9月24日(金)

★虫の音に窓のいよいよ暗くなる  正子
夕方になると虫の音がはっきりと聴こえるようになり、戸外はしだいに暗くなっていきます。秋の深まりに一抹の寂しさを感じました。(井上治代)

○今日の俳句
空に月地に脱穀の音しきり/井上治代
稲刈りあとの脱穀に農家は忙しい。空には薄く月が懸かり、田には脱穀機の音がしきりにしている。空と地が対比され、広々とした平野の美しいまでの刈り入れ時の風景が詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「トリカブト」(尾瀬ヶ原)

9月23日(木)

★月明の寺に湯浴みの湯をたまわり  正子
お寺さんの宿坊に泊まられたのでしょうか。感謝の気持ちが「たまわり」に感じとれました。月光の明るさと湯浴み後の心身の清らかさが伝わってきます。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
月明り乳ふふみしまま子の眠る/後藤あゆみ
「月明り」の季語がよく働いている。月明りの中で、満ち足りてすやすやと眠る子のやすらかさ、きよらかさがよく詠まれた。(高橋正子)

葡萄の味濃きといいつつ食べあいぬ  正子
秋すずし日日草の命得て

○十五夜ネット句会入賞発表。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/

○今朝は涼しく、20度ぐらい。雨。 迫田さん、成川さんに電話。

◇生活する花たち「サワギキョウ」(尾瀬ヶ原)

9月22日(水)

★十五夜の箱根山道踏みおりぬ  正子
ドライブウエィーでなく細い山道かと思います。十五夜の頃であれば道の両側には薄も穂を出し月光に耀いていたことでしょう。それにしましても又とない体験をされたものと思います。
箱根山道のことが知りたくインターネットを見ましたら東京都内にも低い山で箱根山があるそうですが、そこのことかしら と思ったりしています。見当違いのことでしたら申し訳ありません。 (黒谷光子)

○今日の俳句
十五夜の光り差し込む青畳/黒谷光子
藺草の匂いもすがすがしい青畳に十五夜の月の光が差しむと、畳の上はきよらかな月光の世界。畳に踏む月光のすがすがしさと美しさを簡潔な句にまとめた。(高橋正子)

○十五夜ネット句会
昼間晴れていたが、夕方から曇り空となり、月は見えなかった。名月のころは、天気が落ち着かない。無月となる年も多い。

わが家路ゆく手に満月あおぎつつ  正子
菊蕾いきおいあって水はじく    〃
秋ばらの蕾の古色朝の日に     〃

◇生活する花たち「未草」(尾瀬ヶ原)

9月21日(火)

★パイプ椅子天の川へと向け置かれ  正子
七夕のイベントでもあるのだろうか、パイプ椅子が並べられている。そのパイプ椅子は、みな天の川に向けられている。この椅子にはどんな人たちが座るのだろうか。これから始まる楽しいイベントへの、期待感が感じられる。(山中啓輔)

○今日の俳句
カンバスの花野に風の吹きいたる/山中啓輔
カンバスに描かれた花野。その花野に風が吹いている。つまり、風が吹いている花野が描かれているのだが、実際も、画の中も、花野のうつくしさに満ちている。(高橋正子)

◇生活する花たち「ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマワレモコウ」(尾瀬ヶ原)

9月20日(月)

 阿蘇
★丈低きりんどう草に澄みてあり  正子
秋晴れの草原に、丈の低い紫色のりんどうの花が咲いています。とても可憐で美しく、その辺りを澄みきった空気にしてくれます。(藤田裕子)

○今日の俳句
ちちろ鳴く裏庭の夜の澄みてきし/藤田裕子
静かな裏庭にちちろが鳴くと、夜が澄んでくる感じがする。夜が澄んでくると、ちちろがいっそう声高く鳴く。研ぎ澄まされてゆく秋の夜である。(高橋正子)

◇生活する花たち「ノアザミ」(尾瀬ヶ原)

9月19日(日)

★吹き起こり風が熟田をさざめかす  正子
吹き起こる風の大きさに、田一面に波立つ金色の稲穂が目に見えるようです。情景さながらの爽やかさは、まさに稔りの秋の喜びです。(藤田洋子)

