■2016年立春ネット句会■
■入賞発表/2016年2月4日
【金賞】
★大鉢に椿をどんと活ける店/祝恵子
椿は、瓶や大鉢に惜しみなく、どんと活けるのが似合う。春が店頭に惜しみなくある。いかにも清潔で活気ある店のたたずまいが想像できる。たっぷりとした椿が春を告げている。(高橋正子)
【銀賞句】
★水揚げてリハビリ室の花菜の黄/柳原美知子
リハビリという根気がいる治療に、気がめいることもあるだろうが、春を先駆けて菜の花が活けてある。水をよく吸い上げて黄色い花をほころばせ、元気だ。それを見るにつけ、励まされる思いだろう。(高橋正子)
【銅賞2句】
★立春や木立の影はまっすぐに/古田敬二
立春の声を聞くと、辺りはどこか、伸びやかな雰囲気になる。木立の影も健やかに真直ぐ伸びている。そのことを、技巧を凝らさず詠んだところにこの句の妙味が生まれている。(高橋正子)
【高橋信之特選/8句】
★いつまでもいつものところ鴨を見て/谷口博望 (満天星)
ただ鴨を見ている、作者のその姿がいい。(高橋信之)
★大鉢に椿をどんと活ける店/祝恵子
春を迎えてのいい句だ。他に言葉を付け加え無くてよい。(高橋信之)
★水揚げてリハビリ室の花菜の黄/柳原美知子
リハビリ室の患者さんに何気なく活けてある花菜、元気を出してくださいとの職員の方の励ましでしょうね。 (祝恵子)
★たんぽぽの咲き初めしを座して見る/祝恵子
ふと気づいた咲初めの路傍のたんぽぽに、思わず足を止め座り込んで見ている様子が目に浮かびます。(高橋秀之)
★節分の豆を家族にそれぞれ買い/髙橋句美子
節分の豆を家族の人数分それぞれに買われた優しい気持ちが見えて、「福は内!」の雰囲気が醸し出された御句です。(佃 康水)
★ふきのとう明るいみどりに刻まれる/高橋句美子
ふきのとうが土を割って花芽をのぞかせる頃となりました。花の開かない内に摘み採り、味噌汁などに散らすため刻めば明るい薄緑が広がり、また香ばしい香りを放ちます。厨に立つ初々しい主婦の姿を想像致します。(佃 康水)
★料峭や手荷物チッキに上京す/桑本栄太郎
「料峭」は、春風が寒く吹くことなのだが、「料峭」としか言いえないような気候である。日差しはすでに明るく、あたたかいように思えても風は冷たい。手荷物をチッキにして、入学や就職で故郷を離れる若者も多いだろう。嬉しさと、不安と、淋しさが混じったような気持を料峭はよく表しているのではないだろうか。(高橋正子)
★立春や木立の影はまっすぐに/古田敬二
【高橋正子特選/8句】
★春立つや川の光の流れゆく/祝恵子
小川のせせらぎが春の陽光にきらきらと輝いて流れてゆく心愉しい景。童謡「春の小川」を想い出します。(河野啓一)
★囲われて檻の猿なり雪さんさん/高橋信之
雪降る中、狭い檻の中で自由を奪われ寒さに震えているであろう猿への温かいまなざしと待春の思いが感じ
られます。(柳原美知子)
★春立ちて蒼空高く鳥渡る/河野啓一
春立ちて、蒼空の高いところを鳥が渡ってゆく。きょうより春というだけで、蒼空に光が強くなり、渡る鳥の影も濃くなる。それを素直に詠んで、好感が持てる。(高橋正子)
★いつまでもいつものところ鴨を見て/谷口博望 (満天星)
★立春や木立の影はまっすぐに/古田敬二
★ふきのとう明るいみどりに刻まれる/髙橋橋句美子
★大鉢に椿をどんと活ける店/祝恵子
★水揚げてリハビリ室の花菜の黄/ 柳原美知子
【入選/6句】
★山かげを山に映して山笑う/佃 康水
春の山の明る感じをリズム良く素敵に詠つています。素晴らしいですね (小口泰與)
★新しき靴履き初めて春立つ日/ 多田有花
パステルカラーのパンプスでしょうか?新調の春物の洋装には、その色に合わせて購入した靴を節目の立春に履き初めます。少し肌寒いものの、心が躍り出しそうです。(桑本栄太郎)
立春に合わせて新しい靴をおろしたんでしょう。今日から新たな気分で臨むことが感じられる、気持ちの良い句です。(高橋秀之)
★薄氷に風の震えし痕を見る/古田敬二
暦の上では春になっても、まだまだ寒く早朝の池や水溜りなどに薄く氷が張る事があります。その薄氷に風の通り道とも思える模様が残っているのが見えますが「風の震えし痕」と詠まれたところに詩情を感じます。 (佃 康水)
★立春の木肌の温みに触れてみる/古田敬二
永かった冬も終わり、天地はゆるみ、芽吹こうとしている木肌の微かな温もりを感じたいということであろうか。 (満天星)
★伸びやかな赤城の裾野麦青む/小口泰與
赤城山は見たことがありませんが赤城山へ続くすそ野の春の感じが読まれていてよいと思います。(古田敬二)
★おはようのあいさつ明るく春立てる/高橋秀之
立春の暖かい日差しの中で「おはよう」と挨拶を交わし合う子ども達の声はおのずと明るく元気がよい。笑顔あふれる春の訪れです。(柳原美知子)
■選者詠/高橋信之
★丘への道丘からの道椿咲く
丘へ登る時も降りる時も美しい椿を愛で、丘から仰ぐ青空もひろびろと春の訪れが感じられる伸びやかな句ですね。 (柳原美知子)
