2月5日(火)

★水掛けて春水かがやく仏なる  正子
観音様でしょうか、柄杓などで水を掛け、手を合わされたのでしょう。仏様のお顔や肩に滴る水が春日に輝き、その優しく温かなお姿に感動されたご様子が、私たちの心にも伝わってきます。 (小西 宏)

○今日の俳句
蝋梅の向こう甍とひかる海/小西 宏
蝋梅越しに、甍と光る海が見える景色。海辺の景色だが、甍があることによって句が絵画的になった。(高橋正子)

○第21回(立春)フェイスブック句会入賞発表
【金賞】
★枝ゆらし光ゆらして春の鳥/小西 宏
枝に止まった鳥が、枝移りをするのか枝が揺れる。それを見ていると、光も揺らしているのだ。枝を張る陽光に満ちた木、枝移りする鳥が、なんと早春らしいことよ。(高橋正子)
▼その他の入賞作品:
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d

○蕗の薹

[蕗の薹/横浜日吉本町]

★莟とはなれもしらずよ蕗のたう  蕪村
★ほろ苦き恋の味なり蕗の薹/杉田久女
★蕗の薹おもひおもひの夕汽笛/中村汀女
★猪を炙り蕗の薹まぶしかな/長谷川櫂

 蕗は菊科の多年草で山野に自生する。早春、新葉が出る前に根茎から卵の形をした緑色の花茎を出す。花茎は数枚の大きな鱗のような葉で包まれ、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる。花がほうけたものを蕗の姑(ふきのしゅうとめ)という。 学名:Petasites japonicus、Petasites(ペタシテス)は、ギリシャ語の「petasos(つば広の帽子)」が語源で、葉が広く大きいところから。
 蕗の薹(ふきのとうは、蕗の花芽のことで、天ぷらにするとおいしい。花が咲く前の柔らかいうちがベスト(地面から出てきた直後ぐらいの状態のもの)。春の代表的な山菜。花が咲いてから、地下茎を通じてつながっている葉が大きく伸びて広がってくる。(花と葉が別々につく)。この”葉柄”(葉の茎の部分)がいわゆる「フキ」として食用になる。市販されているものはほとんどが「秋田フキ」と呼ばれる、葉柄2mほどの大型のもの。葉自体は円形。

◇生活する花たち「蝋梅①・蝋梅②・芽柳」(横浜・四季の森公園)

2月4日(月)/立春

★立春のピアノの弦のすべてが鳴る/高橋正子
ピアノの鍵盤がすべて押されるのは、調律時くらいでしょうか。で​も、その弦がいちどきに「すべて鳴る」瞬間があります。ピアニス​トも、倍音を聴き、弾かない弦を共鳴させるべく心を砕きますから​、そのように響いたら嬉しいことでしょう。澄んだ陽と程よく乾い​た空気の内に、弦の全てを鳴らすピアノ。こよなく明るい立春です​。(川名ますみ)

○今日の俳句
立春や光と翳と飛ぶ鳥と/矢野文彦
立春となると光がにわかに明るく感じられる。身辺にも光があり翳がある。空を見れば、自由に飛ぶ鳥も。光と翳と自由な鳥が立春の日に明るく詠まれた。(高橋正子)

○立春
★立春の米こぼれをり葛西橋/石田波郷
★立春の海よりの風海見えず/桂 信子

★立春の夜道どこからか水の匂い/高橋信之(昭和四十八年作)
「立春」と聞くと、それだけで気持ちがほぐれる。厳しい冬の寒さと別れ、いよいよ春になる。夜道を歩けば、どこからか水の匂いがする。小川の流れか、水はいち早く温み始めたのだろう。夜道の暗さに水の匂いが春のはなやぎのように感じられる。(高橋正子)

陰暦では、1年360日を二十四気七十二候に分けたが、立春はその二十四気の一つで、陽暦では2月4日か5日、節分の翌日に当たる。節分は冬の季語となっている。節分を境に翌日は春となる。あくまでも暦の上だが、この切り替えがまた、人の心の切り替えにも役立って、立春と聞くと見るもの聞くものが艶めいて感じられる。冬木もいよいよ芽を動かすのだろうと思う。寒禽と呼ばれていた鳥も鳴き声がかわいらしく聞こえる。

★立春の朝は襖の白に明け/高橋正子
★立春の朝のデージー鉢いっぱい/高橋句美子

○梅

[白梅/横浜日吉本町(2013年2月3日)]_[紅梅/横浜日吉本町(2013年2月3日)]

★梅白しきのふや鶴をぬすまれし 芭蕉
★白雲の竜をつつむや梅の花 嵐雪
★とぼとぼと日は入切て梅の花 杉風
★からからと猫のあがるやむめの花 許六
★山里や井戸のはたなる梅の花 鬼貫
★手折らるる人に薫るや梅の花 千代女
★此村に一えだ咲きぬ梅の華 也有
★二もとの梅に遅速を愛す哉 蕪村

