■3月月例ネット句会清記■
2026年3月8日
39句(13名)
01.沢蟹が水にふわふわ逃げる春
02.春の雨渇水ダムの底水に
03.瀬戸をゆく船の汽笛も春霞
04.園児らに声かけるごとクロッカス
05.洗濯物急ぎ取り込む春の塵
06.式終えし子らの笑顔や東風の中
07.初宮の赤子抱きものの芽の杜に
08.三月の命名の書の伸びやかに
09.下萌えの岸へさざなみ堰の水
10.春の朝伝い歩きに起こされぬ
11.春日差す立たんと幾たび吾子の足
12.淡雪や指さす先の空の白
13.白梅の影そのままに白壁に
14.春満月風の冷たさなおもあり
15.みどり児を抱けば全身いちごの香
16.ひととぜの再会ありてのどかなり
17.笹鳴きの声の沈みて入日かな
18.手あぶりの火鉢あかあか一人酒
19.庭中の雪解雫の音へ出る
20.六地蔵の前掛け吹き上ぐ春一番
21.川波のひかりへ枝垂れ初桜
22.咲き遅る父の育てし和水仙
23.不揃いの切干煮ゆる夕餉かな
24.春月や島遠くなる船一艘
25.雛道具するりとよけて猫のぼる
26.春の雨仏語の単語帳つづる
27.友乗せし飛行機ゆるり春月夜
28.緋桜に声置く鳥の影速し
29.休田の菜の花畑に黄の満ちて
30.水門に銀の波生み春の川
31.啓蟄や公園ひかり子ら遊ぶ
32.春風や倒木柔く崩れをり
33.春嵐そばをカラスの低く飛ぶ
34.いぬふぐり思い出すのは幼き日
35.白つばき紅の気配を残しつつ
36.石灯籠前に小さき春黄金花
37.春寒し泊まりの友と語らう夜
38.朝食に添える八朔瑞々し
39.ふと見れば陽ざしの先に新芽あり
※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
コメント
3月月例句会選句
02, 09, 14, 20, 29
29.休田の菜の花畑に黄の満ちて
我家の近くにも、休耕田をそのままにしては淋しいと言って、菜の花を一杯植えて、採り放題にしているところがある。そう言う景色が良く見える。
3,9,21,28,36
21.川波のひかりへ枝垂れ初桜
反射光が川の水面の乱れによって微かに揺れ、そこにかかる枝から目を上げれば、春の訪れを知らせる初桜が咲いています。控えめな句のようでありながら、美しい詩的な時間の流れをはっきりと気づかせていただきました。
6 7 14 23 38
14.春満月風の冷たさなおもあり
夜桜の美しさ、満月の見事さに見惚れることはあっても、すっと吹き抜ける風
に冷たさを感じはするが見逃してしまう感覚である。「なおもあり」の言葉が見逃してしまった意識を引き戻してくれ、まだ早い春を十分に堪能させてくれる。
03.10.14.19.21.
19.庭中の雪解雫の音へ出る
春の雪が降り思いがけない積雪となったのでしょう。
昼になり日差しが出てそれらの雪を溶かしていきます。
そのしずくの音が庭中に満ちて明るいです。
14.18.19.26.31
19.庭中の雪解雫の音へ出る
庭の木々や軒先から滴る雪の雫。そのきらめく情景と滴る音のみずみずしさに、自ずと明るい春の訪れと喜びを感じ取れます。
03.07.11.17.21.
21.川波のひかりへ枝垂れ初桜
水量の増す春の川に、陽射しが降り注ぎ輝いて、勢いを増して流れている。その岸辺に早咲きの桜が川に枝を伸ばし咲いている。とても美しい光景ですね。
13,20,24,28,39
24 春月や島遠くなる船一艘
春の月のもと、広い海にポツンと浮かぶ「船一艘」という情景が、島から離れていく情景が、どこか寂寥感のある空気を感じます。
12.13.19.21.24.
13.白梅の影そのままに白壁に
白壁に、花の咲いた白梅の木の影が映っています。白い花びらも黒々とした枝や幹も、白壁には影として現れます。白梅そのものを見た時は、わからなかった何かが、白壁に「そのままに」映った影から、見て取れるかもしれません。
03.13.21.31.36
21.川波のひかりへ枝垂れ初桜
春になり日が差し込む川の流れのひかりも鮮やかに。
そんな川に枝垂れる桜にも早咲きの花が見られたのでしょう。
ちなみに、数日前、近所の桜にもぽつぽつと桜が咲いていました。
03. 09. 10. 13. 25.
25.雛道具するりとよけて猫のぼる
華やかで細やかな雛飾りを倒すこともなく、上手に隙間を登ってゆく猫の姿が目に浮かぶようです。猫も参加する雛祭りの楽しさと作者の優しい眼差しが伝わってきまず。