■1月月例ネット句会/入賞発表

■1月月例ネット句会/入賞発表
■2022年1月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年1月10日
【金賞】
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
正月らしい清々しく勢いのある光景が詠まれている。河川敷の風を受けた正月の凧が、「いきいき」があがっている。正月のめでたさが句を明るくしている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
「寒」「濃き赤」が、情景をくっきり、迷いなく浮かび上がらせている。寒さの中の濃い赤のたった一輪に、小さくも強い生命力を感じる。(髙橋正子)

38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ
富士山がいつも見えるとろこに住んでいる人は、富士山をどんなに思うのだろうかは、四国に住んでいた私の思いだった。様々な富士の姿を目にするようになって、日常、富士を目にする人にとって、富士山は、親しみながらもやはり日本一の山である。その富士を真ん中に据えて撮られた初写真は父のような富士。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
01.棟上げの木槌の音や冬木の芽/小口泰與
棟上げの柱を組む木槌の音が、乾いた空気に響く。冬木にはたくさんの芽がついて、やがて来る春に備え命を溜めている。明るくて元気が湧いて来る。(髙橋正子)

10.神木の木漏れ日あびて春着の子/祝 恵子
春着の模様に包まれた子どもが木漏れ日をあびて、まぶしく輝いている。春着の衣の匂いまでしてきそうだ。(髙橋正子)

33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣/柳原美知子
石鎚は四国の名峰であるが、それよりも、毎日目にする石鎚が、初詣のおりには特に雄々しく、霊峰として聳えている。それをわが子と仰ぎ見るとき、希望が見える。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
凧揚げの最初は、手に持ってかなり駆けて行きます。その為かなり広い場所が必要であり、河川敷などはぴったりである。正月ともなれば、親子連れで河川敷に出掛け、沢山の凧揚げの光景が見られます。如何にも正月らしい雰囲気ですね。 (桑本栄太郎)

28.凍星の光そろいし誕生日/髙橋正子
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

29.七草にふるさとの草混じりおり/髙橋正子
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

21.思ひ立ち買い求めたる七草粥/廣田 洋一
七草粥を買う予定は最初はなかったのでしょう。ところがふと何の拍子か買ってみようか、食べてみようかと気持ちが動かれました。その気持ちの揺れ具合が面白いです。 (多田有花)

18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣/柳原美知子
38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ

【髙橋正子特選/7句】
10.神木の木漏れ日あびて春着の子/祝 恵子
新年の喜ばしい日に神社の境内にある神々しい樹木から素敵な春着を着た女の子に木漏れ日が差している素晴らしい景が見えて来ている。嬉しい景ですね。 (小口泰與)

31.鳶の翼朝日に透けて冬岬/柳原美知子
朝の岬、上昇気流をとらえて天空高く昇っていく一羽の鳶の姿。大きな景色の中に鳶の姿の躍動をとらえられ、晴れやかな気持ちになる句です。 (多田有花)

36.初詣石畳を白く夜の灯り/髙橋句美子
まだ暗い中初詣に出かけ、灯に照らされた石畳を一歩ずつ踏みしめて社へと進むと新たな年を迎える実感と喜びが湧いてくるようです。 (柳原美知子)

01.棟上げの木槌の音や冬木の芽/小口泰與
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ

【入選/11句】
13.初仕事まずはメールのチェックから/高橋秀之
 ITの時代ですから、初仕事は、正月休みの間に入ってきたメールのチェックから始まります。「まずは」と詠んだのが上手いと思います。(廣田 洋一)

16.枯れ果てり山のぬくもり幹は抱き/吉田 晃
落葉し枯れてしまった山にも、生命のぬくもりがありそれぞれの樹々の営みがある。自然に宿る生命の尊さが思われます。 (柳原美知子)

25.数の子のはじける音や朝の風/西村友宏
数の子が歯を鳴らす音、元旦の清らかな風、一読で五感に響きます。「はじける音」が嬉しいですね。きっと佳い一年になることでしょう。 (川名ますみ)

37.葉の陰の実もつややかに藪柑子/川名ますみ
かげになっている実にも艶が感じれ藪柑子の美しさが際立ちます。(西村友宏)

