■3月月例ネット句会清記■


■3月月例ネット句会清記■
2020年3月8日
13名(39句)

01.春風や朝の光のグラデーション
02.雨後の朝名の木の芽の真珠玉
03.隠り沼の刹那華やぐ落椿
04.麗かや今日は異なる道をゆく
05.突堤に若布刈るなり少年ら
06.海苔拾う日差し輝く浜辺にて
07.水底を見やれば揺るる蘆の角
08.腹這いの子等の水面へ蝌蚪の紐
09.一画の花菜明かりや丘の畑
10.砂利舟のポンポンポンと春の川

11.子と摘みし穏やかな日よつくつくし
12.初蝶の黄のひらひらと垣根より
13.手を離し始めの一歩雛の日
14.初雛花麩ふっくら椀開く
15.小さき手の紙の切り絵に雛生まる
16.添寝して見入る寝顔や春灯
17.また一つ中止になりて春の闇
18.津波のごとコロナ湧き来て春寒し
19.葱坊主茎太ければ太く咲く
20.じゃが芋を地中に深く植えにけり

21.産婦人科菜の花色の灯を灯す
22.窓いちめん海猫浮いて春の潮
23.梅満ちし谷を貫く水の音
24.雛飾る夫の遺愛の学習机
25.庭仕事終えて煎茶と春の鳥
26.さえずりとピアノの音と跳ねた髪
27.あす受験人事尽くして朧月
28.庭の梅池を流れる紅い花
29.河津桜青い葉っぱと青空と
30.菜の花の絵葉書明るい朝日射す

31.曇り空見上げて見れば春の雪
32.窓外の遠くの空は春の雪
33.早春の晴れて元気に歩く子よ
34.医師の手にバレンタインの紙袋
35.千代紙の雛の迎える緩和ケア
36.木蓮の芽のさみどりに春の雨
37.日暮れては菜の花灯るごときなり
38.雨空の白さに溶けて花辛夷
39.雨降れば黄水仙のみなうつむき

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

■3月月例ネット句会ご案内■


●3月月例ネット句会ご案内●
①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2020年3月2日(月)午前6時~2020年3月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:3月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:3月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、3月9日(月)正午~3月5日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■2月月例ネット句会/入賞発表■


■2020年2月月例ネット句会■
■入賞発表/2020年2月10日
【金賞】
★山際のほんのり赤く春立ちぬ/桑本栄太郎
山際は空が山と接するところ。その空がほんのり赤く染まり春立つ日となった。ほんのり赤い山際がやわらかく、『枕草子』の「春はあけぼの」を思い起こさせるような句だ。京都に住まう作者ならではの句だ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★支流より水が水押す雪解かな/小口泰與
山々の雪が解け、支流の川から水が勢いよく流れてくる。次々に「水が水押す」様に、急ぎ流れる雪解川が目に見えるような句だ。(高橋正子)

★ランナーの走り抜け行く春の森/古田敬二
春の森の中。ランナーが春の森を抜けて走る。ランナーの軽快な走りに合わせ、春の森も鼓動を打つようだ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★ビル染める夕陽明るく春立つ日/上島祥子
ビルを染める夕陽がぱっと明るいのだ。春立つ日の夕陽の明るさを、ビルに見つけた新鮮な驚きが直に伝わる。(高橋正子)

★寺囲む白水仙をつたう道/髙橋句美子
寺を囲んで白水仙が咲いている。寺に沿い歩くことは、白水仙を伝って歩くこと。しずかに落ち着く綺麗な道だ。(高橋正子)

★初受験父よりもらう万年筆/西村友宏
初めての受験に父が万年筆をくれた。試験に使うわけではないだろうが、受験の勝負に向かう息子への父の思いが万年筆に託されている。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★山際のほんのり赤く春立ちぬ/桑本栄太郎
★ランナーの走り抜け行く春の森/古田敬二
★初受験父よりもらう万年筆/西村友宏
★青空に触れて今年の梅真白/高橋正子
★ビル染める夕陽明るく春立つ日/上島祥子
★節分の豆頬張れば香ばしい/髙橋句美子
★寺囲む白水仙をつたう道/髙橋句美子

