朴の花
高橋正子
朴の花わが身清めて芳しき
朴の花栃の花見てゆたけしや
せせらぎの波打ち流れ芹の花
オナガ来て新樹の中をよろこべり
卯の花の散りこぼるるも葉の上に
枇杷熟るる見えなきほどの雨がふり
葛飾は薔薇咲き風の吹くところ
葛飾を青葉の寒き日に訪ぬ
時計草ほんの少しの青があり
夜空あり虚々実々の心太
茄子胡瓜露けく漬かり飯は白
時計草異人女性のこのむ花
明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
朴の花
高橋正子
朴の花わが身清めて芳しき
朴の花栃の花見てゆたけしや
せせらぎの波打ち流れ芹の花
オナガ来て新樹の中をよろこべり
卯の花の散りこぼるるも葉の上に
枇杷熟るる見えなきほどの雨がふり
葛飾は薔薇咲き風の吹くところ
葛飾を青葉の寒き日に訪ぬ
時計草ほんの少しの青があり
夜空あり虚々実々の心太
茄子胡瓜露けく漬かり飯は白
時計草異人女性のこのむ花
朝影のみどりの深き夏ポプラ 正子
○信之先生、電子書籍で句集を作る時間を大いに費やす。花冠8月号の編集。
○インターネット俳句センターのアクセス解析、生ログを見ていると、ipadからの訪問がある。YOU TUBEの動画で、ipadを説明していたが、指の操作で書棚から本を取り出し、ページをめくれるなど、面白い。
○冷蔵庫の音声パネルの基盤を交換。2000年に買った冷蔵庫。
○今日の俳句
射干の咲いて空には雲もなし/河野啓一
射干(ひおうぎ)は、葉が檜扇に似て、橙色に斑のあるこじんまりと品のある六弁花を開く。雲もない夏空に、日本的な射干の花の色が印象的である。(高橋正子)
明け易し山の水栓使いしあと 正子
山のホテルか山小屋の朝の情景を想像致します。目的地に向かうため相当早く準備に取り掛かったつもりで有るが、早や他の登山者の多くは準備を終えられている。殊のほか山の朝は「明け易し」と実感されている情景が浮かび、登山者の心意気を感じます。(佃 康水)
卯の花の散りこぼるるも葉の上に 正子
○今日の俳句
色も香も空も青くて梅漬ける/佃 康水
梅を漬けるのは、梅雨に入ってからであるが、この日は、よく晴れて空も青く、梅の実も青々と、香りまでも青い。さまざまな青の色の中にいる、すっきりと爽やかな気持ちが迷いなく詠まれた。(高橋正子)
◇生活する花たち「卯の花」(横浜日吉本町)

祭笛山あじさいも街中に 正子
夏祭りが近いのでしょうか。祭囃子の練習が始まり、どこからか笛の音が聴こえてきます。梅雨に咲く紫陽花より少し前に咲く山あじさい。小さめで色の薄い、楚々とした可憐な花です。街中に咲き始めた山あじさいの花が目に楽しく、笛の音が耳にやさしく、梅雨入り前の心潤う一時が感じ取れました。 (後藤あゆみ)
○今日の俳句
まだ青き干草踏めば香の強し/後藤あゆみ
草を刈って半日でも過ぎたであろうか。道などにはみ出した干草を踏むとまだ青臭い草の香が立つ。夏草の勢いが実感でよく捉えられた。(高橋正子)
◇生活する花たち「薔薇」(横浜・港の見える丘)

蛍ぶくろ霧濃きときは詩を生むや 正子
霧の世界に蛍ぶくろがふっくりと見えている。蛍ぶくろからどんな詩が広がり生まれていくのでしょうか。(祝恵子)
○今日の俳句
田の一面茄子の支柱は同じ向き/祝恵子
田に一面に茄子が植わり、育っている。支柱がいる時期になり支柱を立てるが、それが同じ向きで、整然として、涼しそうな景色となっている。(高橋正子)
◇生活する花たち「つつじと蜂」(横浜日吉本町)

