■端午ネット句会■
■入賞/14名42句
■入賞発表/2015年5月5日
【金賞】
★子どもの日青空からの風が吹く/高橋句美子
晴天に恵まれた子どもの日。広い青空から風が心地よく吹いてくる。屋上や高層階では、特にこんな感じだろう。青空と風を詠んでそれが、「子どもの日」らしい爽やかさとなっているのがよい。(高橋正子)
【銀賞2句】
★広い空ゆったり泳ぐ鯉のぼり/迫田和代
広い空を腹いっぱいに風をはらんでゆったり泳ぐ鯉のぼりを、その鯉のぼりと同じようにゆったりとした語調で詠んでいる。内容と言葉が、これほとぴったりと合っている句はまれだ。風をはらんだ鯉のぼりの泳ぐ音までが聞こえるようだ。(高橋正子)
★鯉のぼり尾まで丸々風のなか/川名ますみ
鯉のぼりが風を飲み込んで、丸々として吹かれている。それも、尻尾まで丸々している。風はたっぷりと尾を抜けて、丸々とした男の子を思わせる。(高橋正子)
【銅賞3句】
★柏餅夜には揃う子らのため/高橋秀之
柏餅が子供たちのために用意されている。それは、夜に揃う子供たちのためにである。昼間は、子供たちは、それぞれに、友達と遊んだり、部活動に出かけたりして揃わないが、夜にはみんな揃う今、今日の家庭の姿が、あたたかい眼差しで詠まれている。(高橋正子)
★細やかな雨に少女ら茶摘みかな/佃 康水
茶畑の茶は新芽が出そろい、若葉となって茶摘みの季節を迎えた。茶の若葉に降る細い雨が、茶摘みの季節をよく感じさせてくれる。茶摘みの少女のしなやかな指も茶葉の柔らかさを印象付けている。(高橋正子)
★夏帽子飛ばし吾影に帽子無く/祝恵子
風に夏帽子を飛ばされてしまった。足元の濃く映った自分の影は、なるほど、帽子を冠っていない。ユニークで楽しい発想の句に感服。(高橋正子)
【高橋信之特選/8句】
★父と児の連弾はずむ子供の日/佃 康水
おそらく、ピアノ教室にも通っているお子さんと父親の光景のようですね?いつもはお仕事で家には居ないパパと、長いG・Wの休みの子供の日には一緒にピアノに向い連弾のひと時を過ごしています。親子の活き活きとした子供の日が想われて、頼もしい。(桑本栄太郎)
★熟れ初めし麦サワサワと朝風に/柳原美知子
麦秋の始まりである。サワサワと乾いた音に夏の近さを感じている。さわやかな句と思います。(古田敬二)
★新聞紙折りて兜に子ら勇む/河野啓一
新聞紙で兜を折ることも珍しくなったが、男の子は兜を冠ぶらせてもらうと、自分が勇ましく思えるのだろう、勢い「勇む」ポーズをとったりする。健やかさ男児がほほえましい。(高橋正子)
★菖蒲どさっと売らる店頭すがすがし/高橋正子
スーパーに菖蒲の葉がどっさりと売られていて、そのコーナーに立つと、すがすがしい気持ちになった。買い物客も菖蒲を買い物籠に入れてカート押していたり、季節感があっていいものと思った。(自句自解)
★広い空ゆったり泳ぐ鯉のぼり/迫田和代
広い空の綺麗な空気一杯を飲み込み、悠々と泳いでいるどっしりとした鯉幟が目に浮かびます。私達までゆったりとした気持ちにさせて頂けた御句です。(佃 康水)
★夏帽子飛ばし吾影に帽子無く/祝恵子
夏帽子が風に攫われてしまった。ふと自分の影に気づくと帽子が映っていない。飛ばしたのだから影も無い筈だけれども、当然のことを詠まれた所に俳句の魅力と面白さを感じさせて頂きました。(佃 康水)
★子どもの日青空からの風が吹く/高橋句美子
子供の日は青空が晴れ渡っていました。「青空からの風が吹く」の措辞に綺麗な風の吹く爽やかさ、そして嬉しさが伝わって参ります。「子供の日」である事がまた嬉しいです。(佃 康水)
★鯉のぼり尾まで丸々風のなか/川名ますみ
風一杯を飲み込んだ鯉幟が尾の先まで丸々となって泳いでいます。丸々とした子供のふくよかさを想起させ、作者が目を細めて仰いでおられる優しい姿が見えて参ります。健やかな成長を願いたいですね。(佃 康水)
【高橋正子特選/8句】
★柏餅夜には揃う子らのため/高橋秀之
端午の節句と言えば柏餅。子らのために昔作ったそのままの柏餅を又皆が揃う子どもの日の夜のために手作りする親心が偲ばれ、家族の平和への祈りが感じられます。 (柳原美知子)
★鯉のぼり百を渡らせ川流る/柳原美知子
