★原っぱにえのころぐさの影となる 正子
原っぱは、真っ先に季節を伝えてくれる場所。えのころぐさの穂が伸びて、さらさらと影を映すようになった景色に、秋の爽やかさを感じます。「原っぱ」という言葉に、ほっといたしました。最近は、空地も更地も管理されているからでしょうか、現代語ですのに「原っぱ」を、あまり聞かなくなりました。優しい響きで、心に沁みます。(川名ますみ)
○今日の俳句
とんぼとんぼ向う山まで透き通る/川名ますみ
「とんぼとんぼ」のリズムが楽しい。とんぼが飛ぶと、向こう山まで空気が透き通った感じがする。(高橋正子)
○俳句界9月号が届く。結社広告は、8月号と同じ句になってしまった。10月号は、あたらしくした。広告の校正は九月第1週になる予定。
○昨日花冠10月号を校了とした。
○あさってから尾瀬に一泊で。同行は娘。はじめての尾瀬なので、順調に歩けるかどうか。11キロほど歩く。上越新幹線で上毛高原駅まで行き、そこから路線バスとマイクロバスを乗り継いで鳩待峠へ。そこから歩く。富士登山のときのことが甦る。
◇生活する花たち「ダイコンソウ」(横浜四季の森公園)

八月二十四日、横浜へ
★秋蝉となりしを聞きて引越しす 正子夏の初めから鳴き始めた蝉の声もいつしか秋の蝉になっている。そんな季節の移ろいを感じながら、住まいを別の地へ引越しをする。新しいところはどんなところであろうと思いを馳せながら。(高橋秀之)
○今日の俳句
産声を待つ部屋の窓白木蓮/高橋秀之
子の誕生を待って落ち着かない父親の目に、白木蓮が映る。産着のような純白の白木蓮に、まもなく誕生する子が重なって見える。(高橋正子)
○花冠10月号校了
午前9時過ぎ、松山の印刷所「龍華堂」に電話。担当の浅井さんに<花冠10月号校了>を伝え、印刷製本に移っていただく。
http://kakan.info/km/1010.pdf
◇生活する花たち「シモツケ」(横浜四季の森公園)
★朝風のとんぼを運び海へ去る 正子
松山でいらした頃の御句でしょうか。お住まいからは、はるかな沖も眺められ、とても風通しのよいご住居でした。朝風、とんぼ、海と、おのずと初秋の明るい風光や澄んだ朝の空気を感じ取れます。とんぼの行く手の海へと、爽やかに視野が広がります。(藤田洋子)
○今日の俳句
一片の雲を真白に処暑の朝/藤田洋子
処暑の朝を迎え、まっ白い雲の美しさにうれしさが湧く。暑さも一息つき、朝夕の涼しさが期待できる。処暑というのは、そういう日なのだ。季語を生かした写生だが、詩情のある句。(高橋正子)
◇生活する花たち「アベリア」(横浜日吉本町)

★小雨降る中の芙蓉を一つ剪る 正子
芙蓉の優しげな風情が「小雨降る中」という情景にぴったりです。少し秋めいた来たそんな雰囲気がよく感じられます。(多田有花)
○今日の俳句
はや桜紅葉始まる明るき午後/多田有花
「明るき午後」が魅力。暑さがようやく落ち着いたかと思うと、はやくも、桜は紅葉しはじめる。真夏の眩しさがぬけて、しずかな明るさに変わるころ。(高橋正子)
○角川俳句年鑑、俳句研究年鑑の原稿をそれぞれに郵送。
正子今年度代表句は、
菖蒲束ざんぶと投げて湯が青む(角川)
島はしずかに島でありたり花曇り(俳句研究)
○「少年」の主宰の稲田眸子さんに、依頼の花冠9月号と、「私たちの俳句」についてと、正子略歴を送った。
○治代さんの句集『香田』の注文本日まで分11名に夕方メール便で発送。
○花冠10月号の初校。
○一時にくらべると涼しくなった。日中は、眩しいくらい太陽が照る。
◇生活する花たち「蒲の穂」(横浜四季の森公園)

