12月12日(日)

★木蓮の冬芽みどりにみな空へ  正子
木蓮の冬芽は温かそうなふさふさの毛に包まれ少し透けて薄緑の筆の形にも見えますね。その冬芽は垂直に皆上を向いて居り、「みな空へ」の措辞から厳しい寒さにも耐えられる力強さを感じると同時に春先には見事な花を咲かせるだろうと期待が膨らみます。(佃 康水)

○今日の俳句
出漁や妻に焚き火の温み置き/佃 康水
出漁まで夫婦で焚火をして体を温めていたのだが、体も温もって、妻を残して船音もかるく漁に出て行った。漁師夫婦の情愛が焚火をとおして温かく詠まれている。(高橋正子)

○花冠2月号の編集を終えて、入稿。今日は日曜日で印刷所が休みなので印刷所がファイルを受け取るのは明日となる。10日の雑詠投句締め切りで、2日後には、編集完了、入稿というスピードは、信之先生のシステムのおかげ。
http://blog.goo.ne.jp/kakan12/
○アクセス、ランク入り
2010.12.11(土) 558 PV 167 IP 9107 位 / 1507300ブログ

○花冠2月号後記
★二月号をお届けします。今月号は、昨年の花冠各賞の授賞式・祝賀会の報告、花冠同人が実行委員となって行った第十九回インターネット俳句コンテストの入賞句を掲載しました。授賞式等の報告は、花冠新人賞受賞の後藤あゆみさんが初対面の感想を交えて、いきいきとした文章で書いてくだしました。お楽しみください。コンテストの入賞句につけられた選者のコメントもさまざまですが、ご参考になさってください。改めて、入賞の皆様おめでとうございます。
★高橋信之俳句十二か月鑑賞は、交代で鑑賞をいただいていますが、いかがでしょうか。俳句は伝統文化ですので、パソコンの時代となっても、伝統文化の継承のあり方は変わるものではありません。師の目指されるところを学ぶことが大切と思います。
★昨年は、「はやぶさ」の地球への帰還で、話題が宇宙へと広がったようです。プラネタリウムが羽田にもでき、なるほどと思いましたが、各地にもプラネタリウムができて、子どもたちを楽しませているようです。我が家の子どもたちも星の文人と言われ、冥王星の命名者でもある野尻抱影のたしか、『星と伝説』だったと思いますが、よほど魅力的だったのでしょう、繰り返し読んでおりました。星を見上げ、空を見上げると、俗世を離れたような気持ちになります。寒空に輝く星々の光を内面にも取り込みたいと思います。
★花冠の表紙の色は、昨年の十月号から、印刷所の花冠担当の浅井さんにお願いしています。どの色にするか、たとえば、「明るめの緑系で」と指示して、色の細かい調整は浅井さんにしてもらっています。浅井さんは二十代の女性でパソコンがお得意で、若いセンスを活かしてご協力願っています。パソコンで送られた皆さんの句や原稿を、信之先生が、パソコンで編集とファル処理をされて、ホームページにアップします。それを印刷所がダウンロードし、校正原稿が出来、皆さんに校正をしていただき、編集調整をして校了となれば、印刷できるようになっています。諸書ある雑誌のなかでもこの方法が取れるものは、ほとんどないのでは、ないかと思っています。今後とも、ご協力をお願いいたします。(正子)

○ネット短信No.87発信。花冠2月号の筆者校正を依頼。

○花冠各賞授賞式と11月オフ句会集合写真(新横浜駅ビル10階)

前列:河野具子・河野啓一・高橋正子、
後列:渋谷洋介・高橋句美子・後藤あゆみ・安藤智久・小西宏
(高橋信之撮影)

○その他のスナップ写真(新横浜駅ビル10階レストラン「ラ・クラス」内)
http://blog.goo.ne.jp/kakan115/

12月11日(土)

