4月11日~20日
春光や白衣観音青空へ★★★
和紙に書く友への文や桃の花★★★
休業の店の並びて落花舞ふ★★★
川底に鯉の二匹や花筏★★★
くぐり入り枝垂桜を見上げおり★★★★
境内に絵を描く人や糸桜★★★
桑本栄太郎
静けさや雨の団地に松の芯★★★★
ビニールの覆ひし畝に穀雨かな★★★
雲去りて日のさんさんと穀雨かな★★★
海棠の雨のしずくの刹那かな★★★
菜の花や千曲の流れ平らかに★★★★
囀りのいろいろ部屋に届きけり★★★★
桑は本栄太郎
山里の甍きらめく揚ひばり★★★★
春雨のスカイプ通話の家居なりぬ★★★
隠り沼の公魚尾びれぴちぴちと★★★
上野毛の空均しけり春の鳶★★★★
あの屋根かこちらの屋根か百千鳥★★★★
やはらかき朝の日差しや百千鳥★★★
桑本栄太郎
著莪の花咲いて曇りや明日は雨★★★
遠目にも赤き垣根や新芽吹く★★★
遠き日の友の面影濃山吹★★★
天平の箜篌の調べや春の雨★★★
見上げれば視界いっぱい糸桜★★★
新幹線霞の彼方へ去りゆけり★★★
桑本栄太郎
揚ひばり甍きらめく里の屋根★★★
丘うえの早瀬聞き居り芝さくら★★★
夕日染む利根の白波揚雲雀(原句)
辰之の地ゆうるり流る春の川★★★
八重桜枝垂れる先に緋鯉かな★★★
小綬鶏に呼ばれて開ける昼の窓★★★
一山に影を落として春の雲★★★
桑本栄太郎
げんげ田の鋤き込まれゆく日差しかな★★★
鳥だにも来ぬ隠り沼のはこべかな★★★★
頼もしき凪の湖なり残る鴨★★★
天辺の赤く光れる残花かな★★★★
町の川挟みて散りし残花かな★★★
日永かな明るさの中で夕食を★★★
桑本栄太郎
花大根はるか故郷の凪の海★★★★
つくしんぼ立ち居定かに新入生★★★★
公魚のかすかな魚信たなごころ★★★
已む無くも休業したり春落葉★★★
春落葉吹き寄せられしフェンス際★★★
災難はいつも突然春嵐★★★
桑本栄太郎
残花早や散るべくあらん夜半の風★★★
枝先のすでに若葉の日差しかな★★★★
青柳や風の岸辺の只ならず★★★
緑の葉押し分け咲ける八重椿★★★
門前に笑顔見せたる白椿★★★
花屑の水面に集い浮かびけり★★★
雨雲の晴れて現わる花の雲★★★★
定かなる日差しの音色チューリップ★★★
夕闇や乙女椿のたたずまい★★★
午後よりは桜を散らす風の音★★★★
桑本栄太郎
残花早や蘂の赤きが目立ちけり★★★★
満天星の花の滴やうつむいて★★★
海棠や小犬親子は夢の中★★★
囀りや浅間南面青々と★★★★
楠落葉はらはら続く交差点★★★
廣田洋一
散り敷きし花に降りたる桜蘂★★★
かくれんぼの子に降りかかる桜蘂★★★★
日を透きし赤き垣根や新芽噴く★★★
川べりの坂を下りぬ花吹雪★★★★
自由な投句箱/4月1日~10日
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
https://blog.goo.ne.jp/kakan02
今日の秀句/4月1日~10日
4月1日~10日
鳥の声聞きつつ歩む花見かな★★★
峡の里一本桜爛漫と★★★
また二人車より降る田芹かな★★★
尺八や花盛りなる境内に★★★
ひとり座す花びら舞い続く中に★★★
桑本栄太郎
おもかげの母を慕いき花だいこん★★★
満天星の花に夕日やつまみ見る★★★
たぐいなき千本桜雨の中★★★
逞しき利根の流れや春耕す★★★★
朝寝して朝湯に浸かる湯治かな★★★★
今日よりは在宅勤務朝寝せむ★★★
銀色に芽吹き初めにし小楢かな★★★
山路いまつつじ回廊となりぬ★★★★
桑本栄太郎
ぽつぽつと緑吹き居り銀杏の芽★★★★
一陣の風に地獄や花ふぶき★★★
裏庭と景違えてや八重桜★★★
囀りや新車納入されにける★★★★
戦死者の墓標並びし桜かな★★★
上り行く花の寺へと花の雲★★★★
公園の古りしベンチや暖かし★★★
春の暮赤き火の玉沈み行く★★★
小さくもしゃんと咲きたりチューリップ★★★
