ご挨拶/1月月例ネット句会を終えて

ご挨拶
2026年1月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。
1月11日は初句会となりましたが、新年らしい句に出会えて、今年が始まった確かな実感をもちました。入賞の皆様、おめでとうございます。
また、選とコメントをそれぞれの皆様からいただき、ありがとうございました。
日々、皆様の精進により明るくて深い現代語による俳句へ向かって一歩でも前進できますことを願っています。「俳句に向かう姿勢」を今年は特に大切にしたいと思っています。現在の俳壇の傾向として、形式を整えることが重要視されていますが、もちろん、それも大事ですが、人の心の有り様をしずかに句に詠んでいくのが花冠の有り様と思いますので、その方向を推し進めたいと思います。
自由な明るくて深い俳句が生まれますことを願い、1月ネット句会を閉じたいと思います。今年もどうぞろしくお願いします。
2026年1月17日
髙橋正子

■1月月例ネット句会入賞発表■

■1月月例ネット句会入賞発表■
2026年1月12日
【金賞】
34.雪雲の伊吹山越す厚みかな/上島祥子
伊吹山は岐阜県と滋賀県の県境に位置する1337mの山で、日本百名山に数えられる。この句は、伊吹山を越そうとする雪雲の圧倒的な厚みを詠んだ句。雪を降らせながら移動する雲は、豪雪をもたらすこともあろう。「厚みかな」で言い終え、句が読み手に開かれている。ここが共感を呼ぶところである。実感を伴った写生がリアル。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
23.藻塩振り七草あおあお粥炊ける/柳原美知子
「藻塩振り」の所作がまず美しい。それに続く七草、あおあお、粥がイメージを重ね、一句に品が生まれている。新年の伝統行事のゆかしさと、清らかさが感じられる句である。(髙橋正子)

30.白梅の咲けば川辺の明かり初む/川名ますみ
白梅が咲いたとたん、川辺は「明かり初む」のである。よい香りと上品で清らかな花の姿が、川辺を明るくさせることへの驚きがある。「咲けば」が少し説明的ではあるが、さらりと読めるので、句の疵ではない。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
09.粥炊かれ緑豊かな七種に/吉田 晃
粥が炊かれて、粥には七種が入れられる。それが「緑豊かな」粥になっているのである。その目の覚めるような緑色とその豊かさへの驚きがある。大地に燃え出す緑の豊かさが一椀の粥に込められているのだ。(髙橋正子)

31.初空や吾子と見上ぐる朝の径/西村友宏
朝の径の散歩であろう。自分の子どもと同じ視線で見上げる初空は、ひろびろと限りない。まっさらな新年の空が初々しく詠まれている。(髙橋正子)

36.振袖の一日終える寒茜/上島祥子
振袖を着た若い女性の一日が終わるころに、振袖のあでやかさを映し、またしずめるように空には茜が広がっている。一日の華やかさがしずかに着地するころである。しっとりとした豊かさのある句。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/9句】
03.七草の湯気の向こうに妻がいる/高橋秀之
七草粥の湯気のあたたかさの中、ご家庭の幸せな情景が思われ、心あたたまり安らかな気持ちになれます。
(藤田洋子)

06.窓枠に庭の土蹴る寒すずめ/土橋みよ
寒雀の「土を蹴る」という動きがかわいらしい、と同時に、寒さの中で懸命に餌を探しているその小さな脚の強さが「蹴る」という一語に集約されていて生命力を感じます。(友田修)

09.粥炊かれ緑豊かな七種に/吉田 晃
「緑豊か」という言葉に七草がゆのありがたさがにじんでいます。温かく滋養豊富な七草粥をいただかれ今年も息災を祈ります。(多田 有花)

21.幼子ら嬰児囲み松の内/藤田洋子
正月に集まる親戚一同。幼子たちも多いのでしょう。その仲間入りを果たした嬰児を囲む子供たち。お正月の松の内ならではの賑やかな光景を感じます。(高橋秀之)

23.藻塩振り七草あおあお粥炊ける/柳原美知子
七草がゆを作られた様子、さらに湯気の具合、色彩と香りと味わいまでもが感じられます。五感すべてで味う七草がゆであり、御句であります。(多田 有花)

30.白梅の咲けば川辺の明かり初む/川名ますみ
清らかな白梅の香りが漂う川辺の美しい風景が目に浮かぶようです。(土橋みよ)

31.初空や吾子と見上ぐる朝の径/西村友宏
34.雪雲の伊吹山越す厚みかな/上島祥子
36.振袖の一日終える寒茜/上島祥子

【入選/9句】
04.七日かな鏡餅搗く僧の声/土橋みよ
七日で松が明ける地方もありますね。関西の松の内は十五日までなので、地方による差を感じられます。(多田 有花)

05.丸餅の椀に溢るる初雑煮/土橋みよ
ご家族お揃いで迎えられた元朝のおいしそうなお雑煮が想像され、新たな年への希望と喜びが感じられます。(柳原美知子)