 梅の開花前線
 和歌山県南部に位置する月向農園では、1月下旬~2月に梅が開花します。南北になが~い日本列島!あなたの処ではいつ頃かな?梅は百花に先駆けて咲き、桜などに比べ休眠が浅いために開花時期が天候によって大きく左右されます。
 高温・適湿・多照の年は開花時期が早まり、乾燥の激しい年や気温の低い年はやや遅くなります。また、品種によって多少差があります。寒い中、いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬~5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。

◇生活する花たち「満作・立寒椿・蝋梅」(大船フラワーセンター)

2月3日(日)/節分

★銀色の椿の蕾となっており   正子
毎日椿の冬芽を見て今か今かと待っておられたのでしょう。「銀色」という言葉はよく観察したうえでないと出てこない表現と思います。椿や梅のように晩冬から早春に開く花は春をもたらす趣があり、花を待ち焦がれる気持ちはひとしおです。(多田有花)

○今日の俳句
霜踏んで今日の工事の始まりぬ/多田 有花
土木工事に携わる人たちは、霜がまだ固い内に仕事を始める。バリバリと霜を踏み工事に取り掛かる様子が力強い。その時間帯に現場に来るには、まだ薄暗いうちに家を出たのであろうと思うとなおさらだ。(高橋正子)

○柊挿す(ひいらぎさす)・柊鰯

[柊/横浜日吉本町]               [柊鰯/ネットより]

★かきけむりけり節分の櫟原/石田波郷
★節分の火の粉を散らす孤独の手/鈴木六林男
★節分の豆がひしめく子の拳/高橋信之
★柊さすはてしや外の浜びさし 蕪村
★柊をさすや築地の崩れまで 蝶夢
★猫の子のざれなくしけりさし柊 一茶
★古りし宿柊挿すをわすれざり/水原秋桜子
★烈風の戸に柊のさしてあり 石橋秀野

★宵闇のどこかが匂い豆を撒く/高橋正子
★節分寺五色の幕が風孕み/高橋正子

午後、スニーカーを買いに日吉駅あたりへ出かけた。スニーカーは、同じものばかり履くので、1年半ぐらいで破れてしまう。アーバントラッドという、オーソドックスなのを一足買った。日吉まで歩いて出かけたが、途中日吉2丁目の金蔵寺の境内を通り抜けていった。お寺には節分のためか、五色の幕が張り巡らされていた。豆撒きがあるにかなとも思ったがしずかだった。日吉からの帰り、また境内を通ったが、4時半ごろ、五色の幕は外されて、いつもの寺になっていた。豆撒きをした気配はなかった。

 昔は四季の移り目をそれぞれ節分といったが、今は立春の前日だけが節分と呼ばれる。冬の節から春の節に移る分岐点。この夜。寺社では悪魔を追い払い、春を迎える意味で追儺が行われる。民間でも豆を撒いたり、鰯の頭や柊を戸口に飾ったりする。
節分の夜の豆まきは、特に幼い子どもたちにとっては楽しい行事。なんしろ、悪い鬼を豆をぶつけてやっつけるのだから。「福は内、鬼は外」の「鬼は外」は、大人には闇にひそむ姿の見えない鬼へ向かっての礫投げ。戸口に飾る鰯の頭、柊も庶民らしい追儺のしつらい。「鰯の頭も信心から」ということわざもあるが、これはどこから出てきたのか。
 柊挿す(ひいらぎさす)は、節分の夜、魔除(まよ)けのために、焼いた鰯(いわし)の頭を付けたヒイラギの枝を門口に挿し、臭いものや鋭くとがったもので悪魔払いをする風習。この、焼いた鰯の魔除けを「やいかがし」と言い、「焼き嗅し」が語原と言われている。

◇生活する花たち「満作・立寒椿・蝋梅」(大船フラワーセンター)

2月2日(土)

★白木蓮冬芽の銀の日にまぶし   正子
温かな鱗片にくるまれ空へ向く白木蓮の冬芽、数多の冬芽の中で一際大きな存在感です。降り注ぐ日差しの中で、銀色に輝く冬芽の眩いばかりの明るさに、心和み、近づく春を感じます。 (藤田洋子)

○今日の俳句
葦原の枯れ尽くしても水の上/藤田洋子
「枯れ尽くしても水の上」は、意表をついて、新しい発見。蓮や菖蒲などは、枯れると茎や葉が折れて水に浸かってしまう。葦原の葦は、枯れながらもまっすぐに立ち、水には影を落とすのみ。なるほど、枯れ尽くしても水の上ある。(高橋正子)

○老鴉柿(ロウヤガキ)

[老鴉柿/東京・小石川植物園(2013年1月20日)]