04.東雲のうすき明かりや初御空/桑本栄太郎
元旦の光が差してくるのを東の空を見つめながら今か今かと待ち構えているそういう気持ちが伝わってきます。一年のうちで最も特別な夜明けです。 (多田有花)

14.嵐山二人で眺める冬景色/高橋秀之
ご夫婦でゆったりと眺める嵐山の冬景色は雪もようでしょうか。静かで豊かなかけがえのないひとときが思われます。(柳原美知子)

27.駅伝の観戦合間に餅を焼く/西村友宏
箱根駅伝のテレビ中継を楽しみながら、お餅を焼いて食べる。ゆったりと良いお正月を過ごされたようですね。お餅が焼ける芳ばしい匂いが伝わってくるようです。 (柳原美知子)

09.初日記四行のみで仕舞いけり/ 多田有花
04.東雲のうすき明かりや初御空/桑本栄太郎
05.御降の天にきらめく日照雨かな/桑本栄太郎
12.振り向けば逆光まぶし冬の堤/祝 恵子
39.しらしらと初富士のより高きこと/川名ますみ

■選者詠/髙橋信之
22.ガラス戸を開けてたしかに雪が降る
ふだん雪を見慣れていないところに住む方の感覚です。年明けの寒波で東京をはじめとする関東圏など思わぬところで積雪がありました。その雪に対する驚きが伝わってきます。(多田有花)
アツ雪だ!とだれかの声、戸を開けてみて外を見た。確認してみた。初雪でしょうか。 (祝 恵子)

23.寺苑に花の色見せ木瓜の花蕾
24.梅蕾谷半分が陽にあたる

■選者詠/髙橋正子
28.凍星の光そろいし誕生日
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

29.七草にふるさとの草混じりおり
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

30.七センチ積たる雪の中にも灯

■互選高点句
●最高点(8点)
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
※コメントの無い句にコメントをお願いいたします。

■1月月例ネット句会清記■

■1月月例ネット句会清記■
2022年1月9日
13名(39句)

01.棟上げの木槌の音や冬木の芽
02.室咲や祝辞短きほど良けれ
03.大利根の流れ序破急霜柱
04.東雲のうすき明かりや初御空
05.御降の天にきらめく日照雨かな
06牛日やデイサービスの送迎車
07.正月の凧いきいきと河川敷
08.初写真父の遺影を真ん中に
09.初日記四行のみで仕舞いけり
10.神木の木漏れ日あびて春着の子

11.初メールあいたいなぁにキュンとなり
12.振り向けば逆光まぶし冬の堤
13.初仕事まずはメールのチェックから
14.嵐山二人で眺める冬景色
15.おせち料理所狭しと食卓に
16.枯れ果てり山のぬくもり幹は抱き
17.湯豆腐の湯気に揺れ浮く白さかな
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に
19.寿福寺の矢倉に満つる淑気かな
20.寒に入りすぐに開ける銀世界

21.思ひ立ち買い求めたる七草粥
22.ガラス戸を開けてたしかに雪が降る
23.寺苑に花の色見せ木瓜の花蕾
24.梅蕾谷半分が陽にあたる
25.数の子のはじける音や朝の風
26.初雪や紅茶を淹れる昼下がり
27.駅伝の観戦合間に餅を焼く
28.凍星の光そろいし誕生日
29.七草にふるさとの草混じりおり
30.七センチ積たる雪の中にも灯

31.鳶の翼朝日に透けて冬岬
32.愛猫死す冬の銀河の流れ星
33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣
34.球根を付けて水仙の花売られ
35.新年の雪が都会の街を白く
36.初詣石畳を白く夜の灯り

37.葉の陰の実もつややかに藪柑子
38.初写真大きな富士を真ん中に
39.しらしらと初富士のより高きこと 
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/1月月例ネット句会ご案内■

■2022年/1月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(新年・冬の句)3句
②投句期間:2022年1月3日(月)午前6時~2022年1月9日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月10日(月)正午~1月14日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■2021年金賞最高得点句発表■

2021年月例ネット句会
最高得点金賞作品(同点2句)
③3月 参道をまっすぐ春の海へ出る    柳原美知子 5点
⑪11月 建つ家の槌音高く冬に入る     藤田洋子 5点
以上の2俳句作品を最高得点金賞句として表彰いたします。
                  2022年1月7日
                  花冠名誉主宰 髙橋信之
                      主宰 髙橋正子
美知子さん、洋子さん、おめでとうございます。ますますのご活躍を期待いたします。なお、投票に参加された方は8名でした。ご投票ありがとうございました。(集計 髙橋正子)

