11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。継続してご参加いただいている皆様には、本当に感謝でございます。入賞の皆さまおめでとうございます。選やたくさんのコメントをありがとうございました。
一か月ごとの区切りに季節の進み具合をご投句から確かめることができるのも、月例句会の魅力です。先師の川本臥風先生から「俳句は季節の微妙な移り変わりを捉えているのが良い句だ」お聞ききしたことがあります。それに間違いはないことを今回の句会でも感じました。日々のご精進の結果でしょう。
11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。継続してご参加いただいている皆様には、本当に感謝でございます。入賞の皆さまおめでとうございます。選やたくさんのコメントをありがとうございました。
一か月ごとの区切りに季節の進み具合をご投句から確かめることができるのも、月例句会の魅力です。先師の川本臥風先生から「俳句は季節の微妙な移り変わりを捉えているのが良い句だ」お聞ききしたことがあります。それに間違いはないことを今回の句会でも感じました。日々のご精進の結果でしょう。
【銀賞】
★小鳥来て金柑黄に輝ける/吉田 晃
小鳥が来ることは、生活に楽しさが加わること。金柑の実は黄色が輝き、小鳥が来て、羽音や鳴き声を立てる。小さきものへの優しいまなざしの句。(髙橋正子)
★小鳥来て金柑黄に輝ける/吉田晃
★秋深し残業帰りの駅の椅子/高橋秀之
★木の実降るはっしと森に鋭き音を/髙橋正子
★グラタンの煮え立つ音や秋の暮/西村友宏
★服を畳む小春日和の明るき窓/髙橋句美子
【髙橋正子特選/7句】
★秋雲の掃かれし先の青ばかり/川名ますみ
漂う雲が形を変えて消えていく様を「掃かれ」と表現するのは美しいと感じましたし、「青ばかり」という言葉で空気の澄んだ気持ちのよい秋晴れが鮮明に浮かびました。 (西村友宏)
秋の雲が掃かれるように、それはそれはゆっくりと風に流れる。薄い雲が流れた後には、秋独特の薄く青い空が高く広がっていて、詠者はそこに秋の美しさを見つけたのだろう。(吉田 晃)
★小鳥来て金柑黄に輝ける/吉田晃
★秋深し残業帰りの駅の椅子/高橋秀之
★建つ家の槌音高く冬に入る/藤田洋子
★グラタンの煮え立つ音や秋の暮/西村友宏
★服を畳む小春日和の明るき窓/髙橋句美子
★空青ければ銀杏黄葉を輝かす/髙橋信之
★大空の雲は素早し冬立てる/高橋秀之
冬に入った日、まだ暖かさが残っていますが、空を行く雲の流れは速く上空の風の強さを思います。町に北風がやってくるのももうすぐ。 (多田有花)
★高きより地上に降らす木の葉雨/多田有花
天上から光とともに降ってくるような色とりどりの木の葉雨。その音と風に包まれて、自然の懐にいる充足感が感じられます。(柳原美知子)
★木枯しを独り聞きたる厨かな/廣田洋一
あれ程暖かった初冬も過ぎ、11月も中旬ともなれば木枯し一番の吹く頃である。今夜は鍋料理であろうか?色々食事の支度を行いながら、木枯しの音を聞いています。 (桑本栄太郎)
★棟上げの朝新米の封を切る/藤田洋子
気持ちのいい句です。棟上げ、新米、気持ちが浮き立ち「さあ」という勢いを感じます。ありありとその瞬間の光景が見えてきます。(多田有花)
棟上げ、新米、新しいものへの喜びが感じられます。今年もあと二か月足らず。新たな年が幸多いものであることを願う詠者の願いがあるのでしょう。(吉田 晃)
★柿紅葉添えて熟柿をいただきぬ/柳原美知子
熟柿が好きな方にはたまらない美味しさでしょう。柿だけでなくそこに柿紅葉を添えられるあたり、粋ですね。 (多田有花)