★きよらかな冬日をすぐに身に纏う  正子
冬の朝、家から出られてすぐに感じられたことでしょうか。きよらかな冬日とは春にも秋にもない、汚れのない身の引き締まるような感覚と思いました。先生の細やかな感性の御句と思います。(黒谷光子)

○今日の俳句
小白鳥みな北向きに漂える/黒谷光子
小白鳥は北風を顔に受けているのだろうか。北向きにみんな揃ってさざめくように漂っている。まことに美しい光景だ。(高橋正子)

○今朝は、すっきりと晴れ、舗道には、きれな落葉がからからと走るほどの心地よい風が吹いている。麗日。

土曜日なので、近所の野菜直売所が開店。今日は、大根とカリフラワーと柚子を買ってきた。大根の葉も根もやわらかい。カリフラワーもやわらかい。小さい柚子はきれいな黄色。やらわかいというが、この農家のは、また特別。普段食べる野菜は、主にはコープに注文、そして農協の朝市、この農家、たまに八百屋で買っている。この農家の畑の下は、横浜市営地下鉄のグリーンラインが通っている。鉄道にならず、運よく畑として残された。

農家で育ったから、野菜作りも米作りも、麦踏も手伝って経験している。大学に入って、下宿をするようになって、八百屋の店頭をみて驚いた。しなびかけている野菜ばかり。特に茄子は、艶がない。しばらくして、街で売られている野菜は、これが普通だとわかった。あれから、四十年以上経つが、その間、日本の事情も変わって、産直野菜が人気で、近隣に残る農地で栽培される野菜が食べれるようになった。今夜は、大根をたのしもうと思っている。西京味噌と柚子があるので、ふろふき大根となりそう。

日経夕刊の「人間発見」のコラムに昨夕は、京都吉兆社長の徳岡邦夫さんの連載第五回目の記事が掲載された。「心砕いて進む料理の道」を実践されている。徳岡さんは、三つのプロジェクトをおもちだそうだが、食育もその一つ、また一つに第一次産業の活性化を目指す事業がある。第一次産業は、農業や漁業などだが、命をはぐくむ産業である。おいしい野菜、おいしい魚、それを活かす料理の工夫があれば、大根も大変ごちそうである。育てるは、育むと同じ。育むことが何においても大事と思える。この夏から始めたこの農家の月水土の直売日を待つ人達もだんだんと増えてきた。暑い日は暑いながらテントの下に、うららかな日は、日や風を受けて売られる野菜も幸せであろう。

12月10日(金)

★孟宗の冬竹林に日がまわり  正子
緑深い孟宗の竹林の冬、その沈静した一群の景観に心惹かれます。冬日の移動によって、刻々と照り翳る竹林の表情に冬の深まりを感じます。(藤田洋子)

○今日の俳句
南天の実と実の触れていて眩し/藤田洋子
南天の赤い実がびっしりと付き、実と実が触れ、互いに輝きあうようだ。(高橋正子)

12月9日(木)

★山茶花の高垣なればよく匂う  正子
山茶花の花は、寒さが募るほどに咲き満ちて来て、今、花盛りである。その高い山茶花の花の生垣が匂う家に住まう人の、心のゆとりのある生活と風雅な心がとても良く窺え、素敵な句です。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
咲き満ちて山茶花高し村の垣/桑本栄太郎
「村の垣」がよい。いく年も経った山茶花の高い垣根に囲まれて暮らす村の生活が美しい。すっきりとした句である。(高橋正子)

12月8日(水)

★散ればすぐ桜冬芽の鋭がりたり  正子
四季折々の桜の木をみつめる眼差しのやさしさと確かさを感じました。偶然にも今日、桜の冬芽を見て来たところです。すっかり葉を落とした枝々には早くも芽が出ていて、ああ、春に咲くためにもう準備を始めているのかと感動しました。御句の通り、冬芽を手で触れてみると痛いほど堅く鋭がっていました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
冬鳥の声澄み渡る大欅/後藤あゆみ
冬鳥が大きな欅の枝で、のびやかに歌っている。声も澄みわたるほどに。大欅なればこそ、の世界。(高橋正子)