 小石川植物園(2013年1月20日)
★寒天に散らばり朱し老鴉柿/高橋信之

1月20日、大寒であったが、信之先生が小石川植物園に花を探しに出掛けた。梅はまだであるし、大方は芽である。土佐水木の冬芽の明るい茶色に、土佐水木の淡い黄色の花が思い浮かんだ。冬の植物園でいちいち芽を探すには広すぎるのではと思われた。2008年の4月19日の小石川植物園吟行は、桜が散って、一面に桜蕊が降り重なって、踏めばやわらかなクッションとなって、足裏に応えてくれた。その記憶が今蘇った。

 小石川植物園(2008年4月19日)
★やわらかに足裏に踏んで桜蘂/高橋正子

ロウヤガキ(老鴉柿、学名:Diospyros rhombifolia)は、中国原産のカキノキ属の植物。ツクバネガキ(衝羽根柿)とも呼ばれる。葉は丸味を帯びた菱形で、3月から4月頃に花を着ける。液果は小さく尖った楕円形状で、熟すと橙に色付く。株は雌雄異株で、着果には雄株が必要である。渋柿で食用には向かないが、盆栽や庭木として広く用いられている。日本への導入は遅く、第二次世界大戦中に京都府立植物園初代園長である菊地秋雄が持ち帰ったとされる。

▼東京大学・小石川植物園:
http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/

◇生活する花たち「寒牡丹」(鎌倉・鶴岡八幡宮)

●添削2月①●

[2月1日~9日]

▼2/9

●高橋 秀之
一皿に三尾並んで目刺かな★★★
春寒し友と集いの夜の宴★★★
春となって、友と集い楽しい夜の宴であるが、体のどこか寒い。うすら寒い春の夜、なんとはなしの人の悲哀がある。(高橋正子)

声もなく目を閉じ電車の受験生★★★

●佃 康水
はらからと再会約す梅の寺★★★
集いゆく車窓へ瀬戸の春霞★★★
海光へ熟れし八朔日を弾く★★★

●桑本 栄太郎
目覚むればうすき明かりや春障子★★★
街角のビルに風巻く余寒かな★★★
春雪と云えど遠嶺の陽射しけり★★★

●多田 有花
いつまでもたどり着けない春の夢★★★
青竹の切り口揃う余寒かな★★★
日当たりのよき斜面から梅開く★★★

●黒谷 光子
春雪に日裏日表くっきりと★★★
靴跡の先ず土を見せ春の雪★★★
春雪に日差し明るき厨窓★★★

●小口 泰與
山風に逆らいつつも麦を踏む★★★
雪の間のほうれん草へ朝日かな★★★
公魚やセシウム出でてどっちらけ★★

▼2/8

●古田 敬二
走り根の大地へ太く春立てり★★★★
春立ちて木立の影も濃くなりぬ★★★
ほつほつと白きもの見え梅林★★★

●小西 宏
白梅の蕾みどりに枝の直(なお)★★★
一木に梅咲いて風なお寒し★★★
浅春の風寒ければ大き富士★★★

●桑本 栄太郎
梅ひらくつぼみ眺めつ空仰ぐ★★★
枝ごとの艶めき芽吹く雪やなぎ★★★
春の雪傘をさす間に陽射しけり★★★

●藤田裕子
遠き日も透くことうれし葛湯掻く★★★
遠山に春雪かがやき街始動★★★
畑に群れ菜の花ひといろ黄の淡し★★★

●多田 有花
風花の彼方に海の光りけり★★★★
風花は晴れていながら舞う雪片のことであるが、風花の舞う日の天候をそのまま描写して、景色が鮮明である。このところの冷え込みに風花が舞う日となったが、海の明るさに「春遠からじ」と思える。(高橋正子)

まだ咲かぬ梅林歩く冴返る★★★
風やんで寒のもどりを残しゆく★★★

●河野 啓一
冬菜サラダ妻の自慢の自家栽培★★★
冴え返る陽のみ明るき朝の刻★★★
春浅き浜辺望めば海光る★★★

●迫田 和代
何となくいいことの予感春を待つ★★★
土を噛むごと野に咲くタンポポや★★★
瀬戸内の細魚の刺身ガラス器に★★★

●上島 祥子
スケート場常に前行く小学生★★★
ゆっくりとリンクを回る母娘かな★★★
スケーター踏み出す一歩に迷いなし★★★

●小口 泰與
あわあわと淡雪解けし棚田かな★★★
懐かしき会津駄菓子や春兆す★★★
利根川の流れ耀う春の朝★★★

▼2/7

●川名ますみ
療苑に伸び続けたる枯木立★★★
土近きよりひらき初む枝垂梅★★★
春来る大き役者のゆきし朝★★★

●桑本 栄太郎
春浅し梢つんつん青空に★★★
枝揺らし雨滴はらえり春の鳥★★★
うつすらと嶺に春雪雲去りぬ★★★

●小西 宏
雪解けの庭に皮靴並べ干す★★★
春風吹き池面はげしく輝けり★★★
鴉群れ乱れ吹き飛ぶ春の風★★★

●黒谷 光子
春寒の日差しの中を三輪車★★★

鐘の音に児ら寄ってくる春の夕★★★★
春の夕べ、まだ外で遊んでいた幼い子たちが鐘の音に不思議そうに、もの珍しげに寄ってくる。鐘を撞く人と幼い子のほのぼのとした世界が童画を見るようだ。(高橋正子)