【高橋正子特選/7句】
★支流より水が水押す雪解かな/小口泰與
水が水を押す勢いを感じました。(髙橋句美子)

★赤子負うねんねこ姿春寒し/祝恵子
赤子を負うのは母親でしょうか。春の寒さに負けることなく頑張るお母さんがそこにいます。そういえば、最近はねんねこ姿もめっきり減って懐かしさも覚えます。(高橋秀之)

★ランナーの走り抜け行く春の森/古田敬二
★初受験父よりもらう万年筆/西村友宏
★やわらかき雲浮き来れば冬温し/川名ますみ
★ビル染める夕陽明るく春立つ日/上島祥子
★寺囲む白水仙をつたう道/髙橋句美子

【入選/16句】
★壬生寺の壬生狂言や追儺の夜/桑本栄太郎
壬生狂言は、毎年節分と4月、10月に京都市中京区の壬生寺で演じられる無言劇。「壬生寺の壬生狂言」という言葉の連なりと「追儺の夜」が響きあって京都らしさを感じます。 (多田有花)

★花の兄(え)や長子家業を守りたる/小口泰與
花の兄(え)とは梅の事である。桜に先駆け、寒くても震えながら凛と咲く梅の花は、家業を守る長子の覚悟にも似て健気である。 (桑本栄太郎)

★夕映えの沼に一列小白鳥/小口泰與
夕日に映える小白鳥の群れ、それも一列に。見てみたい光景です。 (祝恵子)

★片付けに明け暮れるうち二月早や/多田有花
バタバタしているうちに気が付けばもう二月も早や幾日かすぎている。月日の経つ早さを感じます。(高橋秀之)

★澄み渡る神戸の夜景春立つ日/高橋秀之
まだ寒さは厳しいがさすがに日脚は伸び、木々の芽吹いている春立つ日、神戸の空は星が輝き深い空には月が煌々と輝き春を迎える安ど感があります。素晴らしい景ですね。 (小口泰與)

★園児らの頬っぺた赤き余寒かな/廣田洋一
わが家の子どもたちにもこういう時期がありました。園児たちは大人と違いほっぺた赤くても元気いっぱいです。 (高橋秀之)

★残業の子の帰り来てから福は内/古田敬二
仕事で遅くなられるお子さん、その帰りを待ってから豆まきをするというのも親心ですね。 (多田有花)

★ラの音で走る列車よ今朝立春/川名ますみ
絶対音感の持ち主は聞こえる音すべてが音階になるそうです。「ラの音で走る」とはそういう感覚か、と感じました。こういうの、絶対音感の持ち主でなければ思いつかないですね。 (多田有花)

★紅梅と富士と多摩川窓一枚/川名ますみ
富士の麓を多摩川が流れる、大きな景の中心に紅梅が咲き誇っている。春らしき良い景色です。(廣田洋一)

★まず白が満開となり梅の庭/上島祥子
紅梅も白梅も早生から晩生までさまざまな品種があります。こちらのお庭の白梅は早生のようです。馥郁たる香りが庭いっぱいに広がります。 (多田有花)

★奥山の姿隠して春の雪/ 多田有花
★福豆の踏み砕かれている朝(あした)/古田敬二
★春落葉踏みしめ歩く観音寺/祝恵子
★チャイム鳴り子らが駆けてく春うらら/西村友宏
★カプチーノ泡のひと匙春立てり/柳原美知子
★海よりのさざ波河口に春の鴨/柳原美知子

■選者詠/高橋信之
★冬コート脱ぎ捨てられて妻の椅子
★冬天がひろびろとして吾に広し
★二ン月の青空高し鳥達に

■選者詠/高橋正子
★冴え返る青一枚の空をもて
雲ひとつない真青な空の下、寒気が戻り澄みわたる景色の中、心身ともに清冽な感覚を呼び覚まされるようです。 (柳原美知子)