★田の鋤かれ畝整然と冬に入る/柳原美知子
冬に入った日に、草一本無く鋤かれていて、冬の用意が調いました。 (祝恵子)
★まっ新なセーター羽織って演奏会/西村友宏
演奏会に出演されたのでしょうか?楽器は何を演奏されたのか?どんな曲だったのかなどと想像が膨らみます。 (多田有花)
★活気づく赤提灯と冬の月/西村友宏
たまたまですが、今日の仕事帰り、赤提灯行ってきました。そして、月もきれいな夜でした。活気づく赤提灯、今の世相を感じます。 (高橋秀之)
★裸木の枝伸びのびと風ほふる/小口泰與
★玄関へ挿し置く棉の実の白さ/吉田晃
★いましばし石燈籠に冬紅葉/多田有花
★枯すすき風吹くたびに空を掃く/多田有花
★木枯しを独り聞きたる厨かな/廣田洋一
★玄関に朝を待ちたる落葉かな/廣田洋一
★芽水仙日の廻り来る庭の隅/藤田洋子
★水仙のはがきを選び筆が乗る/髙橋句美子
★水遣れば土の吸う音秋の風/川名ますみ
■選者詠/髙橋信之
★冬黄葉今日を輝く一日に
ずっと昔から変わらず、今日を前向きに生きておられる。ただ生きるだけなら今日は輝かない。先生の俳句への日々の精進があって、今日を輝かせたいとh日々取り組んでおられるのだ。(吉田 晃)
★空青ければ銀杏黄葉を輝かす
★皇帝ダリア咲いて空のあやうさよ
01.束の間の没日差しけり石蕗の花
02.裸木の枝伸びのびと風ほふる
03.溶岩道の豁然とあり雪浅間
04.松籟の神在り月の大社かな
05.山里の坂を巡ればお茶の花
06.時雨るるや錆び色まさるプラタナス
07.小菊並ぶ横には豆に吊るす藁
08.冬うらら堤防に座しお弁当
09.冬地蔵尼寺の玄関は開く
10.掃き寄せる落葉の枯れのやわらかき
11.玄関へ挿し置く棉の実の白さ
12.小鳥来て金柑黄に輝ける
13.きらきらと揺れる水面に差す冬陽
14.大空の雲は素早し冬立てる
15.秋深し残業帰りの駅の椅子
16.いましばし石燈籠に冬紅葉
17.枯すすき風吹くたびに空を掃く
18.高きより地上に降らす木の葉雨
19.木枯しを独り聞きたる厨かな
20.玄関に朝を待ちたる落葉かな
21.老先の長さ測りて木の葉髪
22.棟上げの朝新米の封を切る
23.建つ家の槌音高く冬に入る
24.芽水仙日の廻り来る庭の隅
25.叢の峡のひだまり野菊咲く
26.柿紅葉添えて熟柿をいただきぬ
27.田の鋤かれ畝整然と冬に入る
28.届きたる芋に田泥のほろほろと
29.木の実降るはっしと森に鋭き音を
30.青空のさいはてなりき雪の富士
31.グラタンの煮え立つ音や秋の暮
32.まっ新なセーター羽織って演奏会
33.活気づく赤提灯と冬の月
34.水仙のはがきを選び筆が乗る
35.服を畳む小春日和の明るき窓
36.休みの日こたつ布団を洗う朝
37.冬黄葉今日を輝く一日に
38.空青ければ銀杏黄葉を輝かす
39.皇帝ダリア咲いて空のあやうさよ
40.秋雲の掃かれし先の青ばかり
41.水遣れば土の吸う音秋の風
42.秋の日に尾を燦めかせ猫過ぎる
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。
【銀賞】
07.朝歩き穂架(ほざ)に輝く稲の粒/祝恵子
朝、田んぼのほとりを歩くと、稲架に掛けられた稲穂が朝日に当たって、一粒一粒が輝いている。実りの豊かさが直に喜びとして伝わる。(髙橋正子)
23.湧水をバケツに汲んで芒採る/柳原美知子
湧水を汲みに来て、傍にある芒の穂を折りとったのであろう。こんこんと湧く澄んだ水と、芒の出合いが自然の懐の深さを思わせてくれる。(髙橋正子)
【銅賞/3句】
