ご挨拶/11月月例ネット句会を終えて

11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。
入賞の皆さまおめでとうございます。金・銀・銅賞は、信之先生と正子の特選句から決めています。(もちろん、選者特選句と互選句が重なる場合もあります。)入選句は、皆様の互選を頂いた句を入選としています。
今回は俳誌「オリーブ」の創刊同人の木村晴美さんに選をしていただきました。発行所の近所にお住まいで、お貸しした本を返しに来られましたので、選をお願いしましたところ、快く引き受けてくださいました。木村様ありがとうございました。
今回は、私の不手際で、清記を間違った場所にアップロードしてしまいましたが、皆様のご協力で無事、選とコメントを頂くことができました。ご協力ありがとうございました。これから寒さに向かい、インフルエンザや新型コロナの心配もありますが、風邪をひかれませんようにお過ごしください。
来月12月の月例ネット句会は、12月11日(日)になります。楽しみにお待ちください。これで11月月例ネット句会を終わります。
11月17日
髙橋正子

■11月月例ネット句会/入賞発表

■2022年11月例ネット句会■
■入賞発表/2022年11月14日

【金賞】
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き/多田有花
初冬の静かな明るさが詠まれた抒情的な句。薔薇が空を向くというのもユニーク。初冬が「薔薇」「みずいろ」の甘さを引き締めているところがよい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす/桑本栄太郎
朝顔の蔓を引いたのであろうが、たくさんの実がぱちぱちと弾ける意外性が面白い。たくさんの朝顔が咲いた夏の日が追想できる。(髙橋正子)

16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花/多田有花
石蕗が咲くころの日の短さが「午後の陽はすぐに傾き」と詩的に表現されて、しっかりと安定した構成の句となっている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
「よべ」が多くを物語って、秋の夜の人の交わりの暖かさが感じられる句。「柿」も里の秋を表して十分だ。(髙橋正子)

29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風/西村友宏
路地裏にも紅葉する木があって、朝の風がさらさらと紅葉を揺らしている。そんな小さなそよぎが、綺麗な朝、混じりけのない気持ちを感じせてくれる。(髙橋正子)

38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと/髙橋句美子
寄せ鍋に野菜を大ぶりに切ってざくざくと入れる。彩りもいろいろと。忙しいなかでの鍋の支度はざっくりとするのもまたよい。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花/多田有花
 暖かい海辺の地に生ずる草で初冬に黄色の花を咲かす石蕗の花が、午後の冬日に輝いているが、日は早くも没日となり残照の中に石蕗の花の黄色が輝いています。(小口泰與)
 石蕗の花は、いつも日陰に灯るように咲いている印象があります。けれど、日陰を好むわけでなく、日の短い季節に明るい色の花を咲かせるため、そう思わせるのでしょう。冬の陽射しを「午後の陽はすぐに傾き」と詠まれたこと、実感にあふれた表現だと思います。(川名ますみ)
 晩秋より初冬にかけて咲きだす石蕗の花は、日毎に日が短くなり直ぐ薄暗くる時間でも、凛と黄色の花が透き通るように輝いています。その光景が見えるようである。(桑本栄太郎)

22.銀杏落葉朝日浴びつつ散りにけり/廣田洋一
朝日にきらきらと輝きながら散ってゆく銀杏黄葉の美しさは神々しくもありますね。自然の懐にいだかれる豊かな朝のひとときが感じられます。 (柳原美知子)

36.初時雨しろき天井仰ぎみる/川名ますみ
初時雨のふる静かな日、しんしんと冬の訪れを感じながら雨音に誘われて、天窓を見るように思わずしろい天井を仰ぎます。 (柳原美知子)

38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと/髙橋句美子
ざくざくいろいろとがいいです。具沢山、野菜たくさんのおいしそうな寄せ鍋が食べたくなりました。 (高橋秀之)

10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き/多田有花
29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風/西村友宏

【髙橋正子特選/7句】
25.茎引けば土よりからから落花生/柳原美知子
 畝の茎を引っ張ると鈴なりの落花生が出て来る。丹精の落花生は大粒で思わず頬が緩むのだ。いろいろな料理方法があるが、茹でるのが手っ取り早くて美味しい。引いた落花生の茎を満足げに見ている作者が想像されます。(吉田晃)
 落花生を引き抜いた時のうれしい気持ちが自然と伝わる素敵な句だと感じました。「からから らっかせい」とリズムも楽しい句だと感じました。 (西村友宏)