春浅し両手に包む小さき手★★★

●多田 有花
白梅の一枝置きし昼の膳★★★
紅梅の南に向いてまず開く★★★
春光をきらきら返し池の水★★★

●河野 啓一
早春の光纏いて鳥は樹に★★★
丘に立ち港望めば春の潮★★★
春雨に濡れてきらきら庭の樹々★★★

●小口 泰與
山風に勢い勝る畦火かな★★★
ためらいて犬小屋みすう芝火かな★★★
今年また公魚釣の出来ぬかや★★★

▼2/6

●川名ますみ
朝澄みて枝垂れし先に梅一輪★★★
玻璃越しに梅の香どつと近寄れば★★★
近寄れば梅の香どつと玻璃を越え★★★

●高橋 秀之
水鳥の羽ばたきの音春空へ★★★★
冬の間も生きいきと暮らしていた水鳥が、北へ帰る日も近いのか、羽を広げ羽ばたきの音をさせる。春空へ向けて力強い羽ばたきである。(高橋正子)

春雨のライトに光る御堂筋★★★
大根の熱き味噌汁椀一杯★★★

●多田 有花
春の雨濡らす香住へ蟹食べに★★★
春早し大きな蟹に迎えられ★★★
春雨は沖よりあがり日本海★★★

●桑本 栄太郎
春迎へ光り耀く里の屋根★★★
鴨川の堰の耀き春迎ふ★★★
たちまちに春泥なりし今朝の雨★★★

●上島 祥子
暖かな夜明けの光厨窓★★★
飼い猫の膝に合わせて丸くなり★★★
スケートや吾子のようにままならず★★★

●河野 啓一
春雨や街の車も濡れながら★★★
雨もよい門辺に芽吹く黄水仙★★★
雨を得て芽も緩みくるチューリップ★★★

●黒谷 光子
春雪の予報に畑のもの囲う★★★
葱を煮て白根甘しを言い合えり★★★
春炬燵玻璃に日の差し雨上がる★★★

●井上 治代
山茶花の花びら数多散り敷きぬ★★★
霜焼けの耳たぶ少しあたたかし★★★

早も咲ける菜の花の丈低かりし★★★★
春も暦ばかりと思えるのに、早も菜の花が咲いて黄色い光を返している。先駆けの菜の花らしく「丈低かりし」であって、実在感がある花となっている。(高橋正子)

●小口 泰與
赤城嶺の彫の深さや犬ふぐり★★★
片栗の花や越後の空のどか★★★
雪の間に巨大な影やクロッカス★★★

▼2/5

●河野 啓一
数えれば愛しきつぼみ庭椿★★★
春浅き庭の鳥声烏鷺囲む★★★
チューリップ芽生え可愛いや雨もよい★★★

●川名ますみ
どの枝も伸び続けたる枯木立★★★
山茶花の散つて明るき家路なり★★★

春隣窓辺のパセリ少し摘む★★★★
窓辺のパセリは、まだまだ小さく縮こまっているが、春の兆しを感じて少し育ってきているように思える。少しだけ摘んた。小さな収穫の喜びと春がそこまで着ている嬉しさが読みとれる。(高橋正子)

●桑本 栄太郎
立春の湾処に人の釣りの輪に★★★
川浪のきらきら耀き寒明ける★★★
嶺の背にぽつかり雲の春立てり★★★

●小西 宏
火の気なき炬燵に座り戦後史読む★★★
艶やかに木の芽ぬれおり温き雨★★★
ゆきやなぎ花芽みどりの霞なす★★★

●多田 有花
立春の塩味まんじゅう緑茶かな★★★
ストーブを点けたり消したり寒明ける★★★
頂に薄き日差しや春寒し★★★

●小口 泰與
榛名嶺に淡き夕映えミモザかな★★★
まんさくや浅間南面斑なり★★★★
浅間山の南面は雪が解け始めたところもあるのだろう、斑になっている。その山を背景に春を先駆けるまんさくが咲いている。色彩的にも美しい早春の景色である。(高橋正子)

下萌えの河原の寒き夕べかな★★★

▼2/2

●古田 敬二
一閃の光となりてメジロ来る★★★
指先に快音折り取るブロッコリー★★★
葉に霜を載せて咲きかけイヌフグリ★★★
霜がまだ葉に固く置いているのに、もうイヌフグリが咲きかけた。霜の置いた小さな葉と青い小さな花が健気にも可憐だ。(高橋正子)

