5月3日(火)/憲法記念日

★森奥のたんぽぽ大方は絮に  正子

○今日の俳句
降り初めの雨粒まるし柿若葉/小口泰與
柿若葉のころは、急に空が曇って降り出すことがある。降り始めた雨粒がまるく、やわらかく、柿若葉にあたる。柿若葉の緑がありありと見える。(高橋正子)

○花冠ツイッター句会
おとといの5月1日から、ツイッター句会を開始。句会は、もともと実際に人が集まり、座の文学として、ずっと行われてきて、今も継続されている。単に句会と言えばそれを指す。俳句雑誌「花冠」は、1983年に創刊し、インターネットが一般に普及しはじめたのが、1995年。その翌年1996年、花冠のウェブサイト「インターネット俳句センター」を開設。翌1997年からは、ネット上での句会をBBS(掲示板)で始め、その後、ブログ句会を立ち上げ、今年の5月1日からは、ツイッター句会を開始した。句会の管理運営は、信之先生が担当。ツイッターによる俳句は、1年以上前から取り組んでいたが、ツイッター句会開始の時がきた。

◇インターネット俳句センター:
http://suien.ne.jp/haiku/
◇ブログ句会:
http://blog.goo.ne.jp/kakan17/
◇ツイッター句会の入賞句(今日の秀句):
http://twilog.org/kakan_syuku
◇デイリ-俳句花冠/ツイッター新聞:
http://paper.li/HaikuKakan

◇生活する花たち「藤・花水木・シャガの花」(横浜市緑区中山)

5月2日(月)/八十八夜

★八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ  正子
自句自解:松山では、居間の窓から年中ポプラのそよぐのが見られた。今はやわらかな緑がしずかに音を立てて、風の様子を見せてくれている。いい天気の昼下がり、鳴き始めた雀は、いつまでたっても鳴きやまない。一人遊びをしているように、夏の近づく日差しを楽しんでいた。

○今日の俳句
子が発ちし八十八夜の月明り/藤田洋子
「八十八夜の月明かり」の美しい抒情に、旅立つ子を送り出す母の一抹の寂しさが添えて詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「藤①・藤②・シャガの花」(横浜市緑区中山)

5月1日(日)/メーデー

★いつ見ても雪割草のつめたかり  正子
春を告げる可憐な花。しかし、厳しい冬を耐え抜いて出てくる強さがあります。可愛らしいと思う反面、あまりにも健気で立派すぎて近寄りがたいと思うこともあります。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
リラ冷えのひと日テーブルクロス編む/後藤あゆみ
リラ冷えとう美しい言葉と、繊細なレースを一心に編む幸せな時とがよくマッチしています。(高橋正子)

◇生活する花たち「八重桜・藤・松の花」(横浜日吉本町)

4月30日(土)

★聖書繰る野の青麦を思いつつ  正子
手の届くところに聖書が置かれているのでしょう。読み疲れた目には青々とした青麦畑を思い、疲れをいやしてくれるかのようです。(祝恵子

○今日の俳句
影の来て蝶の来ていることを知る/祝恵子
蝶は、やわらかに、気配もなく飛んで来る。ふと見やるところに蝶の影があり、蝶のいることに気づかされる。物があって、影が生まれるのだが、その逆のような世界の不思議。(高橋正子)

◇生活する花たち「カロライナジャスミン・カタバミの花・ぐみの花」(横浜日吉本町)

4月29日(金)

★近寄れば真実リラの匂いける  正子

○今日の俳句
春の沖へ沖へとヨットのきらめく帆/多田有花
ヨットの観察をよくすべきなので、添削。春の沖へ出てゆくヨットの帆がきらめいて、沖にはもう夏が近づいている感じがする。(高橋正子)

◇生活する花たち「モッコウバラ・花菱草・ドウダンツツジ」(横浜日吉本町)

4月28日(木)

★スイートピー眠くなるほど束にする  正子
うららかな春の陽光の中でスイートピーを摘む喜び。束ねられるほどたくさんのスイートピーに囲まれて、夢の世界に誘われるようなひととき。やわらかな色彩を感じます。 (後藤あゆみ)

