★枯れ道の白くかがやく固さ踏む 正子
白く続く枯れ道を踏みしめながら進む、寒々とした光景が浮かびます。(祝恵子)
○今日の俳句
庭師らは寺に冬苗運び入れ/祝恵子
何の苗か。正月を迎える葉牡丹などであろうか、あるいは苗木か。庭師が入って寺の庭が年末新たになる。(高橋正子)
○さるとりいばらの実

[さるとりいばらの実/東京白金台・自然教育園]
★炉なごりの小柴にまじる山帰来/石原八束
★やすらひてさるとりの花杖にあぐ/中村若沙
★何の実といふこともなく実を結び/山下由理子
★赤い実に猿近づきて山の秋 芝滋
★色染めて路傍の秋やサンキライ/夢夢ばあさん
★さるとりの実があかあかと平和なる/高橋信之
★さるとりいばら実は幼き日とおなじ/高橋正子
西日本ではサルトリイバラ(猿捕茨)の若葉で餡餅(あんもち)を包み、端午の節句の柏餅のカシワの代わりに用いられます。関東では一般的な柏の葉だが、柏の葉が手に入り難い関西で、いばらの葉を代用した事が始まりとの事でした。俳人の私には「いばら」と云うと野茨を思いますが、「いばら餅」に使う葉はサルトリイバラ(猿捕茨)の葉だそうです。サルトリイバラ(猿捕茨)を図鑑で引いてみると『西日本では柏餅のカシワの代用とする』とやはり書いてあります。またこの葉をサンキラ葉と言うらしく、「いばら餅」をサンキラ餅とも呼ぶとの事です。サンキラ? 聞きなれない言葉なのでこれも調べてみました。正確にはサンキライと言い、山帰来と書くそうです。 サルトルイバラの別称でした。山帰来の名の由来について 『昔は毒消しの実として使われていた。 山野に多く自生しているため栽培をおこなうことはせず、毒消しの必要がある時に山に入り実を食べて帰ってくるという利用をされていた事から』と環境gooの植物図鑑に載っていました。中部地方も柏の葉が入手し難かったようで、昔は専ら「いばら餅」だったとの記事も散見しました。 三重県も同様ですが、三重県在住の方々のブログには「いばら餅」が三重県独自のお餅のように思っておられる記述が幾つか見られました。確かにネットで「いばら餅・いばら饅頭」を検索してみるとブログや和菓子店のHPは三重県発信のものが殆どでしたから、現今でいまだ一般的に親しまれているのは三重県だけなのかも知れませんね。(「≪‘のぶ`のフォト俳句≫~from伊勢」より)
サルトリイバラ(猿捕茨、学名 Smilax china)は、サルトリイバラ科(またはユリ科)に分類される多年生植物(半低木)。漢語で菝葜と書く。東アジア(中国、朝鮮半島、日本)に分布する。日本では北海道から九州までの山野や丘陵の林縁などに自生し、日が当たり水はけのよい場所を好む。草丈 70〜350cm ほどで這うように伸び、茎は硬く緑色で棘が所々に生える。葉は互生し、円形または広楕円形で先端が尖り、基部は円く、硬く表面には光沢があり、3〜5 本の葉脈がある。雌雄異株で、4〜5月になると葉腋より散形花序を伸ばし多数の花を付ける。 花は淡黄で、6枚の花被片は先端が反り返る。雄花には雄蘂が 6本、雌花には子房が 3室・柱頭が 3本ある。果実は直径 7mm 程度の球形の液果で、秋に熟すと赤くなる。ルリタテハの幼虫が食草とする。
根茎は薬用に使われる。四国地方などの関西圏以南では、葉を柏餅を包むのに用いる。園芸用では、庭園の添景木や、赤く熟す果実は生花にも用いられる。繁殖は 3月頃に播種する。サルトリイバラの別称はサンキライ、がめの木、かから、がんだちいばら、からたちいばら、等
サンキライはサルトリイバラ(学名 Smilax china)の俗称だが、正確には別種(学名 S. glabra) で、本来、サンキライ(山帰来)は日本に自生しない。俳句ではサルトリイバラをサンキライと呼ぶ事が多い。
山帰来(サンキライ)は中国に産するユリ科のつる性木本である土伏苓(ドブクリョウ)を指す俗称とされてきたが、これによく似た同じくユリ科のつる性木本であるサルトリイバラの俗称ともなっている。しかし、山帰来の名前の由来に関するさまざまなパターンのストーリーを見かけるが、山帰来の名前の起源がどこにあるのかわからない。
◇生活する花たち「アッサムチヤ・グランサム椿・からたちの実」(東京・小石川植物園)
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●古田敬二
霜溶けてブドウ畑のきらきらと★★★★
