原美知子
夕べにくっきりと出た虹。その半円の虹の中にくっきりと見えた石鎚山。「容れて」がいいと思います。(古田敬二)

24.雨雲の切れて日の差しオクラ咲く/藤田洋子
豪雨も止み、雲間から差す日差しに咲いたばかりのみずみずしいオクラの花が明るく浮かび上がります。安堵の気持ちと植物の生命力に励まされる思いがします。(柳原美知子)

06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌/桑本栄太郎
14.テーブルに座ってまずは冷奴/高橋秀之
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎/祝恵子
28.まるまると桃が売られる帰り道/髙橋句美子

【入選/12句】
15.無人駅ひとり佇み団扇風/高橋秀之
故郷の無人駅を思います。懐かしい人たちを、一人佇み昔のことを思い出しています。(祝恵子)
無人駅のひっそりとした静けさの中、柔らかい団扇の風が心地よく感じられます。 (髙橋句美子)

18.明易き夜を徹しての水防団/多田有花
先週からの梅雨豪雨では、水防団の活躍が目立った。防災や救助に夜を徹しての作業には敬服する。感謝の気持ちを込めた一句と思います。 (廣田洋一)

20.雨土のなだれるあはれ夏あざみ/廣田洋一
豪雨の度におこる土砂崩れ。今回もまた大雨特別警報の中、各地で多くの被害が出、胸が痛みます。一日も早い復旧をお祈りいたします。(柳原美知子)

26.向日葵は目立つ所へ店頭へ/祝 恵子
七月、梅雨はまだ続いていますが、店先では真夏の演出が始まっています。その象徴である向日葵が紫陽花に替わって店頭の目立つ場所に飾られ始めました。(多田有花)

27.雨に耐え百合の白さよ咲いており/祝恵子 
風雨のなか気高く美しく咲き続ける日本の美が目に浮かびます。(河野啓一)

33.豪雨止み農夫青田を巡回す/柳原美知子
今回の梅雨の大雨は3日間も降り続け、がけ崩れ、河川の氾濫などの緊急避難指示が全国至る所に出され、沢山の被害を齎しました。危険な豪雨が一段落すれば、農夫は真っ先に田圃を見回ります。 (桑本栄太郎)

08.大和路の苗田の曲線美しく/古田敬二
日本の原風景である大和路の苗田の緑の中に浸り、奈良の時代に思いを馳せながらの心豊かな旅が思われます。(柳原美知子)

10.幼子の昼寝覚めたり額の花/河野啓一
昼寝の覚めた幼子に、淡く優しい額の花の彩りを思います。幼子と額の花へ向けられる温かな眼差しの情景です。(藤田洋子)

16.橋脚を滔々とうつ五月川/多田有花
大河の橋脚に次々と濁流が押し寄せ、梅雨の豪雨の怖さを感じます。五月川の迫力と臨場感が感じられます。(柳原美知子)

19.青天にきりりと着たる白浴衣/廣田洋一
青天と白浴衣の鮮やかな色彩に、「きりり」と羽織る浴衣も好ましく、美しく清々しい日本の夏を感じます。(藤田洋子)

01.青りんご煙る浅間と千曲川/小口泰與
23.梅雨雲のたちまち雨の来る迅さ/藤田洋子

■選者詠/高橋信之
★花合歓の光あふるる下に居る
梅雨が上がると、夕暮れの薄明かりの中で、細かい糸を無数に集めたような淡紅色の美しい花を開く合歓の花の下にいる至福の時間を充分に満喫している作者。素敵な景です。 (小口泰與)

★梅雨の灯を受けて広がる広皿よ
★炎天の建築現場のヘルメット

■選者詠/高橋正子
★夜濯ぎの干す衣に近く大き星
暑い季節なので洗濯の回数が増えます。昼間に着たものを夜に洗い、そのまま干します。洗濯物を干しながら見上げると夜空に大きな星たちが見えました。(多田有花)

