■3月月例ネット句清記■


■3月月例ネット句清記
2019年3月10日
10名30句

01.川べりの地道歩めり春の水
02.古草の雨に明るき今朝の土手
03.遅き日や暮れて賑わう一輪車
04.山茱萸の花や虚空の星の数
05.残照のらせん階段春の猫
06.夕映えに染まる浅間山(あさま)や鳥交る
07.白鷺の見つめる先の水温む
08.紅梅にこたえて青し肥後の空
09.春の園そぞろ歩きの人あまた
10.春風が涙の跡をそっと撫で

11.新幹線ふたりで見る窓春の富士
12.日を合わす桜だよりを眺めつつ
13.癌の芽や三途の川の水草生ふ
14.湯煙や霞となりて山覆ふ
15.荒行を終へたる僧や春衣
16.顔洗い眠気眼の春の朝
17.空き缶の音弾ませる春の風
18.卒業歌響く学び舎鳩が舞う
19.ふくらんで蕾赤あかチューリップ
20.砂糖淡く色とりどりの雛あられ

21.菜の花に昔の空もあおあおと
22.下萌えを括るごとくにロープ柵
23.青き踏む薬袋を提げていて
24.青き踏む雀ちりぢりわが先を
25.梅の香の日差しをくぐり身も軽く
26.潮引いて舟底あらわ春の河口
27.白雲の流れミモザの黄の真上
28.春過ぎゆくや寺苑の樹々の生きいきと
29.夏へ移る草木の静かなる寺苑
30.空を見て地と見て夏近きと思う

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●3月月例ネット句会投句ご案内●


●3月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2019年3月3日(日)午前6時~2019年3月10日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:3月10日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:3月11日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、3月11日(月)正午~3月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

●入賞発表/2月月例ネット句会●


■2019年2月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年2月11日

【金賞】
★豆を撒く雨の匂いの闇やわらか/柳原美知子
豆撒きの夜は、節分の夜は、雨である。その雨の匂いがやわらかい。立春となる前夜の雨の闇。雨の匂いのする闇に、いち早く春の匂いを感じ取った。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★駅に来る度に確かむ梅便り/桑本栄太郎
駅には、どこそこの梅が開花したなどと、小旅行を誘うような梅だよりが張り出される。栄太郎さんの住む京都は、梅の名所も色々あって、楽しみなことであろう。梅をたのしもうと心はやるこの頃だ。(高橋正子)

★昇る陽の光が照らす梅の花/高橋秀之
「昇る陽」は朝日のことであるが、ゆっくりと昇ってくる輝く朝日が想像できる。昇る陽に照らされた梅がきらりとかがやき、新鮮だ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★風にまだ厳しさ残り藪椿/多田有花
俳句で椿というときは、主に野生の藪椿を指して、濃い緑のつややかな葉の中に赤い花が印象的な春の花だ。その藪椿が咲くと春だ。早々と咲きだした藪椿に、風は、まだ冷たく厳しい。その中で凛と咲く椿に魅かれる。(高橋正子)

★後ろ手に歩く小道や春来る/古田敬二
寒ければ、体は前に屈み、手は体近くに寄せる。春が来ると、小道を歩くとき、手は自然に後ろ手に。春の小道がうららかで楽しそうだ。(高橋正子)

★湘南を束の間白く春の雪/廣田洋一
2月9日には、首都圏にも雪が降った。湘南にも束の間春の雪が舞った。「湘南」には、遠く富士山を、傍に海を想像させて、句の景色をひろげている。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★春浅き山を猪駆けてゆく/多田有花
春めく日差しに動物の活動も活発になり、まだ冷たい山の風と共に駆け抜ける猪の疾走と木々の芽吹く山の情景が目に浮かびます。 (柳原美知子)

★雪降ってバス待つ子らの頬赤し/西村友宏
真白く降り積もった雪の中、バスを待つ子らの賑やかな声が聞こえ、白息と赤い頬が温かい絵本のような情景ですね。 (柳原美知子)