08.元朝の風が静かに日の丸へ/吉田 晃
元日の朝、新年を寿ぐ日の丸に風が吹き寄せる。静かにというところが、お正月の朝を感じさせてくれます。最近はお正月に日の丸(国旗)を掲げる家を見かけることも少なくなりました。(高橋秀之)

11.日脚伸ぶ中に夕餉の用意かな/多田有花
まだまだ夕飯の用意をする時間は暗い冬ですが、冬至もすぎ、これからは日脚が伸びてきます。きっと夕餉の用意の時間も少しずつ明るくなることでしょう。(高橋秀之)

13.道端の明るき光仏の座/廣田洋一
姫路でもすでに年末から仏の座があちこちで咲いています。オオイヌノフグリも咲き始めており、新春という雰囲気です。(多田 有花)

19.年新た生れて五日の赤子抱き/藤田洋子
産まれて間もない赤子を抱くだけでも嬉しい気持ちであるところ、新たな年の気持ちも重なり、二重の寿ぎの瞬間ですね。(高橋秀之)

20.掃初めの門辺に迎え新生児/藤田洋子
新生児を迎えられるため、掃初めをして清められた門。淑気漂う中にも、厳粛な生命を受けとめられるお気持ちに感動します。赤ちゃんご誕生おめでとうございます。(柳原美知子)

22.初山河日差しへ押し行くベビーカー/柳原美知子
静な景色の中に加わるベビーカー。その中にある新たな命を温かな日差しの中に向かわせる、愛情を深く感じる句で、新年の寿ぎにピッタリですね。(上島祥子)

25.枯れ葉舞う地に揺らぎたる月の影/友田 修
地に舞う枯れ葉の乾いた音と天上の雲の流れに揺らぐ月影の柔らかさが印象的で、寒さの中にも安らぎが感じられる情景です。(柳原美知子)

■選者詠/髙橋正子
16.寒晴の空を舞い来て浮く鴎 
事実を述べて力強い句だと感じた。即座に港の風景が脳裏に浮かび、「寒」の冷えた空気と潮の香が体内を清めてくれる感覚にとらわれる。(吉田晃)

18.冬川の色にわが立つ影映り
沈む落葉や冬空を映し深い色を湛える冬川にふと映る自分の影。厳寒の到来を実感し、現実の自分が意識される時でもあります。(柳原美知子)

17.寒鵜二羽並びて羽を広げあう  

●互選最高点句(7点)
34.雪雲の伊吹山越す厚みかな/上島祥子
〇互選次点句(6点)
30.白梅の咲けば川辺の明かり初む/川名ますみ

集計:髙橋正子(1月12日)

■1月月例ネット句会清記/2026年■

■1月月例ネット句会清記■
2026年1月11日
36句(12名)

01.参道に笑顔が溢れる初詣
02.窓口にミニ門松をひとつ置き
03.七草の湯気の向こうに妻がいる
04.七日かな鏡餅搗く僧の声
05.丸餅の椀に溢るる初雑煮
06.窓枠に庭の土蹴る寒すずめ
07.冬の実の色あざやかな寒に入る
08.元朝の風が静かに日の丸へ
09.粥炊かれ緑豊かな七種に
10.寒中や今日も明日も晴れ続く

11.日脚伸ぶ中に夕餉の用意かな
12.霜の花輝き即座に消えゆけり
13.道端の明るき光仏の座
14.恙なき吾もすすりて寒卵
15.格好良く老いんと思う初鏡
16.寒晴の空を舞い来て浮く鴎  
17.寒鵜二羽並びて羽を広げあう  
18.冬川の色にわが立つ影映り 
19.年新た生れて五日の赤子抱き
20.掃初めの門辺に迎え新生児

21.幼子ら嬰児囲み松の内
22.初山河日差しへ押し行くベビーカー
23.藻塩振り七草あおあお粥炊ける
24.冬晴れに鳶鳴き潮の満つる忌よ
25.枯れ葉舞う地に揺らぎたる月の影
26.年明くる東天に月十三夜
27.有明やカーテン越しの四日かな
28.リビングを聖樹の樅が占めており
29.看護師とささやくメリークリスマス
30.白梅の咲けば川辺の明かり初む

31.初空や吾子と見上ぐる朝の径
32.初詣並ぶ背中を見つむ吾子
33.病み上がり在宅ワークの初仕事
34.雪雲の伊吹山越す厚みかな
35.振袖の風に煽らる北颪
36.振袖の一日終える寒茜

※あけましておめでとうございます。初句会にご参加ありがとうございます。
互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

1月月例ネット句会ご案内/2026年

■1月月例ネット句会ご案内/2026年■New!
皆様に置かれましては、よい新春をお迎えのことと思います。2026年1月月例ネット句会のご案内を下記の通りいたします。大勢のみなさまのご参加をお待ちしています。

期 日  :1月11日(日)
①投句:当季雑詠3句
    1月5日(月)午前6時~1月11日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
              ※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月11(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月12日(月)正午~
                 1月15日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