●川名ますみ
人参の剥く皮の香を語りけり★★★
挨拶は梅のつぼみの膨らみに★★★
母の指す先に一輪梅咲けり★★★

●小西 宏
紅梅の蕾の雨に色浮かぶ★★★
空の色春めき淡き峰の影★★★
水仙の断崖に海ひかり一筋★★★

●桑本 栄太郎
枝先の雨滴艶めき春近し★★★
二ン月の哀しくなりぬ今朝の雨★★★
スケボーの技を競いぬ春隣り★★★

●多田 有花
金色に塗りしキャンバス冬終わる★★★
摩尼車静かに回り冬尽きぬ★★★
鍵失くしありがたきかな寒ぬくし★★★

●下地 鉄
窓にみる街の灯びはや睦月★★★  
ミモザ咲く空の青さに色を染め★★★      
春菊の香りも味の一つかな★★★

●小口 泰與
薄氷の風に割られて離れけり★★★
日溜りのあちらこちらに冬芽かな★★★
隼の風を味方や利根河原★★★

▼2/1

●小西 宏
沼涸れて緑明るき竹林★★★
枯れ果てて蒲の穂綿の吹き積もる★★★
冬木の芽小雨滴たる暖かさ★★★

●黒谷 光子
菰巻の大松池に影落とす★★★★
菰が巻かれた大松。池に落とすその影も堂々とゆるぎない。堂々としたものの、普遍的な良さ。(高橋正子)

餌を撒かれ素早き動き鴨の群★★★
鴨群れる中の一羽は瑠璃光る★★★

●多田 有花
蝋梅に誘われ坂を下りにけり★★★
涸池に二羽の家鴨が水を飲む★★★
菜の花のはや開きおる春隣★★★

●桑本 栄太郎
カーテンを開けて玻璃透き寒緩む★★★
丘上の朝日燦々ニン月に★★★
中庭に声弾む子等日脚伸ぶ★★★

●小口 泰與
碧天や雪煙り起つ浅間山★★★
柿の蔕数多のこりし枯木かな★★★
山風に瀬頭荒れし氷柱かな★★★

2月1日(金)

★枯木立星のあおさに揺れもせず   正子
寒さの中,あおあおとした星座を見つめる時、しんとして枯木立も微動だにしない,冬の静けさです。 (祝恵子)

○今日の俳句
今の音ぽんがしの音冬広場/祝恵子
がらんとなった広場に「ぽん」と弾ける音がした。あの音はポン菓子を弾かす音。急に広場がいきいきと温かく感じられた。冬の楽しさがある。(高橋正子)

○切山椒
★わかくさのいろも添えたり切山椒/久保田万太郎
★切山椒買ってふたたび雪に出る/高橋正子
★やわらかに紅白そろう切山椒/高橋正子

 昨日、1月31日に鎌倉の鶴岡八幡にお参りし、境内にある神苑ぼたん庭園を信之先生と訪ねた。正月牡丹(寒牡丹)が見ごろで、写真に撮った。帰宅して早速その写真に俳句を付けてフェイスブックにアップした。帰りに、鎌倉駅近くの長島屋で 切山椒を買った。

 「正月用の餅菓子。しん粉に白砂糖を加え、水でとろとろ加減にこねて、山椒の実を熱湯に浸した汁を少量混ぜ、蒸してから臼で搗いたものを、小さく蒸しって、さらにもう一度蒸しなおしたものを、長方形に切った餅の一種。食用紅で淡赤色に染めたものと、白いのをつくるのが普通で、ほのかな山椒の香味が喜ばれる。蒸羊羹に添えて出したりする。」(角川歳時記)
 歳時記にこうはあるものの、切山椒を初めて食べたのは、横浜に越してきて初めての正月だと思う。だから、6年ほど前。切山椒を売る店も少なくなったようで、年中売られているのは、鎌倉の長島屋だけらしい。年中といっても夏場あるかどうかわからないが。鶴岡八幡様に初詣に出かけた折にお土産で買った。その日は雪だった。雪の寒さとともに切山椒が思い浮かぶ。買ってかえって食べると、まずいとも、美味しいとも言えないような味。たしかに紅白そろって長方形に切られていた。風邪引きの予防になるらしい。味がほんとうによくわからないので、もうひとつ、もうひとつと食べているうちに、この奇妙な味に病みつきなった。しばらく鎌倉に行っていないので、節分の前のこの寒さに切山椒を食べてみたくなった。浅草では2月に売られると聞いた記憶がある。

○立寒椿

[立寒椿/大船フラワーセンター]

