あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
みなさまにおかれましては、清々しい新年をお迎えのことと思います。
昨年中は月例ネット句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。おかげさまで2025年の秀句が生まれましたことを喜びたいと思います。
今年も「月例ネット句会」をよろしくお願いいたします。「1月月例ネット句会」は1月11日(日)となります。追ってご案内いたしますので、楽しみにおまちください。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
2026年元旦
花冠代表 髙橋正子

2025年月例ネット句会最優秀句(2句)
水際の色となりつつ柳の芽     藤田洋子
縺れあう黄蝶のふたつ天高し    川名ますみ

1月月例ネット句会ご案内/2026年

■1月月例ネット句会ご案内/2026年■New!
皆様に置かれましては、よい新春をお迎えのことと思います。2026年1月月例ネット句会のご案内を下記の通りいたします。大勢のみなさまのご参加をお待ちしています。

期 日  :1月11日(日)
①投句:当季雑詠3句
    1月5日(月)午前6時~1月11日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
              ※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月11(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月12日(月)正午~
                 1月15日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

2025年月例ネット句会最優秀句決定

このたびの金賞作品から最優秀句を選出するにあたり、暮れのお忙しい時期にもかかわらず、十名の方々にご参加いただきました。心より御礼申し上げます。皆さまの真摯な選句の積み重ねが、花冠の誌面を支える大きな力となっております。

今回、同点で二句が最優秀句に選ばれました。
水際の色となりつつ柳の芽     藤田洋子
縺れあう黄蝶のふたつ天高し    川名ますみ

両句ともに、信之先生の提唱された「明るくて深い、現代語の俳句」の理念にふさわしく、花冠の代表句として一年を締めくくるに相応しい成果となりました。藤田洋子さん、川名ますみさん、おめでとうございます。
これからも、皆さまの研鑽と挑戦が誌面を豊かにし、俳句の未来を照らすものとなることを願っております。
―― 花冠代表 髙橋正子
2025年12月16日

 

2025年 月例ネット句会金賞作品/選句用

2025年 月例ネット句会金賞作品
●好な句を金賞作品11句から3句選び、コメント欄に番号をお書きください。句の冒頭の番号を<①、②、③ >のようにお書きください。よろしくお願い致します。

① 初日さし湖の昏さを破りけり     弓削和人
② 蜜柑摘み汽笛近づく海を背に     吉田 晃
③ 水際の色となりつつ柳の芽      藤田洋子
④花透かせ花に溶けゆく夕茜      柳原美知子
⑤つるバラの開花弾けるように増え    上島祥子
⑥残照の空へとあがる遠花火       多田有花
⑦青田風四万十川へ抜けてゆく      吉田 晃
(⑧休会)
⑨石狩に雲の一刷毛稲稔る        土橋みよ
⑩陽が沈む稲架の垂れ穂を赤く染め    吉田 晃
⑪縺れあう黄蝶のふたつ天高し     川名ますみ
⑫冬蝶を目で追いゆけばもどりくる     吉田 晃

●一年間、句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。ここに一年間の金賞が揃いました。8月はブログの移転で句会はお休みしましたので、11句が揃いました。

花冠代表 髙橋正子
2025年12月14日

 

■12月月例ネット句会入賞発表■

■12月月例ネット句会入賞発表■
2025年12月14日

【金賞】
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる/吉田 晃
冬の蝶の儚さを写しながら、蝶を追う眼差しの優しさと、蝶の飛ぶ自然の律動を表している。静かな冬の空気の中に、蝶の一瞬の舞いが「戻る」という言葉によって永遠性を帯び、余韻を残す一句となっている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり/土橋みよ
寺でもらった柚子はたくさんあったのだろう。柚子を洗った手の甲が水をはじいたのは、柚子も、手の甲もきびきびと若々しい様子。(髙橋正子)

