★キャベツ剥ぐ水ころころと流しつつ 正子
今頃の生活感が水音にあらわれています。
最近は何人かの介護ヘルパーさんにキッチンをおまかせしていますが、水音にも個性があり、季節も感じられます。 (矢野文彦)
○今日の俳句
風にのる重さありけり梅雨の蝶/矢野文彦
晴れた日などは、蝶は、ひらひらと飛んで重さを感じさせないが、梅雨の蝶となれば、梅雨を含んだような羽の重さを感じる。その重さも、「風にのる重さ」なのでまことに梅雨の蝶らしい。(高橋正子)
○久しぶりに横浜に買い物に。日曜日なのでかなりの人出。
そごうの前には、紙で作った白い熊の顔の裏に願いを書いたものが、たくさん笹に吊るされていた。七夕飾りのように、五色の短冊ではなく、白い紙の熊の顔。熊はそごうのシンボルキャラクターとのことだが、笹の緑と紙の白の二色のみ。すずしそうである。なるほど、考えてる!
◇生活する花たち「ハイビスカス・日々草・夾竹桃」(横浜日吉本町)

★梅雨空に星あることを見て眠る 正子
○今日の俳句
海底は海女のふるさと海酸漿/篠木 睦
海女のふるさとは海底であるという事実の発見。海女のふるさとを象徴するものとして海酸漿。透明感のある抒情豊かな句となった。(高橋正子)
◇生活する花たち「紫陽花」(横浜日吉本町)

★アスパラガス大地のみどりを一束に 正子
大地からぐんぐん伸びるアスパラガス。束で売られるその姿は、濃淡の緑にまだ土が残っていて、てのひらほどの大きさなれど「大地のみどり」を実感させます。買物でも食卓でも、暮らしの全てが自然に繋がっていること、気づかせて頂きました。(川名ますみ)
○今日の俳句
空青く紫陽花はみな色を待つ/川名ますみ
晴れた空に、まだ色づかぬ紫陽花は、どの花もそれぞれが咲く色を待っている。水色に、青に、ピンクにと、そのときも間近。「色を待つ」は作者の期待でもある。(高橋正子)
○パソコンの動画でスイスの街をいろいろ楽しむ。案内は現地に住んでおられる日本人。小さい花も、森の祭りも、街のレストランも、湖も古城も、渓谷も、よかった。案内の日本人も理知的で、個性的で、自然体。媚びた風がないのがさわやか。
◇生活する花たち「紫陽花」(横浜日吉本町)

★風鈴に木々のみどりの集まりぬ 正子
青葉の梢を吹き通る清爽な風、みどりの風を集めて鳴る風鈴の快い音色が、ことさら涼味をさそってくれます。(藤田洋子)
○今日の俳句
蛍飛ぶ後ろ大きな山の闇/藤田洋子
大きな山を後ろに闇を乱舞する蛍の火。山間の清流を舞う蛍火の見事さを「山の闇」で的確に表現した。(高橋正子)
○俳句界7月号が届く。今月は難解俳句について。難解俳句を難解なままに肯定しておくのは、「優しさごっご」の感触。
○朝顔の苗を移植。8本咲かせるつもりである。茄子葉が茂り、二つ目の実をつける。
花に青虫がいるといって、花苗を二鉢くれた。何の花か?
◇生活する花たち「ペチュニア」(横浜日吉本町)

★青蔦に夕日あまねき道を帰る 正子
青蔦の輝きに夕日のほのぼのとした輝きが重ねられ、美しくも懐かしさを感じる家までの温かい道のりです。一日を終える安堵感、充足感がしみじみと伝わってきます。(柳原美知子)
○花冠8月号校了。
○今日の俳句
田植時野を貫ける水の音/柳原美知子
田植時は、野が水浸しになるほど、田に水が張られる。田へ急ぐ水は、「野を貫く」勢いをもって音を立てる。日本のよい風景である。(高橋正子)
◇生活する花たち「昼顔」(横浜日吉本町)