10.天高しショパンコンクール始まる/川名ますみ
世界の注目を集めるショパンコンクールは、今年10月3日から20日までショパンの祖国ワルシャワで開催されている。コンクールの模様はYouTubeなどで配信され、遠く離れている日本でもネットを通して聞くことができる。「天高し」の空はつながり、ショパンコンクールが身近になった。ピアニストでもある作者の、ショパンコンクールに寄せる期待と高揚感が率直な表現で読み取れる。(髙橋正子)
31.稜線の上に広がる空高き/高橋秀之
「稜線」という言葉の音が、山並の伸びやかさを感じさせてくれる。きっかりと引かれた稜線の上に、かぎりなく広く高い空がある。大きな句に悠久の自然を感じる。(髙橋正子)
36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路/髙橋句美子
新米を買って家路を急ぐ。夕飯となる新米だろうか。ずしりと重い。「ずしりと」の一語が、米の意外な重さを表している。(髙橋正子)
【高橋信之特選/7句】
20.草の実の簡素な色が野にあふれ/吉田晃
野に咲いていた色とりどりの草花もいつの間にか実となり、素朴で簡素な色合いの野となったけれど、それぞれの実もまた愛おしい。季節の移り変わりを実感し、生き物への優しい視線を感じます。 (柳原美知子)
07.朝歩き穂架(ほざ)に輝く稲の粒/祝恵子
10.天高しショパンコンクール始まる/川名ますみ
23.湧水をバケツに汲んで芒採る/柳原美知子
30.秋夕べ芋の葉半分ずつ陰り/髙橋正子
31.稜線の上に広がる空高き/高橋秀之
36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路/髙橋句美子
【髙橋正子特選/7句】
25.平らかに畝を盛り上げ大根蒔く/廣田洋一
初秋の爽やかな季節に蒔く大根です。畝を丁寧に盛り上げ、芸術品とも思える程の綺麗な畝に、大根の種を丁寧に蒔いて行きます。如何にも心地よさそうな初秋の畑が想われます。(桑本栄太郎)
07.朝歩き穂架(ほざ)に輝く稲の粒/祝恵子
10.天高しショパンコンクール始まる/川名ますみ
20.草の実の簡素な色が野にあふれ/吉田晃
23.湧水をバケツに汲んで芒採る/柳原美知子
31.稜線の上に広がる空高き/高橋秀之
36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路/髙橋句美子
【入選/16句】
01.一天の雲の無き日や秋高し/桑本栄太郎
秋の空には、一点の雲のない空があくまで青く広がる日が有る。本当に天が高く底知れぬ感じをうまく詠まれた。(廣田洋一)
08.芙容咲く朝日とすずめ降りてくる/祝恵子
芙蓉の花がひらくところに、朝日が注ぎ、すずめ達も舞い降りる。色も光も動きも、爽やかな秋の朝ですね。朝日とすずめが「降りてくる」という表現に、幸せな心地を感じます。(川名ますみ)
19.川漁の魚籠をこぼれる秋の水/吉田晃
獲れた魚は何だったのでしょう?川で漁をするくらいですから、それなりの大河で水のきれいなところかと想像しました。 (多田有花)
魚籠いっぱいに釣り上げた魚に利刀の例えにも言われている澄みわたった水が魚籠からこぼれている。満足の釣果である。(小口泰與)
27.参道の風白く見せ萩の花/廣田洋一
参道を行くと白萩が揺れている。揺らしている風が白く見えている風情がいいですね。 (祝恵子)
32.秋の海フェリーの揺れが心地よき/高橋秀之
穏やかな海をゆっくりと進むフェリーののんびりとした雰囲気が感じられます。 (髙橋句美子)
35.秋晴の洗濯物に陽の香り/髙橋句美子