★霙ふる音に重なる鍵開く音/高橋正子
冷え込んだ日、雨は霙になっていました。その音に混じって鍵を開ける硬い音が聞こえました。音の重なる瞬間を鋭敏にとらえられた御句です。 (多田有花)

★駅に来る度に確かむ梅便り/桑本栄太郎
★後ろ手に歩く小道や春来る/古田敬二
★昇る陽の光が照らす梅の花/高橋秀之
★豆を撒く雨の匂いの闇やわらか/柳原美知子

【高橋正子特選/7句】
★湘南を束の間白く春の雪/廣田洋一
数日前から関東地方は春の冷え込みでした。都心は氷点下になったとか。海辺の湘南でも雪が積もったのですね。湘南という地名が生きている、と思います。 (多田有花)

27.菜の花の束を山積み若草色/高橋句美子
山積みの菜の花の柔らかな瑞々しさが若草色に表わされ、春の到来の喜びが感じられます。 (柳原美知子)

★雪降ってバス待つ子らの頬赤し/西村友宏
真白く降り積もった雪の中、バスを待つ子らの賑やかな声が聞こえ、白息と赤い頬が温かい絵本のような情景ですね。 (柳原美知子)

★駅に来る度に確かむ梅便り/桑本栄太郎
★風にまだ厳しさ残り藪椿/多田有花
★昇る陽の光が照らす梅の花/高橋秀之
★豆を撒く雨の匂いの闇やわらか/柳原美知子

【入選/12句】
★榛名湖の波の尖りし余寒かな/小口泰與
榛名湖は那須火山帯の上毛三山の、一つ榛名山の麓に出来た火口湖である。冬の寒さは格別であり、結氷した湖面でのワカサギ釣りは特に有名である。この冬は 暖冬と言われ、結氷していなくても波が尖っているような余寒である。(桑本栄太郎)
今年は寒が明けてからの方が寒さが強い。榛名湖の波が尖がるのを見るとその寒さが余計身に迫ってくる。(古田敬二)

★鬼追いの餅つく音が境内に/多田有花
檀家さんが集まっての鬼追いの餅つきでしょうね。境内での餅つき、子供たちも取り囲んでいるのでしょうか。(祝恵子)

★雪が舞い三連休の家籠り/高橋句美子
昨9日は首都圏にも大雪の予報が出て、交通の混乱も予想された。予定していた句会も中止となり、私も3連休を家籠りする結果となった。雪は大したことはなかったが、予報で混乱する首都圏の状況を上手く詠んだ。(廣田洋一)

★七色の金平糖や春の星/小口泰與
七色の金平糖と春の星の華やぎに新たな季節の到来と喜びが感じられます。 (柳原美知子)

★紅梅の青空占めて日差しけり/桑本栄太郎
地元の梅林はかなり開花が進んでいます。晴天の日、梅の木の下へ出かけて花を見上げると空の青さを背景に梅の花の色が広がります。 (多田有花)

★芽吹き待つ樹幹を白き機影飛ぶ/古田敬二
きっと春の芽吹きを感じる大きな木の幹を見上げているのでしょう。その向こうに轢こう雲を残す機影が見える。大きな景色を感じさせてくれます。(高橋秀之)

★寒梅やお濠に遊ぶ舟のあり/祝 恵子
大阪城でしょうか。今年は暖冬で梅の開花が早く、大阪城周辺でももうかなり開いているでしょう。梅を楽しみつつお濠を行く舟があります。 (多田有花)

★雪ちらり見ている内に風となる/祝 恵子
ちらりと舞い降りてきた雪の行方を追う視線の温かさと童心にかえる心持ちに惹かれます。 (柳原美知子)

★節分の豆を母にとお裾分け/高橋句美子
子どもたちが独立すると節分の豆まきをすることもなくなったのでしないでしょうか。そんな実家の母に節分の豆を届けるところに子の親への思いを感じます。 (高橋秀之)

★顔よごし帰る白猫春隣/柳原美知子
暖かくなると猫の行動も活発になってくるのでしょう。白猫であればこそ、顔を汚して帰ってくることでそれが分かる。いよいよ春隣の季節です。 (高橋秀之)

