■2021年9月月例ネット句会■
■入賞発表/2021年9月13日
08.稜線の確と定まり秋気満つ/桑本栄太郎
山々の稜線がはっきりと見え、秋の澄んだ空気が満ち満ちている。俳句の定型が決まり、風格のある句となった。(髙橋正子)
15.秋茜すっと飛び立ち空に消ゆ/髙橋秀之
すっと飛び立った秋茜。飛び立ったかと思うと、その姿が見えない。小さな秋茜を秋の日と空がどこかへ掬いあげてしまった。まぶしく晴れた秋の日の透明感がいい。(髙橋正子)
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子
露草の花が青く咲くところは、田中を流れる小川のほとり。露草の青に水がふれんばかりで、音が澄んで聞こえる。澄明な秋の朝が詠まれている。(髙橋正子)
02.稲架に干す稲に青さの残るまま/吉田 晃
刈り取られて間もない稲。稲架にふさふさと掛けられた稲には、葉や茎にはまだ青さが残っている。実りの秋の豊かな風景がいい。(髙橋正子)
17.露草を撮って歩きの一歩とす/祝 恵子
カメラを持って歩きに出かけるところ。歩き始めたところに露草の花。まずは、カメラに収めてスタートの一歩とする。すずやかな気持ちで歩けそう。(髙橋正子)
08.稜線の確と定まり秋気満つ/桑本栄太郎
秋になって空気が澄むと山の稜線もくっきりします。木々の雰囲気と相まって、秋気に満ちる気がするものです。(高橋秀之)
見晴らしの良い景色が目に浮かび、秋の気配が気持ちよくかんじられました。「確と定まり」という表現で壮大さも伝わってきました。(西村友宏)
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子
言葉の一つ一つが澄んでいて秋の朝の雰囲気がよく感じられます。(髙橋句美子)
虫は昼より夕方から夜の方が多く鳴き、秋の夜は特に寂寥を深めます。見送られる子の名残りおしそうに振り返る姿に別れの侘しさを感じせせる景が見えてきます。 (小口泰與)
34.秋晴れの空を見上げて信号待ち/髙橋句美子
信号待ちの間、短い時間、何をするでもなく秋晴れの空を見上げる。そこには、澄んだ青空があるのでしょう。 (高橋秀之)
25.青ぎんなん雨の落とせる一顆なり/髙橋正子
雨あがり、散歩道に見つけた瑞々しい青ぎんなんにも秋の深まりを感じ、新たな季節を迎えるひそやかな喜びが感じられます。 (柳原美知子)
15.秋茜すっと飛び立ち空に消ゆ/高橋秀之
【髙橋正子特選/7句】
02.稲架に干す稲に青さの残るまま/吉田 晃
刈り取ったばかり稲束ですね?まだ緑色も残り、豊かに稔った穂先が揃って何段にも干されて居ます。今では少なくなった稲架の豊穣の秋の原風景が嬉懐かしい。 (桑本栄太郎)
15.秋茜すっと飛び立ち空に消ゆ/髙橋秀之
17.露草を撮って歩きの一歩とす/祝恵子
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子
34.秋晴れの空を見上げて信号待ち/髙橋句美子
【入選/16句】
04.大利根の水は豊けき下り簗/小口泰與
水豊かな利根川の鮎漁。水にある豊の秋を漁する男たちの力強い姿が想像される。簗を下る水しぶきが秋の喜びを想像させてくれます。 (吉田 晃)
09.とりどりの秋果並ぶや道の駅/桑本栄太郎
秋の果物は本当に種類が多い。土地の産物が並ぶ道の駅ならそれが全て並ぶのだろう。果物の景が良く見える。 (廣田洋一)
12.露草の青は夜明けの空の色/多田有花
露草の青、晴れた日の夜明けの空の色。どちらも澄んだ青さを感じます。 (高橋秀之)
14.四・七日の読経に被る虫の声/髙橋秀之
近しい方が亡くなられたのでしょうか。亡くなられたころはまだ夏の名残が強かったものが今では虫の声が高く聞こえるようになってきています。 (多田有花)
18.里芋の葉より雨粒コロコロリ/祝恵子
サトイモの葉の上を転がる雨粒の様子をユーモラスに表現されています。 (多田有花)
19.夫に供う初生り西瓜縞の濃き/柳原美知子
スイカがお好きだったのでしょうか。初生りのそれを備えつついろいろ蘇る思い出もあったことでしょう。今年も一年無事に過ごせましたとの感謝の思いもどこか感じられます。 (多田有花)
28.青空へけさ鷺草の二羽となり/川名ますみ
鷺草を育てておられるのですね。晴れた朝に鷺草の花の二つ目が咲きました。それを二羽と表現されているのが素敵です。 (多田有花)
32.冷やかに車窓にとどむ茜雲/廣田洋一
秋の夕、冷えこんできた車窓一面に美しい茜雲が映り暮れきるまで名残りを惜しまれたことでしょう。 (柳原美知子)
03.秋涼しまたたく星の白さより/吉田 晃
05.陰りでも深山竜胆深き色/小口泰與
06.浮き石を踏んで逃すや下り鮎/小口泰與
12.露草の青は夜明けの空の色/多田有花
23.鯉跳ねて商談前の秋の夜/西村友宏
30.鷺草の音を立てずに羽ばたけり/川名ますみ
31.成田山手水を汲みし秋の朝/廣田洋一
35.秋の風海より吹いて髪靡く/髙橋句美子
■選者詠/髙橋信之
39.秋暁の網戸を入る風さらり