鎌倉・宝戒寺
★葉ばかりの萩の青さへ分け入りぬ 正子
鎌倉の宝戒寺は「萩寺」とも呼ばれ、特に白萩が有名。花の時季には少し早いが、その葉の何と生き生きしていることか。青々と生い茂り、行く道をふさぐ勢いである。詠者と共に萩の青さの中に分け入り、初秋の涼気を味わえる一句。(後藤あゆみ)
○今日の俳句
無花果の数多なれるもまだ青かり/後藤あゆみ
暑さがようやく一段落するころ、無花果の葉がくれに青い実が驚くほどたくさん生る。青くて固い実に初秋の空気が感じられる。下五の「青かり」は、文語破調の問題を残すが、よしとした。(高橋正子)
○俳誌「少年」主宰稲田眸子
稲田眸子氏(昭和29年愛媛生)から花冠を送ってくれるよう依頼の手紙がくる。倉田紘文主宰「蕗」誌の連載「俳句巡礼」にご紹介いただけるとのこと。
http://www3.ocn.ne.jp/~shoonen/
◇生活する花たち「コスモス」(横浜四季の森公園)

★水に触れ水に映りて蜻蛉飛ぶ 正子
水辺を軽やかに飛ぶ蜻蛉の姿が目に浮かぶようです。涼しげで軽やかな句に気持ちも軽くなります。(多田有花)
○今日の俳句
秋茄子の不ぞろいなるも強靭に/多田有花
真夏の暑さが去り、朝夕が涼しくなってくると、茄子が生き生きとして美味しい実をつけるが、皮が傷んだようなのも、曲ったのも様々。「不ぞろいなるも強靭」なのである。(高橋正子)
○第19回インターネット俳句コンテスト/9月1日~9月30日/投句料無料
【ご挨拶】 今回、第19回のインターネット俳句コンテストを開催できますことを幸いと思います。第1回の開催から今回まで実行委員長を務めてまいりましたが、13年を経て、インターネットも当時と比べものにならないほど、社会に広く浸透したと感じております。特にビジネスではなくてはならないものとなっております。文化の面では、17音からなる俳句は、ネットの特性を生かして、ネット上で多くの方に楽しんでいただけるようになっています。伝統文化である俳句の継承とその質の向上とを目指し、グローバル化の世界にも通用する詩であることを願って、インターネット俳句コンテストから新しい俳句が生まれることに期待を寄せています。多くのみなさま、自由でたのしい俳句をお待ちしています。(インターネット俳句コンテスト協会理事長 高橋正子)
http://internet-haiku.info/contest/
8月19日のアクセス数
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◇生活する花たち「ヨウシュヤマゴボウ」(横浜四季の森公園)

★乳ふふます母なる者に虫が鳴く 正子
新しく授かった命に母乳を与える作者。中七に母親としての誇りと新し命をはぐくむ決意が表わされています。嬰児の小さな鼓動と庭から聞こえるかすかな虫の音。二つの小さな命を詠って読む人に安らぎを与えてくれる句だと思います。(古田敬二)
○今日の俳句
信濃路へ入るコスモスを揺らしつつ/古田敬二
信濃は今の長野県のことであるから、けいじさんの住んでいる名古屋から信濃へ車で向かっているとき、コスモスも咲いて、ここからは「信濃路」だと思うと、目的地への期待が膨らむ。レベルの高い句。
○森澄雄さんが18日に91歳で亡くなられたと夕刊にあった。森澄雄さんは、昨年秋だったか、文学の森主催のパーティーに車椅子で出席されていた。セーター姿に吸入器をつけておられ、お話ができないようでした。壇上に登られただけでしたが、俳壇の重鎮の風格でした。
○治代さんの句集『香田』が昨日印刷所から納入されたので、今日、治代さんあてに宅急便で送る。明日、夜到着予定。
○日吉台西中学校を通り過ぎ、高田東小学校までカメラを持って歩く。日吉本町とはまた違った雰囲気。ルリマツリ・ツルハナナスビ・ハナトラノヲ・サルビアグラニチカ(青)・アベリア・シンテッポウユリorフクシャ・荒地待宵草・メヒシバ・小豆の花・萩などを撮る。
○待宵草は、遠くに白い家と雲をいれて撮った。期せずして、具合よく背景がぼやけて、好みの写真になった。メヒシバは、さつまいも畑の端に生えていっせいに風に吹かれていたので、場所としてはよろしいかろう。きょうは最高気温30度まで下がったので、木陰はすずしいところもある。タカサゴユリか、シンテッポウユリか区別できかねるが、ライオンズマンションの敷地に咲いていて、写真に撮ると、管理人さんが大いに喜んでくれた。
◇生活する花たち「溝萩」(横浜四季の森公園)