川の両岸を結んでたくさんの鯉のぼりが泳いでいるのは、川の流れと相まって躍動的な風景です。 (高橋秀之)
★嬬恋の雪間に泳ぐ幟かな/小口泰與
嬬恋の山々には雪が残っているが、鯉幟が高く泳ぎ、山国にも五月が来た。日本全国さまざまな風景の中で泳ぐ鯉幟が見られることであろうが、雪間に泳ぐ鯉幟もそのひとつ。農作業も、一気に活気づくことであろう。(高橋正子)
★夏雲雀ここよここよと宙で鳴く/祝恵子
青々と広がる夏空に高くあがって鳴く雲雀。宙の真ん中で、「私は、ここよここよ」と自分の居所に気づいてくれと鳴いている。「ここよここよ」と聞きなしたところが楽しく、夏空のすがすがしさが思われる。(高橋正子)
★広い空ゆったり泳ぐ鯉のぼり/迫田和代
広い空の綺麗な空気一杯を飲み込み、悠々と泳いでいるどっしりとした鯉幟が目に浮かびます。私達までゆったりとした気持ちにさせて頂けた御句です。 (佃 康水)
★鯉のぼり尾まで丸々風のなか/川名ますみ
風一杯を飲み込んだ鯉幟が尾の先まで丸々となって泳いでいます。丸々とした子供のふくよかさを想起させ、作者が目を細めて仰いでおられる優しい姿が見えて参ります。健やかな成長を願いたいですね。 (佃 康水)
★子どもの日青空からの風が吹く/高橋句美子
子供の日は青空が晴れ渡っていました。「青空からの風が吹く」の措辞に綺麗な風の吹く爽やかさ、そして嬉しさが伝わって参ります。「子供の日」である事がまた嬉しいです。 (佃 康水)
★細やかな雨に少女ら茶摘みかな/佃 康水
【入選/9句】
★テント張り河原の朝よこどもの日/祝 恵子
今日のこどもの日は、我が家も三男を連れて朝から淀川の河川敷でバーベキューに行きましたが、正に朝からテントを張っている家族連れの方がたくさんいらっしゃり、この句の光景そのまま楽しい光景でした。(高橋秀之)
★菖蒲湯や父のかひなの中に居て/桑本栄太郎
端午の節句に菖蒲湯に入るのは邪気をはらい、心身を清めるためのもので、まして父親の太い腕の中に抱かれて一緒に入る菖蒲湯は子供に安心感と安らぎを与え素晴らしいですね。菖蒲湯と父親の太い腕の中の対比が素晴らしいですね。(小口泰與)
★薫風や遮るものなき山頂に/古田敬二
遮ることない山頂にあり、.薫風を受け身も心も 爽やかそのものです。(祝恵子)
★しゃがむ背に飛び乗る少女青葉風/川名ますみ
今日は子供の日、青葉若葉の中で親御さんと子供が愉しく遊んでいる様子が目に浮かびます。少女と青葉風のとり合わせが印象的で好ましいと思います。((河野啓一)
★風無ければ鯉のぼりの尾をつかむ子よ/高橋信之
青い空のもと風をお腹一杯に飲み込んで元気に泳いでいる鯉幟を見てこの家には男の子がいらっしゃるんだなとこちらまで元気を頂きます。しかし、風の無い時にはだらんとした姿で下がっているだけ。もし手の届く所に有れば皆ちょっと触っても見たくなります。子供が興味深々と尾を掴んで見ています。子供らしい様子が見える微笑ましい御句です。(佃 康水)
★花屋に置かれ緑青々菖蒲の葉/高橋句美子
緑青々、夏らしいですね。花屋さんの香りさえしてきます。(迫田和代)
★川風を腹いっぱいに鯉のぼり/高橋秀之
今年の連休は、青空から風が吹き渡り、堂々たる鯉のぼりを見ることができました。それが川風ならば尚のこと。鯉のぼりが「腹いっぱいに」飲み込んで、立派に泳いでいる姿が浮かびます。(川名ますみ)
★暁(あかとき)の浮き葉の濠や白き鷺/内山富佐子
暁の浮き葉の濠を背景に、たたずむ白い鷺が日本画のように詠まれ描かれて、朝涼の気が味わえる句だ。(高橋正子)
★堰落ちる水音若葉の山を包む/柳原美知子
新緑となった山の木々を育ててくれる水が応援するかのように音を立てている。「山包む」の措辞があたたかです。 (内山富佐子)
■選者詠/高橋信之
★風無ければ鯉のぼりの尾をつかむ子よ
青い空のもと風をお腹一杯に飲み込んで元気に泳いでいる鯉幟を見てこの家には男の子がいらっしゃるんだなとこちらまで元気を頂きます。しかし、風の無い時にはだらんとした姿で下がっているだけ。もし手の届く所に有れば皆ちょっと触っても見たくなります。子供が興味深々と尾を掴んで見ています。子供らしい様子が見える微笑ましい御句です。(佃 康水)