○今日の俳句
桃咲いて印旛の広野を風わたる/後藤あゆみ
「印旛」の地名がよく効いて、桃が咲く広野の景色が詩的に、奥行き深くなった。さらに「風わたる」も実感として、納得できる。(高橋正子)

◇生活する花たち「モッコウバラ・ツツジ・ソケイ」(横浜日吉鯛ヶ崎公園)

4月27日(水)

★囀りに子の片言の鳥を呼び  正子

○今日の俳句
すかんぽの赤き穂が伸び揺れにけり/桑本栄太郎
すかんぽの穂は、伸びて来たばかりのころは、茶色がかった赤い色がやわらかで美しい。そよ風に揺れると、色に動きが出て楽しいものである。(高橋正子)

◇生活する花たち「花水木・モッコウバラ・母子草」(横浜日吉本町)

4月26日(火)

★牡丹の百花に寺の午(ひる)しじま  正子

○今日の俳句
柿若葉吹き出す窓の明るさよ/安藤智久
桜が終ると、柿若葉が「吹き出す」ように燃え出てくる。柿若葉の明るい輝きに、窓は明るい季節へと変身する。(高橋正子)

○今日の俳句②
あおられてまたあおらるる花楓  正子
雨あとの水音高し初蛙 正子

○ミニ薔薇のテディベアが二つ目の花を開いた。19世紀の雰囲気がするクラシカルな色合いがかわいい。消毒もしないのに、いたってすこやか。

◇生活する花たち「花水木・藤・鯉のぼり」(横浜四季の森公園)

4月25日(月)

★明け初めし空の丸さよ柿若葉  正子
春蘭けていち早く萌えはじめる柿若葉。まろやかな明けの空に、ことのほか柔らかな初々しさの柿若葉です。朝日とともに照り輝く柿若葉も目に浮かび、近づく初夏の明るさを感じます。 (藤田洋子)

○今日の俳句
春光につつまれし身のときめきよ/藤田洋子
この句を読むと、もの静かで明るい若い母親の姿が浮かぶ。うす紫の丸いヨークのセーターが、春光の中で、肩までの黒髪に映えていた。(高橋正子)

○きのう24日の日曜日の早朝、、ラジオで野鳥の声を聞いた。きびたきの明るく弾む声と、おおるりの伸びやかな森全体に響くような声。声の質は同じだが、鳴き方に違いがあるとのこと。フィリッピンから渡って、家の近くの公園や緑地を経由して森に入って行くとのこと。今頃ちょうど、公園や緑地で鳴いていることもあると聞いたので、木午後から思い立って、句美子と一緒に横浜緑区中山にある四季の森公園に出かけた。四季の森公園は、新緑の季節を迎え、家族連れや老人、アマチュアカメラマンがカワセミを狙ってカメラを構えていた。菖蒲田に沿う流れのあたりで、蛙がくるくるっとよく鳴いている。紅葉谷に入ると、鶯、四十雀が鳴いている。残念ながら、きびたきやおおるりはいない。おおるりの声は、昨年夏、尾瀬の山に入ったとたんに聞いて、ずっとその声が何の鳥かと気になっていた。今朝のラジオでそれが、思っていた通り、おおるりの声であったと確信した。写真は、句美子が主に撮ってくれた。花水木、青梅、花楓など。

◇生活する花たち「花水木・青梅・花楓」(横浜四季の森公園)

4月24日(日)

 小石川植物園
★たんぽぽの草の平らに散らばりぬ  正子

○今日の俳句
八重桜色を沈めて街ふけぬ/成川寿代
八重桜は桜の中では、もっとも遅く咲く。ぽったりと重い花は、街がふけ、色を沈めたころに抒情がある。(高橋正子)

○「2011年俳壇年鑑」が届く。
雪降ってわくわくと少年の日へ/信之
山小屋の湯にいて秋の笹の音/正子
上記の句が、諸家自薦作品集2700句に掲載される。

○俳句界5月号に花冠同人の川名ますみさんが「俳句の未来人」に掲載される。ミニ俳句論が秀逸。来月号は、安藤智久さんが掲載される予定。

◇生活する花たち「ヤマブキ・ラベンダー・タンポポ」(横浜日吉本町)