★百合の巨花わが胸丈に匂うなり
すっくと高く茎を伸ばし花開く百合と、傍らに立つ作者の姿がありありと思われます。ひときわ強い芳香を放つ、百合の巨花の存在感です。(藤田洋子)

★今日の衣を今日夜濯ぎに風うれし

■互選高点句
●最高点(6点)
31.石鎚を容れて夕虹くっきりと/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■7月月例ネット句清記


■7月月例ネット句清記
2018年7月8日
13名39句 

01.青りんご煙る浅間と千曲川
02.夏祭り丸寝の妻の酔い心地
03.石段へ薔薇の崩るる朝かな
04.一瞬の居所定まらず昼寝覚
05.黒蟻の慌て歩めり雨きざす
06.隠岐やいま漁火せまる楸邨忌
07.大和路を各駅停車夏の旅
08.大和路の苗田の曲線美しく
09.奈良の世も平成の世も青田風
10.幼子の昼寝覚めたり額の花

11.真砂刷く銀漢の美無限遠
12.眼科受診思い立ちたり半夏生
13.列島の色が真っ赤に夏の雨
14.テーブルに座ってまずは冷奴
15.無人駅ひとり佇み団扇風
16.橋脚を滔々とうつ五月川
17.荒梅雨や雨音のまた高まりし
18.明易き夜を徹しての水防団
19.青天にきりりと着たる白浴衣
20.雨土のなだれるあはれ夏あざみ

21.パソコンの立ち上がる音汗引きぬ
22.梅雨豪雨夜を刻々とラジオ鳴る
23.梅雨雲のたちまち雨の来る迅さ
24.雨雲の切れて日の差しオクラ咲く
25.焼き具合いかにと覗く初の鮎
26.向日葵は目立つ所へ店頭へ
27.雨に耐え百合の白さよ咲いており
28.まるまると桃が売られる帰り道
29.シャーベット二人で分ける夕食後
30.真夏日の風吹き抜けてガラス窓

31.石鎚を容れて夕虹くっきりと
32.激闘の果ててロシアの青芝背に
33.豪雨止み農夫青田を巡回す
34.夜濯ぎの干す衣に近く大き星     
35.今日の衣を今日夜濯ぎに風うれし
36.百合の巨花わが胸丈に匂うなり
37.梅雨の灯を受けて広がる広皿よ
38.花合歓の光あふるる下に居る
39.炎天の建築現場のヘルメット

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

●7月月例ネット句会投句案内●


●7月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2018年7月1日(日)午前10時~2018年7月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月9日(月)正午~6月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/6月月例ネット句会


ご挨拶
6月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。
また、選とコメントをありがとうございました。横浜は梅雨なのにさほど蒸し暑さもなく、雨も少なく
過ごしやすい梅雨となっています。植田の景色もしばらく見ていませんが、俳句に詠まれた句に、植田の美しさを思い浮かべたりしました。

今月は大学生の高橋成哉さん、30代の西村友宏さんが参加してくださって、句会の意義が増した気持ちになり、うれしく思いました。やはり、続けることは、大事なのだと思いました。
これで、6月月例ネット句会を終わります。(主宰・高橋正子)

※来月の句会は7月8日(第2日曜日)になります。

■6月月例ネット句会入賞発表

■2018年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年6月11日

【金賞】
★稜線の高さを飛びぬ夏燕/多田有花
山の稜線の高さまで燕が来ていることは驚きだ。稜線の上を飛ぶ夏燕の姿がさっそうとして爽快だ。有花さんたちと富士登山の前哨登山で登った山から河口湖が見えたが、そこを自在に、大きく飛ぶ燕の姿を思い出した。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子
田が植わった村の水田の静けさ。明けてゆく月もまた水を含んでいるようにみずみずしい。月と植田の美しい日本の風景。(高橋正子)

★トマト苗葉にも花にも今朝の風/藤田洋子
「今朝の風」がいきいきとしている。植えたばかりのトマトの苗の葉にも黄色い花にも、今朝の風が吹いている。苗はまちがいなく根付きはじめている。夏の朝の安堵した爽やかな気持ち。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★友と来て列待つ子らのかき氷/祝恵子
暑さに負けず元気に遊ぶ子らが、かき氷を求めて列を作る。かき氷を待っている間も、友達とわいわいにぎやかだ。「友と来て」こそかき氷を食べる楽しみなのだ。祭り気分の子どもたちが眩しい。(高橋正子)