★鯉のぼりの色鮮やかに空に浮かぶ
★いちはつの一本立ちて晴れの日よ
■選者詠/高橋正子
★「とんがり帽子」の歌に目覚めて子供の日
「緑の丘の赤い屋根、とんがり帽子の時計台–」とかっての国民的歌謡が耳の中に甦ってきました。まことにこどもの日にぴったりの、元気を与えてくれる詠みかと拝察しました。(河野啓一)
★さくらんぼ熟れて輝く実となれる
★菖蒲どさっと売らる店頭すがすがし
■互選高点句
●最高点(7点)
★薫風や遮るものなき山頂に/古田敬二
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/藤田洋子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
コメント
コメント
★鯉のぼり百を渡らせ川流る/柳原美知子
川の両岸を結んでたくさんの鯉のぼりが泳いでいるのは、川の流れと相まって躍動的な風景です。
コメント
★「とんがり帽子」の歌に目覚めて子供の日/高橋正子
「緑の丘の赤い屋根、とんがり帽子の時計台–」とかっての国民的歌謡が耳の中に甦ってきました。まことにこどもの日にぴったりの、元気を与えてくれる詠みかと拝察しました。
コメント
★広い空ゆったり泳ぐ鯉のぼり/迫田和代
広い空の綺麗な空気一杯を飲み込み、悠々と泳いでいるどっしりとした鯉幟が目に浮かびます。私達までゆったりとした気持ちにさせて頂けた御句です。
★夏帽子飛ばし吾影に帽子無く/祝恵子
夏帽子が風に攫われてしまった。ふと自分の影に気づくと帽子が映っていない。飛ばしたのだから影も無い筈だけれども、当然のことを詠まれた所に俳句の魅力と面白さを感じさせて頂きました。
★子どもの日青空からの風が吹く/高橋句美子
子供の日は青空が晴れ渡っていました。「青空からの風が吹く」の措辞に綺麗な風の吹く爽やかさ、そして嬉しさが伝わって参ります。「子供の日」である事がまた嬉しいです。
★鯉のぼり尾まで丸々風のなか/川名ますみ
風一杯を飲み込んだ鯉幟が尾の先まで丸々となって泳いでいます。丸々とした子供のふくよかさを想起させ、作者が目を細めて仰いでおられる優しい姿が見えて参ります。健やかな成長を願いたいですね。
お礼
信之先生、正子先生、端午ネット句会の開催をありがとうございます。
信之先生の特選に[夏帽子]、正子先生の特選に「夏雲雀」を頂き、「夏帽子」を銅賞に素敵な句評も、「こどもの日」を入選句に大変嬉しくありがとうございました。
「夏帽子」に佃康水様、「こどもの日」に高橋秀之様嬉しいコメントをありがとうございました。藤田洋子様、いつもお世話様です。
御礼
高橋信之先生、正子先生
端午ネット句会を開催頂き、大変有難うございます。
「菖蒲湯や父のかひなの中に居て」の句を入選句に
お選び頂き、大変有難うございます。
小口泰輿さまには同句をお選び頂き、素晴らしい
ご句評も賜り大変有難うございます。
又、川名ますみ様、古田敬二様には同句に貴重
なる選を賜り、大変有難うございます。
藤田洋子様にはいつも集計の労を頂き、大変お
疲れ様でした。有難うございました。
お礼
高橋信之先生、正子先生
端午ネット句会を開催いただき、ありがとうございました。
また、銅賞3句に「柏餅夜には揃う子らのため」の句をお選びくださり、コメントをいただきありがとうございます。
子どもたちも大きくなり、昼間は家族バラバラの行動が多くなりましたが、夜は全員揃って柏餅をいただきました。
柳原美知子様には、同句に選とコメントをいただきありがとうございました。
さらに、川風を腹いっぱいに鯉のぼりの句を入選句にお選びいただきありがとうございます。
川名ますみ様には同句に選とコメントを、祝恵子様には選をいただきありがとうございました。
藤田洋子様には、集計など、いつもお世話いただきありがとうございます。
御礼
高橋信之先生 高橋正子先生
端午ネット句会を開催いただき、ありがとうございました。
銅賞3句に「細やかな雨に少女ら茶摘みかな」をお選び頂き大変嬉しく誠に有難うございます。正子先生には特選8句にお選び頂き感謝申し上げます。