桑本栄太郎
ソーシャルの間隔如何に春愁ふ★★★
幼子のスキップ走りや春たのし★★★
太古より川の流れや松の花★★★★
鳥声を足して桜のそろい咲く★★★
花大根薄紫の柔らかし★★★
清明や流れ始めし用水路★★★★
大根の花に夕日や大原野★★★
多田有花
峠から流れと花を眺めおり★★★
頂を占めて咲きおり遠ざくら★★★
この時間鳥の来ている遅日かな★★★★
うららかや十方へ陽の差しにける★★★
造り酒屋桜一枝のその向こう★★★★
廣田洋一
投げ釣りの糸の光れる春の川★★★★
遠目には少し青ざめ辛夷咲く★★★
目の前で燕返しを見せられし★★★
土咥えひらり潜れる燕の巣★★★★
山あいの日々に色付く花の雲★★★
殊更にことしは惜しき花の屑★★★
廃屋となりしはいつか花楓★★★★
一本の桜が守る社かな★★★
遍路笠脱ぎて仰ぎぬ大師像★★★★
花の雲乗りて休みて眠りたし★★★
田の上をなぞえに翔ける燕かな★★★
まくなぎの遮り居たる明日は雨★★★
更紗木蓮高く銀の馬車道に★★★
さくら咲く捨てられにゆく古畳★★★
渓流も春たけなわの流れかな★★★★
春の雨窓辺に来る鳥の影★★★
目覚めけり磯鵯の囀りに★★★★
川名ますみ
春嵐波の音以て窓たたく★★★
花冷えの在所となりぬ日暮れかな★★★
篝火の焚かれ人無き花しぐれ★★★
のどけしや鳶滑空ととびの笛★★★
うららかやきらきら光る潦★★★
山桜大樹は日輪を隠し★★★★
廣田洋一
接待の茶席案内遍路道★★★
議員らの今日よりマスク四月馬鹿★★★
歩みゆく土手の川辺や柳絮降る★★★
古田敬二
高瀬川石の橋げた夜の桜★★★
夜桜の映る川面や高瀬川★★★
自由な投句箱/3月21日~31日
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
https://blog.goo.ne.jp/kakan02
今日の秀句/3月21日~31日
山桜その花びらの真白さよ/多田有花
★瀬の落つるよどみに番う残り鴨/桑本栄太郎
3月21日~31日
繋がれて日永の犬の遠吠えよ★★★
湯の街の石段街や花の冷え★★★★
散歩道花散る道となりにけり★★★★
道端にひょいと咲きたる木瓜の花★★★
すかんぽの茎の赤きが並びけり★★★★
花冷えを東へ向かう新幹線★★★
山路にはどっとつつじの咲きそろう★★★
妻と居て庭仕事せる遅日かな★★★★
談笑す桜の見える頂で★★★
廣田洋一
遠目にはほんのり青く辛夷咲く★★★
”陽菜人”とや無人店舗の春野菜★★★
暖かや墨する指の力瘤★★★★
ツインクルチョコより菓子やあたたかし★★★
花冷や雪降りしきる日曜日★★★★
風も無くひたすら降れる春の雪★★★
風の辛夷誰に別れの袖を降る★★★
鯉動かず山から静かな春の水★★★
蹲にあふれて静かな春の水★★★★
尻尾下げ畦行く犬や春の暮★★★
好きな子に悪戯の過去や春の夜★★★
流れ行く水に手を伸べ初桜★★★★
車椅子乳母車行く初桜★★★
山桜その花びらの真白さよ★★★★
桑本栄太郎
大振りの蘂上向きに椿落つ★★★
うす紅の房となりたる馬酔木咲く★★★
山からの水清くして芹を摘む★★★★
沈丁花夕暮れ雨戸を閉ずるとき★★★
あの人のほほえみ見たし春の風★★★
御開帳縁なき衆生行列す★★★★
尺ものの雪代山女褒めそやす★★★
麗らかや今を大事に生きたきよ★★★★
一画の尚も明るき菜種梅雨★★★★
夜桜やホテルロビーの漫ろ神★★★
眼間の今朝の浅間は雪解かな★★★★
やつとできた逆上がりの子風光る★★★★
五重塔見下ろす鳶や風光る★★★
散るすべを知らず咲き初む花あはれ★★★
風に乗り忽と春雪舞いにけり★★★
紺碧の暁の榛名山(はるな)や雪柳★★★
廣田洋一
川蛇行しつつ流れる花の下★★★★
土壁の塀の中なり紫木蓮★★★
土手ごとに高くなりたるたんぽぽ黄★★★★