★朝練の掛け声高し冴返る/ 廣田洋一
★黒毛牛尾を振る畜舎風二月/柳原美知子

■選者詠/高橋信之
★今日の空朝から冬晴れ外へ出る
朝起きたら晴れている冬空が、外出への気持ちを高めてくれ、気持ちよく外に出掛けられそうです。(高橋秀之)

★二ン月の朝を楽しむ吾が居る
★冬晴れの空の朝よ妻と居る

■選者詠/高橋正子
★白鳥の羽打つ飛沫金色に
1月,2月と毎週白鳥の撮影に出かけいますが、夕映えの光を浴びた白鳥が盛んに水面に羽を打ち付けている景を毎回見ていますが、素晴らしい白鳥の景を詠っている景を拝見して、まさにこの御句のとおりです。有難う御座います。 (小口泰與) 

★霙ふる音に重なる鍵開く音
冷え込んだ日、雨は霙になっていました。その音に混じって鍵を開ける硬い音が聞こえました。音の重なる瞬間を鋭敏にとらえられた御句です。 (多田有花) 

★セロリ―のぱきと折れたる水飛沫

■互選高点句
●最高点(6点)
★湘南を束の間白く春の雪/廣田洋一

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■2月月例ネット句清記■


■2月月例ネット句清記
2019年2月10日
12名36句

01.榛名湖の波の尖りし余寒かな
02.七色の金平糖や春の星
03.夕暮の回転扉(ひ)より春ショール
04.北山の峰のはだれや青き空
05.紅梅の青空占めて日差しけり
06.駅に来る度に確かむ梅便り
07.鬼追いの餅つく音が境内に
08.風にまだ厳しさ残り藪椿
09.春浅き山を猪駆けてゆく
10.春きたる明るき光の句会席

11.後ろ手に歩く小道や春来る
12.芽吹き待つ樹幹を白き機影飛ぶ
13.映画館の闇で小さな恵方巻
14.昇る陽の光が照らす梅の花
15.生駒山霞の向こうにぼんやりと
16.紅梅やほのかに香る庭の隅
17.湘南を束の間白く春の雪
18.朝練の掛け声高し冴返る
19.寒梅やお濠に遊ぶ舟のあり
20.雪ちらり見ている内に風となる

21.青空市魚もさばく冬広場
22.冬の朝気持ち新たに梅ジュース
23.雪降ってバス待つ子らの頬赤し
24.休暇取り親子で臨む受験かな
25.節分の豆を母にとお裾分け
26.雪が舞い三連休の家籠り
27.菜の花の束を山積み若草色
28.霙ふる音に重なる鍵開く音   
29.セロリ―のぱきと折れたる水飛沫
30.白鳥の羽打つ飛沫金色に        

31.二ン月の朝を楽しむ吾が居る
32.今日の空朝から冬晴れ外へ出る
33.冬晴れの空の朝よ妻と居る
34.顔よごし帰る白猫春隣
35.豆を撒く雨の匂いの闇やわらか
36.黒毛牛尾を振る畜舎風二月

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●2月月例ネット句会投句ご案内●


●2月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(冬の句・春の句)3句
②投句期間:2019年2月4日(月)午前6時~2019年2月10日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月13日(月)正午~2月14日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■1月月例ネット句会/入賞発表(2019年)


■2019年1月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年1月14日

【金賞】
20.七草の真白きものより刻みゆく/祝恵子
七草は正月七日、七種類の若菜を粥に炊きものとは、菘かすずしろのことであろう。真白き゜ものを先に刻むことで、なにかしら神事めいた気持ちになる。新年の始めの清潔感のある句だ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
01.寒林の高き梢や青空に/桑本栄太郎
寒林の高い梢は青空にその枝枝を広げ、青空には、はや明るい日差しが射している。梢は日差しに春を予感し、厳寒の寒さに煌めいている。(高橋正子)

15.冬芽せる桜並木を子と仰ぐ/廣田洋一
冬芽の桜を見つけ、子と一言二言言葉を交わしたのであろう。桜の季節を楽しみに、親子のさりげなく静かな情愛が詠まれている。(高橋正子)