まさに今日の洗濯物で感じたところでした。夏でもなく冬でもなく、秋の陽の香りが幸せを感じるひとときです。 (高橋秀之)
02.白壁の民家背に入れ秋桜/桑本栄太郎
白壁と秋桜の取り合せ。いつ見ても心和む日本の風景が詠まれいる。(髙橋正子)
09.新米を抱き上げ持ちく荷台より/祝恵子
新米を運んできたのは、何なんだろう。自転車、バイク、軽トラ。荷台から持ち上げ、抱きかかえて重そうに運んでくれた嬉しい新米の到着。(髙橋正子)
11.ワルシャワに灯火親しむノクターン/川名ますみ
今ちょうど、5年に一度開催されるショパンコンクールの真っ最中。ライブ配信もされ、コンクールの曲が聞けるようになった。灯の下に聞こえてくるノクターンに、演奏者への思い、またショパンへの思いを馳せる。(髙橋正子)
13.氏神の社に朝日豊の秋/多田有花
里に祀られる氏神の社を朝日が包むように差して、今スポットライトが当たっている。氏神を据え田んぼにも、畑にも、豊かな実りの秋となっている。(髙橋正子)
15.廃屋に始まる蔦の紅葉かな/多田有花
廃屋となった家に蔦がからんだ。けれど、まずその蔦が紅葉し始め、廃屋も存在感を増し、画になりそうな景色となっている。(髙橋正子)
16.やや寒し上着と共に朝散歩/ 西村友宏
少し寒くなった。朝の散歩に、上着を抱えて歩いた。上着は着なかったであろうが、ずっと一緒に歩いた。愛着上着。(髙橋正子)
18.お地蔵に紅葉がひらり朝の風/ 西村友宏
朝の風がさっと吹いてきて、紅葉がひらりとお地蔵に載った。ひらりと地蔵に舞い落ちる紅葉に「小さい秋」を見つけた。(髙橋正子)
21.風さやか薔薇の花びらゆれるとき/吉田晃
秋薔薇の花びらが揺れると、風のさやかさにはっと気づかされる。やや細い花茎の薔薇の花が揺れる姿が思われる。(髙橋正子)
■選者詠/高橋信之
37.金水引きらきら森の時しずか
小さく黄色い花が集まって咲いている様が、森の静家さによって一層きらきらとかんじられる美しい光景が浮かびました。(西村友宏)
39.大盛りの零余子ご飯の団欒に
■選者詠/高橋正子
30.秋夕べ芋の葉半分ずつ陰り
日の入りも早くなり、里芋畑も暮れつつある中、雲の動きで、日が差したりかげったりしている。遥かな空にはうっすらと夕焼けがひろがっている秋の山里の美しい夕景が目に浮かびます。(柳原美知子)
■互選高点句
●最高点(6点)
27.参道の風白く見せ萩の花/廣田洋一
21.風さやか薔薇の花びらゆれるとき
22.弟の竜胆に添え手向く野菊
23.湧水をバケツに汲んで芒採る
24.虫音分け畦ゆく刻を夕焼ける
25.平らかに畝を盛り上げ大根蒔く
26.毛見のごと低く飛びたる揚羽蝶
27.参道の風白く見せ萩の花
28.流れ吹く風に流され花芒
29.駅前に白がゆかしき貴船菊
30.秋夕べ芋の葉半分ずつ陰り
31.稜線の上に広がる空高き
32.秋の海フェリーの揺れが心地よき
33.駅前を彩る秋の花たちよ
34.秋の夜本の荷づくり幾冊も
35.秋晴の洗濯物に陽の香り
36.新米をずしりと抱え急ぐ帰路
37.金水引きらきら森の時しずか
38.かまずみの実の赤鳥の眼に吾に
39.大盛りの零余子ご飯の団欒に
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子
露草の花が青く咲くところは、田中を流れる小川のほとり。露草の青に水がふれんばかりで、音が澄んで聞こえる。澄明な秋の朝が詠まれている。(髙橋正子)
17.露草を撮って歩きの一歩とす/祝 恵子
カメラを持って歩きに出かけるところ。歩き始めたところに露草の花。まずは、カメラに収めてスタートの一歩とする。すずやかな気持ちで歩けそう。(髙橋正子)