★遠雷に重なり響く泣き声よ/高橋成哉
遠雷の鳴る街。その街の子どもの泣き声。庶民の暮らしがそこに見えるようだ。遠雷と泣き声を二つ聞き届けたのは、静かで、ひろい心。(高橋正子)

★幼子の指の彼方に小鳥来る/河野啓一
「小鳥来る」の季語が当季ではないのが、6月句会としは残念だが、大変いい句だ。幼子は目敏い。彼方の鳥も見つけて指さす。「彼方に」によって、句が深まった。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】 
★紫陽花を左右に眺め山門へ/高橋秀之
何処の紫陽花の有名な寺であろうか?紫陽花見学に出かけ、先ずお詣りの後と思い、山門に向います。早速左右には色とりどりの紫陽花が迎えて呉れています。 (桑本栄太郎)

★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子
田が植わる一村と明け方の月の、美しく豊かな情景。夜明けの静けさの中、季節のみずみずしさがいっそう感じとれます。 (藤田洋子)
田植えが終わったばかりの村に有明の月がかかっています。田は月を映しているでしょう。夜明けは早く、清々しい情景です。(多田有花)

★トマト苗葉にも花にも今朝の風/藤田洋子
植え付けたばかりのトマト苗でしょうか。葉も花も朝のそよ風に揺らいでこれからの成長と稔りが期待されます。家庭園芸のささやかな愉しみ。(河野啓一)

★田の植わりはるか石鎚青澄める/柳原美知子
★稜線の高さを飛びぬ夏燕/多田有花
★遠雷に重なり響く泣き声よ/高橋成哉
★幼子の指の彼方に小鳥来る/河野啓一

【高橋正子特選/7句】
★友と来て列待つ子らのかき氷/祝恵子
★遠雷に重なり響く泣き声よ/高橋成哉
★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子
★田の植わりはるか石鎚青澄める/柳原美知子
★揚羽飛ぶ自由よ庭の出入りに/高橋信之
★稜線の高さを飛びぬ夏燕/多田有花
★トマト苗葉にも花にも今朝の風/藤田洋子

【入選/14句】
★娶らざる吾子の四十路や浮いて来い/桑本栄太郎
お子様でしょうか。四十路になってもまだ妻を娶らぬお子様の事を心配している親心を浮人形に託した二物衝撃の素晴らしい句ですね。 (小口泰與)

★雨を得て白く輝く七変化/河野啓一
雨と紫陽花は陰と陽の様な関係で、雨が降ると紫陽花の色は本当にあでやかになる。白い花も一層輝く。 (廣田洋一)
久しぶりの雨を浴びることができて、正に白く輝く紫陽花は七変化の名にふさわしい瑞々しさが感じられます。 (高橋秀之)

★朝刊のことりと音す五月晴/小口泰與
早朝の晴れた日の静けさが際立つ様子があらわれています。 (髙橋句美子)

★新緑が映る水面の鮮やかさ/高橋秀之
綺麗な景色が思い浮かびます。 (西村友宏)

★脇芽摘む朝のトマトの青匂う/藤田洋子
菜園のトマトの花が咲き、いよいよ青い実をつけるようになり、脇芽も次々とでるようになりました。心地よい夏の朝風に吹かれて、収穫を楽しみに、季節の作物を育てる喜びが伝わってきます。 (柳原美知子)

★雲厚き空なり栗の花匂う/多田有花
雨のパラパラと降ってきそうな空模様の中、白い栗の花が豊かに咲き、風に吹かれて強い匂いを放つと梅雨の季節が実感されます。 (柳原美知子)

★水一面のまるい葉にあさざの黄/高橋句美子
池の水一面を埋め尽くすあさざの丸い葉とそこから伸びる黄色い花。初夏のさわやかさを感じます。 (高橋秀之)