白樺の枯木の中から鐘の音★★★
連結電車霜置く坂を登り来る★★★
●小口泰與
冬凪や荒れ田にぎわす明烏★★★
風に乗る数多の鳶や年の暮★★★★
鳶がやたら多く空に舞うときがある。それぞれが自在に風に乗って、地上の年の暮を見ているかのような景だ。(高橋正子)
烈風に馴染みし庭の枯木かな★★★
●迫田和代
願いあり土手道に咲く冬桜★★★★
晩秋から冬にかけて咲く冬桜。か細い枝に花もはかなげに咲いている。それは、作者の願いを表しているようでもある。(高橋正子)
咳三つ残して走る寒い朝★★★
どちらかと言えば寒さに力あり★★★
●祝恵子
冬菜につく青虫の温さつまむ★★★
賀状に添ゆ子らそれぞれに言葉入れ★★★
時雨るるよ短き髪となり街へ★★★★
美容室で髪を切ってもらって外へでると、時雨が降って、首筋あたりがぞっと寒くなる。さっぱりとなったが、時雨の冷たさに襲われた。一抹のわびしさ。(高橋正子)
●桑本栄太郎
張替えの終えて明るき白障子★★★
そうじ終え窓の暮れゆく日短★★★
蕪村忌の水色空の暮れゆけり★★★★
蕪村忌は12月25日。蕪村は画家でもあり、句柄にも抒情があるので、年の瀬となった水色の空は、蕪村の忌日にふさわしく思える。(高橋正子)
●多田有花
雪積んで北より車の来たりけり★★★
樒入る墓前の花筒初氷★★★
数え日や祖父母の墓に水注ぐ★★★★
今年も残るところ少なくなった。正月を前に祖父母の墓をきれいに掃除し、水を注ぐ。遠い祖先ではなく、祖父母の墓なので、水を注ぐ思いに現実感がある。(高橋正子)
●黒谷光子
山々も村も隠して雪しまく★★★
靴跡にわが靴を置く雪の道★★★★
雪深い湖北にお住いの作者。雪道を歩くのに、先に歩いた人の靴跡に靴を置いて歩く。その靴跡も次に歩く人にはすでに道なのだ。雪は用心して、歩くにこしたことはない。(高橋正子)
地場野菜買う歳晩の道の駅★★★
●川名ますみ
外套を叩き芝居の雪一枚★★★★
外套を叩き軽く外出の埃を払うと、芝居のときに振りまかれた雪の一片がはらりと舞い落ちた。芝居の雪が作者のコートに降ったわけだ。
観客も芝居の中に取り込まれた格好で、さぞやよい舞台であったろう。(高橋正子)
コートから十年前の紙吹雪★★★
ブーツにも忠臣蔵の雪紛る★★★
★オーバーの肩の落ちしが身に安し 正子
寒くなり、オーバーがほしい季節になりました。タイトなデザインではなく、ゆったりとして、ふわっと身に軽い一着がお気に入りなのでは、と拝察いたします。(小川和子)
○今日の俳句
冬椿蕾結べりきっぱりと/小川和子
冬椿の蕾の固さが凛とした空気に「きっぱりと」した姿を特に印象付けている。(高橋正子)
○ひいらぎ南天の花
[ひいらぎ南天の花/横浜日吉本町]
★天辺に花咲かせたり柊南天 遊雀
★朝日受く柊南天の花と 照れまん
★子ら遊ばせ柊南天逞しき/高橋信之
★柊南天花はミモザのような黄に/高橋正子
ヒイラギナンテン(柊南天、学名:Mahonia japonica)は、メギ科ヒイラギナンテン属の常緑広葉低木。中国南部、台湾、ヒマラヤ原産で、庭や公園などに栽培される。葉は、奇数羽状複葉で互生して付き、厚く皮質で光沢があり、葉縁には深い鋸歯がある。冬~初春、房状花序に沿って黄色い小花を咲かす。秋に黒熟する果実の表面には白い粉状のものが付着する。別名:トウナンテン(唐南天)。同属には約70種あり中国から北米・中米にかけて分布する。小葉の細長いホソバヒイラギナンテン M. fortunei もよく栽培されている。
◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・百両(たちばな)・冬紅葉」(東京白金台・国立自然教育園)

●小口泰與
冬凪や赤城のすそ野とびの舞う★★★
虎落笛耳はりづめの小犬かな★★★
底冷えや鶏の足跡おちこちに★★★
●河野啓一
鳥声優し今日は天皇誕生日★★★★
今生天皇は12月23日が誕生日。うららかな日を賜り、小鳥の声も優しい。天皇のお人柄がしのばれもする。(高橋正子)
年納め近付きつつも小春かな★★★
庭雀氷雨のなかの朝餉かな★★★
●古田敬二
(ブルダバ=モルダウ)
ブルダバの冬霧の中陽が昇る★★★
霜真っ白陽が射し来るまでの街の色★★★★
「陽が射し来るまでの街の色」がいい。特に「街の色」で止めたので、句の情景が鮮明になった。(高橋正子)
プラハ城霜の斜面の丘の上★★★
●多田有花