★立寒椿花の真中に日を受けし/高橋正子
★寒椿というや雪の公園に/高橋正子

 寒椿(カンツバキ)は、ツバキ科ツバキ属の常緑低木で、山茶花(サザンカ)を母種としたカンツバキ群の園芸品種である。枝が横に広がる傾向がある。これに対して枝が上に伸びるものは、立寒椿(タチカンツバキ)といって区別をする。学名:Camellia x hiemalis cv. Tachikantsubaki(=Camellia sasanqua cv. Hiemalis)
 サザンカとカンツバキの見分け方。(「ガーデニング – 教えて!goo」より): どちらもかなりの近隣種ですので、これですという区別は難しいですね。というのも寒椿には二種類の系統があり、現在の主流は本来の寒椿(中国原産)とサザンカの交雑種である「寒椿群」という系統が一般に流通しています。交雑種ですのでどちらの血も流れていますのでますます見分けにくくなっているのは仕方がないことですね。さらに「寒椿群」はサザンカの一種として認知されています。 これはその学名からも理解できます。「Camellia sasanqua」です。この寒椿群はすべて立ち性(椿系)で通称はあなたがいうように立ち寒椿と言われています。 その品種の一つに「勘次郎」があります。一方、中国原産の「カンツバキ」は学名を「Camellia hiemalis」という冬咲きという名が学名についているとおり冬咲きで、その特徴は矮性であることです。種類は少なく、主に「獅子頭」というものが出回っているようです。 さらにこの「獅子頭」が前述した「寒椿群」のもとになったという複雑さがあります。つまりサザンカもカンツバキも同じ仲間と認識したほうが間違いありません。その違いはと言われれば、次のようにまとめることができます。<花の咲く時期>サザンカ→寒椿群(勘次郎)→カンツバキ(獅子頭)。*注意:サザンカにも春咲きが例外として存在します。<樹木の特徴>*サザンカ・寒椿群は、立ち性で、別名タチカンツバキ。*カンツバキは、矮性。サザンカと椿(春咲きの一般種)との顕著な違いは「毛の有無」です。 サザンカにのみ子房と新葉の葉と枝に微毛があります。これが見分け方ですね。

◇生活する花たち「寒牡丹」(鎌倉・鶴岡八幡宮)

1月31日(木)

★手袋に手を入れ五指を広げみる   正子

○今日の俳句
やや白く割れて万朶の梅つぼみ/古田敬二
寒中の寒さに堪えて咲く梅であるが、咲く兆しが見えると非常に嬉しい。白梅の蕾に白が認められる。しかも万朶の蕾に。待春の気持ちが明るくてよい。(高橋正子)

○寒牡丹

[寒牡丹/鎌倉・鶴岡八幡宮]

○鎌倉吟行

藁傘の中なる陰り寒牡丹/高橋正子
雪よりもはるかに透けて白牡丹/高橋正子
寒牡丹匂うは花を平らかに/高橋正子
寒牡丹開きし花は風を受く/高橋正子
黄の牡丹ほどよく開き描かれいる/高橋正子
銀杏をカンカン炒って大鉄鍋/高橋正子
寒中も繭玉掛けて酒屋の柱/高橋正子

1月31日はまだ寒中であるから、寒中の鎌倉へ出掛けたいと思っていた。鶴岡八幡の寒牡丹、竹の寺で知られる報国寺の冬桜と冬椿、北鎌倉の東慶寺の水仙などを計画した。しかし、句集の編集などで、疲れ気味なので、八幡様と東慶寺の二つに絞って出掛けた。朝、9時半前に家を出て鎌倉に向かった。駅に着き、先ず鶴岡八幡へ。段葛(参道が一段高くなっている)を通ってお参りをし、おみくじを引き、句美子に開運の桜のお守りを買った。参道では、名物の銀杏を鉄鍋でカンカンと炒りながら売っていた。受験の合格祈願か、高校生や中学生であふれていた。神苑内の牡丹園へは、鑑賞券一人五百円を払って入園。寒中の牡丹は、咲くのもままならないのではと思ったが、ちょうど、見ごろを迎え咲き揃っていた。藁傘や傘に守られて疵もなく見事に咲いている。色は、牡丹色、白、ピンク、黄色などで色どりも豊か。牡丹をカメラに撮ろうとするが、藁傘の下では陰りがあったり、傘がないところは、日が当たりすぎたりして、明るさの調節が難しい。オートにしてかなりの枚数を撮った。撮り終わり休憩所で甘酒を頼んで一服。今日は牡丹だけで東慶寺へ行くのはやめた。帰り、参道前の鎌倉彫の店に見物に寄ったが、鎌倉彫の小さな二段重があったので衝動買いをしてしまった。それから、小町通りの入口の長嶋家で切山椒を買う予定で寄るが、出来上がりを待たねばならず、昼食を先に摂った。銀座ルノアールという鎌倉駅前の喫茶店で昼食。「フォレ」の蜂蜜とマスカルボーネと付けて食べるフランスパンを食べたが、美味。喫茶店を出て、長嶋家に切山椒を買いに行き、豊島屋で鳩サブレなどを買って、帰りの電車に乗った。今日は、寒牡丹を見る吟行となった。