★晴れの日は背を伸ばし咲く花菖蒲/高橋句美子
雨に咲くしっとりとした風合いと違う晴れの日の花菖蒲。明るい空の下、真っ直ぐな葉と茎がより強調され、ひときわ凛と鮮やかな花菖蒲です。 (藤田洋子)

★燦々と陽に佇んでやまぼうし/西村友宏
降り注ぐ陽光に、やまぼうしの四片の大きな白い苞が眩しいかぎりです。梅雨に入るも、陽ざしの中のやまぼうしに自ずと心明るくなれます。 (藤田洋子)

★積上げし本を抜き取り梅雨最中/廣田洋一
梅雨の真っ最中は雨で外出も憚られます。そんなひととき、部屋に積みあがっている本を一冊抜き取って読むのもこの時期ならではの時間の過ごし方なのでしょう。 (高橋秀之)

★牧水の名付けし峠緑雨かな/小口泰與
★夏の潮豊かなるかな河内灘/ 河野啓一
★水満ちて山と玉苗写す今朝/柳原美知子
★石段を登りて涼し大山寺/廣田洋一

■選者詠/高橋信之
★揚羽飛ぶ自由よ庭の出入りに
庭の緑を縫い、美しい翅をひろげて高く低く飛ぶ揚羽蝶に心遊ばせるひととき。心地よい夏の風が心身を吹き抜けるようです。 (柳原美知子)

★今日晴れて空の自由を得し揚羽
★万両の花びらを反らして白し

■選者詠/高橋正子
★青草に水音立ちて蛍棲む
せせらぎにそっと近づき蛍火を眺めたのはいつの日だったことでしょうか。蛍、懐かしいひびきです。(祝恵子)

★茎水漬くほど水あって菖蒲園
菖蒲の茎へひたひたと寄せる清らかな水とひかり、水面にも空にもとりどりの菖蒲が映える静かで美しい情景が目に浮かびます。 (柳原美知子)

★菖★蒲田の遠目の花は明るかり

■互選高点句
●最高点(7点)
★植田村明けゆく月のみずみずし/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

●6月月例ネット句会投句案内●


●6月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2018年6月4日(月)午後1時~2018年6月10日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月10日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月11日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月11日(月)正午~6月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

6月月例ネット句会清記


■6月月例ネット句清記
2018年6月10日
14名42句 

01.医科大の古ぶ煉瓦や蔦茂る
02.娶らざる吾子の四十路や浮いて来い
03.うつすらと田圃アートの植田かな
04.朝刊のことりと音す五月晴
05.牧水の名付けし峠緑雨かな
06.ぬか雨の上がりし薔薇の美しく
07.新緑が映る水面の鮮やかさ
08.紫陽花を左右に眺め山門へ
09.折り畳み傘をかばんへ梅雨に入る
10.友と来て列待つ子らのかき氷

11.百合色の互いに光らせあう朝
12.揚羽きて小花に止まる瞬間
13.夏の草寝そべり思う遠い過去
14.暗がりに吹き込む夏風のばす足
15.遠雷に重なり響く泣き声よ
16.幼子の指の彼方に小鳥来る
17.雨を得て白く輝く七変化
18.夏の潮豊かなるかな河内灘
19.水満ちて山と玉苗写す今朝
20.植田村明けゆく月のみずみずし

21.田の植わりはるか石鎚青澄める
22.揚羽飛ぶ自由よ庭の出入りに
23.今日晴れて空の自由を得し揚羽
24.万両の花びらを反らして白し
25.雲厚き空なり栗の花匂う
26.稜線の高さを飛びぬ夏燕
27.果実酒の焼酎を買う梅雨曇
28.茎水漬くほど水あって菖蒲園
29.菖蒲田の遠目の花は明るかり
30.青草に水音立ちて蛍棲む