12月7日(火)

★冬来たり汽笛の近く響くとき  正子
ものの音というのは、気象条件でと微妙に変わって聞こえるものです。横浜港の汽笛でしょう。それがいつもより近く聞こえた、そこに冬の到来を敏感に感じ取っておられます。(多田有花)

○今日の俳句
石蕗の花はや日輪の傾きぬ/多田有花
句の姿が整っている。暮れ急ぐ日にしずかに灯る石蕗の黄色い花が印象に残る。(高橋正子)

12月6日(月)

★臥風忌の今日にわが句の刷り上がる  正子
正子先生は愛大俳句会で、川本臥風先生より直々に教えを受けられた由。句集「花冠」、「現代俳句一日一句鑑賞」は、折にふれ開いていますが、正子先生の句集「月の樫」(昭和61年)はまだ目に致しておりません。機会がありましたら是非読ませて頂きたいのですが。(小川和子)

○今日の俳句
冬椿蕾結べりきっぱりと/小川和子
冬椿の蕾の固さが凛とした空気に「きっぱりと」した姿を特に印象付けている。(高橋正子)

12月5日(日)

★落葉踏み階踏みてわが家の燈  正子
落ち葉を踏みながら家の前まで帰ってくる。家まで帰ると、足元も落ち葉から階に変わり、目の前にはわが家の燈がある。ほっと一息をつくことのできる一瞬を見ました。(高橋秀之)

○今日の俳句
賀状書き並べテーブル埋め尽くす/高橋秀之
年賀状を書くときの様子は、まさにこのよう。版画を押したり、絵の具や墨を使ったり、昨今は、パソコンで写真を印刷したりして、思い思いの年賀状を作る。乾くまで重ならないようにすると、テーブルが埋め尽くされていく。新年の挨拶を楽しみながら書く、歳晩の日本のほのぼのとした家庭が知れる。

○正子のきょうの俳句
孟宗の冬竹林に日がまわり
大根の純白手にあり面取りす 
南天に日はうららかに暮れにけり
日は燦と冬芽の辛夷生かしめて
冬桜そのちいささに雲浮かび
山茶花の高垣なればよく匂う
大根の抜き穴畝に二や三や
枯蔓も朱の実もかざり烏瓜
枝移る目白の羽音のからだほど
綿雲の空や目白が枝移る
落葉あれば見上げて聳ゆ冬銀杏
仏手柑ころがるものも屋敷林
木賊生う地より突き立つ濃き緑
 歳末くじに当たる
跳躍の真紅の花のシクラメン

○忘年句会の銅賞の賞品を文彦さんと、美知子さんに送る。11月月間賞は、康水さん、有花さん、光子さんには、色紙をすでに送っている。月間賞は、定例句会の金銀銅賞、ブログ句会最優秀賞を含めて選ぶ。

○迫田さん、12月号が未着とのことで、今日、速達メール便で送った。

○角川俳句年間2011年度が届く。いろいろ検証。

○風邪がようやく抜けた感じだが、完全ではない。用心して遠出はさけ、午後、鯛ヶ崎公園あたりを信之先生と歩く。冬桜、柊の花、山茶花を見る。めずらしいのは、仏手柑であろうが、重そうに生っている。広い植木園を持っている農家が1件あって、いろんな木があるようだ。(高橋正子)

12月3日(金)

★純白の苺の花も十二月  正子
一年の最終月の十二月、開花する苺の純白がひときわ鮮明に目に映ります。その混じりのない明瞭な「純白」な花びらに、十二月への思いが込められているようです。(藤田洋子)

○今日の俳句
音立てて山の日差しの落葉踏む/藤田洋子
「山の日差しの落葉」がいい。山の落葉にあかるく日があたり、そこを歩くとほっこりとした落葉の音がする。(高橋正子)