◇生活する花たち「寒牡丹」(鎌倉・鶴岡八幡宮)

1月30日(水)

 鎌倉・報国寺
★竹林に踏み入るところ冬椿   正子
鎌倉・報国寺の竹林と聞くだけで深閑とした佇まいを想起いたします。その竹林へ踏み入ろうとしたとき、寒気の中に色鮮やかに咲いて居る冬椿が見え、緑の竹林と凛とした椿に感動されたことでしょう。 (佃 康水)

○今日の俳句
ジャムを煮る夕べの窓に寒の月/佃 康水
ジャムをことこと煮る夕べの静かな時間。厨の窓をのぞくと寒そうな月が懸っている。なおさら、ジャムを煮る時間の豊かさを思う。(高橋正子)

○三椏の花蕾

[三椏の花蕾/横浜・四季の森公園]

★三椏や英国大使館鉄扉/佐藤鬼房
★三椏の花三三が九三三が九/稲畑汀子
★三椏の花に暈見て衰ふ眼/宮津昭彦
★三椏の花じやんけんを繰り返す 大串章
★いかるがの草は低さに花蕾/伊藤敬子
★花蕾立春の音たてている/ぽちこ

★三椏の花の蕾のその勢い/高橋信之

ブログ「古い日記の続きの日記 by kokoro-usasan」
きょうもいい天気。庭では、すっかり葉を落とした三椏の木に、白い花蕾がたくさんの小さなぼんぼりのように愛らしくついている。これは不思議だったよ。だって、この木は暮れのある日まで、大ぶりの葉っぱがたくさん茂っていて、芽生え始めた花蕾を覆い隠すようにしていたのだもの。毎年、そういう営みをしているはずなのに、わたしは、そのへんの流れを記憶していなくて、あれぇ、三椏って、常緑樹だったけかなぁ、おかしいなぁ、葉っぱ落ちるよねぇ、これじゃ、花が咲いても見えないよねぇ、なんて訝しく思ってた。そうしたら、それから程ない年明けのある朝、あれだけたくさん茂っていた葉が一枚残らず、地面に落ちて、可愛い蕾たちだけが、裸木にいっぱい残されてたの。なんじゃ、こりゃ、だよ、ほんとに。笑。
花芽が小さいうちは、大事に葉っぱで守っていたんだろか。葉っぱたちは、寒さのなか我慢に我慢を重ねて、花芽が、もう充分成形できてきたかねっていうころを見計らって、お日様の光が思う存分当たるように、一斉に落ちていったってことかな。ねぇ、ねぇ、そういうこと?って、霜柱の立った地面の上に落ちてる葉っぱを一枚拾い上げて訊いてみたけれど、何にも言わなかった。自然は人間と違って謙虚だからね。ふふ。
三椏は地味な木だけれど、とてもユニークな花を咲かせる。色合いの変化も中々面白くて、おや、そうきますか?なんて、ちょっとからかいたくなっちゃう。この木は、以前は我が家にはなくて、父が亡くなる前年くらいに、まだしっかりしていた母が、ホームセンターで苗木を頼んで植樹したものだった。三椏を植えるんだと母に聞いたとき、わたしは内心、わ、うれしいなって思ったんだよね。なんでかっていうと・・・。(2013-01-25記)

◇生活する花たち「蝋梅①・蝋梅②・芽柳」(横浜・四季の森公園)

1月29日(火)

★あたらしき薪を傍積み暖炉燃ゆ   正子
暖炉の温か味は、紅くゆれる炎の視覚的な助けもあって、私たちの体と心をゆったりと和ませてくれます。特にここでは、傍に積まれた新しい薪の豊かさが新鮮です。「あたらしき」から「傍積み」に連なる音の調べが「燃ゆ」という柔らかな響きに収まってゆき、詩的ドラマを感じさせてくれます。(小西 宏)

○今日の俳句
光るもの鈍(にび)なるものもみな冬芽/小西 宏
光の当たる冬芽はよく光っている。一方光りの当らない冬芽は鈍い光を放っている。それらは、どちらも冬芽で、日向にも、日陰にも、冬芽が「今」をしっかりと育っている。(高橋正子)