31.トマト苗葉にも花にも今朝の風
32.脇芽摘む朝のトマトの青匂う
33.オクラの実小さく尖り節もとに
34.水一面のまるい葉にあさざの黄
35.晴れの日は背を伸ばし咲く花菖蒲
36.どくだみの花の白さが山のよう
37.夕暮にやさしく留まるしおからとんぼ
38.燦々と陽に佇んでやまぼうし
39.あめんぼが元気に跳ねる昼の池
40.積み上げし本を抜き取り梅雨最中
41.短夜や夢の妻すぐ消え去りぬ
42.石段を登りて涼し大山寺

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■5月月例ネット句会入賞発表


■2018年5月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年5月13日

【金賞】
★湖へ差す強き朝日や更衣/小口泰與
湖へ差す朝日の変化。湖の波をきらめかす今朝の朝日は強いのだ。更衣の季節だ。朝日の強さ、更衣の身軽さが夏が来たことを実感させてくれる。泰與さんは取り合わせの句と得意とされるが、不即不離の関係が上手くいっている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★新緑に手を伸ばしつつ児の歩む/河野啓一
幼い児も新緑の季節は嬉しいのだろう。新緑に触れようとしてか、手を伸ばしながら歩く。かわいらしく、のびのびとした新緑のような児の姿が微笑ましい。(高橋正子)

★草笛の真直ぐ届く空の青/柳原美知子
草笛を巧みに鳴らす人にたまに出会うことがある。その音色が、真直ぐに青空へ響いていけよ、と願いたくなる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★もてなしの砥部の大皿初鰹/藤田洋子
砥部焼は、全くの白磁ではなく、やや乳白色で厚手の民芸磁器。それに藍色を大胆に染め出した模様が特徴。もてなされる人たちの真ん中にでんと出された砥部焼の大皿の初鰹。初夏の爽やかさに、遠慮なくいただけそうだ。(高橋正子)

★ふくらみを確かめ葉陰の豌豆採る/古田敬二
豌豆は、莢も葉も緑。葉陰の莢も見落とさないように、ふくらみ具合を確かめて収穫する。熟れすぎず、よく実の入った豌豆こそが美味しいのだ。そこは経験がものを言う。(高橋正子)

★束の間の甘き香りやパイナップル/廣田洋一
夏らしい色と匂いが思い浮かぶ句。パイナップルの甘酸っぱい匂いが一瞬ぷんとたつ。そのことで夏の明るさが出た。(高橋正子)

【高橋信之特選/9句】
★草笛の真直ぐ届く空の青/柳原美知子
子供の頃を思い出して鳴らす高音の草笛。鋭く鳴った。青空へ届くようだ。 (古田敬二)

★鮓飯をひろげ冷ましつ母思う/柳原美知子
鮓飯をひろげ、鮓の香りの清々しい初夏です。懐かしく優しい母の味はきっと受け継がれるのでしょう。お母様への思いがしみじみと温かく伝わります。(藤田洋子)

★児の帽子シロツメクサの花輪つけ/祝恵子
野で摘んだシロツメクサの花輪をつけた清楚でかわいらしい帽子に、夏野の日の匂うような少女の笑顔が目に浮かびます。 (柳原美知子)

★新緑に手を伸ばしつつ児の歩む/河野啓一
★湖へ差す強き朝日や更衣/小口泰與 
★登校の児童賑わうえごの花/桑本栄太郎
★ふくらみを確かめ葉陰の豌豆採る/古田敬二
★豆ご飯つやつや子らと卓囲む/藤田洋子
★茅花吹く風を荒しと見ていたり/高橋正子

【高橋正子特選/9句】
★もてなしの砥部の大皿初鰹/藤田洋子
砥部焼の大皿に盛った初鰹で客人をもてなそうとする方も、ご馳走になる方も、季節感に話が弾みます。窓の外は青葉がきらきらと輝いて見えるし、嬉しい鳥声が聞こえるかもしれません。(河野啓一)

★蹲に滴る山の丸く映ゆ/古田敬二
新緑の明るさがうれしいころです。ふと気がつくと蹲に山の姿が映っていました。清々しい五月の朝を感じます。(多田有花)