★いつよりか燕無き空青澄める 正子
春にやってきてからいつも身近に翻り、巣を作り、子燕を育てて、囀っていた燕たち。ふと気が付くと、燕はもうおらず、空を仰ぐと真青に澄んだ秋空となっている。季節の移り変わる度に人と共にある自然界の命の愛おしさに気付かされるお句です。 (柳原美知子)
○今日の俳句
雲流る空を降りくる赤とんぼ/柳原美知子
「雲流る」、「空を降りくる」に横と縦の繊細な動きが詠まれています。牧歌的な秋雲と、そこから降りてくる赤とんぼは、なにかを伝えに降りてくるようです。
○e俳句ブック/電子書籍(花冠発行所)
今年は、電子書籍元年と言われ、二月一日には、日本の書籍出版三十一社からなる「日本電子書籍出版社協会」が結成されました。五月二十八日には、アップル社の、電子書籍閲覧が可能なiPad(アイパッド)が日本でも発売されました。花冠発行所では、すでに刊行されている同人諸氏の句集がデジタル化され、パソコンでの無料閲覧が可能な電子書籍がつぎつぎと生まれています。紙の本とは、コンテンツ(内容)が同じでも、また別の新鮮な印象を与えてくれます。本句集『橘』は、これらの電子書籍の中の一冊です。花冠発行所は、前身の「水煙」の時代から、信之先生がネット事業にいち早く取り組んで、その歳月も十五年になろうとしています。その間に蓄積された、俳句や論文などコンテンツ(内容)は、膨大なものとなっております。ファイルが保存されていますので、書籍化が進めば、世界の人達にも読んでいただける可能性が大きくなります。費用などの制約で書籍化できなかったものが、書籍となって現れ、明るい将来が来る気がします。平成二十二年六月 高橋正子(電子書籍花冠合同句集『橘』の後書きより)
http://suien.ne.jp/ebook/
8月17日のアクセス数
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◇生活する花たち「向日葵」(横浜四季の森公園)
★きらきらと秋のポプラとなりいたり 正子
紅葉には間のあるも、秋の日がさせばポプラにも秋らしさを感じられたのでしょう。近くになく木の名前として知っているだけで馴染みのないポプラでしたが、図鑑で調べてみました。よい機会をいただき、ありがとうございました。(黒谷光子)
○今日の俳句
蓮は実を青々掲げそよぎおり/黒谷光子
蓮が実を青々とつけるころは、新涼。蓮の実の青さが新鮮に目を捉える。涼しい風も吹き始め、「そよぎおり」と動きもたのしませてくれる。(高橋正子)
○8月12日だったと思うが、歌人の河野裕子(かわのゆうこ)さんが乳がんで亡くなられた。現代短歌の第一人者だそうで、「しなやかに日常を詠んだ」というのがその評価。京都女子大時代に賞をもらって華やかにデビュー。歌会始めの選者も。年は、私と同学年のようだ。
「しなやかに詠む」という意味はどういう意味だろうかと思うが、主義とか主張ではないものなのであろう。
◇生活する花たち「シモツケ」(横浜四季の森公園)

★白皿に葡萄は露をこぼさざる 正子
卓上には豊潤なぶどうが白いお皿に盛られ、しかも程よく冷やされた濃厚な果肉の一粒一粒に弾けんばかりに露が光っている。白皿に盛られていることで更に新鮮さ、涼しさ、美味しさ、高級感 豊かな気持さえも感じとる事が出来ます。 (佃 康水)
○今日の俳句
賑わいの漁港の上の鰯雲/佃 康水
出船、入船、魚の水揚げなどで、賑わう漁港。その上の空高くに広がる鰯雲。生き生きとした漁港の美しい景色。(高橋正子)
○プロ野球の阪神が首位!!
昨夜、巨人が横浜に負け、阪神がヤクルトに勝って、首位に返り咲き。信之先生は、大阪生まれなので、大変ご機嫌でした。
○更新
伝言板を作りましたので、ご利用ください。
高橋正子主宰のネット句会などを貼っています。花冠ブログ句会では、1日3句投句で、数か月も連続欠詠なしの方がおられます。大変ありがたいことで、嬉しく思います。
○アクセスランキング入り
お蔭さまで、8月前半は下記の通り、5日アクセスランキング入りしました。ご支援ありがとうございます。
2010.08.15(日):9106 位(1451728ブログ中)、524(閲覧数)、144(訪問者数)
2010.08.14(土):8483 位(1451348ブログ中)、561(閲覧数)、150(訪問者数)
2010.08.11(水):9723 位(1450124ブログ中)、432(閲覧数)、151(訪問者数)
2010.08.05(木):9921 位(1447509ブログ中)、575(閲覧数)、155(訪問者数)
2010.08.04(水):8956 位(1447037ブログ中)、521(閲覧数)、161(訪問者数)
◇生活する花たち「ほおずき」(横浜四季の森公園)