★青空に触れて今年の梅真白
★梅・椿屋敷木立のなかに咲く

■互選高点句
●最高点(同点7句/3点)
03.山際のほんのり赤く春立ちぬ/桑本栄太郎
04.支流より水が水押す雪解かな/小口泰與
12.澄み渡る神戸の夜景春立つ日/高橋秀之
13.残業の子の帰り来てから福は内/古田敬二
25.冴え返る青一枚の空をもて/髙橋正子
28.園児らの頬っぺた赤き余寒かな/廣田洋一
39.海よりのさざ波河口に春の鴨/柳原美知子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■2月月例ネット句清記(2020年)■


■2月月例ネット句清記
2020年2月9日
14名(42句)

01.壬生寺の壬生狂言や追儺の夜
02.黒々と樹々の梢や寒夕焼
03.山際のほんのり赤く春立ちぬ
04.支流より水が水押す雪解かな
05.花の兄(え)や長子家業を守りたる
06.夕映えの沼に一列小白鳥
07.片付けに明け暮れるうち二月早や
08.いやむしろ心地よきかなこの余寒
09.奥山の姿隠して春の雪
10.友が撮る写真に冬鳥船の上

11.手掴みのケーキの嬉しさ冬の旅
12.澄み渡る神戸の夜景春立つ日
13.残業の子の帰り来てから福は内
14.福豆の踏み砕かれている朝(あした)
15.ランナーの走り抜け行く春の森
16.赤子負うねんねこ姿春寒し
17.春落葉踏みしめ歩く観音寺
18.大根の即席漬は味噌の味
19.冬コート脱ぎ捨てられて妻の椅子
20.冬天がひろびろとして吾に広し

21.二ン月の青空高し鳥達に
22.初受験父よりもらう万年筆
23.初受験父にもらったペン・時計
24.チャイム鳴り子らが駆けてく春うらら
25.冴え返る青一枚の空をもて
26.青空に触れて今年の梅真白
27.梅・椿屋敷木立のなかに咲く
28.園児らの頬っぺた赤き余寒かな
29.青空に高く伸びたる辛夷の芽
30.梅見茶屋の抹茶をすする日和かな

31.ラの音で走る列車よ今朝立春
32.やわらかき雲浮き来れば冬温し
33.紅梅と富士と多摩川窓一枚
34.ビル染める夕陽明るく春立つ日
35.まず白が満開となり梅の庭
36.春の海検疫待ちのクルーズ船
37.熊手売れ手締め高らか椿祭り
38.カプチーノ泡のひと匙春立てり
39.海よりのさざ波河口に春の鴨
40.春炬燵だれも動かずうたた寝す

41.節分の豆頬張れば香ばしい
42.寺囲む白水仙をつたう道

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●2月月例ネット句会投句ご案内●


●2月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(冬の句・春の句)3句
②投句期間:2020年2月3日(月)午前6時~2020年2月9日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月10日(月)正午~2月13日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

1月月例ネット句会/入賞発表


■2020年1月月例ネット句会■
■入賞発表/2020年1月12日

【金賞】
06.寒梅の日暮れても紅失わず/小口泰與
寒中とは言え、日差しが少しずつ明るくなっている。日暮れても寒紅梅の紅が残り、いきいきと紅を発している。暮れ残る紅に春の気配がのぞくのである。(高橋正子)

【銀賞/2句】
17.真っ直ぐに差し込む朝日注連飾り/高橋秀之
年が改まり、注連飾りへ真っ直ぐに、まっさらな朝日が差し込む。ゆがまず、まっすぐ差す新年の朝日に今年一年の勢いを見る思いだ。(高橋正子)

37.たらの芽の香のみずみずし里帰り/高橋句美子
たらの芽は早春のものであるが、温室栽培もあって、店頭に出回っている。里帰りの折、店頭であろう、たらの芽を見つけ、みずみずしさに驚いた。話を聞くと、夫の里への里帰りとのこと。(高橋正子)

【銅賞/3句】
21.葉牡丹の照り翳りつつ色深む/藤田洋子
葉牡丹は、正月の花として、また、冬の花壇を彩る花として、身近に親しい。冬の日が照り、翳りするなかで、その色を深めて、味わい深い色になる。「照り翳りつつ」は、葉牡丹の渦巻きの様子にも重なり、よい観照だ。(高橋正子)