【銅賞/3句】
07.暖房を入れてデスクへ初仕事/高橋秀之
初仕事は、部屋に暖房を入れることから。暖房のスイッチを入れ、デスクへ。確かな手順で今年も仕事を始めた。(高橋正子)

28.破魔矢の鈴鳴らして降りる石段を/高橋句美子
神社で破魔矢をもらい、手に持てば、鈴が揺れてりんりんとかわいい音で鳴る。石段を下りるときは、体も上下して音も大きくなる。破魔矢を持つときの新しく、嬉しい気持ちである。(高橋正子)

21.一つとて同じ猪なし年賀状/祝恵子
今年は亥年。年賀状には思い思いの猪が描かれたり、デザインされたりして、一つとして同じものがない。一枚一枚見て、微笑んでいる作者の様子が思い浮かぶ。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
01.寒林の高き梢や青空に/桑本栄太郎
今頃の空気の感覚がよくわかります。寒さは厳しいけれど、日差しは明るさを増し、春が日ごと近づいているのを感じます。 (多田有花)

20.七草の真白きものより刻みゆく/祝恵子
七草がゆの材料は白いものが多い。どれから始めても白色が多い。あえて白いものを選んで刻むとしたところの七草がゆの緑の葉っぱが思い浮かぶ。 (古田敬二)

15.冬芽せる桜並木を子と仰ぐ/廣田洋一
桜の木々に冬芽を見つけ春が来て花が咲くのが待ち遠しく感じられます。(高橋句美子)
桜は冬の間に次の春に咲く花の準備を整えます。寒中でまだ蕾がほころぶのは先ですが、それを思いながら、お子さんと連れ立って歩かれています。 (多田有花)

07.暖房を入れてデスクへ初仕事/高橋秀之
仕事納めが28日、初仕事は4日でしょう。新年あらたな気持ちで仕事場に入り、暖房をつけられました。 日常の始まりです。(多田有花)

21.一つとて同じ猪なし年賀状/祝恵子
28.破魔矢の鈴鳴らして降りる石段を/高橋句美子
33.山茶花に七草の空あおあおと/高橋正子

【高橋正子特選/7句】
10.包丁に体重載せて餅を切る/古田敬二
鏡餅でしょう。鏡開きの後、それを細かくして善哉などにします。大きな硬い餅に挑んでいる姿が見えてきます。 (多田有花)

01.寒林の高き梢や青空に/桑本栄太郎
15.冬芽せる桜並木を子と仰ぐ/廣田洋一
20.七草の真白きものより刻みゆく/祝恵子
21.一つとて同じ猪なし年賀状/祝恵子
25.温泉に浸かって気づく冬の月/ 西村友宏
34.雑煮食う餅の強さを歯にあてて/高橋信之

【入選/10句】
05.上州に冬の名だたる風のあり/小口泰與
義理の兄弟姉妹が上州に住んでるが、いつも冬は、風が強いから春になったら遊びにおいでと言う。そう言う土地の厳しさを教えてくれる名句である。(廣田洋一)

08.獅子舞に頭を食われ照れ隠し/高橋秀之
獅子舞に出くわし、無病息災を願って頭を噛んでもらったお子さんの可愛らしい仕草や照れ笑いが目に浮かびます。今後も引き継がれたい日本のお正月の情景ですね。(柳原美知子)

13.喜寿過ぎて働く余生破魔矢受く/廣田洋一
この正月を迎え喜寿(77歳)となったが、まだ健康で働く事が出来る。その事の感謝と、更にいつまでも健やかなる事を願って破魔矢を受けた。喜びと明るい正月の心情が良い。 (桑本栄太郎)

18.時雨がちなれど愉しき初ハイク/多田有花
時雨などなんのその、年明けに早くもハイキング、羨ましい、お元気ですね。(祝恵子)

23.皮をはぐ寒鰤の身の弾力よ/柳原美知子
寒中の鰤は12月から正月にかけて味は増し、その頃が旬とされている。その生き生きとした鰤の美味しい素晴らしさを素敵に表現されていると思います。 (小口泰與)

