■12月月例ネット句清記
2018年12月9日
14名42句
01.吟行の夢の中なり枯野かな
02.旋風となりし木の葉や風に舞う
03.一斉にその時来たり木の葉散る
04.次つぎに当て字の妙や漱石忌
05.笹鳴や湖を見下ろす祖父の墓
06.これがあの谷川岳や冬の星
07.冬の瀬戸さざ波青く空に溶け
08.大西日島々すべて茜色
09.朝ぼらけ漁火迅くも舟と化し
10.スケートを滑る子こける子ながめる子
11.アンコウ鍋二人に余る具沢山
12.冬灯し法事の僧の太い声
13.木枯に愛でし最後の彩りを
14.静かな雨冬のレモンを切りにけり
15.谷へ散る紅葉を傾く陽が照らす
16.冬山の色付きを背に渡月橋
17.参道にわずかな落ち葉天龍寺
18.冬風が頬をなでゆく露天風呂
19.山火事のようやく消えて三の酉
20.嫁ぎし子戻ると決めて年の暮
21.この年は病多かり日記果つ
22.芽水仙日の回り来る庭の隅
23.被災地の蜜柑生りしと届けらる
24.箱詰めの蜜柑つやつや手に一つ
25.足早にゴミ出す朝の息白し
26.寝る前にあともう一つ蜜柑食べ
27.仕事終え疲れ和らぐオリオン座
28.クリスマスのツリー数え街歩く
29.熟れし柿誰も取らずに枝垂れる
30.冬の鍋あれもこれもと急ぎ入れ
31.しぐれきて道後に響く刻太鼓
32.たいこまん好きな猫飼い漱石忌
33.風花の触れくる丘に線香立て
34.逞しき前歯で林檎美味そうに
35.受験生らしき人の横句集読む
36.開戦の日しらぬ人ばかりスマフォ繰る
37.牡蠣洗う洗いたるほど水冷たし
38.冬夕焼け工事現場に水打たれ
39.残菊の黄色ばかりが暮れ残る
40.地が平ら天が平らに冬来る
41.冬晴れのものみな良しと思う吾
42.天があり地があり冬の野を歩く
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
コメント
12月ネット句会選句
NO7 13 31 39 41
13木枯に愛でし最後の彩りを
木の葉を落し枯木にしてしまう強い風に辛うじて残る赤、黄色、緑の葉の色を極めた冬紅葉の素晴らしさを愛でる作者。素敵な景ですね。
12月ネット句会選句
No.3, 6, 17, 25, 37
25.足早にゴミ出す朝の息白し
朝、寒いのでゴミを出す時は、急ぎ足になる。
その時に吐く息が白く見えた。
朝の一瞬の変化を捉えたのが上手い。
12月ネット句会選句
04 21 29 37 42
No.4次つぎに当て字の妙や漱石忌
当意即妙の当て字を多用した漱石。当時の日本語の成り立ちにも大いに影響したとか。そのあたりの事情を紹介しされ巧みな句と思いました。
12月ネット句会選句
No 05 07 12 23 31
23)被災地の蜜柑生りしと届らる
蜜柑と言えば、瀬戸内、それも愛媛県の伊予蜜柑を連想します。7月のあの大変な豪雨水害の後、蜜柑が生ったと届けらた。おそらく知人、又は親戚の事であったものと推察されるが、少しづつ復旧している様子にひと安堵の作者です。
12月ネット句会選句
7 16 18 22 31
16.冬山の色付きを背に渡月橋
渡月橋から見る山のまだ残る紅葉。振り向いた景色がいい感じなのですね。
12月ネット句会選句
08.10.20.30.42
10.スケートを滑る子こける子ながめる子
すごく微笑ましい情景が浮かんできます。楽しい句です。
12月ネット句会選句
03.07.15.32.37
37.牡蠣洗う洗いたるほど水冷たし
水の冷たさも厭わず丁寧に洗われる牡蠣。洗うほど感じる水の冷たさに、新鮮な牡蠣の白さが見えてくるようです。旬の恵みをいただく細やかな心配りをも感じられます。
12月ネット句会選句
21.23.31.39.41.
41.冬晴れのものみな良しと思う吾
瀬戸内沿岸部の冬のよく晴れた日もこういう印象です。
日差しは最も弱くなるころですが、空は明るく
裸になった木々の枝がその青空をさしています。
すっきりさっぱりと清々しい晴れです。
12月ネット句会選句
03.07. 22. 37.42.
37.牡蠣洗う洗いたるほど水冷たし
剥いた牡蠣の実をさらに洗う。冷たい水で洗うほど美味しくなるという。冷たい手を我慢してさらに洗う。
12月ネット句会選句
10. 14. 22. 37. 40
22芽水仙日の回り来る庭の隅
ようやく芽を出した水仙 のいとけなさ。冬の日差しが庭の隅にも届き、これからの成長が楽しみです。何気ない日常にも優しい心配りが感じられます。
選句
3、7、17、26、39
7
青い海が青い空に同化する様子が目に浮かびます。