また信之先生には「父と児の連弾はずむ子供の日」を特選8句におとりあげ頂き大変嬉しく誠に有難うございます。
桑本栄太郎様 には「(子供の日」へ貴重な選と温かいお言葉を有難うございます。また「かたら餅」の句へ貴重な選を有難うございました。この地方では柏餅をかたら餅と言い「山帰来の葉」を使って柏餅を作ります。
古田敬二様 柳原美知子様 には同句へ貴重な選を頂き有難うございました。
藤田洋子様には何時も集計などのお世話を頂き有難うございます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
端午ネット句会を開催していただき、有難う御座いました。
正子先生には「幟」の句を特選8句の一句にお取り上げいただき、その上、素晴らしい句評をたまわり厚く御礼申し上げます。
また、同句に貴重な選をいただきました桑本様、祝様、迫田様有難う御座いました。
藤田様には集計のご足労何時も有難う御座います。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
高橋信之先生 高橋正子先生
端午ネット句会を開催いただき、ありがとうございました。
薫風や遮るものなき山頂に に皆さんから沢山の選をいただき嬉しかったです。気持ちのいい季節になります。みなさんのご健吟祈ります。
お礼
信之先生、正子先生、端午ネット句会を開催していただきありがとうございました。各地の明るく爽やかな端午の節句の情景を楽しませていただきました。
「熟れ初めし麦サワサワと朝風に」を信之先生の特選に、「鯉のぼり百を渡らせ川流る」を正子先生の特選に、「堰落ちる水音若葉の山包む」を入選句にお取りいただき、とても嬉しく、感謝申し上げます。
それぞれの句に温かいコメントをお寄せいただいた古田敬二様、高橋秀之様、内山富佐子様、ありがとうございました。佃康水様、迫田和代様、川名ますみ様、
内山富佐子様には「鯉のぼり」の句に選を、祝恵子様
には「若葉の山」の句に選をいただき、ありがとうございました。
藤田洋子様には、いつもお世話をいただき、感謝申し
上げます。
御礼
信之先生
正子先生
端午ネット句会を開催いただき有難うございました。その上 銀賞までいただき正子先生のお優しいコメントまで とても嬉しかったです。もっともっと勉強ですね。
佃様 連弾の句素晴らしいです。私も亡き父と連弾したいいと思いましたが、ピアノの弾けない父では駄目ね。私の句にコメントいただき有難うございました。
藤田 洋子様
何時もお世話様です。
御礼
高橋信之先生、正子先生
端午ネット句会を開催いただき有り難うございました。
信之先生の特選/8句に[兜」をお選びくだされ、正子先生の素晴らしいご懇篤な句評を賜りまして誠に有難うございました。選を頂いた高橋(秀)さま、桑本さまに厚くお礼申しあげます。藤田様いつも御世話いただき有り難うございます。
お礼
信之先生、正子先生
端午ネット句会を開催頂きまして、ありがとうございました。心地好い季節のなか、皆さまの御句やコメントに、いっそう爽やかな気分を頂きました。
この度は「鯉のぼり尾まで丸々風のなか」の句に、思いがけず、信之先生と正子先生の特選、そして銀賞を賜り、驚いております。正子先生のご句評を、嬉しく拝読しました。康水さま、あたたかいコメントを頂きまして、ありがとうございます。
この連休は、風の強い晴天が続き、鯉のぼりも立派にふくらんでいました。見て感じたままをすぐに書き留めた投句でしたが、ご共感頂き、幸せに存じます。
また「しゃがむ背に飛び乗る少女青葉風」の句に入選を頂戴しまして、嬉しゅうございます。ちょうど通院の車窓から、しゃがんだお父さんの背中に、飛び乗る女の子の姿を見掛けました。幼子よりは少女に近いようで、ひょっとすると、もうおんぶも残り少ないのかも、などと(余計なお世話でしょうが)想いつつ、微笑ましく見つめておりました。情景を、青葉風が、より煌めかせているようでした。
貴重な選とコメントを下さいました啓一さま、御礼申し上げます。泰與さま、恵子さま、敬二さま、同句をお選び下さいまして、ありがとうございました。
洋子さまには、いつも集計を初め、お世話頂きますこと、感謝申し上げます。