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子
言葉の一つ一つが澄んでいて秋の朝の雰囲気がよく感じられます。(髙橋句美子)
34.秋晴れの空を見上げて信号待ち/髙橋句美子
信号待ちの間、短い時間、何をするでもなく秋晴れの空を見上げる。そこには、澄んだ青空があるのでしょう。 (高橋秀之)
25.青ぎんなん雨の落とせる一顆なり/髙橋正子
雨あがり、散歩道に見つけた瑞々しい青ぎんなんにも秋の深まりを感じ、新たな季節を迎えるひそやかな喜びが感じられます。 (柳原美知子)
15.秋茜すっと飛び立ち空に消ゆ/高橋秀之
【髙橋正子特選/7句】
02.稲架に干す稲に青さの残るまま/吉田 晃
刈り取ったばかり稲束ですね?まだ緑色も残り、豊かに稔った穂先が揃って何段にも干されて居ます。今では少なくなった稲架の豊穣の秋の原風景が嬉懐かしい。 (桑本栄太郎)
【入選/16句】
04.大利根の水は豊けき下り簗/小口泰與
水豊かな利根川の鮎漁。水にある豊の秋を漁する男たちの力強い姿が想像される。簗を下る水しぶきが秋の喜びを想像させてくれます。 (吉田 晃)
09.とりどりの秋果並ぶや道の駅/桑本栄太郎
秋の果物は本当に種類が多い。土地の産物が並ぶ道の駅ならそれが全て並ぶのだろう。果物の景が良く見える。 (廣田洋一)
12.露草の青は夜明けの空の色/多田有花
露草の青、晴れた日の夜明けの空の色。どちらも澄んだ青さを感じます。 (高橋秀之)
14.四・七日の読経に被る虫の声/髙橋秀之
近しい方が亡くなられたのでしょうか。亡くなられたころはまだ夏の名残が強かったものが今では虫の声が高く聞こえるようになってきています。 (多田有花)
18.里芋の葉より雨粒コロコロリ/祝恵子
サトイモの葉の上を転がる雨粒の様子をユーモラスに表現されています。 (多田有花)
19.夫に供う初生り西瓜縞の濃き/柳原美知子
スイカがお好きだったのでしょうか。初生りのそれを備えつついろいろ蘇る思い出もあったことでしょう。今年も一年無事に過ごせましたとの感謝の思いもどこか感じられます。 (多田有花)
28.青空へけさ鷺草の二羽となり/川名ますみ
鷺草を育てておられるのですね。晴れた朝に鷺草の花の二つ目が咲きました。それを二羽と表現されているのが素敵です。 (多田有花)
32.冷やかに車窓にとどむ茜雲/廣田洋一
秋の夕、冷えこんできた車窓一面に美しい茜雲が映り暮れきるまで名残りを惜しまれたことでしょう。 (柳原美知子)
03.秋涼しまたたく星の白さより/吉田 晃
05.陰りでも深山竜胆深き色/小口泰與
06.浮き石を踏んで逃すや下り鮎/小口泰與
12.露草の青は夜明けの空の色/多田有花
23.鯉跳ねて商談前の秋の夜/西村友宏
30.鷺草の音を立てずに羽ばたけり/川名ますみ
31.成田山手水を汲みし秋の朝/廣田洋一
35.秋の風海より吹いて髪靡く/髙橋句美子
■選者詠/髙橋信之
39.秋暁の網戸を入る風さらり
( 風さらり)。朝方に網戸を抜けてくる風、涼しくなってきましたね。(祝恵子)
37.スタンドの灯りが照らす秋の夜
38.書き並ぶ数字机上に秋の夜
■選者詠/髙橋正子
25.青ぎんなん雨の落とせる一顆なり
26.木犀の香の濃くなりて花に遇う
27.見送れる子の振り返る虫の夜
■互選高点句
●最高点(5点/同点4句)
02.稲架に干す稲に青さの残るまま/吉田 晃
08.稜線の確と定まり秋気満つ/桑本栄太郎
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子