03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす/桑本栄太郎
10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花/多田有花
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き/多田有花
29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風/西村友宏
38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと/髙橋句美子

【入選/18句】
06.峠越すこたびは雪や鯉の里/小口泰與
峠を越えると鯉の生産で有名な町に入るのでしょうか。雪を見て、前にこの峠を越したときのことを思い出されました。時間の経過と季節感が相乗効果を生んでいます。 (多田有花)

07.芙蓉咲くお出しの匂う店暖簾/祝 恵子
出汁の香りがする老舗の料理屋。暖簾にも歴史を感じます。その前に芙蓉が咲いています。美味しそうな、暖かい句です。 (多田有花)

08.菊一輪地蔵に一礼線路ぎわ/祝 恵子
線路際のお地蔵様に菊が一輪供えられている。思わずお地蔵さまに一礼してしまった、敬虔な気持ちがさりげなく詠まれている。(廣田洋一)

13.冬暖か小さな花の黄色にも/吉田 晃
寒い日が続く中、穏やかな暖かさがうれしい季節です。小さな草花も暖かさを感じて咲いているのかも知れません。 (髙橋句美子)

14.小春凪鵜の戯れに海光る/吉田 晃
小春の頃の穏やかな海の凪に、数羽の鵜が餌を探しながら戯れている景が微笑ましい。その瞬間に、波打ちながら太陽の光を反射する。鵜の群れを歓迎しているかのような情景に対して、爽快な気持ちになる句だと思いました。(弓削和人)
小春日の濃紺の凪の海に気持ちよさそうに鵜が遊び、波が光っている。潮の香と日差しに包まれて、心温まる浜辺でのひとときです。(柳原美知子)

17.銀杏落葉始まる金色を極め/多田有花
きれいな銀杏の黄金葉が幹を取り囲んでいるのが見えてきました。(祝恵子)

19.冬の富士友と二人で並び見る/高橋秀之
出張されたのか、旅だったのか、いずれにしても友人と会って旧交をあたためられました。二人で語らう向こうに見える晴れた富士。さっぱりとした友情が感じられます。 (多田有花)

28.風呂そうじ終えて最後の柿をむく/西村友宏
一仕事終えて、ご褒美の最後のひとつの柿をむく。よく熟れた柿の色と笑顔が目に浮かぶようです。 (柳原美知子)

01.干乾びて行方定めぬ落葉かな/桑本栄太郎
05.小魚の群来(くき)の岸辺や枯眞菰/小口泰與 
09.赤い靴走りゆく子の十一月/祝 恵子
11.鵙日和尾羽を定めて飛びゆけり/弓削和人
15.梨売りの婆の手が剥く味見梨/吉田 晃
23.鯉の群ゆったり泳ぎ散紅葉/ 廣田洋一
24.冬鷺のつがひ飛び来る街の川/ 廣田洋一
27.菊ひらく朝日の中に友おわす/柳原美知子
34.撫子の花弁を梳いて風静か/川名ますみ
35.竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ/川名ますみ

【特別招待選者 木村晴美特選/7句】(俳誌「オリーブ」創刊同人)
01.干乾びて行方定めぬ落葉かな/桑本栄太郎
10.よく来たと戴くよべの柿二つ/弓削和人
14.小春凪鵜の戯れに海光る/吉田 晃
25.茎引けば土よりからから落花生/柳原美知子
34.撫子の花弁を梳いて風静か/川名ますみ
35.竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ/川名ますみ
36.初時雨しろき天井仰ぎみる/川名ますみ
■選者詠/髙橋信之
40.夕食の卓に洋梨どっかりと
41.妻の土産桜紅葉をわが机上に
42.真っ赤な葉桜紅葉の土産なる
■選者詠/髙橋正子
31.立冬の空を回れよ観覧車
近頃は各地に大きな観覧車ができています。乗るのもいいですが、回っているのを眺めるのもいいものです。これは横浜の「コスモクロック21」でしょうか。「回れよ」という言葉にさまざまな願いが感じられます。(多田有花)