○今日の俳句
秋涼し仏花の束を風に解き/藤田洋子
仏様に花を供えようと花束をほどくと涼しい風が吹く。花束にはリンドウなど秋の花もあってそれも嬉しい。「風に解き」で、いっそうさわやかな句となった。(高橋正子)

○花冠11月号初校を済ませ、訂正箇所を印刷所にメール。11月号の発送準備は完了。

○全国俳誌協会から第1回編集賞の授賞式の案内がある。花冠は応募していないが、「遊牧」(代表 塩野谷仁氏)、特別賞に「あすか」(主宰 野木桃花氏)、「蛮」(発行人 鹿又英一氏)に決定された。授賞式は10月21日(木)午後6時から、アルカディア市ヶ谷にて。

今日の花アケボノソウは、花弁が5枚の写真ばかりしか見なかったが、5枚の花弁と同じ茎に6枚の花弁の花がある写真を見つけた。やはり、これはアケボノソウであろう。

◇生活する花たち「アケボノソウ」(尾瀬ヶ原)

9月18日(土)

★林檎手に送られ来しが赤ほのと  正子
これからの季節、美味しい林檎が出回る頃となりました。何方からか送られて来た林檎を手にした時、一瞬「あらぁ」とほのかに赤く色付いた林檎に和み、新鮮さ、美味しさ、季節感などを感じ取られ、送って下さった方と送られた方双方の優しい気持が伝わって参ります。(佃 康水)

○今日の俳句
せせらぎの岩すべり来る秋の水/佃 康水
「岩すべり来る」が澄んで滑らかな秋の水の感じをよく出している。(高橋正子)

◇生活する花たち「イワショウブ」(尾瀬ヶ原)

9月17日(金)

★たっぷりと雲湧く台風過ぎしより  正子
雨を含んだ雲はたっぷりと、膨らんでいる。一気に雨を降らせ次の場所へ。台風のすぎ去った安ど感が、いたします。 (成川寿美代)

○今日の俳句
雨上がる空の高さと椿の実/成川寿美代
まだ残暑が厳しいころ、椿につやつやとした実がつく。雨があがると、暑さも払われ、空は高く、秋の様子。それが実感をもって詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「オゼヌマアザミ」(尾瀬ヶ原)

9月16日(木)

★虫籠に風入らせて子ら駈ける  正子
虫籠に入っているのは、何の虫でしょう。鳴く虫かもしれませんしそうでないかもしれません。いずれにしても子どもたちはうれしくて駈けていくのです。躍動感を感じます。(多田有花)

○今日の俳句
はや桜紅葉始まる明るき午後/多田有花
「明るき午後」が魅力。暑さがようやく落ち着いたかと思うと、はやくも、桜は紅葉しはじめる。真夏の眩しさがぬけて、しずかな明るさに変わるころ。(高橋正子)

○インターネット俳句コンテストの愛媛新聞への掲載依頼を洋子さんに頼む。検討するとのこと。去年は新聞社の方から、載せてくれた。

○藤田正明さんの句を水煙から拾う。約400句。プリントして、お嫁さんの由美子さん宛て送った。

○花冠12月号のあらかた編集。

○昨日からの雨で気温がぐっとさがる。秋物衣類の準備。秋茄子の出盛りをJAの野菜市で買う。田楽に。枝豆も一束150円とお買い得。二束買う。

◇生活する花たち「ミズギク」(尾瀬ヶ原)

9月15日(水)

★旅の目に田毎の畦の曼珠沙華  正子
車窓からでしょうか。どこの田畑にでもある光景と思いますが曼朱沙華は目立つ花、旅の目であれば季節の移ろいを一入感じられたことでしょう。(黒谷光子)

○今日の俳句
新藁を積む一本の杭を打ち/黒谷光子
藁塚を作るために、中心に杭がしっかりと打ちこまれる。その杭に新藁をぐるりと積んでゆけば藁塚となる。収穫後の田んぼの風景は、一本の杭にはじまるその確かさ。(高橋正子)

◇生活する花たち「ウメバチソウ」(尾瀬ヶ原)