2021年月例ネット句会金賞作品

2021年月例ネット句会金賞作品
①1月 夫の忌の晴れて海へとアロエ咲く  柳原美知子 
②2月 芽ぐむ木の窓の明るい喫茶店     吉田 晃 
③3月 参道をまっすぐ春の海へ出る    柳原美知子 
④4月 桜咲く中へ噴水あがりけり      多田有花 
⑤5月 風の香やトロッコ列車川沿いを    小口泰與
⑥6月 郭公の峰の遠くに晴れ来たる    桑本栄太郎 
?7月 風群れて青田を翔けてゆく軽さ    吉田 晃
⑧8月 靴ひもを緩めて食らうかき氷     西村友宏
⑨9月 稜線の確と定まり秋気満つ     桑本栄太郎
⑩10月 草の実の簡素な色が野にあふれ   吉田 晃
⑪11月 建つ家の槌音高く冬に入る     藤田洋子
⑫12月 花野枯れ薄き匂いの風の野へ    吉田 晃
 今年も月例ネット句会を無事終えることができました。すばらしい俳句作品が生まれたことをうれしく思います。
 さて、年末恒例となりました「月例ネット句会金賞作品」の好きな句への投票をお願いします。好きな句を3句選び、その番号を下のコメント欄にお書きください。みなさんの投票が出そろったところで、締め切りといたします。
よろしくお願いいたします。 
12月26日
主宰 髙橋正子

ご挨拶/12月月例ネット句会を終えて

12月月例ネット句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。今年最後の句会となりました。選とコメントをありがとうございました。
新型コロナも、新たなオミクロン株現れて、水際対策によって今のところ抑えられておりますが、また、いつ感染が広がるかと言う心配もあります。なんとかこのままで新年を迎えたいものです。
今年は、花冠365号を出すことができました。この号を読まれた現代俳句協会の水野事務局長さんから、「花冠のみなさん、真摯に、一生懸命俳句に取り組んでおられる。」とお誉めいただきました。部外のかたに評価をいただくことは稀ですが、嬉しいことでした。日々の皆様のご精進のおかげです。来年もひきつつき、よろしくお願いいたします。皆さま、よいお年をお迎えください。
これで、12月月例ネット句会を終わります。
髙橋正子 
12月17日

■□12月月例ネット句会/入賞発表■□

■12月月例ネット句会/入賞発表
■2021年12月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年12月13日

【金賞】
10.花野枯れ薄き匂いの風の野へ/吉田 晃
いろんな草草がある野が枯れると、枯れの薄くあわい匂いが立つ。その匂いが風が吹くと野に広がり、野はせつなくも優しい野となる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
07.路地が好き郵便ポスト曲がれば冬/祝 恵子
庶民の生活がたのしく詠まれている。日々暮らす路地。その路地を曲がると郵便ポストがある。ちょっと開けた空間なのだろう。「冬」がそこにあるのを感じた。(髙橋正子)

02.匂い立つ早や柊の蕾より/吉田 晃、
柊の白い花は、金木犀とはまた違って、つんとした清らかな匂いがする。花が咲けばもちろん匂いは流れてくるが、小さな蕾のうちからも、はや。匂っている。そこがいい。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
26.夫在りし日のごとたっぷりおでん煮る/柳原美知子
家族の一人がいなくなっても、毎日の食事の支度で身についていた量の感覚というのは、恐ろしいもので、なかなか按配できない。一人、二人になっても感覚的には三人なのである。(髙橋正子)

31.蜜柑買い二人で運ぶ空が晴れ/髙橋句美子
蜜柑を箱で買ったのか、重いので二人で協力して運ぶと、空が青々と晴れて、カラッとした空気が快い。明るい蜜柑の色、晴れた空の青が印象に残る。(髙橋正子)