32.小春日の真昼蟾蜍鳴く声のして
33.白山茶花の垣根長々寺隣り

■互選高点句
●最高点(7点)
03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす/桑本栄太郎

集計:髙橋正子
※特別招待選者(木村晴美様)の選は、集計に入れておりません。

お詫び

11月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございます。
「清記」のアップロードの場所を間違えておりました。午後9時45分ごろ、月例ネット句会のブログにアップロードしましたので、選をよろしくお願いいたします。選の締め切りは特に設けませんので、よろしくお願いします。
11月13日
髙橋正子

■11月月例ネット句会清記■

■11月月例ネット句会清記■
2022年11月13日
42句(14名)

01.干乾びて行方定めぬ落葉かな
02.冬蝶のとまどい行くや風に乗り
03.ぱちぱちと弾け朝顔実を散らす
04.寒月や川面の影の動きける
05.小魚の群来(くき)の岸辺や枯眞菰 
06.峠越すこたびは雪や鯉の里
07.芙蓉咲くお出しの匂う店暖簾
08.菊一輪地蔵に一礼線路ぎわ
09.赤い靴走りゆく子の十一月
10.よく来たと戴くよべの柿二つ

11.鵙日和尾羽を定めて飛びゆけり
12.目が合うとそらす夜寒の車両かな
13.冬暖か小さな花の黄色にも
14.小春凪鵜の戯れに海光る
15.梨売りの婆の手が剥く味見梨
16.午後の陽はすぐに傾き石蕗の花
17.銀杏落葉始まる金色を極め
18.初冬の薔薇みずいろの空に向き
19.冬の富士友と二人で並び見る
20.冬立つ日残業帰りにラジオ聴く

21.紅葉の投稿並ぶエスエヌエス
22.銀杏落葉朝日浴びつつ散りにけり
23.鯉の群ゆったり泳ぎ散紅葉
24.冬鷺のつがひ飛び来る街の川
25.茎引けば土よりからから落花生
26.町変われど秋天仰げば松山城
27.菊ひらく朝日の中に友おわす
28.風呂そうじ終えて最後の柿をむく
29.路地裏の紅葉が揺れる朝の風
30.痩せ細る秋刀魚に憂う温暖化

31.立冬の空を回れよ観覧車
32.小春日の真昼蟾蜍鳴く声のして
33.白山茶花の垣根長々寺隣り
34.撫子の花弁を梳いて風静か
35.竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ
36.初時雨しろき天井仰ぎみる
37.冬晴れの朝の道の工事中
38.寄せ鍋へ野菜ざくざくいろいろと
39.皆既月食慌ただしくて十一月
40.夕食の卓に洋梨どっかりと

41.妻の土産桜紅葉をわが机上に
42.真っ赤な葉桜紅葉の土産なる

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/11月月例ネット句会ご案内■

■2022年/11月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(秋の句・冬の句)3句
②投句期間:2022年11月7日(月)午前6時~2022年11月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:11月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:11月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、11月14日(月)正午~11月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/10月月例ネット句会を終えて

10月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントをありがとうございました。物事を理解するには、長く知っていることが大切だと言われています。会員の皆さまとの交わりもずいぶん長いものになりました。それでこそ、作者の立場に立った選とコメントができるのではないかと思っています。いつもの事ながらありがとうございました。
今月は第1日曜日が2日、第2日曜日は9日になりました。忘れやすい日めぐりなりました。月例ネット句会は、毎月第2日曜日に開催です。よろしくお願いします。
最近急に寒くなりました。気温の変化がとても激しいです。体調にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。来月の月例ネット句会は11月13日(日)(第2日曜日)です。たのしみにお待ちください。今月の月例ネット句会はこれで終わります。

■10月月例ネット句会/入賞発表

■10月月例ネット句会/入賞発表
■2022年10月例ネット句会■
■入賞発表/2022年10月10日
【金賞】
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
山路を越えるとき、天は高く晴れて澄み渡っている。そんな山路を玄米を提げて越える。新米の玄米を、ともかくも持たせてくれた。感謝とうれしさ。その重さが手に伝わる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
04.農がゆく後ろ手にして刈田道/吉田 晃
刈田となった道を農夫が手を後ろに組んで歩いて行く。その景色がくっきり見える。農村では、日常見かける風景。農夫は若くはないだろうし、田を見まわるのはもう、農夫の習性のようになっている。そういう農村の景色に思うことがさまざま浮かんでくる。(髙橋正子)