★一時を椅子に座しおりバラ香る/祝恵子
バラ園なのか、それともご自宅なのか、庭なのか、いずれにせよ、ひとときの寛ぎの感覚が新鮮です。(多田有花)

★窓越しの空の明るさ五月来る/高橋信之
★野に出でてわが誕生の月五月/高橋信之
★束の間の甘き香りやパイナップル/廣田洋一
★草笛の真直ぐ届く空の青/柳原美知子
★新緑に手を伸ばしつつ児の歩む/河野啓一
★湖へ差す強き朝日や更衣/小口泰與

【入選/16句】
★夏来たるを振る影畝に濃し/古田敬二
光の変化が最も確実に季節の変化を教えてくれます。ほどよい気温の立夏のあたり。しかし、日差しは確実に夏の強さになっています。農作業に勤しむなかでそれを感じられました。 (多田有花)

★鞘豌豆実りて陽に透く玉の列/古田敬二
蔓に生る鞘豌豆が陽に透けてみずみずしい限りです。収穫の時を迎えての実りの喜び、初夏の明るい季節感が感じ取れます。(藤田洋子)

★新緑や陰で足湯を待つ時間/祝 恵子
新緑のまぶしき季節。日差しもきつくなってきました。
そんな日差しを陰でかわしつつ、足湯の順番を待つ。初夏の季節感をあふれて感じます。 (高橋秀之)

★窓若葉娘の滞在のピアノ鳴る/藤田洋子
いつもは学校生活等であろうか?不在勝ちの娘がゴールデンウイークに帰宅していて、ピアノを奏でています。大きく開けた窓より、新緑の若葉が目に沁みるように心地良く、久しぶりに帰宅した娘のピアノの音を通して、懐かしくそして嬉しく想う親の心が良く出ている。 (桑本栄太郎)

★ふと母に問いかけしことカーネーション/藤田洋子
母は娘にとって常に道標であるような気がします。母の日のカーネーションを前に亡き母への敬慕の念が溢れてきます。 (柳原美知子)

★青き目の遍路姿や様になり/廣田洋一
異人さんもお遍路されているのですね。ご無事で旅を続けられますように。(祝恵子)

★たんぽぽの絮の揃いて夕茜/柳原美知子
入日のあかあかとした中たんぽぽの絮が入日を一杯に受けてどこまでも飛んで行く素晴らしい景ですね。 (小口泰與)

★青梅が木々の葉裏に育ちおり/多田有花
木々の葉裏に実を結ぶ青梅のみずみずしさがありありと目に浮かびます。これからも丸く育ちゆく梅の実に季節の喜びを感じます。(藤田洋子)

★新幹線トンネル抜ければ緑濃き/高橋秀之
トンネルを抜けて、いっそう鮮やかな木々の緑が目に入ります。新幹線の爽快さに、より緑美しい季節の旅の心地よさを思います。(藤田洋子)

★友送り悼むこの日や花は葉に/桑本栄太郎
長くお付き合いが続いていたご友人が亡くなられました。花が咲いて散り、葉桜となり、巡る季節にさまざまな思いが去来したことでしょう。(多田有花)

★雲の峰飯盒飯の炊きあがり/小口泰與
炊きあがった飯盒飯に歓声が聞こえ、青葉の向こうに
早くも立ち上がる雲の峰に解放感あふれる夏のキャンプ場の様子が目に浮かびます。(柳原美知子)

★D51の鋭き汽笛夏の河/小口泰與
★鍵ひとつ加え五月のキーホルダー/多田有花
★植えし苗確と根付きて夏に入る/古田敬二
★戯れる二頭の蝶は青空へ/高橋秀之
★幼子の声響く居間夏に入る/藤田洋子

■選者詠/高橋信之
★野に出でてわが誕生の月五月
明るい野の日差しの中で、心地よい風に吹かれ、真っ青な空を仰げば、今年もまた誕生の月、五月の到来が喜びをもって実感されます。28日にはお誕生日、おめでとうございます。 (柳原美知子)

