■11月月例ネット句会清記■
2025年11月9日
36句(12名)
01.バス停の夜の静寂や金木犀
02.緋の色のアメリカ楓の紅葉かな
03.あおぞらにさくら紅葉や仰ぎ見る
04.棘光る鈴なりの柚子に朝日差し
05.窓越しのどろぼう草や子らの声
06.秋麗や郵便バイク来る時分
07.出勤前妻とみかんを半分こ
08.紅葉が空の青さを引き立てる
09.朝礼で冬が来ると空を指し
10.窓辺から聴く秋風に色を見る
11.曼珠沙華妖しい光を連れてくる
12.月満ちてあたり一面虫の声
13.富士山のくっきり見ゆる小春かな
14.ひとしきり落葉時雨を浴びにけり
15.群れ雀落穂啄む小さき田
16.今朝の冬病み臥す窓に外の光
17.オリオンの星をたしかに星月夜
18.初紅葉電車のわれを誰知らず
19.足湯する道後の空には鰯雲
20.小鳥来て声澄む道後の子規像に
21.はじめてと嫁栗飯を作りくれ
22.水底に日差し朽葉の散らばりに
23.古代蓮枯れきるまでを水に照り
24.柿落葉ひと葉ひと葉に色残し
25.風の穂に止まるとんぼの軽い赤
26.すする茶の音の軽さよ冬に入る
27.逝く秋の風の心地を満身に
28.朝霧の晴れ一面の芒原
29.草原に青き輝き竜胆咲く
30.立冬の月くっきりと宵の空
31.礫浜の路行き止まる秋の波
32.礫浜に白波砕ける秋の朝
33.秋望を母と天険親不知
34.縺れあう黄蝶のふたつ天高し
35.お土産の芙蓉を両のてのひらに
36.シチューからスパイス香る今朝の冬
※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
コメント
花冠11月度ネット句会選句
12 13 21 24 28
<特選>
24)柿落葉ひと葉ひと葉に色残し
紅葉する落葉の中でも柿落葉は赤、黄色、緑、青、紫など
があります。そして中には虫喰いもあり、一番変化に富み
それぞれひと葉ごとに変化があり、見ていても飽きが来ま
せんね!!。
11.18.26.28.32
32.礫浜に白波砕ける秋の朝
晩秋から初冬にかけて、波は荒くなっていきます。
磯浜に打ちつける白波、波音に季節の移ろいを感じます。
12.20.24.28.30
28.朝霧の晴れ一面の芒原
朝霧がぱっと晴れて、広がった一面の芒にハッとする情景が想像されました。秋の高原の清々しさが感じられました。
01.13.25.28.34
28.朝霧の晴れ一面の芒原
立ち込める霧も晴れ、朝の日が差す芒原の清々しい光景。霧に濡れる一面の芒もみずみずしい美しさです。
17. 20. 23. 27. 34.
17.オリオンの星をたしかに星月夜
今の時期オリオン座が昇る時間は遅く、慌ただしい一日を過ごした夜更けに出会います。澄み渡る静寂の秋の夜空に、冬が近づいて来た合図を受けた心地がします。
美しい景色です。
01.14.22.25.28.
22.水底に日差し朽葉の散らばりに
水の底まで日が差すと、腐ってぼろぼろになった落葉が見えました。朽葉といえども、色や形が顕わになることで、その命を再認識します。「散らばり」ということばから、葉が自ら散っていったような、能動的な明るさを感じました。
01.19.23.26.34.
01.バス停の夜の静寂や金木犀
金木犀は住宅地の中にその香りが漂ってきて気が付くことが多いです。
帰宅時にバスを降りてバスが去り、あたりに静けさが戻ったとき、
ふと金木犀の香りに気づかれた、その瞬間を詠まれています。
14. 22. 24. 28. 30
24.柿落葉ひと葉ひと葉に色残し
落ち葉となり、一生を終えた柿の葉も、その一葉ごとにそれぞれ異なる色を残している。人の人生も同じかな。人それぞれの色がきっと残っていくと信じたい。
4. 17. 23. 25. 36
36.シチューからスパイス香る今朝の冬
立冬の日の夕食はぐつぐつとシチューを煮込む。
ローリエやペッパーなどスパイスの香りが食欲を
そそり、体の芯から温まって、冬の到来が実感されます。新たな季節を楽しんで迎えられるお心持ちが伝わってきます。
1 13 17 24 28
17.オリオンの星をたしかに星月夜
「たしかに」の表現によって、オリオンのひときわ明るく強く輝いている存在の大きさが表現されているだけでなく、満天の星の存在の強さ、大きさをも感じさせてくれ、目の前に星月夜を見ている気になってきた。