11月12日(金)

 松山持田
★入学せし門は閉じられ冬紅葉  正子

○今日の俳句
花土を購いおれば冬ぬくし/黒谷光子
花を植えようと、花土を買っていると、冬なのに暖かいことよ。ふかふかの土に花もよく育つことであろうと、思いが走る。「冬ぬくし」の温かみがよく伝わってくる。(高橋正子)

○毎日新聞社の隔月刊行俳句雑誌「俳句αあるふぁ」の2010-11/12-1月号に信之先生の俳句が掲載され、雑誌が送付された。
光の歳時記で、1月7日の句として掲載。<わが影の付き来て楽し寒き日も/信之>の句で、コメントは「光があれば、必ず影があります。歩くと、どこまでもついてくる自分の影。それだけで楽しく、心あたたまる気分になります。どんなに寒い日であったとしても。」俳句の通りの、ひとつも余計な解釈がありません。たしかにその通りのコメントをいただいています。

11月11日(木)

★夜は軒陰に白菜星をほしいまま  正子
大気澄む冬の夜、ひときわ輝きを増す星の光に、軒陰にある白菜がぽっと明るく白く目に浮かびます。昼は日の光、夜には星々の光を存分に浴びて旨みを増す白菜。冬夜の静けさに詩情豊かな時間が流れます。 (藤田洋子)

○今日の俳句
参道の一樹一石落葉踏む/藤田洋子
落葉の積もる参道の一樹一樹の姿を見上げ、踏む道の石一つ一つの具合を確かめつつ登る。伽藍へと導く参道がそうさせる。「落葉踏む」が手堅い。(高橋正子)

○新横浜へ下見に信之先生と。新横浜駅ビルの正面を出て横浜スタジアムに行く通りでもあるレンガ通りのスタバによって、珈琲とクッキーを摂る。レンガ通りをまっすぐ進むと、鶴見川の支流の鳥山川に架かるさんかく橋に出る。橋のたもとが新横浜駅前公園。さんかく橋の川向こうには、横浜労災病院が見える。川土手を歩き、鳥山川と鶴見川の合流点に来る。さらに川土手を歩き、新羽橋までくる。新羽橋を渡り、地下鉄新羽駅から帰路に着く。帰宅は2時前。川土手には、白鷺、鶺鴒。たまに青鷺。桜紅葉、百合の木の黄葉が一番きれいなころ。

○帰宅後、1月号の選句。今月は14日をめどに編集を終える予定だが、18日までかかるかも。

○コンテストの仕事が尾を引いて、小さい緊張が続くせいか、精神、秋晴れのようにいかず。夜中2時半ごろまで雑事の整理。

11月10日(水)

★枯蓮となりつつ水に傾ぎゆき  正子
季節の深まりとともに枯れ進む蓮のありさま、枯蓮そのものの存在感を見事に描写されていると思います。その静かな水面の時の流れに、枯れゆくものの生命の哀感をしみじみと感じさせていただきました。(藤田洋子)

○今日の俳句
しんとある鵜船の河畔冬初め/藤田洋子
「しんと」の擬態語がこの句のよさ。鵜飼の季節を終えた鵜舟が置かれている河畔の風景に、初冬に対する作者の気持ちが良く出ている。(高橋正子)

11月8日(月)

★冬はじめ富士の裾野の長く長き  正子
立冬を過ぎたばかりの冬の初めの時期。富士はかすむこともなく、その裾野の広がりもまた、すっきりと見通せ、長く感じられます。 (高橋秀之)

○今日の俳句
大根を手に余らせてすりおろす/高橋秀之
大きな水気たっぷりの大根がすぐさま思い浮かぶ。手に余るほどの大根を摩り下ろすのは、ちょっと大変だが、それも大根らしいところ。(高橋正子)

11月7日(日)/立冬

★天の日は初冠雪の嶺に照り  正子

○今日の俳句
石蕗の花海に落ちゆくゆるき坂/成川寿美代
石蕗の花と海の色彩が美しい。海へと下るゆるい坂を歩きながら、気持ちが広く、ゆるやかに景色に溶け込んでいるのがよい。(高橋正子)

○花冠会員に平成23年度会費の案内をメール。
○信之先生は、新横浜まで授賞式祝賀会会場付近の下見に今朝も出かける。朝8時過ぎから10時過ぎまで。

コメントのお礼

○花冠同人のみなさまへ
花冠同人の皆様から、正子俳句へのご丁寧なコメントをたくさんいただいて、うれしく読ませていただきました。コンテストのことなど、多忙にかまけて、お礼が遅くなりました。どうもありがとうございます。

11月6日(土)

★ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る  正子
ポプラの黄葉はそれ自体かすかで消え入りそうなところがあり、それだけに、空に映って美しい輝きを見せてくれる。その枝に寄りまた流れゆく秋の雲のさまは、爽やかな冷気をも感じさせる。(小西 宏)

○今日の俳句
秋深き山道薪の高々と/小西 宏
やがて来る冬に備えて、薪が山道に高々と積まれているのを見ると、「秋深し」の情感が高まる。(高橋正子)

○花冠12月号をメール便で発送。午後6時ごろ。封筒入れは信之先生の担当となった。

11月5日(金)

★冷たさも露けさもスライスオニオン  正子

○今日の俳句
行くほどに銀杏色づく通学路/上島祥子
通学の道に銀杏が続いている。ずっと歩いてゆくほどに、銀杏が黄葉している印象が強まる。銀杏黄葉に染まる作者である。(高橋正子)

11月4日(木)

★紺碧の天と対いて刈田あり  正子
大きな景色の広がりを感じる句です。もしかしたら谷あいの棚田かもしれませんが、それでもやはり広々とした空気を感じます。(多田有花)

○今日の俳句
薄立つ高さよ向こうの山よりも/多田有花
小高い丘などに登ると、薄が向こうの山よりも高く立っている。見晴らしのよさにも秋の深まりがある。(高橋正子)

○11月21日の花冠各賞の授賞式・祝賀会の場所を日吉から新横浜に変更。新横浜駅のキュービックプラザという10階にあるフランス料理のレストラン、「ラ・クラス」。はじめ同じ階にある湘南野菜を使ったイタリア料理店にする予定で信之先生と試食したが、今回は、フランス料理にした。

○帰りに「横浜土産」という店で来年の干支のうさぎが目に入ったので、立ち寄って買う。高山張子のうさぎ。うかうかしていると年末をむかえるので、例年干支の置物は、目に入ったときに買うことにしている。