11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ/藤田洋子
並木の銀杏黄葉もすっかり散って、街の空は、青一色に澄んでいる。散ってしまった黄葉ではあるが、青空に対比されて、脳裏にはその色が残っている。それだからこそ、「澄む碧さ」となるのだ。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
04.浮寝鳥群れたるままに流れおり/ 廣田洋一
水に浮いたまま眠る水鳥の群れは、流れがあれば、群れごとに流れている。自然の営みのままに眠る浮き寝鳥は、自然の一部となっているのだ。
(髙橋正子)

29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み/柳原美知子
集まって餅を搗いているのだろう。餅搗きの場所には、ドラム缶に焚火が焚かれ、暖が取れるようになっている。餅が搗きあがるまで、みんなで火を囲んで話も、身近なことなど尽きない。年末の共同体のなごやかな風景が詠まれている。(髙橋正子)

09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/土橋みよ
蜜柑風呂に入った。蜜柑の香りがして、手に湯を掬うと柔らかい。家庭的な蜜柑風呂の柔らかさに和む。(髙橋正子)
読み下すほどに映像が浮かび、共感できる好きな句です。蜜柑の優しい色とまどかな形に、甘やかな香り、そして掬えば手に柔らかなお湯。幸せな一夜ですね。(川名ますみ)

【髙橋正子特選/7句】
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/土橋みよ
手をこぼれ落ちた湯が柔らかい音を立てる。湯の柔らかい匂い、湯のこぼれる柔らかい音、柔らかい湯気、そして蜜柑の柔らかな匂い。ゆったりと流れる時間に包まれた作者。(吉田晃)

11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ/藤田洋子
散り尽くすという清々しい表現がk澄んだ青さをより際立てており、美しい光景が浮かびました。(西村友宏)

04.浮寝鳥群れたるままに流れおり/ 廣田洋一
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり/ 土橋みよ
08.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/ 土橋みよ
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる/吉田 晃
27.海光り港静かな暖冬に/吉田 晃
29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み/柳原美知子

【入選/15句】
02.冬ぬくし始業チャイムの緩やかに/桑本栄太郎
関西では12月はじめはまだ紅葉も残り暖かです。その中で始業のチャイムがどこかのんびりと聞こえてきます。お天気はきっと晴れです。(多田有花)

08.ひび割れし苅田に糠の山一つ/土橋みよ
収穫を終えた苅田の「ひび割れ」に季節の深まりを感じます。刈田の一抹の寂寥感の中にも、糠の山一つの柔らかさに、ほのぼのとしたあたたかみを感じる田園風景です。(藤田洋子)

10.窓拭いて空の青さに師走来る/藤田洋子
師走に入るころ、瀬戸内地方では晴天が続きます。秋の青空とはまた少し違う、初冬の澄んだ空です。それを仰ぐとき、過ぎ去ったこの一年のこと、残る最後のひと月の予定などさまざまなことが去来します。(多田有花)

13.朝に掃き夕に掃いても落ち葉あり/高橋秀之
紅葉、黄葉の時季を過ぎれば、あとは落葉落葉の連続です。当に落葉時の光景を詠んで落葉の切りの無さが思われます。(桑本栄太郎)

14.澄み渡る冬空を行く鳥の群れ/高橋秀之
朝夕に空を仰げばさまざまな鳥たちが群れで行き来しています。冬鳥として渡ってきた鴨の群れか、あるいは留鳥のカワウなどか。地域や場所によっても異なりますが、想像力を呼び起こされます。(多田有花)

15.大根の煮物みそ汁食卓に/高橋秀之
大根の美味しい季節となりました。旬の大根の煮物とみそ汁に、心安らぎ心あたたまる冬の食卓を感じます。(藤田洋子)

20.朴落葉踏み天文台への道/多田 有花
厚く大きな朴の葉を踏みしめて天文台への道を歩むときの鼓動の高まりが聞こえてくるようです。どんなに素晴らしい冬の夜空だったことでしょうか。(土橋みよ)

22.冬日向ベビーカー揺れ眠りけり/西村友宏
冬日向が寒さの中に暖かさを感じます。その暖かさのなかで、すやすや眠る子が愛おしいです。(高橋秀之)

