★新米の飯のかおりにからし漬け 正子
ご飯の好きな方は、新米が焚かれればそれだけでおかずなど要らない、とまで言われます。しかしご飯の香りに(秋茄子の?)からし漬けが添えられてあれば、その味は更に甘みを増すものとなるでしょう。味覚を通して、豊穣の秋の喜びを伝えてくれている嬉しい句です。(小西 宏)
○今日の俳句①
桐一葉日当りながら落ちにけり 高濱虚子
桐の葉は大きい。大きく軽いものが落ちるとき、落下の速度は、浮力も働いて遅い。桐の葉が落ちていくまでに、桐の葉は、秋の日を葉の全面に受けながら落ちたのだ。秋の日にあたる大きな桐の葉の色もじみじみとしており、ゆっくりと落ちる時間もこの世の時をゆるやかにしている。(高橋正子)
○今日の俳句②
濃く厚き葉にどっさりと青どんぐり/小西 宏
樫か楢か、葉がよく茂り、枝にはそれに負けないほどのどんぐりがどっさり付いている。「厚き葉」が葉の質感をよく捉えているので、どんぐりの生り具合がありありと目に浮かぶ。青どんぐりはさっぱりとして、楽しいものである。(高橋正子)
★呼んでみるかなたの空の雲の秋 正子
良く晴れた秋晴れの高い空には、刷毛雲、ひつじ雲、いわし雲が次々に現れ刻々と変化して流れて行きます。青空の高い天空を眺めていますと、爽やかさに思わず「お~い雲よ!」と親しく呼んで見たくなる心情にとても共感致します。 (桑本栄太郎)
○今日の俳句
コスモスの傾ぎしままが風を待つ/桑本栄太郎
雨風を受けてコスモスの花茎も傾くようになったが、花は溢れるように咲いている。風を待って今にも戦ぎだしそうである。
★足先がふっと蹴りたる青どんぐり 正子
青いどんぐりが落ちている。ふっと足先が出て青どんぐりを蹴ってみる。足先が憶えていた童心と、郷愁の一瞬を見事に捉えた一句だと思います。 (後藤あゆみ)
○今日の俳句
大玻璃の透けいて桜紅葉散る/後藤あゆみ
大玻璃を透ける「桜紅葉」が美しい。透きとおった玻璃を通して見ることによって、さらに桜紅葉が鮮やかに美しくなった。
★大寺の水あるところ水澄んで 正子
「水澄む」の季語のイメ-ジがそのまま心に入ってきます。大寺のよく掃き清められた境内、水場なども目にうかび、清涼感にみたされる思いがいたします。(小川和子)
○今日の俳句
穂芒と軽き野の花組み束ぬ/小川和子
秋草は軽く、種々あるのがいい。穂芒と野の花との組み合わせがたのしく、やさしい。
★あふれたる林檎まぶしみつつ選りぬ 正子
旬の林檎の輝きが店頭にあふれ、思わず手に取って選ぶのも主婦の楽しみのひとつですね。何気ない日常生活の中の喜びが生き生きと伝わってきます。(柳原美知子)
○今日の俳句
鰯雲島中の空埋め尽くし/柳原美知子
島中の空は、言うなれば、島を巡る球形の空です。限りなく広がる空に、限りなく鰯雲が並んで、空に寄せて、のびのびした大きな気持ちが広がっています。
○今日の俳句
ジンジャーの花の香に足る十三夜 正子
欅もみじはや夕暮れが来ておりぬ
おのこらが合唱して来る秋の坂
○十三夜句会。昨日から今日にかけて。10時ごろ空を見上げると、薄い雲が広がるなかにぼんやりと月がひかっている。ときに雫のように雨が顔にあたる。虫もつづれ鳴いて、こころもとない。いつぞやは、樋口一葉の「十三夜」を読んだりして、十三夜句会にも熱をいれたものだが、今日はコンテストの発表と重なって、その余裕はなかった。
○第19回インターネット俳句コンテストの入賞発表は昨日したが、インターネット俳句協会の理事長賞と選者特選を追加発表。これで、入賞発表は完了。あとは、授賞式と賞品賞状の発送、選者の先生方へのご挨拶がある。
○コンテストのことが、NHKの雑誌に載る予定である。
○五丁目を吟行する。五丁目は一戸建ての住宅がほとんどで、小さな庭を工夫している。庭を見ながら歩くと、坂の下から男声合唱が聞こえて近づいてくる。中学生の男の子七、八人が合唱の練習をしながら下校している。
★うす紙がかりんをかたちのまま包む 正子
かりんの色、かおりも、より鮮明に「うす紙が包む」で感じられます。(矢野文彦)
○今日の俳句
車椅子薄一本挿し戻る/矢野文彦
デイケアに通われて、そこでの生活も時に華やぎ、車椅子での散歩では、薄を見つけて、一本を大切に持ち帰り、自然に触れた日の喜びがあります。身辺の生活にささやかながらも納得があり、人生の肯定へと繋がっている。(高橋正子)
○今日の俳句
マカロンのお土産ありて
十二夜の月にふらんす菓子を食ぶ 正子