09.足場組み巡らす網より冬夕焼け/祝 恵子
組まれた足場に巡らされる安全の網。その網から夕焼が見える。無味乾燥とも思える建築現場も、冬夕焼の一景に収まった。冬夕焼が効いている。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
07.路地が好き郵便ポスト曲がれば冬/祝 恵子
日当たりのよい路地、生活の匂いがし、郵便ポストにも温かみが感じられる。そこを曲がれば吹きさらし。ドラマのワンシーンのようで、楽しく、若々しい句ですね。(柳原美知子)

05.明滅や冬の日差しの絶え間なく/桑本栄太郎
小さな冬雲が行き過ぎるたびに気温の違いを肌に感じる。冬の薄い日差しだからこその感覚であろう。作者はその薄い明滅を視覚のみならず、肌でも感じておられる。(吉田晃)

08.手渡しでハトに餌をやる冬の土手/祝 恵子
09.足場組み巡らす網より冬夕焼け/祝 恵子
10.花野枯れ薄き匂いの風の野へ/吉田 晃
12.匂い立つ早や柊の蕾より/吉田 晃
26.夫在りし日のごとたっぷりおでん煮る/柳原美知子

【髙橋正子特選/7句】
16.花屋には赤の溢れて十二月/廣田洋一
クリスマスの時期にはポインセチアなどの赤が目につきます。あの赤は十二月だな、と思わせてくれる赤ですね。(多田有花)

22.冬もみじ教室の朗読の声聞こえ/西村友宏
学校の横を通られたのでしょう。聞こえた朗読の声にふと顔を上げられたら冬紅葉が目につきました。朗読の聴覚、冬紅葉の視覚、その二つが出会った御句です。(多田有花)

31.蜜柑買い二人で運ぶ空が晴れ/髙橋句美子
蜜柑を箱で買われました。段ボールを両側から二人で持って運ばれたのでしょうか。箱買いの蜜柑はお正月が近いことを感じさせてくれます。(多田有花)

07.路地が好き郵便ポスト曲がれば冬/祝 恵子
12.匂い立つ早や柊の蕾より/吉田 晃
21.日を透かし軽くなりたる冬紅葉/髙橋信之
26.夫在りし日のごとたっぷりおでん煮る/柳原美知子

【入選/12句】
01.谷川の水は鋼や十二月/小口泰與
寒さの厳しいシーズンに入ってきました。川の水の冷たさも一段と増します。その冷たさ、厳しさを「鋼」という言葉で的確に表現されています。(多田有花)

03.麦の芽や我が産土は風の里/小口泰與
蒔かれた麦が風に吹かれている風景を目にすると、懐かしくふる里を思い起こされるのだろう。賑やかなものが一切ない、麦の芽と風だけの場所は詠者の大切な原風景になっているのでしょう。(吉田晃)

14.塩蒸しの冬の南瓜の甘きこと/多田有花
南瓜の甘さに嬉しくなった率直な気持ちが伝わってくる素敵な句と感じました。「の」が続くことでリズムも軽快です。 (西村友宏)

18.実千両垣をはみ出す古き家/廣田洋一
千両の実、垣根、古い家。これらが揃った風景は、懐かしさを思い起こしてくれます。冬の日差しが暖かいことを想像させてくれていいですね。 (吉田晃)

23.冬籠り下校のチャイムに夕支度/西村友宏
一日の日差しがすっかり短くなり、午後4時頃の下校時ともなれば薄暗くなります。我が家でも下校のチャイムの鳴る時間ともなれば夕餉の支度を行っています。小学校、中学校とも直ぐ近くあり、同じような冬の生活リズムにとても共感です。 (桑本栄太郎)

25.すっと開く小春の引き戸に猫の顔/柳原美知子
ふとした日常のゆったりとした光景が思い浮かびました。 (髙橋句美子)

27.窓暮れて山際淡き冬茜/柳原美知子
窓辺から見る夕焼け、今日も一日が暮れてゆく安堵感でもあります。 (祝恵子)

13.裏庭に小さき大根育ちおり/多田有花
冬の日差しを受けて、生き生きと育つ緑の大根葉。その下に小さいながらも大根のまっさらな白がみえてきたうれしさ。裏庭での日々の農作業の喜びが伝わってきます。 (柳原美知子)

32.水仙の白を見つけて公園へ/髙橋句美子
樹々も落ち葉し、花も少なくなった散歩道。清々しい香りがほんのりと漂ってくる水仙の白さに、新たな季節を迎える喜びが感じられます。 (柳原美知子)