23.日が射して枯葉がひらり吾子の手に/西村友宏
明るい冬の日差しを受け、ベビーカーの中のお子様も押すお父様も心地よく、子の手に舞い降りた枯葉に自然の息吹を感じつつ歩む父と子の至福のひとときです。(柳原美知子)

24.はじめてのおすわり祝す冬日和/西村友宏
 おめでとうございます。生まれて間もない赤子が、冬の温かい天気の良い日にに日向ぼこをする如く、初めて座った。健康に成長していて、真に喜ばしい。(廣田洋一)

28.落葉する大銀杏抜け子ら登校/柳原美知子
寒さに負けず子どもたちの元気な登校の風景が目に浮かぶようです。(高橋秀之)

30.里祭り抜け来し川辺枇杷の花/柳原美知子
里まつりの賑わいと川辺に控えめの咲いている枇杷の花が対照的に感じられました。そのような花を俳句にされるのが素敵に思われました。(土橋みよ)

31.冬灯夜を切り取りて黒猫来/川名ますみ
冬の灯の下に黒猫が現れる一瞬を俳句にされていること、大変勉強になりました。情景が美しく、とても神秘的で、ドラマチックでもありハッとしました。(土橋みよ)

32.銀杏黄葉樹の膨らみて弾け散る/川名ますみ
樹の膨らむほど鮮やかな黄金色に色付く銀杏。その樹より一斉に舞い散る黄葉が際立って美しい輝きを放っているようです。おびただしい黄葉の量感も感じとれます。(藤田洋子)

36.深呼吸ひとつ大きな冬の月/友田 修
澄んだ冬の空に浮かぶ月の下で、雄大な自然を全身で味わいながら、大きく深呼吸する様子が目に浮かびます。(土橋みよ)
冬なればこそ、くっきりと光りを放つ大きな冬の月の存在感です。澄み渡る澄んだ大気の中での作者の深呼吸に共感いたします。(藤田洋子)
澄み渡る空気、明るく照らす冬の月。自然の醍醐味が大きな深呼吸で味わえる。この深呼吸に幸せな時間と空間を感じます。(高橋秀之)

■選者詠/髙橋正子
17.木の葉ちる朴には朴の音のして
色鮮やかだった紅葉も冬になると木々の葉は枯れて舞い落ちる。丸まってカサカサになり風に舞うように散るものもあれば、朴葉のようにゆったりと落ちてゆき、ふわっと音を立てるものもある。木々それぞれの散り方にそれぞれの音があるように、人の人生にもそれぞれの音があるのだろう。
(友田修)
朴落葉というとあの大きさに目が行きますが、音に注目されました。確かにあの大きさの葉が枝を離れて地に降り立つときは独特の音がするであろうと思われます。(多田有花)

16.鍵開ける冬満月を仰ぎつつ
18.プラタナス落葉となって地を走る

●互選最高点句(7点)
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/土橋みよ

集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

 

■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2025年12月14日
36句(12名)

01.葉を落とし銀杏冬芽の楽譜かな
02.冬ぬくし始業チャイムの緩やかに
03.松山のことは想い出漱石忌
04.浮寝鳥群れたるままに流れおり
05.コンビニのおでんの匂い昼餉時
06.黄ばみたる障子まとめて張り替えぬ
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり
08.ひび割れし苅田に糠の山一つ
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂
10.窓拭いて空の青さに師走来る

11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ
12.冬欅灯し現る樹の形
13.朝に掃き夕に掃いても落ち葉あり
14.澄み渡る冬空を行く鳥の群れ
15.大根の煮物みそ汁食卓に
16.鍵開ける冬満月を仰ぎつつ
17.木の葉ちる朴には朴の音のして
18.プラタナス落葉となって地を走る
19.日時計の針になりけり冬晴に
20.朴落葉踏み天文台への道

21.太陽のフレアを見るや冬真昼
22.冬日向ベビーカー揺れ眠りけり
23.日が射して枯葉がひらり吾子の手に
24.はじめてのおすわり祝す冬日和
25.木が枯れて森の浅きを鵙猛る
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる
27.海光り港静かな暖冬に
28.落葉する大銀杏抜け子ら登校
29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み
30.里祭り抜け来し川辺枇杷の花