ワイパーににじむ年の瀬の光★★★
頂の切り払われし年の暮★★★★
頂きの神社やお寺だろうか。いただきが切り払われさっぱりとし、見晴らしもよくなった。年迎えの用意が済んだ年の暮のすがすがしさがよい。(高橋正子)
手をつなぐ母子歳暮の交差点★★★
●桑本栄太郎
冬晴れの掃除日和の朝かな★★★
段取りの手間もひとつや年用意★★★★
なにごとも、準備や段取りが必要。この手間も年用意の仕事の一つである。これをしっかりすれば、手際よく用意ができるというもの。(高橋正子)
手拭いを被り意気立つ煤払い★★★
●川名ますみ
てっちりのゆげ兄妹を行き交えり★★★
不器用に雑炊よそう妹へ★★★
雑炊を伯父によそわれている母★★★
●小西 宏
山茶花の白土に敷きまた蕾★★★
ぶらんこの揺れぬ鎖や冬の雨★★★
ほの赤くけぶる桜の枯木立★★★
★南天の実も水音もかがやかに 正子
よく晴れた日なのでしょう。日差しが南天にあたり、水も照らしているものと思います。澄んだ冬の青空が見える心地よい日と感じられます。(多田有花)
○今日の俳句
猪狩を外れし犬と出会いけり/多田有花
猪狩をしてきた犬と山道で出会った。「外れし」が犬をうまく言いえている。猪を追い、山中を駆け回った犬と、今は静かに山を下る犬との対比が読み取れるのである。(高橋正子)
○ローズマリー

[ローズマリー/横浜日吉本町]
★文届くローズマリーの咲く朝/四ツ谷 龍
★残り香やローズマリーの胸にあり 華了
★ローズマリー日永の句座の眠くなる 暢一
★秋うららローズマリーの優しき香 チー
★わが街に花多しローズマリーも/高橋信之
★寒き日もローズマリーの花淡し/高橋正子
「ローズマリーの花」は、年に数回、冬の厳寒期を除いていつでも咲く。12月の「寒き日」にも咲く。それが「花淡し」なのであり、詩情のある句だ。(高橋信之)
ローズマリー(学名:Lamiaceae Rosmarinus R. officinalis)は、地中海沿岸地方原産で、シソ科マンネンロウ属の常緑性低木。生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。また精油は薬にも用いられる。花も可食。属名Rosmarinusは「海のしずく」を意味する。愛や貞節の象徴とされる。様々な品種があり、立性と匍匐(ほふく)性種に分かれる。花の色は、青から紫色のものがほとんどだが、白や桃色のものもある。和名マンネンロウの漢字表記は「迷迭香」であるが、これは中国語表記と同一である。
◇生活する花たち「蝋梅・冬桜・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)

●小口泰與
釣竿を磨きながむや日脚伸ぶ★★★
空風や番茶と飴を卓上に★★★★
空風の吹く寒い日、テーブルには番茶と飴が置かれている。寒い日は飴を一つほおばって、お茶でも暖を取りたくなる。(高橋正子)
米を炊く水のやわしや冬落暉★★★
●祝恵子
浮かべ入れ香りと遊ぶ柚子の風呂★★★★
「香りと遊ぶ」がいい。湯に浮かんだ柚子wあちこちやりながら、その香りをたのしむ。楽しむより香りで遊ぶ。きれいな柚子風呂。(高橋正子)
クリスマス久しぶりに聞く子らの声★★★
冬野菜漬物講座の掲示板★★★
●桑本栄太郎
冬ざれの竹林透かし風抜ける★★★
夕暮れの絮の灯かりや枯尾花★★★★
夕暮れの枯尾花が、ほうっと灯りが点ったように浮き上がって見える。幻想的な風景。(高橋正子)
行く年のつなぐ縁(えにし)や賀状書く★★★
●多田有花
椿咲き初め快晴のクリスマス★★★★
快晴の空の下に、椿がくっきりと咲き始めた。折しもクリスマス。日本のクリスマスは椿の咲き始めで迎えられることも。(高橋正子)
ばりばりと壁より剥がす古暦★★★
数え日の河原を濡らす静かな雨★★★
●小口泰與
朝霜や畑を横切る孕み犬★★★
冬草や伊香保の街は磴の街★★★
白波をあやつる風や切炬燵★★★
●高橋秀之
ネクタイを締める指先悴んで★★★
息白し目覚めて初めの深呼吸★★★
冬木立空の青さが見え隠れ★★★
●多田有花
青空は冬六甲の上にあり★★★
泉州も阿波も一望冬の晴れ★★★
門松の松採り戻る人と会う★★★★
門松用に青々とした松を採って帰る人に会うと、現実正月がすぐそこに来ていることを知らされる。松の勢いに正月を迎える気持ちも昂る。(高橋正子)
●桑本栄太郎