★階の濡れしに青葉映りたり 正子
階(きざはし)とは何と美しい言葉でしょうか。どのような階段なのか色々想像してイメージがふくらみます。雨上がりかも知れません。濡れた階(きざはし)に青葉が映っている詩的な光景で、心が潤います。さりげなく詠まれていますのに深みのある美しい句だと感動致しました。 (後藤あゆみ)
○花冠8月号、再校1箇所あり。
○葉桜初校届く。まず、よし。
○今日の俳句
目の碧きマネキンみんな夏帽子/後藤あゆみ
目の碧いマネキンは、異国人であって、夏帽子が似合う。碧い目も生きいきとしてくるから不思議だ。(高橋正子)
◇生活する花たち「夾竹桃」(横浜日吉本町)

★夜が明けて茄子の一つが実を結び 正子
ベランダの鉢植え栽培でしょうか?手短かに世話が出来、この頃大流行のようです。朝眺めてみて、小さな紫の茄子の結実を見つけられた、新鮮な感動がとても良く伝わってまいります。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
ひまわりの早も大輪夕晴るる/桑本栄太郎
夕方の晴れは、実に気持ちのよいもの。ひまわりも早も大輪の花を咲かせて、快活な姿。それに魅かれる。(高橋正子)
曇り
○夏至。茄子が一つ実をつける。花の観賞のみに終わるかと思いきや。
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
ほうたるの五つ六つの渓深し
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
ほうたるの消えしは橋をくぐるとき
大風に額紫陽花の裏がえり
◇生活する花たち「昼顔」(横浜日吉本町)

てのひらに書を読む梅雨のすずしさに 正子
てのひらの上に書物を置いて、読み耽っておりますと、いつしか微かな風を感じ、梅雨の心地よいすずしさの中、静かな時間を過ごされました。(藤田裕子)
○椿山荘へ、娘と蛍狩りに。江戸川橋下車、神田川沿いの葉桜の道を歩き、冠木門から入る。無茶庵で天ぷらそばを食べ、庭園を巡る。日暮れまでの時間を椿山荘のカフェ・フォレストで過ごす。カフェの照明は、7時から照度が落とされ、窓から庭園の夕景が楽しめるようになっている。暗くなり始めた7時半にカフェを出て、庭園の谷川沿いに蛍が飛ぶのを見る。たしかに人は多いが、気にしなければ、どういうこともない。風があって、梅雨にしては涼しい。一箇所に10匹ぐらいはいたであろう。庭園は、紫陽花、ぎぼうし、式部の花、どくだみの花。滝の裏側も見た。
四国の家では、サンダルをはいて、数軒行けば橋の袂に出て、蛍が飛ぶのが見れた。この時期毎夕蛍を見に出ていた。その家から、車で15分ほど奥に行けば、山の高さまで蛍が乱舞する光景に出会えた。都会とは、随分と風情の違う蛍狩りだ。
○NHK出版からNHKラジオテキスト「すこやかに老いる」(塩田丸男)(7月~9月)が贈呈される。NHK出版編集部の粕谷昭大氏からで、水煙同人だったおおにしひろしさんの俳句が掲載された。「旅」のテーマで、P158の「老後の旅は「同行二人」」の項。
同行二人若葉風背に寺に着く/おおにしひろし
○今日の俳句
青梅雨や雨音軽く夜に入る/藤田裕子
青梅雨という言葉が美しい。それと微妙にずれた軽い雨音がして夜に入る。心に浸透するような詩情がある。(高橋正子)
時計草ほんの少しの青があり 正子
愛らしい時計草の中に、まるで空の一部を切り取ったような新鮮な色がある。時計草の中にそのような色を見つけたときの作者の感動が伝わってきました。見たまま、感じたままをストレートに一句にされているのに、この一句の中に詩(うた)があることがすばらしいと思いました。(井上治代)
○今日の俳句
山里に植田広がり空深し/井上治代
山里にも田が植えられて、あの田この田とつながって広がりをもつ。水面を渡る風にそよぐ早苗が目にすずしい。山里の植田の静かさに対し て、空はと言えば深い。静かさと深さが体に沁みるようだ。(高橋正子)
紫陽花を抱え魚屋に魚を選る 正子
紫陽花を新聞紙にくるっと包み、魚屋の店主と、魚の品定めをしている、夕方の風景が、見えてきます。心の穏やかな、ひとときです。(成川寿美代)
○今日の俳句
折り紙のあじさいあふれる保育室/成川寿美代
保育園の一室。壁にも、どこにも折り紙のあじさいが飾られ、あふれ咲くようである。四季のゆたかな日本であればこその、細やかな心遣いである。(高橋正子)