31.冬灯夜を切り取りて黒猫来
32.銀杏黄葉樹の膨らみて弾け散る
33.にわか雨冬の日差しの潤える
34.冬紅葉蹲に浮き沈みけり
35.最中とは満月と知る冬の月
36.深呼吸ひとつ大きな冬の月

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

12月月例ネット句会ご案内

■12月月例ネット句会ご案内/2025年■New!
12月月例ネット句会を下記の通り開きます。ご参加くださいますよう、ご案内いたします。
期 日  :12月14日(日)
①投句:当季雑詠3句
    12月8日(月)午前6時~12月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
              ※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:12月14(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:12月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、12月15日(月)正午~
                 12月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

※なお、12月月例ネット句会入賞発表と同時に、金賞の中から、年間最優秀句を選んでいただきます。その節は、よろしくお願いします。

ご挨拶/11月月例ネット句会を終えて

11月月例ネット句会にご参加、ありがとうございました。入賞の皆様おめでとうございます。それぞれの句にコメントをありがとうございます。
ほどんどの句にコメントが寄せられたと思いますが、信之先生は「俳句が大事」とよく言っておられました。なによりも一句一句が大事にされるべきと思います。

今年は短い秋でしたが、はや立冬を過ぎ、朝夕の冷え込みを感じるようになりました。今月のご投句から、みなさまそれぞれ身近に秋を楽しまれた様子が窺えました。早速、冬の句もあり、生活の中にこそ季節があるのだと実感いたしました。来月は12月句会、楽しみに、ご健吟ください。これで、11月月例ネット句会を終わります。
2025年11月14日
髙橋正子

■11月月例ネット句会入賞発表■

■11月月例ネット句会入賞発表■
2025年11月9日(日)
【金賞】
34.縺れあう黄蝶のふたつ天高し/川名ますみ
「天高し」によって、黄蝶は空の高みの、その青さの中にいることがわかる。空の青に紛れず、二つの蝶が軽やかに縺れあっている。
「ふたつ」は可憐な蝶をイメージさせてくれる。どの言葉も吟味され、詩のある句となっている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
01.バス停の夜の静寂や金木犀/桑本栄太郎
「バス停の夜の静寂」が、金木犀の特別感を出している。バス停近くの住宅に金木犀があるのだろう。金木犀の匂いが夜の静寂に沁み込んでいくようだ。(髙橋正子)

29.草原に青き輝き竜胆咲く/多田有花
草原に竜胆が咲いているのを見つけた。竜胆は、思わず「青き輝き」を心で叫ぶほど可憐な青い花だったのだ。私は阿蘇で草の中に、それも足元に竜胆を見つけたとき、まさに、このような感じだった。あれから、50年近くになるだろうが、いまだにその花を覚えている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
12.月満ちてあたり一面虫の声/友田 修
満月のひかりが、辺りを照らし、一面に鳴く虫の声を澄み透らせている。月と虫の声の織り成す、秋夜の満ち足りた時である。(髙橋正子)

24.柿落葉ひと葉ひと葉に色残し/藤田洋子
柿落葉は、ひと葉にいろんな色があるが、また別のひと葉ひと葉を見ても、その色彩は印象深い。落ちて間もない葉には、十分色が残っている。(髙橋正子)

25.風の穂に止まるとんぼの軽い赤/吉田 晃
「軽い赤」がとんぼの軽やかさを言い得ている。風に揺れている稲穂にとんぼが来て、つっと止まった。とんぼの動作がいかにも軽やかなのだ。「軽い赤」はそれから来ていると言えよう。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
01.バス停の夜の静寂や金木犀/桑本栄太郎
金木犀は住宅地の中にその香りが漂ってきて気が付くことが多いです。帰宅時にバスを降りてバスが去り、あたりに静けさが戻ったとき、
ふと金木犀の香りに気づかれた、その瞬間を詠まれています。(多田有花)