10.山からの水の流れや曼殊沙華/祝 恵子
曼珠沙華が咲くのは、畦や湿り気の多い道端。山から水が流れ、あたりに洩れているようなところなど。水の流れのあるところの曼珠沙華は赤い色が水を受けて輝いているような、みずみずしい赤の印象だ。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
09.秋の海日差しを載せて静かなり/多田有花
穏やか秋の海。日差しは平らかに海の上に載っているようだ。「日差しを載せて」が瀬戸内海の秋の海を象徴的に詠んでいる。(髙橋正子)

18.影法師踏みつつ帰る秋の暮れ/高橋秀之
学校帰りに、影踏みをしながら帰った人は懐かしさを覚えるだろう。秋の日暮れの影法師は長い。踏まれないように逃げながら帰ったことを新たに蘇らせてくれた句。(髙橋正子)

27.秋空へ街一番のビルが立つ/西村友宏
私はつねづね日本のビルは瀟洒だなあと思っている。秋空へ、街で一番の高いビルがそそり立つと、ビルの美しさが際立つ。なんだか、誇らしくも美しいビルである。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
稲刈りが終わり、新米を玄米のまま袋に入れて帰る山路。収穫の喜びと充実感に満ちた秋晴れの日です。 (柳原美知子)

18.影法師踏みつつ帰る秋の暮れ/高橋秀之
影を踏むという言葉に懐かしさを感じます。 (髙橋句美子)

25.鈴虫の音(ね)のする方へ歩く夕/西村友宏
鈴虫の澄んだ音色に惹きつけられ、その在りかをたしかめるように自ずと体が動きます。秋風に吹かれ心やすらぐ夕暮れです。 (柳原美知子)

31.秋の蜂花を探してきらきらと/髙橋句美子
秋光にきらきらと輝く蜂の存在感と秋の花の香り野の香りが感じられる美しい句ですね。 (柳原美知子)

04.農がゆく後ろ手にして刈田道/吉田 晃
09.秋の海日差しを載せて静かなり/多田有花
27.秋空へ街一番のビルが立つ/西村友宏

【髙橋正子特選/7句】
4.秋風に浸りて歩む土手の道/廣田洋一
「浸りて」に秋風の吹き渡る土手を歩く心地よさが表されていて、自然と一体化しているようです。 (柳原美知子)

24.湯あがりの身の透きゆける十三夜/柳原原美知子
湯上りに十三夜の月光を浴びてるうちに、自らの体を月が透き透るように感じられた。気持ちの良い月夜。(廣田洋一)
十三夜は豆名月の名があり、最後の名月で、名残りの月とも言う。名残りの月に湯上りの身をさらし居る作者の素敵で、ロマンチックな景が目に浮かびます。(小口泰與)

07.北国へ旅立つ支度寒露かな/多田有花
10.山からの水の流れや曼殊沙華/祝 恵子
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
27.秋空へ街一番のビルが立つ/西村友宏
31.秋の蜂花を探してきらきらと/髙橋句美子

【入選/12句】
22.南瓜豊作どの畑にもごろごろ/柳原原美知子
楽しい俳句に惹かれます。(祝恵子)

23.潮風にぼんぼり揺れて芋煮える/柳原原美知子
海辺の食事時でしょうか。気持ちのいい潮風とのどかな情景が目に浮かびました。 (西村友宏)

03.温め酒渾名呼び合う友の減り/小口泰與
05.捨て畑の石垣畦に花桔梗/吉田 晃
06.十三夜黄ばみ障子の薄明り/吉田 晃
08.秋祭り太鼓の音が風に乗り/多田有花
11.笛太鼓豊作祈る獅子踊り/祝 恵子
12.虫の音を楽しむ散歩夕の風/祝 恵子
15.一日の健康祈り林檎剥く/廣田洋一
17.秋雨の中を静かに出航す/高橋秀之
21.大工の音聞こゆ明りの窓に秋/弓削和人
33.きのこ飯いくつも買って雨の夕/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
34.窓開けて朝の秋空全身に
酷暑の毎日だったが、思いのほか涼しくなるのが早かった。窓を開けると秋の空が飛び込んできて体を包んでくれた。そんな感覚に捉われたのでしょう。先生のお元気な姿が想像できて嬉しい一句である。 (吉田晃)