( 風さらり)。朝方に網戸を抜けてくる風、涼しくなってきましたね。(祝恵子)
37.スタンドの灯りが照らす秋の夜
38.書き並ぶ数字机上に秋の夜
■選者詠/髙橋正子
25.青ぎんなん雨の落とせる一顆なり
26.木犀の香の濃くなりて花に遇う
27.見送れる子の振り返る虫の夜
■互選高点句
●最高点(5点/同点4句)
02.稲架に干す稲に青さの残るまま/吉田 晃
08.稜線の確と定まり秋気満つ/桑本栄太郎
20.露草の青に水音澄める今朝/柳原美知子
コメント
コメント
14.四・七日の読経に被る虫の声/髙橋秀之
近しい方が亡くなられたのでしょうか。
亡くなられたころはまだ夏の名残が強かったものが
今では虫の声が高く聞こえるようになってきています。
18.里芋の葉より雨粒コロコロリ/祝恵子
サトイモの葉の上を転がる雨粒の様子をユーモラスに表現されています。
28.青空へけさ鷺草の二羽となり/川名ますみ
鷺草を育てておられるのですね。
晴れた朝に鷺草の花の二つ目が咲きました。
それを二羽と表現されているのが素敵です。
御礼
高橋信之先生、正子先生
花冠9月月例ネット句会を開催頂き、大変有難うございます!!。
小生の句「稜線の確と定まり秋気満つ」の句を金賞の栄にお選び頂き、尚且つ過分なるご句評も頂戴しまして大変有難うございます!!。心より嬉しく感激であります。
今年の9月は秋の長雨の日が多く、この時は久しぶりに秋晴れの日となり、近在の京西山の嶺がくっきりと映え大変晴れ晴れとするような景色でした。同句に選とコメントを頂きました高橋秀之様、西村友宏様、選を頂きました小口様、柳原様には大変有難う御座いました。
又廣田様には「とりどりの秋果並ぶや道の駅」の句に選とコメントも頂戴しまして大変有難う御座います!!。
更に多田様には「乙訓は風吹く丘ぞ大花野」の句に、選を頂戴しまして大変ありがとうございました。
お礼
信之先生、正子先生
9月月例ネット句会を開催いただきありがとうございました。
「露草の青は夜明けの空の色」を入選句にお選びいただきありがとうございます。
小口泰與さま、廣田洋一さま、柳原美知子さま、選をいただきありがとうございました。
早朝に近所を散歩しますと、あちこちで露草が咲いているのを目にします。
あの深い青はあの花だけに見られる色で好きです。
コメント
34.秋晴れの空を見上げて信号待ち/髙橋句美子
信号待ちの間、短い時間、何をするでもなく秋晴れの空を見上げる。
そこには、澄んだ青空があるのでしょう。
12.露草の青は夜明けの空の色/多田有花
露草の青、晴れた日の夜明けの空の色。どちらも澄んだ青さを感じます。
コメント
25.青ぎんなん雨の落とせる一顆なり/髙橋正子
雨あがり、散歩道に見つけた瑞々しい青ぎんなんにも秋の深まりを感じ、新たな季節を迎えるひそやかな喜びが感じられます。
32.冷やかに車窓にとどむ茜雲/廣田洋一
秋の夕、冷えこんできた車窓一面に美しい茜雲が映り暮れきるまで名残りを惜しまれたことでしょう。
御礼
高橋信之先生、正子先生
花冠9月月例ネット句会を開催していただき、有難う御座いました。
「下り簗」、「竜胆」「下り鮎」のそれぞれの句を入選句にお取り上げ頂き有難う御座います。
また、「下り簗」の句に多田様、吉田様に選を頂き有難う御座いました。
「竜胆」の句に西村様の選を頂き有難う御座いました。「下り鮎」の句に桑本様、祝様に選をいただき有難う御座いました。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
信之先生、正子先生、9月月例句会を開催いただき、ありがとうございました。
「露草」の句に銀賞をいただき、正子先生の素敵なご句評を賜り、大変嬉しく感謝申しあげます。
露草の色と水音にようやく新涼を感じた朝でした。
「初生り西瓜」の句も入選句にお加えいただき、ありがとうございました。小玉西瓜と紅まくらという西瓜を庭で育てました。
髙橋句美子様、多田有花様、それぞれの句に選と温かいコメントをお寄せいただき、ありがとうございました。
祝恵子様、高橋秀之様、吉田晃様には「露草」に、
小口泰與様には「初生り西瓜」に選をいただき、ありがとうございました。
お礼
高橋信之先生、正子先生、9月月例ネット句会の開催をありがとうございました。
露草を銅賞にお選び頂き、正子先生の嬉しい句評をいただきましてありがとうございました。正子先生の特選に「露草」を、入選に「里芋」をありがとうございます。
多田有花様、「里芋」にコメントを添えて頂きありがとうございました。
お礼
高橋信之先生、高橋正子先生
9月月例句会を開催いただき、ありがとうございました。
また「秋茜」の句に銀賞をいただきき、ありがとうございました。
ちょっとした「秋」を感じた一瞬でした。
桑本栄太郎さまには虫の声の句に、 廣田洋一さま、西村友宏さま、髙橋句美子さまには銀賞受賞の句に選を、多田有花さまには虫の声の句にコメントをありがとうございました。
8月の暑い時期に永眠した父の法要も最近は秋を感じる中での法要に移ろってきました、