★囲われて檻の猿なり雪さんさん
雪降る中、狭い檻の中で自由を奪われ寒さに震えているであろう猿への温かいまなざしと待春の思いが感じ
られます。(柳原美知子)
★立春の森の青空仰ぎたり
■選者詠/高橋正子
★森の道紅い椿になごみつつ
森に「紅い椿」が咲けば、森の厳しさ、淋しさは、無い。そこを下五の「なごみつつ」と詠んだのは、作者の感性であって、作者らしい句となった。(高橋信之)
★春光に蒲の穂絮の粒子めく
「粒子めく」で春光にきらめき、青空へと立ち昇る蒲の穂絮、水光る岸辺の情景が鮮やかに目に浮かびます。(柳原美知子)
★冬すぎて春が来ている榛の花
■互選高点句
●最高点(7点)
★春立つや川の光の流れゆく/祝恵子
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
コメント
コメント
★たんぽぽの咲き初めしを座して見る/祝恵子
ふと気づいた咲初めの路傍のたんぽぽに、思わず足を止め座り込んで見ている様子が目に浮かびます。
コメント
☆ふきのとう明るいみどりに刻まれる/橋句美子
ふきのとうが土を割って花芽をのぞかせる頃となりました。花の開かない内に摘み採り、味噌汁などに散らすため刻めば明るい薄緑が広がり、また香ばしい香りを放ちます。厨に立つ初々しい主婦の姿を想像致します。
☆節分の豆を家族にそれぞれ買い/橋句美子
節分の豆を家族の人数分それぞれに買われた優しい気持ちが見えて、「福は内!」の雰囲気が醸し出された御句です。
*ご近所の用事のため、今から明日まで留守を致しますのでコメントやお礼の言葉が遅れることをお許し下さいませ。
お礼
信之先生、正子先生、立春ネット句会の開催ありがとうございました。信之先生特選に「たんぽぽ」「椿」、正子先生特選に「春立つ」「椿」をお取りいただき、その上「椿」を金賞を頂き本当に嬉しく、ありがとうございました。
「春立つ」に 小口泰與様、。高橋秀之様。河野啓一様。谷口博望様。古田敬二様。柳原美知子様。「椿」に古田敬二様、選を頂きありがとうございました。
河野啓一様の温かいコメント、感謝いたします。
コメント
★囲われて檻の猿なり雪さんさん/高橋信之
雪降る中、狭い檻の中で自由を奪われ寒さに震えているであろう猿への温かいまなざしと待春の思いが感じ
られます。
★春光に蒲の穂絮の粒子めく/高橋正子
「粒子めく」で春光にきらめき、青空へと立ち昇る蒲の穂絮、水光る岸辺の情景が鮮やかに目に浮かびます。
★おはようのあいさつ明るく春立てる/高橋秀之
立春の暖かい日差しの中で「おはよう」と挨拶を交わし合う子ども達の声はおのずと明るく元気がよい。笑顔
あふれる春の訪れです。
お礼
信之先生、正子先生、立春ネット句会を開催していただきありがとうございました。
「花菜」の句に銀賞と両先生の特選をいただき、正子先生の温かいご句評をいただき、とても嬉しく感謝申し上げます。股関節まわりの筋力をつけるために通っているリハビリ施設での景で、今後の励みとなります。
祝恵子様には、同句に選と温かいコメントを、河野啓一様には選をいただき、ありがとうございました。
桑本栄太郎様、高橋秀之様には「立春」の句に選をいただき、ありがとうございました。
御礼
高橋信之先生、正子先生
立春ネット句会を開催頂き、大変有難うございます。
そして、信之先生には「料峭や手荷物チッキに上京す」
の句を特選句にお選び頂き、大変有難うございます。
佃 康水様には「海苔掻きや潮のふくらみ濡らす尻」の
句に貴重なる選を頂き、大変有難うございます。
又、両先生、並びに会員の皆様にはまだまだ寒暖定ま
らない時季であります。体調にはそれぞれの方が
充分お気を付けられ、更なるご健吟の程を!!。
御礼
高橋信之先生、高橋正子先生
立春ネット句会を開催頂きまして誠に有難うございました。未だ寒さは残っていますが皆様の投句やコメントなどでようやく春が訪れたのだなと気持ちも安らいで参りました。「山かげを山に映して山笑う」の句を入選句にお選びいただきまして有難うございます。
小口泰與様には同句へのお言葉を頂き有難うございます。高橋秀之様 河野啓一様 柳原美知子様 同句へ貴重な選を有難うございました。
桑本栄太郎様には「縁起もの目につく日々や初受験」の句へ貴重な選を頂き、誠に有難うございました。
御礼
高橋信之先生、高橋正子先生
立春ネット句会を開いていただき誠に有難うございました。何時も推敲不足の投句になり申し訳なく存じますが、正子先生の特選句の中に「鳥渡る」の1句をお取り上げ下され、素敵なコメントも頂戴しまして心から感謝申し上げます。小口様にも選を頂きありがとうございました。
御礼が遅くなりましたことお詫びいたします。
御礼
高橋信之先生、高橋正子先生
立春ネット句会,ありがとうございました。
銅賞に
立春や木立の影はまっすぐに/
をお取り上げいただきありがとうございました。
立春当日は晴天で気持ちよく吟行できました。
昨日、正子先生の句の葉書とシールも届きました。ありがたく頂戴いたします。