04.浅間山かがやき増すや冬の朝/小口泰與
冬の朝日の鮮烈な光を受けて、浅間山は一段と輝きを増し、今日の始まりを明るく勇気づけてくれるようです。 (柳原美知子)

02.朝日さす水面まぶしく寒晴るる/桑本栄太郎
12.初氷子供心で割ってみる/古田敬二
17.底冷の大和三山歩きけり/多田有花
22.ていれぎの水はればれと寒の鯉/柳原美知子

■選者詠/高橋信之
34.雑煮食う餅の強さを歯にあてて
しっかりと搗かれた粘りのある雑煮餅を、しっかりと噛んで味わわれ、年の始めの意気込みが感じられます。今年もお元気で、良き年でありますように。 (柳原美知子)

35.餅良かれ白きねばりの雑煮食う
36.冬始め妻の高声聞いており

■選者詠/高橋正子
31.冬晴れにひろげたきもの心の帆
冬晴れの澄んだ日の大空に大きな心の帆を広げてそのまま出航したくなる。そんな心の清々しさを感じます。(高橋秀之)

33.山茶花に七草の空あおあおと
ふと見上げた七草の空の澄み切った青さの中、山茶花の花が清々しく、寒さの中にも春遠からじの解放感が感じられます。 (柳原美知子)

32.寒浄し桜餅さえ白き色

■互選高点句
●最高点(7点)
20.七草の真白きものより刻みゆく/祝恵子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

1月月例ネット句清記


■1月月例ネット句清記
2019年1月13日
12名36句

01.寒林の高き梢や青空に
02.朝日さす水面まぶしく寒晴るる
03.露凝るやカーテン開けて流れ初む
04.浅間山かがやき増すや冬の朝
05.上州に冬の名だたる風のあり
06.書き留むる事の多多あり老いの
07.暖房を入れてデスクへ初仕事
08.獅子舞に頭を食われ照れ隠し
09.初夢に託す今年の運試し
10.包丁に体重載せて餅を切る

11.夕餉には男三人寒蜆
12.初氷子供心で割ってみる
13.喜寿過ぎて働く余生破魔矢受く
14.鏡開き餅の底蓋開きけり
15.冬芽せる桜並木を子と仰ぐ
16.広々と橿原神宮寒参
17.底冷の大和三山歩きけり
18.時雨がちなれど愉しき初ハイク
19.菰巻きやお囃子続くささもってこい
20.七草の真白きものより刻みゆく

21.一つとて同じ猪なし年賀状
22.ていれぎの水はればれと寒の鯉
23.皮をはぐ寒鰤の身の弾力よ
24.ピッツァ焼く火を冬窓に古希の杯
25.温泉に浸かって気づく冬の月
26.箱根駅伝見て走りたくなっており
27.窓結露炬燵の電源強とする
28.破魔矢の鈴鳴らして降りる石段を
29.新年の白いカーテン朝陽光り
30.獅子舞の獅子に噛まれる音カクと

31.冬晴れにひろげたきもの心の帆
32.寒浄し桜餅さえ白き色
33.山茶花に七草の空あおあおと
34.雑煮食う餅の強さを歯にあてて
35.餅良かれ白きねばりの雑煮食う
36.冬始め妻の高声聞いており

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●1月月例ネット句会ご案内(2019年)●


●1月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(新年・冬の句)3句
②投句期間:2019年1月8日(火)午前6時~2019年1月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月14日(月)正午~1月17日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

謹賀新年


謹賀新年。 

 
今年もよろしくお願いいたします。
                    高橋信之
                    高橋正子

朝寒し木彫りの猪が身を低く  信之
一刀彫の猪の力に年治む    正子

12月月例ネット句会/入賞発表


■2018年12月月例ネット句会■
■入賞発表/2018年12月10日

【金賞】
03.一斉にその時来たり木の葉散る/桑本栄太郎
木の葉が散る。いろんな木木があるけれど、散る時がきて、それらが一斉に散る。落葉時雨に出会ったのであるが、「一斉にその時来たり」の自然界の不思議さが詠まれている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
14.静かな雨冬のレモンを切りにけり/多田有花
しずかな冬の雨の日。レモンを切った。レモンティーに入れる一片だろうか。そのあとの生活が想像できる。レモンを切って静かにお茶を飲むのだろうか。いい時間だ。主題は「冬のレモン」。「冬の雨」がテーマではないところが新鮮だ。(高橋正子)