★窓越しの空の明るさ五月来る
★無事大事卓上の皿のそら豆よ
★食卓のそら豆に亡き母を思う
★生きていることを喜びそら豆食う

■選者詠/高橋正子
★茅花吹く風を荒しと見ていたり
茅花の白い穂を大きく揺らす荒々しい風に驚き、しなやかに吹かれる野花の力強い生命力に夏の季節の到来が実感されます。 (柳原美知子)

★バスを降り眼前大きな竹の秋
★夏鶯憩えば天辺より鳴きぬ
★空へ空へポピーは赤き花を立て
★若竹の伸びたる宙の橋渡る

■互選高点句
●最高点(6点)
★もてなしの砥部の大皿初鰹/藤田洋子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■5月月例ネット句会清記


■5月月例ネット句清記
2018年5月13日
12名60句 

01.親兄弟揃い賑やか鯉のぼり
02.人の世の常やさまざま花の色
03.新緑に手を伸ばしつつ児の歩む
04.柿古木なお芽吹きつつ柿若葉
05.古池や色冴え来る花菖蒲
06.湖へ差す強き朝日や更衣
07.雲の峰飯盒飯の炊きあがり
08.D51の鋭き汽笛夏の河
09.あの頃のメトロの出口ソーダ水
10.大利根の水の流転や七変化

11.青梅が木々の葉裏に育ちおり
12.鍵ひとつ加え五月のキーホルダー
13.陽を受けし角度に開き若楓
14.はつなつの山路彩り餅躑躅
15.青鷺の孤影を映す山の池
16.登校の児童賑わうえごの花
17.教会の道のすがらや薔薇の垣
18.若楓かさね雨降るトンネルに
19.鼓打つ音の団地にたかしの忌
20.友送り悼むこの日や花は葉に

21.植えし苗確と根付きて夏に入る
22.夏来たる鍬を振る影畝に濃し
23.鞘豌豆実りて陽に透く玉の列
24.ふくらみを確かめ葉陰の豌豆採る
25.蹲に滴る山の丸く映ゆ
26.右に海左に新緑呉の旅
27.新幹線トンネル抜ければ緑濃き
28.延々と茂る葉桜河川敷
29.戯れる二頭の蝶は青空へ
30.軒下にかわいく泳ぐ鯉のぼり

31.児の帽子シロツメクサの花輪つけ
32.雨蛙ひやっと触れて他の鉢へ
33.一時を椅子に座しおりバラ香る
34.苦瓜の棚は脚立の助け借り
35.新緑や陰で足湯を待つ時間
36.幼子の声響く居間夏に入る
37.窓若葉娘の滞在のピアノ鳴る
38.もてなしの砥部の大皿初鰹
39.豆ご飯つやつや子らと卓囲む
40.ふと母に問いかけしことカーネーション

41.窓越しの空の明るさ五月来る
42.無事大事卓上の皿のそら豆よ
43.食卓のそら豆に亡き母を思う
44.生きていることを喜びそら豆食う
45.野に出でてわが誕生の月五月
46.赤と白一輪ずつの皐月かな
47.束の間の甘き香りやパイナップル
48.新緑や玄関の壁塗り直す
49.薊咲く休耕田の畔の道
50.青き目の遍路姿や様になり

51.矢車草初花ましろ一輪挿す
52.たんぽぽの絮の揃いて夕茜
53.草笛の真直ぐ届く空の青
54.鮓飯をひろげ冷ましつ母思う
55.初夏の丘に歓声ゴールする
56.バスを降り眼前大きな竹の秋
57.夏鶯憩えば天辺より鳴きぬ
58.茅花吹く風を荒しと見ていたり
59.空へ空へポピーは赤き花を立て
60.若竹の伸びたる宙の橋渡る

※互選を始めてください。7句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●5月月例ネット句会投句案内●


●5月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(春の句・夏の句)計5句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
※5句投句といたしますのでお間違いのないようにお願いします。

③投句期間:2018年5月6日(日)午前0時~5月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:5月13日(日)午後6時~5月13日(日)午後9時
②入賞発表:5月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、5月14日(月)正午~5月16日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之