31.清流へ影も落とさず冬椿/柳原美知子
清流の流れの上に咲く冬椿。冬の貴重な赤い花であるが、日の具合であろう、流れには影が映し出されない。一幅の澄明な画を見るような句だ。(高橋正子)

24.バスを待つ園児の列に寒雀/西村友宏
バスを待っている園児の列に、怖気もしないで、寒雀が寄ってきた。園児たちを仲間とでも思っているのか。園児と寒雀の様子がかわいらしい。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
06.寒梅の日暮れても紅失わず/小口泰與
寒中に咲く梅の香りと薄暮にも浮かび上がる紅の色に心安らぐひとときです。厳寒の中にも春遠からじの思いがします。 (柳原美知子)

17.真っ直ぐに差し込む朝日注連飾り/高橋秀之
新年を迎える門戸に注連飾り。その特別な神聖さに注がれる「真っ直ぐな朝日」が、明るく清々しい年の始まりを感じさせてくれます。(藤田洋子)
玄関のしめ飾りに快晴の朝日が差し込む。今年一年の良きことが約束される風景である。 (古田敬二)

21.葉牡丹の照り翳りつつ色深む/藤田洋子
24.バスを待つ園児の列に寒雀/西村友宏
30.探梅のはじめどの枝も蕾なる/高橋正子
37.たらの芽の香のみずみずし里帰り/高橋句美子
39.冬苺の大福並ぶ祝日に/高椅句美子 
俳句らしい面白味のある句だ。中7の「大福」が「並ぶ」と言ったところががいい。下五に置いた「祝日」も一句を引き締めている。(高橋信之)

【高橋正子特選/7句】
06.寒梅の日暮れても紅失わず/小口泰與
10.餅花を加えし生花玄関に/祝恵子
17.真っ直ぐに差し込む朝日注連飾り/高橋秀之
21.葉牡丹の照り翳りつつ色深む/藤田洋子
24.バスを待つ園児の列に寒雀/西村友宏
31.清流へ影も落とさず冬椿/柳原美知子
37.たらの芽の香のみずみずし里帰り/高橋句美子

【入選/13句】
13.冬耕や八十路の鍬を振る朝(あした)/古田敬二
傘寿を迎えてもなお元気に農作業に従事される姿を冬耕に籠めた。お元気で何よりです。(廣田洋一)

20.松明けて道後に軽き下駄の音/藤田洋子
道後温泉の、正月には少なくなっていたお客様も松明けと共に普段の様子に戻りました。入浴客の軽やかな下駄の音が心地良い。 (桑本栄太郎)
正月の休みも終わり観光客も去り市井の人達の普段の生活が始まった様子が素敵に詠まれています。好きな句です。 (小口泰與)
お正月気分がまだ残るころです。道後温泉に行き交う人の下駄の音でしょうか、何だか懐かしいです。 (祝恵子)

38.七草粥の一つひとつが小さな葉/高橋句美子
七草粥は文字通り七つの草があるので賑やかに見えますが、実はその一つひとつは小さな葉という当たり前のことに焦点をあてると、その一つひとつの葉が何かが気になるところです。 (高橋秀之)

01.傘をさす児童の列の七日かな/桑本栄太郎
休み明け、新学期が始まる子どもたちを見守る優しい眼差しを感じつつ、松明けて戻る日常へのふとした安堵感も思われます。 (藤田洋子)

33.夫に供う寒の水飲む愛猫よ/柳原美知子
ご訃報驚くばかりです。謹んでご主人様のご冥福をお祈り申し上げます。お悲しみの中、愛猫の存在にひとときの安らぎを感じます。どうぞご自愛くださいますように。 (藤田洋子)

35.寒椿一輪咲きたる八幡宮/廣田洋一
境内の澄んだ空気の中、寒椿の鮮やかな花の姿が目に浮かびます。一輪こその存在感と美しさです。
(藤田洋子)

