2022年9月11日
42句(14名)
01.流星や気散じの歩を湖辺まで
02.市松の切子硝子や秋うらら
03.蜩や湖にひと筋光りあり
04.あぶれ蚊の親しき声の纏い付く
05.身に入むや現世哀しき事ばかり
06.ふるさとの最後のひとつ梨を剥く
07.吾が影を追い越しトンボの影も飛ぶ
08.雨粒並ぶそれぞれに秋の色
09.辻地蔵稲穂出揃う裏通り
10.鶏頭の一群風にうねるかな
11.月やさしドビュッシーを聴きながら
12.ふと目覚めすこやかならむ母の秋
13.好天に恵まれし旅新酒酌む
14.高いわねと言ひて過ぎ行く秋刀魚かな
15.秋の虹新国王の城囲む
16.旅先で大空みれば中秋の月
17.目の前を行ったり来たり秋茜
18.秋の風ふと爽やかに頬を撫で
19.燕去り風は軽さを加えたり
20.名月のいま山の端を離れたり
21.名月の名残見送る夜明けかな
22.迎え火を焚く嬉しさよ茄子の牛
23.石鎚は白露の峰となり聳え
24.峡の田を守る案山子の首手拭い
25.名月のやすらう空の鉄色に
26.精霊バッタ飛び発ち翅のみどり透く
27.雹跡の疵梨剥くも野趣ふかし
28.待宵の田わたる風に身の軽く
29.月見団子丸めていれば雨あがり
30.名月のステンドグラスとなる高窓
31.旧友と並んで歩く秋の夜
32.弧を描く打球の先に光る月
33.読み終えて栞挟めば虫の声
34.海からの秋風の吹く大通り
35.秋晴れに雲一つなし海の青
36.梨届く段ボール畳む昼下がり
37.秋桜の揺れる畑よ青き空
38.重陽の雲間に見ゆる白き月
39.夕暮れの葉陰に揺れる栗のいが
40.黒ぐろと葡萄の粒が露を噴く
41.酢橘二個ころがり二個のみどり濃く
42.十五夜の盆にいびつな梨が載り
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
コメント
花冠9月月例ネット句会選句
01 17 19 24 40
24)峡の田を守る案山子の首手拭い
峡の間にある田の稲穂も黄金色となり、もう間もなく刈り入れの時季を迎える時季となった。彼方此方に立て掛けられている案山子も、稔りの秋を祝うように嬉しそうな表情である。「首手拭い」と措辞が効き、豊かな稔りが想われる。
花冠9月月例ネット句会選句
NO6 15 19 26 36
NO19燕去り風は軽さを加えたり
燕は9月、10月ごろ南方へ渡る。秋の風は定まった風位はない。色に配しては白、すなわち素風と言い、金風とも言う。素敵な柔らかい体に良い風が体に吹く。秋は素晴らしい季節です。
Unknown
9月定例ネット句会
1,7,26,29,38
01.流星や気散じの歩を湖辺まで
何気なく外気にあたる散歩の折に、流星が目の前を横切った。湖辺の方向に、流星を追うようにぶらりと歩き始める。ゆるやかな時間がながれ、秋の夜の景が目に浮かぶようです。また、湖面も穏やかで、流星を受け容れてくれているかのようです。
花冠9月月例ネット句会選句
17 22 29 32 42
42十五夜の盆にいびつな梨が載り
名月のお盆には勿論お団子もあり、そこにはいびつな梨もおかれている。いつもの十五夜のお供えです。お月様奇麗でしたね。
9月句会選句
2) 20) 26) 33) 34)
26.精霊バッタ飛び発ち翅のみどり透く
精霊飛バッタには確かに、薄い翅と厚い翅があって、飛び発つ時でなければ薄い翅を見ることはできない。昔から見てきたはずなのに、言われて初めて気づく。この句を見ていると、臥風先生の「てんとう虫の背が割れ空へ一直線」が浮かんでくる。
花冠9月月例ネット句会選句
19.24.25.33.38
33.読み終えて栞挟めば虫の声
秋の夜、ゆったりとした気持ちで本を読む。そして、今日はここまで、と読み終えて栞を挟んだ時に聞こえる虫の声。日本の情緒を感じます。
Unknown
ネット句会選句
no.5,16,18,20,35
no.20 名月のいま山の端を離れたり
月が、登って行く一瞬を捉えた。景色の良く見える句。
9月月例ネット句会選句
6、 8、 21、 25、 32
06.ふるさとの最後のひとつ梨を剥く
ふるさとから届いた瑞々しい梨。懐かしい思い出に浸りながら味わってきたけれど、いよいよ最後のひとつとなった。名残り惜しい気持ちでゆっくりと皮を剥くひととき。望郷の思いが伝わってきます。
9月ネット句会選句
06. 18. 19. 38. 40.
40.瑞々しい葡萄の一粒を細かいとこまで丁寧に観察れていて、鮮明に様子が浮かびました。
9月ネット句会選句
08. 19. 23. 29. 32.
19.燕の空を切るような飛ぶスピード感に、秋風の軽さを感じました。
Unknown
9月月例ネット句会選句
05. 08. 25. 31. 33.
31.旧友と並んで歩く秋の夜
秋の夜の散歩はいろいろな感慨が蘇ります。並んで歩く旧友も同様なのか黙っています。 あるいはこの旧友は詠み手の心の中で並んで歩いているのかもしれない、とも思いました。
選句
06.10.23.28.33.
06.ふるさとの最後のひとつ梨を剥く
毎年故郷から届く梨。丁寧に梱包された新鮮な梨の箱を開けたときのうれしさ。
それをひとつずつ食べていき、ついに最後のひとつになった。
今年の初秋もこれで終わり。感慨深いですね。