24.柿落葉ひと葉ひと葉に色残し/藤田洋子
紅葉する落葉の中でも柿落葉は赤、黄色、緑、青、紫などがあります。そして中には虫喰いもあり、一番変化に富みそれぞれひと葉ごとに変化があり、見ていても飽きが来ませんね!(桑本栄太郎)
落ち葉となり、一生を終えた柿の葉も、その一葉ごとにそれぞれ異なる色を残している。人の人生も同じかな。人それぞれの色がきっと残っていくと信じたい。(友田修)

28.朝霧の晴れ一面の芒原/多田有花
朝霧がぱっと晴れて、広がった一面の芒にハッとする情景が想像されました。秋の高原の清々しさが感じられました。(土橋みよ)
立ち込める霧も晴れ、朝の日が差す芒原の清々しい光景。霧に濡れる一面の芒もみずみずしい美しさです。(藤田洋子)

12.月満ちてあたり一面虫の声/友田 修
25.風の穂に止まるとんぼの軽い赤/吉田晃 
29.草原に青き輝き竜胆咲く/多田有花
34.縺れあう黄蝶のふたつ天高し/川名ますみ

【入選/15句】
04.棘光る鈴なりの柚子に朝日差し/土橋みよ
棘も光り、たわわに実る柚子の黄の輝きに、実りの季節の豊かさを感じます。香り高い柚子の芳香も辺りに漂うようです。(藤田洋子)

08.紅葉が空の青さを引き立てる/高橋秀之
今年はいつまでも暑さが続き、紅葉が遅くなったようです。それだけに紅葉の美しさが際立ち、晩秋の空の青さも極まります。待ちに待った紅葉を見上げ、ゆっくりと美しい風景と季節を味わわれるひとときです。(柳原美知子)

11.曼珠沙華妖しい光を連れてくる/友田 修
曼珠沙華はサンスクリット語で「天界に咲く花」を意味するそうです。群生している曼珠沙華を見ていると、異界にいるような気がします。日陰に咲く曼珠沙華に光がさすとどこか妖しい魅力に包まれるようです。(柳原美知子)

13.富士山のくっきり見ゆる小春かな/廣田洋一
季節折々、その時々の趣きの美しさを見せてくれる富士山。空にくっきりと映える伸びやかな姿に、小春日の穏やかな明るさをいっそう感じさせてくれます。(藤田洋子)

14.ひとしきり落葉時雨を浴びにけり/廣田洋一
乾ききっている落ち葉はちょっとの風でも容易に吹き飛んでしまう。けれどもひとしきり時雨を浴びると、濡れてしなって、その場にとどまり、さらに葉の表面もつやが出て光ったりもする。同じものも環境によってその存在や見え方が変わるものだなあとあらためて思います。(友田 修)

19.足湯する道後の空には鰯雲/柳原美知子
足湯にほっと心安らぐひととき、広がる空の美しい鰯雲に季節を実感されているのでしょう。湯の街で憩う明るく軽やかな心情が、季節の心地よさとともに伝わります。(藤田洋子)

20.小鳥来て声澄む道後の子規像に/柳原美知子
道後ならではの御句です。冬の渡り鳥が活発に活動しそれをきいているかのような子規の像。明るい伊予の冬です。(多田有花)

22.水底に日差し朽葉の散らばりに/藤田洋子
水の底まで日が差すと、腐ってぼろぼろになった落葉が見えました。朽葉といえども、色や形が顕わになることで、その命を再認識します。「散らばり」ということばから、葉が自ら散っていったような、能動的な明るさを感じました。(川名ますみ)

23.古代蓮枯れきるまでを水に照り/藤田洋子
古代蓮はすでにすっかり枯れているのですが、咲き誇っていた夏の姿を彷彿とさせます。夏、水面を隠す大きな葉の上で大きく咲いた蓮、それが今は枯れてその姿を静かな水面に映しています。(多田有花)

26.すする茶の音の軽さよ冬に入る/吉田 晃
冬に入る、とはこういうことだなあと一読して感じました。それも愛媛県のような暖かな四国の冬なればこその感覚です。冬に入ったころは、むしろ最も心地のよい気候として感じられます。(多田有花)

