NEW■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2025年12月14日
36句(12名)

01.葉を落とし銀杏冬芽の楽譜かな
02.冬ぬくし始業チャイムの緩やかに
03.松山のことは想い出漱石忌
04.浮寝鳥群れたるままに流れおり
05.コンビニのおでんの匂い昼餉時
06.黄ばみたる障子まとめて張り替えぬ
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり
08.ひび割れし苅田に糠の山一つ
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂
10.窓拭いて空の青さに師走来る

11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ
12.冬欅灯し現る樹の形
13.朝に掃き夕に掃いても落ち葉あり
14.澄み渡る冬空を行く鳥の群れ
15.大根の煮物みそ汁食卓に
16.鍵開ける冬満月を仰ぎつつ
17.木の葉ちる朴には朴の音のして
18.プラタナス落葉となって地を走る
19.日時計の針になりけり冬晴に
20.朴落葉踏み天文台への道

21.太陽のフレアを見るや冬真昼
22.冬日向ベビーカー揺れ眠りけり
23.日が射して枯葉がひらり吾子の手に
24.はじめてのおすわり祝す冬日和
25.木が枯れて森の浅きを鵙猛る
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる
27.海光り港静かな暖冬に
28.落葉する大銀杏抜け子ら登校
29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み
30.里祭り抜け来し川辺枇杷の花

31.冬灯夜を切り取りて黒猫来
32.銀杏黄葉樹の膨らみて弾け散る
33.にわか雨冬の日差しの潤える
34.冬紅葉蹲に浮き沈みけり
35.最中とは満月と知る冬の月
36.深呼吸ひとつ大きな冬の月

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。


コメント

  1. 廣田洋一
    2025年12月14日 18:06

    12月ネット句会選句
    廣田洋一選

    09,14,20,24,26.

    24.はじめてのおすわり祝す冬日和
     おめでとうございます。生まれて間もない赤子が、冬の温かい天気の良い日にに日向ぼこをする如く、初めて座った。健康に成長していて、真に喜ばしい。

  2. 吉田 晃
    2025年12月14日 19:03

    9 10 16 23 29

    9 手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂

     手をこぼれ落ちた湯が柔らかい音を立てる。湯の柔らかい匂い、湯のこぼれる柔らかい音、柔らかい湯気、そして蜜柑の柔らかな匂い。ゆったりと流れる時間に包まれた作者。

  3. 土橋みよ
    2025年12月14日 19:12

    11, 26, 30, 31, 36
    36.深呼吸ひとつ大きな冬の月
    澄んだ冬の空に浮かぶ月の下で、雄大な自然を全身で味わいながら、大きく深呼吸する様子が目に浮かびます。

  4. 友田修
    2025年12月14日 19:24

    04 10 16 17 26
    17 木の葉ちる朴には朴の音のして
    色鮮やかだった紅葉も冬になると木々の葉は枯れて舞い落ちる。丸まってカサカサになり風に舞うように散るものもあれば、朴葉のようにゆったりと落ちてゆき、ふわっと音を立てるものもある。木々それぞれの散り方にそれぞれの音があるように、人の人生にもそれぞれの音があるのだろう。

  5. 桑本栄太郎
    2025年12月14日 19:44

    12月花冠ネット句会選句
    04 13 22 24 36
    <特選>
    13)★朝に掃き夕に掃いても落葉あり
    紅葉、黄葉の時季を過ぎれば、あとは落葉落葉の連続です。
    当に落葉時の光景を詠んで落葉の切りの無さが思われます。

  6. 藤田洋子
    2025年12月14日 19:47

    02.08.23.28.36

    36.深呼吸ひとつ大きな冬の月
    冬なればこそ、くっきりと光りを放つ大きな冬の月の存在感です。澄み渡る澄んだ大気の中での作者の深呼吸に共感いたします。

  7. 高橋秀之
    2025年12月14日 20:55

    02.09.24.32.36

    36.深呼吸ひとつ大きな冬の月
    澄み渡る空気、明るく照らす冬の月。
    自然の醍醐味が大きな深呼吸で味わえる。
    この深呼吸に幸せな時間と空間を感じます。

  8. 柳原美知子
    2025年12月14日 21:25

    9. 11. 23. 25. 31
    23.日が射して枯葉がひらり吾子の手に
    明るい冬の日差しを受け、ベビーカーの中のお子様も押すお父様も心地よく、子の
    手に舞い降りた枯葉に自然の息吹を感じつつ歩む父と子の至福のひとときです。

  9. 川名ますみ
    2025年12月14日 22:53

    09.13.17.25.36.

    09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂
    読み下すほどに映像が浮かび、共感できる好きな句です。蜜柑の優しい色とまどかな形に、甘やかな香り、そして掬えば手に柔らかなお湯。幸せな一夜ですね。