02.てらてらと路面光りぬ寒の雨/桑本栄太郎
04.深葱や赤城の風の太きにて/小口泰與
05.入相の日矢貫通の大白鳥/小口泰與
07.寒中の夜の嵐が過ぎし朝/多田有花
08.鮮やかに新春の空へ虹かかる/多田有花
11.お正月赤子に絵付きの箸袋/祝恵子
36.撒く餌に声を上げたる百合?/廣田洋一

■選者詠/高橋信之
25.丘上る頭上寒空あおあおと
26.寒椿咲くその一輪が吾を向く
27.晴れの日の明るい冬日を浴びている

■選者詠/高橋正子
28.街筋の向こう大きく寒満月
29.水仙に日の影濃ゆし咲き揃い
30.探梅のはじめどの枝も蕾なる
「はじめ」こそ蕾の枝を見る探梅も、いつかは蕾の中に咲く一輪、二輪に出会う期待感を抱かせてくれます。やがて、無数の蕾の開花する時を思い、寒気の最中にも明るい春の兆しを感じます。 (藤田洋子)

■互選高点句
●最高点(同点2句/6点)
20.松明けて道後に軽き下駄の音/藤田洋子
26.寒椿咲くその一輪が吾を向く/高橋信之

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。

■1月月例ネット句清記■


■1月月例ネット句清記
2020年1月12日
13 名39句

01.傘をさす児童の列の七日かな
02..てらてらと路面光りぬ寒の雨
03.蝋梅のはにかみながら膨らめり
04.深葱や赤城の風の太きにて
05.入相の日矢貫通の大白鳥
06.寒梅の日暮れても紅失わず
07.寒中の夜の嵐が過ぎし朝
08.鮮やかに新春の空へ虹かかる
09.晩冬や倉庫すっきり片付ける
10.餅花を加えし生花玄関に

11.お正月赤子に絵付きの箸袋
12.竹ボーキ音させ落葉寄せてゆく
13.冬耕や八十路の鍬を振る朝(あした)
14.陸奥からの干支の鼠の年賀状
15.ラガーマンおりかさなりてトライする
16.ネット配信のカウントダウンで年明ける
17.真っ直ぐに差し込む朝日注連飾り
18.新しい暦に置き換え初仕事
19.松明けてはっと大きな月上る
20.松明けて道後に軽き下駄の音

21.葉牡丹の照り翳りつつ色深む
22.講談の妙技に打たれ初笑い
23.初仕事キー打つ音も心地よき
24.バスを待つ園児の列に寒雀
25.丘上る頭上寒空あおあおと
26.寒椿咲くその一輪が吾を向く
27.晴れの日の明るい冬日を浴びている
28.街筋の向こう大きく寒満月
29.水仙に日の影濃ゆし咲き揃い
30.探梅のはじめどの枝も蕾なる

31.清流へ影も落とさず冬椿
32.夫永遠にこのオリオンの煌めきへ
33.夫に供う寒の水飲む愛猫よ
34.羽二重の花弁広げ寒牡丹
35.寒椿一輪咲きたる八幡宮
36.撒く餌に声を上げたる百合?
37.たらの芽の香のみずみずし里帰り
38.七草粥の一つひとつが小さな葉
39.冬苺の大福並ぶ祝日に

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

●1月月例ネット句会投句ご案内●


●1月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(新年・冬の句)3句
②投句期間:2020年1月6日(月)午前6時~2020年1月12日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月12日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月13日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月13日(月)正午~1月16日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

賞品をお送りしました。


2019年12月月例句会が終わりました。今年の月例句会からは多くの秀句が生まれ、うれしく思っています。
ささやかですが、月例句会の銅賞以上に入賞された方々(結果として全員になりました)に、賞品を送らせていただきましたので、ご笑納ください。2019年に、その方がとられた最高位の賞に対して送らせていただきました。

なお、受け取られましたら、下のコメント欄にその旨お書きください。よろしくお願いします。(花冠主宰 高橋正子)