27.逝く秋の風の心地を満身に/吉田 晃
晩秋の風に吹かれ、その心地を満身に感じ、逝く秋を惜しまれる。季節を肌で感じ味わい、自然と一体となられる境地に感動します。(柳原美知子)

32.礫浜に白波砕ける秋の朝/上島祥子
晩秋から初冬にかけて、波は荒くなっていきます。磯浜に打ちつける白波、波音に季節の移ろいを感じます。(高橋 秀之)

36.シチューからスパイス香る今朝の冬/川名ますみ
立冬の日の夕食はぐつぐつとシチューを煮込む。ローリエやペッパーなどスパイスの香りが食欲をそそり、体の芯から温まって、冬の到来が実感されます。新たな季節を楽しんで迎えられるお心持ちが伝わってきます(柳原美知子)

30.立冬の月くっきりと宵の空/多田有花
暮れが早くなり、心細く、冷え込んできた宵の東の空にくっきりと明るい月が浮かび上がる。冬の訪れを実感しつつも、温かく安らかな心持ちで迎えられる立冬の月夜です。(柳原美知子)

21.はじめてと嫁栗飯を作りくれ/柳原美知子

■選者詠/髙橋正子
17.オリオンの星をたしかに星月夜
今の時期オリオン座が昇る時間は遅く、慌ただしい一日を過ごした夜更けに出会います。澄み渡る静寂の秋の夜空に、冬が近づいて来た合図を受けた心地がします。美しい景色です。(上島祥子)
「たしかに」の表現によって、オリオンのひときわ明るく強く輝いている存在の大きさが表現されているだけでなく、満天の星の存在の強さ、大きさをも感じさせてくれ、目の前に星月夜を見ている気になってきた。(吉田 晃)

16.今朝の冬病み臥す窓に外の光 
18.初紅葉電車のわれを誰知らず 

互選高点句
●最高点句(8点)
28.朝霧の晴れ一面の芒原/多田有花

集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

■11月月例ネット句会清記■

■11月月例ネット句会清記■
2025年11月9日
36句(12名)
※句会での句の前書きについて
句会では、ふつう投句に前書きをつけません。これまで、ネット句会の特性上、前書きのある句には、前書きをつけたまま清記に記載しておりました。他の句会に参加されることもあると思いますので、句会の慣例に従い、前書きを外しました。

01.バス停の夜の静寂や金木犀
02.緋の色のアメリカ楓の紅葉かな
03.あおぞらにさくら紅葉や仰ぎ見る
04.棘光る鈴なりの柚子に朝日差し
05.窓越しのどろぼう草や子らの声
06.秋麗や郵便バイク来る時分
07.出勤前妻とみかんを半分こ
08.紅葉が空の青さを引き立てる
09.朝礼で冬が来ると空を指し
10.窓辺から聴く秋風に色を見る

11.曼珠沙華妖しい光を連れてくる
12.月満ちてあたり一面虫の声
13.富士山のくっきり見ゆる小春かな
14.ひとしきり落葉時雨を浴びにけり
15.群れ雀落穂啄む小さき田
16.今朝の冬病み臥す窓に外の光 
17.オリオンの星をたしかに星月夜
18.初紅葉電車のわれを誰知らず
19.足湯する道後の空には鰯雲
20.小鳥来て声澄む道後の子規像に

21.はじめてと嫁栗飯を作りくれ
22.水底に日差し朽葉の散らばりに
23.古代蓮枯れきるまでを水に照り
24.柿落葉ひと葉ひと葉に色残し
25.風の穂に止まるとんぼの軽い赤
26.すする茶の音の軽さよ冬に入る
27.逝く秋の風の心地を満身に
28.朝霧の晴れ一面の芒原
29.草原に青き輝き竜胆咲く
30.立冬の月くっきりと宵の空

31.礫浜の路行き止まる秋の波
32.礫浜に白波砕ける秋の朝
33.秋望を母と天険親不知
34.縺れあう黄蝶のふたつ天高し
35.お土産の芙蓉を両のてのひらに
36.シチューからスパイス香る今朝の冬

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。