○東大・小石川植物園
高橋正子の俳句日記(小石川植物園吟行)/2008年4月19日(土)
▼俳句
 植物園
やわらかに足裏に踏んで桜蘂
風冷えて残花飛ぶことしきりなる
たんぽぽの草の平らに散らばりぬ
▼小石川植物園吟行句会。
経路は、グリーンラインで日吉本町から日吉まで、日吉から武蔵小杉まで東横線、武蔵小杉から目黒線、目黒からは南北線に変るが直通なのでそのまま乗って後楽園まで。後楽園から丸の内線で、次の駅の茗荷谷まで。約1時間。420円。
参加者は、信之先生、圭泉さんご夫妻、秀之さん、淳子さん、みのるさん、荘二さん、宏さん、弦さん、愛代さん、加代子さん、正子。(12名)
句会・昼食は、茗荷谷駅前のラ・クローチェのイタリア料理。あとジョナサンで喫茶。
小石川植物園は、ゆるい坂になっていて、森の雰囲気がある。こういうところで働ければいいと思った。ドイツでは、森林保護員というか、そういう職業があって、地位も高いと聞く。さすが森の国ドイツではある。
ハンカチの木も見た。苞ができていたが、開花は4、5日あとになるそうだ。なにげなく若葉していて、見逃してしまいそう。一才藤の紫と白が咲き始めていた。日本庭園には、みずすまし、おたまじゃくしがいる。里桜が花を散らす。ひえびえとした若葉の植物園だった。

○寒中であったが、信之先生が小石川植物園に花を探しに出掛けた。梅はまだであるし、大方は芽である。土佐水木の冬芽の明るい茶色に、土佐水木の淡い黄色の花が思い浮かんだ。冬の植物園でいちいち芽を探すには広すぎるのではと思われた。2008年の4月19日の小石川植物園は、桜が散って、一面に桜蕊が降り重なって、踏めばやわらかなクッションとなって、足裏に応えてくれた。その記憶が今蘇った。

○笑顔(はるさざんか)

[笑顔/大船フラワーセンター]

「笑顔」という名前に思わず頬が緩む。「春山茶花」と呼ばれるものだが、花弁がひらひら砕けて、いかにも山茶花に系を引く花らしい。ピンク色で幼子の笑顔のような花だ。言葉として「笑顔」はあまりに俗すぎるが、幼子の笑顔ならば、許されよう。

◇生活する花たち「獅子頭(寒椿)・素心蝋梅・老鴉柿(ロウヤガキ)」(東京・小石川植物園)

1月28日(月)

 早稲田大学
★枝打ちの銀杏冬芽が地に弾み  正子
銀杏にも冬芽が見えるようになり、大地にも弾みがついてきました。春はもうすぐそこまできています。(高橋秀之)

○今日の俳句
汽笛鳴るフェリーの後にゆりかもめ/高橋秀之
フェリーが汽笛を鳴らし港を出てゆく、その後を追って、真白なゆりかもめが飛んでゆく。ゆっくりとした明るい景色がよい。(高橋正子)

○咳
★咳の子のなぞなぞあそびきりもなや/中村汀女
★誰か咳きわがゆく闇の奥をゆく/篠原梵
★上の子が咳して下の子が咳を/高橋信之

おもに気管や喉頭の粘膜が寒さの刺激を受けて起こるものだが、結核によるもの等もあり、その原因は複雑である。俳句での「咳」は冬の季語となっているので、俳句に詠まれる「咳」は風邪の咳となる。

○マスク
★マスクして我を見る目の遠くより/高浜虚子
★マスクして北風を目にうけてゆく/篠原梵

冬になると白いマスクで鼻・口を覆っている人を多く見かける。欧米では、こうした習慣がないので、医者が街にあふれていると思い、驚く。

○梅開花

[梅の蕾と花/横浜日吉本町(2013年1月27日)]

★竹柵の青き香りに梅開花/偕楽園好文亭
★梅開花一輪晴れのうれしさに/高橋信之
★開きたる梅一輪のかく尊とし/高橋正子

この寒中、花を探すが花はなく、何もかもが皆蕾。カメラを持って、蕾ばかりを撮っている。しかし、日脚も伸びた実感がするきのう今日、梅の蕾が白くなったのが、ちらっと見える。明日か、今日かと、花の開くのを期待して出掛ける。大方は、まだまだであろうと。ある日は、雨の降る前は、錯覚かもしれないが、蕾の梅を取り巻く空気が匂っていた。その後は、さっぱり匂わないが。けれども、期待はするものだ。一月二十七日、遠目に一輪梅が開いているのに気付く。横浜の梅の開花としては早い。梅一輪が咲いた場所は、後ろにお屋敷があり、民家に囲まれてはいるが、日当たりのよい風のさほど当たらない場所だ。南紀の温かさが保障されているのかもしれない。たった一輪の梅を方向をいろいろ変えたり、爪立ちしたりて映した。

 梅の開花前線
 和歌山県南部に位置する月向農園では、1月下旬~2月に梅が開花します。南北になが~い日本列島!あなたの処ではいつ頃かな?梅は百花に先駆けて咲き、桜などに比べ休眠が浅いために開花時期が天候によって大きく左右されます。
 高温・適湿・多照の年は開花時期が早まり、乾燥の激しい年や気温の低い年はやや遅くなります。また、品種によって多少差があります。寒い中、いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬~5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。

◇生活する花たち「満作・立寒椿・蝋梅」(大船フラワーセンター)