2019年 月例ネット句会金賞俳句


2019年 月例ネット句会金賞俳句
〇2019年は、令和元年となり、豪雨や台風による甚大な被害
があり、気候についてこれほど広く世界でも問題になった年はなかったように思います。
月例ネット句会の各月の金賞をまとめました。まとめてお読みになったご感想はいかかでしょうか。
〇今年一年の月例ネット句会を振り返ってのご感想があれば、下のコメント欄にお書きください。また、金賞俳句の中で、特にお好きな句を一つ、句の前の番号でお書きください。

[1月]
①七草の真白きものより刻みゆく/祝恵子
七草は正月七日、七種類の若菜を粥に炊きものとは、菘かすずしろのことであろう。真白き゜ものを先に刻むことで、なにかしら神事めいた気持ちになる。新年の始めの清潔感のある句だ。(高橋正子)

[2月]
②豆を撒く雨の匂いの闇やわらか/柳原美知子
豆撒きの夜は、節分の夜は、雨である。その雨の匂いがやわらかい。立春となる前夜の雨の闇。雨の匂いのする闇に、いち早く春の匂いを感じ取った。(高橋正子)

[3月]
③遅き日や暮れて賑わう一輪車/桑本栄太郎
春になると、日暮れの遅さを感じるようになる。放課後、広場などに小学生が集まってきて、一輪車を賑やかに楽しんでいる。華麗に乗りこなす子もいれば、初歩の子もいる。日が伸びてくれば子どもたちの外での生活が楽しくなる。(高橋正子)

[4月]
④花見船声もろ共に降ろしけり/小口泰與
「花見」のいい風景を捉えた句だ。上五の「花見船」が一句の主題で、「声もろ共に降ろしけり」と一気に詠み終えたところが見事で、本人の日頃の精進を称えたい。(高橋信之)

[5月]
⑤麦秋の車窓となりぬ近江富士/桑本栄太郎
詠まれた景色がすばらしい。近江富士は、三上山の愛称で、東海道新幹線の車窓からも眺められる。平野の中の独立峰は標高432mの低山。麦秋の野が広がる向こうに近江富士はなだらかな山稜をもって立っている。車窓が額縁になり、爽やかな麦秋の景色が楽しめる。(高橋正子)

[6月]
⑥茹でたての淡竹真白くさくさく食む/柳原美知子
淡竹(はちく)は、竹の一種であるが、孟宗竹よりも灰汁が少なく、皮を剥くと白、或いは薄い緑の幹が現れる。白いものほど若く柔らかい。真白く茹でた淡竹は、初夏、さくさくと爽やかに食べたいものだ。(高橋正子)

[7月]
⑦蓮池に雲間の空の青ひろげ/柳原美知子
蓮池の葉の隙間に空が映っている。その空は、青空に小さな雲が浮かんでいて、雲が流れて次第に青い空がひろがる。それが、モネの睡蓮の画のようになる。睡蓮画を見ているようだ。(高橋正子)

[8月] 
⑧稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
稲穂が出始める季節。出穂のときは、穂はまだまっすぐだ。朝の光に、われもわれもと背伸びをするかのように、総立ちになる。歓喜で朝を迎えている。これからの実りが楽しみだ。(高橋正子)

[9月]
⑨爽やかや渓流の音身の内に/小口泰與
渓流にしばらく佇むと、渓流の音が身の内に沁みこんで来るような気がする。自身が渓流と一つになったような感覚。無理なく素直に爽やかさが詠まれた。(高橋正子)

[10月]
⑩秋燕や朝の光に群れて飛ぶ/多田有花
夏の間、巣を作り、子育てに忙しかった燕も秋には、大海をわたり南へと旅立つ。旅立ちの前に、集まり群れ飛ぶ姿が、朝の光に眩しい。間もなく去ってゆくことを思うと淋しい。(高橋正子)

[11月]
⑪大空に星の輝き冬立てる/高橋秀之
冬立つ日。大空に星が輝き、なんとも晴れやかな冬立つ日となった。厳しい寒さが訪れる冬に向かう第一日が曇りなく大らかであるのがいい。(高橋正子)

[12月]
⑫湧水飲む雑木落葉をぬらしつつ/柳原美知子
雑木落葉の季節が「湧水飲む」という人との関わりで、あたたかく深いものになっている。「ぬらしつつ」は臨場感がある。(高橋正子)