○第19回インターネット俳句コンテストの入賞発表。
○十三夜句会の受付を今夕から開始。
○赤い羽根募金をする。
○昼食は早めにピザトースト。ネットの仕事で忙しくて焦がすが、これまで食べたピザのなかで最高にあつあつのピザになった。モツァレラがよく溶けた。
○ランク入り
2010.10.18(月)
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阿蘇
★火口歩む秋天いよいよ高くあり 正子
秋の青空へ大きく口を開ける阿蘇の火口。外輪山の緑と真っ青な秋の空。火口を歩きながらその空を見上げる。どこまでも澄んで高い空である。読む人に、秋の澄んだ空の感動を真っ直ぐに伝えてくれる句である。 (古田敬二)
○今日の俳句
木の実独楽歩き始めし子へ廻す/古田敬二
歩き始めた子は、木の実独楽を、「なんと不思議なものだろう」と思ったのに違いない。興味津々の無垢な子どもとふれあう心があたたかい。(高橋正子)
○八百屋さんのトラベルプレゼントキャンペーンに、応募していたら、2等に当選したから旅行にご優待と知らせがあった。伊豆への日帰り旅行、温泉、食事付き。費用は3900円。くじに当たったためしはないので、応募者全員2等当選かも。
★詩に倦んで親しき灯火を小さくす 正子
詩である俳句の日々のご指導、「花冠」会員やインターネット俳句コンテストなど種々のコンテストの選者として、細部まで作者の思いに寄り添っての丁寧なご指導に、お疲れになられることと思います。いつもの手元の灯を少し暗くすると秋の夜が静かに深まってゆき、一日の終わりの安らぎが感じられるようです。(柳原美知子)
○今日の俳句
雨去って空の水色破蓮に/柳原美知子
雨に洗われた空の水色を背景にした破蓮の姿、色がからりとして、枯のよさが出ている。(高橋正子)
○ネット短信No,80発信。
○花冠12月号オンライン版をブログに掲載。平成22年度の花冠各賞を決定。電話で承諾を得る。
○夕方、駒林神社の祭りのあとの境内を見に出かける。石柱に「村社」「鎮守」と彫った字が見える。一人カメラを提げた男性がいた。その人が去ると、鞄をもった中年の女性が拍手と打って拝んで帰った。すぐあとまた、三十前後の女性が来て、御手洗で手を清めて出て行った。だれも来ないようだが、お参りがある。神社を出てさらに丘を上ると、日吉本町二丁目の見知らぬところに出た。二丁目は平地から丘の上まで随分広い。普通部の第二グランドとテニスコート、それにKBHOUSEとか、NESLEHOUSEと看板の出た建物があったが、たぶん、慶応のものだろう。雑草の刈り取りも手が回らない様子。竹藪などが残っていて、昔からの民家もあって、しずかなところ。住む町に、子ども達二人が通った大学関係の建物があると、遠く四国から来た身にもそれなりの雰囲気があるのか、馴染みやすいと知る。
○今日の俳句
龍の口より落ちたる水の澄みていし 正子
境内の秋澄み銀杏まだ青し
境内の崖をしばりて蔦紅葉
二丁目の丘に芒の穂の若し
酔芙蓉はれやかなるは八重であり
野ぼたんの紫あれば庭が澄み
治代さんから芋炊きセットが届く
水郷のごぼう里芋鍋に煮て
湯上りの肌に星より来る寒さ
きょうからは色が見え出す菊蕾
★鶺鴒のぱっぱと石を水を飛び 正子
長い尾を振りながら水辺の石や水の上を敏捷に飛ぶ鶺鴒の動きが目に浮かびます。きれいな鳥なのでしょう。
(黒谷光子)
○今日の俳句
秋の滝白の激しを眩しめり/黒谷光子
「白の激し」が、秋の滝を真実表している。夏ならば滝水の白は涼しさを呼ぶであろうが、どうどうと落ちる秋の滝は激しいまでの白、眩しいまでの白となる。(高橋正子)
★秋水湧く波紋をそのまま手にすくう 正子
山峡にこんこんと湧きだしている清水。水の輪を大きくそのまま、両手で掬いたくなる素晴らしい秋の水です。きっと冷たくておいしかったことでしょう。(河野啓一)
○今日の俳句
スケッチの筆のタッチは鰯雲/河野啓一
鰯雲のように筆を小さくふわふわっと置いてゆくスケッチが、たのしい。スケッチの軽さが鰯雲とよく合っている。(高橋正子)
○洋子さんが船倉に注文していくれていたコンテストのトロフィー3個、メダル9個が届く。
○ランク入り
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○今日の俳句
晩稲田の刈らるるまでをそよぎけり 正子
晩稲田の祭りすぎたるさびしさよ 正子