35.今日があることを知る秋の空
平明な調べの中に、一日を迎えることへの感謝が詰まっています。秋空を見上げながら、生かされていると、思った瞬間を切り取っています。このような気持ちで、秋を過ごしていきたいものです。(弓削和人)
今日がある。当たり前のようであるがこの句のようにそれを意識して知ることは少ない。それを知る秋の空は素晴らしい情景です。(高橋秀之)

■選者詠/髙橋正子
29.宵宮の杜を照らして十三夜
久しぶりの宵宮。こんもりとした鎮守の杜が十三夜
の月光に青く照らされ、幻想的な光景をうかびあがらせています。静かな日本の原風景に祈りと希望の感じられる夜です。 (柳原美知子)

28.杜の樹に提灯かかげ里祭り
30.里祭りふうせん売りの日焼けなお

■互選高点句
●最高点(4点)
20.玄米を提げる山路や秋高し/弓削和人
集計:髙橋正子

■10月月例ネット句会清記■

■10月月例ネット句会清記■
2022年10月9日
35句(12名)

01.登校の背の順に行く雁の列
02.ひと笛に列真直ぐや体育祭
03.温め酒渾名呼び合う友の減り
04.農がゆく後ろ手にして刈田道
05.捨て畑の石垣畦に花桔梗
06.十三夜黄ばみ障子の薄明り
07.北国へ旅立つ支度寒露かな
08.-秋祭り太鼓の音が風に乗り
09.秋の海日差しを載せて静かなり
10.山からの水の流れや曼殊沙華

11.笛太鼓豊作祈る獅子踊り
12.虫の音を楽しむ散歩夕の風
13.西空に明星連れて一三夜
14.秋風に浸りて歩む土手の道
15.一日の健康祈り林檎剥く
16.食卓に並ぶ秋刀魚は人数分
17.秋雨の中を静かに出航す
18.影法師踏みつつ帰る秋の暮れ
19.パソコンを膝に電車の燈下親しき
20.玄米を提げる山路や秋高し

21.大工の音聞こゆ明りの窓に秋
22.南瓜豊作どの畑にもごろごろ
23.潮風にぼんぼり揺れて芋煮える
24.湯あがりの身の透きゆける十三夜
25.鈴虫の音(ね)のする方へ歩く夕
26.沸騰する薬缶にかけ寄る秋の夕
27.秋空へ街一番のビルが立つ
28.杜の樹に提灯かかげ里祭り
29.宵宮の杜を照らして十三夜
30.里祭りふうせん売りの日焼けなお

31.秋の蜂花を探してきらきらと
32.鮭包むホイルの凹凸煌びやか
33.きのこ飯いくつも買って雨の夕
34.窓開けて朝の秋空全身に
35.今日があることを知る秋の空

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/10月月例ネット句会ご案内■

■2022年/10月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(秋の句)3句
②投句期間:2022年10月6日(木)午前6時~2022年10月9日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:10月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:10月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、9月10日(月)正午~10月13日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/9月月例ネット句会を終えて

9月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントをいつもながらありがとうございます。
涼しくなってまいりました。目に新鮮に映るものが多く、つぎつぎ投句される句を読んでは、大いに刺激を受けた句会でした。今月は、仲秋の名月の翌日が句会となり、名月の句もたくさんありました。横浜も前日まで小雨が続いていましたが、十五夜には朝から晴れて、なんのご褒美か、仲秋の名月を見ることができました。
来月の月例ネット句会は10月9日(日)になります。この日は十三夜の翌日ということで、どんな十三夜の月の句が投句されるか、楽しみです。それでは、今月の句会をこれで終わります。ご協力ありがとうございました。来月もよろしくお願いします。
2022年9月15日
髙橋正子