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天草の乾いた軽さを腕が抱く 正子
寒天や心太の原料となる天草。腕に抱きかかえるほど受けとられたのでしょうか。嵩ばるわりに軽い天草に、心境の軽やかさと、透明感が伝わってきます。(小川和子)
○花冠7月号を正午前発送。信之先生と午前中に封筒入れ。俳句界の代金の振り替え用紙も同封。ちょうど宅配に来られたので、すぐさま花冠を持って帰ってもらった。
○祐子さんが、高知の名産の柚子のジュースとゼリーを贈ってくださる。夏場の飲み物として、愛飲されているとのこと。ふるさとの涼しい座敷で、いただくのがもっとも似合いそうな。
○正子の句集花冠を信之先生の指導で、電子書籍にする。年末にはiPadを買わねばならぬだろうと話す。
○夜中、コンピュータの誤作動か、冷蔵庫がしゃべりだして止まらず、電源を切る。朝、スイッチを入れなおし直るも、いささか睡眠不足。今日試験を受ける家人もいて、災難。
○ざざえの刺身を見つけ、涼味ある様子に負けて、夕食に奮発。
○今日の俳句
青芒ひかり合いつつ野を充たす/小川和子
野一面の青芒を「ひかり合いつつ」「野を充たす」と、動きをもって、いきいきと詠んだ。積極的な視線がいい。(高橋正子)
鎌倉街道
昼顔を眸に映し旅ひとり 正子
前書きの鎌倉街道は鎌倉と各地を結ぶ放射状の道路で、私の住む緑区にも残っており、一度歩いたことがある。鎌倉街道を歩くとき、朝顔に似た淡紅色の昼顔を見つめる。昼顔の映っている眸が自分で見えるわけはないが、作者がその眸を見ているような錯覚に陥る中七がユニークであり惹かれるポイントである。(古田敬二)
○今日の俳句
茄子苗の根付きて紫濃くなりぬ/古田敬二
茄子の苗を植え付け、たのしみに水を遣っていると、根付いて、茎も葉もしっかりしてくる。茄子の紫色が鮮やかに、濃くなると、根付き、成長を始めた証拠となる。目にも涼しげで、たのしみな野菜である。(高橋正子)
青年ら鮎を食べんと畳の間に 正子
都会の雑踏を逃れて何処か郊外へ小旅行をされたようですね!。お食事を摂られた場所に、たまたま居合わせた青年達の「畳の間」で鮎を食べる光景に出会い、非日常の鄙びた風情を改めて楽しまれている様子が素敵です。(桑本栄太郎)
時計草異人女性のこのむ花 正子
時計草ほんの少しの青があり 正子
○「俳句界」購読の代金の振込用紙を準備。7名。あわせ、インターネット俳句コンテスト協会の2010年年会費、賛助会費(各2000円)をお願いする。花冠7月号送付の封筒に入れる。
○渋谷洋介さんの句集「葉桜」のあとがき訂正原稿を受け取り、訂正、差し替えなどは、6月15日までと、メールする。
○10時半ごろから、鯛ヶ崎公園あたりへ、信之先生と花の写真を撮りに出かける。昼過ぎ帰宅。
○午後、花冠7月号の発送準備。
○花冠7月号が夕方到着。
○らっきょうをつける。鳴門らっきょうです。
○梅酒を造る。梅は白加賀です。去年も6月3日に梅酒をつけている。梅酒や果実酒用の酒は、35度以上ないと、黴るそうだ。
○今日の俳句
新樹冷ゆぽつかり青き今朝の空/桑本栄太郎
雨上がりの日の翌日など、「新樹冷ゆ」の感じで、朝の青空が新樹の合間に「ぽっかり」とある。「ぽっかり」がよく効いて実景が確かである。(高橋正子)
夜空あり虚々実々の心太 正子
「虚々実々」という言葉が不思議な印象を与える句。その背後に何かドラマを感じさせ、想像力を刺激されます。つるんとした心太との取り合わせも絶妙です。 (多田有花)
○柳原美知子さんあて、「正岡子規」を郵送。レターパック。(最近はエックスパックといわず、こういう。500円と350円あり。)
○宮地祐子さんに、預かって帰った、全国俳句コンクールの優秀賞の賞状と副賞を送る。
○今日の俳句
青羊歯や谷ひたすらに明るくて/多田有花
青羊歯の育つ谷が夏らしい光に満ちあふれている。「ひたすらに明るくて」に作者の思いがある。(高橋正子)