11.熱き湯に身を沈めれば神無月/吉田 晃
15.銀杏落葉表通りを一色に/多田有花
33.贈り物を待つ日々長くアドベント/髙橋句美子
26.夫在りし日のごとたっぷりおでん煮る/柳原美知子

■選者詠/髙橋信之
21.日を透かし軽くなりたる冬紅葉
冬に残り映える紅葉も日の経つうちに葉を落として梢も軽くなり、月が良く見えるようになった。寒い冬が来た景が良く見えてきます。 (小口泰與)

19.冬椿の白に解放され正午
20.?梅の花と香りと青空に

■選者詠/高橋正子
30.眠るまで聞けり冬の夜のラジオ
 あれこれと多忙だった一日が終わり、心身ともに寛げる時間を得た。床に就いたのであろうか。枕元に置かれたラジオの声が、心地よい冬の夜の眠りに誘ってくれる。豆電球の部屋に流れているラジオに向けられた意識がいいと感じた。 (吉田晃)

29.職辞してオリオン星座ひんがしに
最後のお勤めを終え、東の空に輝きはじめたオリオン座を仰ぎながら、安堵感と解放感、新たな季節への感慨を深められたことでしょう。お疲れ様でした。 (柳原美知子)

28.橋塔の灯の明滅を冬の霧

■互選高点句
●最高点(同点2句/5点)
16.花屋には赤の溢れて十二月/廣田洋一
26.夫在りし日のごとたっぷりおでん煮る/柳原美知子

※コメントの無い句にコメントをお願いいたします。

■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2021年12月12日
11名(33句)
01.谷川の水は鋼や十二月
02.寒菊や風の放埓今日もまた
03.麦の芽や我が産土は風の里
04.綿虫の記憶点ずる浮遊かな
05.明滅や冬の日差しの絶え間なく
06.吾輩の名前は要らず漱石忌
07.路地が好き郵便ポスト曲がれば冬
08.手渡しでハトに餌をやる冬の土手
09.足場組む巡らす網より冬夕焼け
10.花野枯れ薄き匂いの風の野へ

11.熱き湯に身を沈めれば神無月
12.匂い立つ早や柊の蕾より
13.裏庭に小さき大根育ちおり
14.塩蒸しの冬の南瓜の甘きこと
15.銀杏落葉表通りを一色に
16.花屋には赤の溢れて十二月
17.ブロッコリー球を開きて歌唱せり
18.実千両垣をはみ出す古き家
19.冬椿の白に解放され正午
20.?梅の花と香りと青空に

21.日を透かし軽くなりたる冬紅葉
22.冬もみじ教室の朗読の声聞こえ
23.冬籠り下校のチャイムに夕支度
24.歳末セールカード幾枚も備え
25.すっと開く小春の引き戸に猫の顔
26.夫在りし日のごとたっぷりおでん煮る
27.窓暮れて山際淡き冬茜
28.橋塔の灯の明滅を冬の霧
29.職辞してオリオン星座ひんがしに
30.眠るまで聞けり冬の夜のラジオ

31.蜜柑買い二人で運ぶ空が晴れ
32.水仙の白を見つけて公園へ
33.贈り物を待つ日々長くアドベント

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

■12月月例ネット句会ご案内■

■12月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(冬の句)3句
②投句期間:2021年12月6日(月)午前6時~2021年12月12日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:12月12日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:12月13日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、13月13日(月)正午~12月16日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/11月月例ネット句会を終えて

11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。継続してご参加いただいている皆様には、本当に感謝でございます。入賞の皆さまおめでとうございます。選やたくさんのコメントをありがとうございました。

一か月ごとの区切りに季節の進み具合をご投句から確かめることができるのも、月例句会の魅力です。先師の川本臥風先生から「俳句は季節の微妙な移り変わりを捉えているのが良い句だ」お聞ききしたことがあります。それに間違いはないことを今回の句会でも感じました。日々のご精進の結果でしょう。

新型コロナの感染もいまのところ収まっているようで、このまま収束することを願わずにおれません。今年も来月1か月と少しを残して終わります。「終わりよければすべてよし」、としたいものです。寒さに向かいます。お体に気を付けて、ご健吟ください。これで11月月例ネット句会を終わります。
髙橋正子