31.しぐれきて道後に響く刻太鼓/柳原美知子
道後温泉には「振鷺閣」という小さい塔のようになった部分に刻を知らせる太鼓「刻太鼓(ときだいこ)」がある。明治27年からずっと鳴らされていて、一日3回朝6時、正午、夕方6時に太鼓が打たれる。空をしぐれが過る。はからずも刻を知らせる太鼓が鳴って、昔ながらの情緒に浸る。しぐれの寒さに温泉の湯に浸りたい気持ちも湧く。(高橋正子)

【銅賞/3句】
22.芽水仙日の回り来る庭の隅/藤田洋子
「芽水仙」が可愛い。水仙は築山などの木の根元や、庭の隅に植えられて、年々芽を出してくれる。庭隅の水仙にも日が巡りくる時間があるのだ。そんなとき、水仙の芽が愛おしくなる。形が整った句だ(高橋正子)

10.スケートを滑る子こける子ながめる子/祝 恵子
スケートをする子どもの世界を詠んでいて、読むと、思わず楽しい気持ちになる。スケートを滑る子どもの様子は様々。読み手が子どもたちの様子を楽しんでいるのが伝わり、なお、楽しくなる。(高橋正子)

07.冬の瀬戸さざ波青く空に溶け/河野啓一
青い海が青い空に同化する様子が目に浮かびます。(高橋句美子)

【高橋信之特選/7句】
23.被災地の蜜柑生りしと届けらる/藤田洋子
蜜柑と言えば、瀬戸内、それも愛媛県の伊予蜜柑を連想します。7月のあの大変な豪雨水害の後、蜜柑が生ったと届けらた。おそらく知人、又は親戚の事であったものと推察されるが、少しづつ復旧している様子にひと安堵の作者です。 (桑本栄太郎)

33.風花の触れくる丘に線香立て/柳原美知子
お墓参りでしょう。風花が舞う寒い日、丘の墓地を訪れ線香をたてます。風に線香の煙が揺れて流されていきます。 (多田有花)

03.一斉にその時来たり木の葉散る/桑本栄太郎
08.大西日島々すべて茜色/河野啓一
14.静かな雨冬のレモンを切りにけり/多田有花
31.しぐれきて道後に響く刻太鼓/柳原美知子
38.冬夕焼け工事現場に水打たれ/高橋正子

【高橋正子特選/7句】
10.スケートを滑る子こける子ながめる子/祝 恵子
すごく微笑ましい情景が浮かんできます。楽しい句です。 (高橋秀之)

22.芽水仙日の回り来る庭の隅/藤田洋子
ようやく芽を出した水仙 のいとけなさ。冬の日差しが庭の隅にも届き、これからの成長が楽しみです。何気ない日常にも優しい心配りが感じられます。(柳原美知子)

03.一斉にその時来たり木の葉散る/桑本栄太郎
14.静かな雨冬のレモンを切りにけり/多田有花
27.仕事終え疲れ和らぐオリオン座/西村友宏
31.しぐれきて道後に響く刻太鼓/柳原美知子
33.風花の触れくる丘に線香立て/柳原美知子

【入選/14句】
04.次つぎに当て字の妙や漱石忌/小口泰與  
当意即妙の当て字を多用した漱石。当時の日本語の成り立ちにも大いに影響したとか。そのあたりの事情を紹介しされ巧みな句と思いました。 (河野啓一)

13.木枯に愛でぬ最後の彩りを/多田有花(正子添削)
木の葉を落し枯木にしてしまう強い風に辛うじて残る赤、黄色、緑の葉の色を極めた冬紅葉の素晴らしさを愛でる作者。素敵な景ですね。 (小口泰與)

16.冬山の色付きを背に渡月橋/高橋秀之
渡月橋から見る山のまだ残る紅葉。振り向いた景色がいい感じなのですね。(祝恵子)