公魚や湖を背向に鳶の声★★★
辛夷咲く獣の臭う杣の道★★★★
チューリップ花は大きく背低し★★★
桑本栄太郎
無残なや傷つき散りぬ白木蓮★★★
里山の春の校庭草の丈★★★
山笑う裾裳を洗う飛騨の川★★★
山笑う父母の墓へ上りけり★★★★
廣田洋一
そこだけが赤く燃えたる桃の花★★★
新築の家の華やぐ桃の花★★★★
朝毎に山の桜の開きおり★★★★
桑本栄太郎
歩みゆく吾が影見えず霾ぐもり★★★
瀬の落つるよどみに番う残り鴨★★★★
春昼や金魚掬いのポイ破れ★★★★
霊園の供花かぐわし蝶来たる★★★★
神棚を祀りし湯宿朧月★★★★
白壁の里の民家や桃の花★★★★
ぼつてりと紅をふふめり桜の芽★★★
古田敬二
ジーゼルカー走るよ春の高山へ★★★
汽笛鳴る上り列車や山笑う★★★★
エプロンや釣たる鱒へ化粧塩★★★
平等院へ八重のこぶしの咲く道を★★★★
鳳凰堂の阿弥陀の顔を見る彼岸★★★
一服の宇治茶いただく彼岸かな★★★
廣田洋一
雨止みて三陸の野に春の虹★★★★
花ゑんどう支柱の丈の足らずなり★★★
自由な投句箱/3月11日~20日
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
https://blog.goo.ne.jp/kakan02
今日の秀句/3月11日~20日
★全身に陽を受け伸びる楤若芽/古田敬二
★ 春潮のはるか遠くに隠岐の島/桑本栄太郎
★初つばめ朝日に翼きらめかせ/多田有花
初つばめが見られた。朝日に翼をきらめかせ、さっそうと飛ぶ姿に、なつかしささえ覚える。ずいぶん暖かくなった。(高橋正子)
彼岸の句に波郷の「兄妹の相睦みけり彼岸過」がある。彼岸は、身内のものたちの心がおだやかに通うときでもあるように思う。(高橋正子)
★ 園児らのままごとの声暖かし/廣田洋一
黄色を初めて目にしたものの、まだ冷たい風が吹いて、黄蝶はなぶられがち。小さきものの愛おしさ。(高橋正子)
3月15日(1句)
★自転車の集結したり春休み/桑本栄太郎
「集結したり」が青春らしく面白い。春休みになり、自転車をもって集まった生徒たち。これから大勢で出かけようというのだ。青春真っただ中のさわやかさがいい。(高橋正子)
3月14日(2句)
★浅間燃え襞黒黒と雪解かな/小口泰與
今なおA級活火山として噴煙をあげる浅間山は、燃える山と言えよう。雪解けに山の地熱が関係するかどうか知らないが、この句からは、山の熱が雪解けを促している印象だ。「襞黒黒」が実感。(高橋正子)
★じゃが芋の芽を温めて畝静か/古田敬二
じゃが芋を地中深く植えて、そのあとは、芽が地上に出るのを待つばかり。今は土が芽を静かに温めている時。静かな畝は生きている。(高橋正子)
3月13日(1句)
★茎立ちや独り暮らしの峡の家/小口泰與
山峡の集落。独り暮らしの家もあって食べ余した畑の菜は茎立っている。薹が立ったり花をつけたりして峡の村に春が確かに来ている。(高橋正子)
3月12日(2句)
★春の湖画布いっぱいの色使い/小口泰與
春の湖の色あいを見れば、絵心が誘われるというもの。春の湖を思い切り描いている人がいるのだろう。画布いっぱいの色使いに、春の色を見た。(高橋正子)
★白れんの今日は飛び翔つ日差しかな/桑本栄太郎
白れんがほぼ満開となり、日差しを受けると花びらが開き空へ飛び翔つような姿勢になる。
「飛び翔つ日差し」に実感があって、上手。(高橋正子)
3月11日(2句)
★永き日の仏舎利塔に猫二匹/多田有花
「永き日」がよく効いている。永き日だからこそ、二匹の猫も釈迦のほとりにいたがる。極楽にも似た雰囲気がある。(高橋正子)
★歩みゆく丘の田道や春帽子/桑本栄太郎
なんでもないような句だが、「春帽子」に味わいがあっていい。春帽子をかぶるのは少々年取った男性がいい。風に寒さはあるもののあたたかい丘の田道が快い。(高橋正子)