25.足早にゴミ出す朝の息白し/西村友宏
朝、寒いのでゴミを出す時は、急ぎ足になる。その時に吐く息が白く見えた。朝の一瞬の変化を捉えたのが上手い。 (廣田洋一)

05.笹鳴や湖を見下ろす祖父の墓/小口泰與
あたりの静けさをいっそう際立たすような、冬を越す鶯の地鳴き。ご祖父様がしみじみと偲ばれるような笹鳴の静かな情景です。(藤田洋子)

12.冬灯し法事の僧の太い声/祝 恵子
寒中の法事は、寂しく気持ちも滅入りがちですが、お坊さんの太い声の堂々とした読経に少しずつ心も温まり、救われる思いがします。 (柳原美知子)

15.谷へ散る紅葉を傾く陽が照らす/多田有花
谷へと散りゆく紅葉の動きが見てとれるようです。午後の日の傾く頃、柔らかな陽射しを纏う紅葉がいっそう美しく、静かに深まる冬を感じます。(藤田洋子)

21.この年は病多かり日記果つ/廣田洋一
年の瀬、誰もが一年を振り返りその感慨にふけります。詠者にとっては病が多かった一年でした。来年は健やかな年であれば、と願います。 (多田有花)
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9.熟れし柿誰も取らずに枝垂れる/高橋句美子
落葉した木々の中、赤い実をびっしりつけた柿の木が目につきます。住人のいない庭でしょうか、ここまでに成長した年月が思われ、一抹の寂しさを感じます。 (柳原美知子)

30.冬の鍋あれもこれもと急ぎ入れ/高橋句美子
忘年会でしょうか。鍋物を囲み、並んだ食材を次々鍋に入れてしまいます。食材の煮え方にムラが出たりすることも。早く食べたいと逸る気持ちがよく出ています。 (多田有花)

17.参道にわずかな落ち葉天龍寺/高橋秀之
20.嫁ぎし子戻ると決めて年の暮/廣田洋一
26.寝る前にあともう一つ蜜柑食べ/西村友宏
寝る前に食べるのは健康によくないと知りつつ、ついつい目の前の蜜柑を食べてしまう。のどかな日本の光景です。(高橋秀之)

34.逞しき前歯で林檎美味そうに/古田敬二
前歯が生えそろったお子様なんでしょうか。大きく口を開けて前歯で威勢よく齧る林檎は、それだけで美味しそうです。(高橋秀之)

※正子添削の句は、多くの皆さんが選ばれていますが、意味の上で表現に間違いがありますので、添削しました。

■選者詠/高橋信之
41.冬晴れのものみな良しと思う吾
瀬戸内沿岸部の冬のよく晴れた日もこういう印象です。日差しは最も弱くなるころですが、空は明るく裸になった木々の枝がその青空をさしています。すっきりさっぱりと清々しい晴れです。 (多田有花)

40.地が平ら天が平らに冬来る
42.天があり地があり冬の野を歩く

■選者詠/高橋正子
37.牡蠣洗う洗いたるほど水冷たし
水の冷たさも厭わず丁寧に洗われる牡蠣。洗うほど感じる水の冷たさに、新鮮な牡蠣の白さが見えてくるようです。旬の恵みをいただく細やかな心配りをも感じられます。 (藤田洋子)
剥いた牡蠣の実をさらに洗う。冷たい水で洗うほど美味しくなるという。冷たい手を我慢してさらに洗う。 (古田敬二)

38.冬夕焼け工事現場に水打たれ
冬夕焼けが町を染める頃、工事現場がきれいに片付けられ、水まで打たれている。最後まで手を抜かない丁寧な仕事ぶりがうかがえ、心地よい光景に心温まる夕暮れです。 (柳原美知子)

39.残菊の黄色ばかりが暮れ残る

■互選高点句
●最高点(同点3句/6点)
03.一斉にその時来たり木の葉散る/桑本栄太郎
07.冬の瀬戸さざ波青く空に溶け/河野啓一
31.しぐれきて道後に響く刻太鼓/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。