医科大の構内めぐる冬木かな★★★★
医科大学をしんと取り囲む冬木である。冬木のりんとした力強さをさっぱりと詠んでいる。(高橋正子)
<桂川・鴨川・木津川>
三川の集う中洲や枯野原★★★
それぞれの顔としぐさや賀状書く★★★
●小西 宏
冬すずめ庭の小さな水に触れ★★★
杜深き神楽の笛も年用意★★★★
杜の奥から聞こえる神楽の笛。耳をそばだてれば、これも神社の年用意の一つと納得する。正月もそこまで来ている。(高橋正子)
枯枝と木の葉色なす日の残り★★★
●古田敬二
(ボヘミヤ平原をバスで)
ボヘミヤの森赤々と冬落輝★★★★
ボヘミアの森に落ちる夕日が赤々と燃える景色に、力強く温かな抒情がある。「ボヘミアの森」が効いている。(高橋正子)
白樺の幹を照らして冬落輝★★★
ボヘミヤの夕暮れ池に薄氷★★★
★水仙の香を吸いながら活けており 正子
花を活ける折は、いつもその香りをききますが ―― こと水仙の香は、花の少ない季節に、清楚な佇まいから立ちのぼるゆえでしょうか、小さな驚きを誘います。うららかな冬の日、水仙を活ける歓びに、ご一緒させて頂いたようです。正子先生のブログに教わりました「水仙の糊」の香りも、想像の内にひろがってまいります。(川名ますみ)
○今日の俳句
冬晴れて登ることなき山のぞむ/川名ますみ
冬晴れに高い山が望める。その山に自分は決して登ることはできないが、その山の姿のすばらしさに、登ることはかなわないが、せめて心だけでも登ってみたい思いや憧れがある。(高橋正子)
○きちじょうそうの実

[きちじょうそうの実/東京白金台・自然教育園]_[きちじょうそうの実と花/東京白金台・自然教育園]
★解夏草を持ちて僧来る海女の家/石原八束
★吉祥草咲き出でて世をおそるるや/青柳志解樹
★吉祥草日暮は早くなりにけり/佐久間耕
キチジョウソウ(吉祥草、学名:Reineckea carnea)は、百合(ゆり)科キチジョウソウ属の常緑多年草。日本国内では関東から九州、また中国の林内に自生し、栽培されることもある。地下茎が長くのびて広がり、細長い葉が根元から出る。花は11月頃に咲く。ヤブランにやや似た穂状花序で茎は紫色、花は白い花被が基部で合生し筒状となっている。果実は赤紫色の液果。花が咲くことが少なく、たまに花が咲くときにはよいこと(吉事)があると言われたため、吉祥草の名が付いた。実際には毎年秋に花を咲かせるのだが、生い茂った葉に隠され、葉をかき分けなければ目に付かないことが原因のようだ。解夏草はキチジョウソウの別称。
◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
★山中に鵯鳴きわが身まっ二つ 正子
鵯は日本に住む野鳥で、外国のバードウォッチャーには魅力のある鳥だそうです。その鳴き声は時に鋭く、時にはつぶやくような穏やかである。鋭く鳴くのはたぶんに警告の時ではないかと思う。渾身の力を込めて群れの仲間たちに呼びかけて鳴く、その有様を「わが身まっ二つ」とはよく表現したものであると感服してしまう。(古田敬二)
○今日の俳句
冠雪の富士山遠く旅の空/古田敬二
冠雪の富士山を遠くに見て、いよいよ日本を離れる旅の空にいる。海外の旅に出るとき、富士山を目に収めたいのは大方の人であろう。(高橋正子)
○ミモザの花蕾
[ミモザの蕾/横浜日吉本町] [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]
★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波
葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス”mimos”(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を”mimosa”と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。
◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)


★柚子の香に頬のほのかに温まる 正子
当時を迎え菖蒲湯の季節です。ほんのりと頬に優しい湯気の香りと暖かさ。さっぱりとしたこの時季の温かさを味わわせていただきました。(河野啓一)
○今日の俳句
寒林を突き抜けてくる鳥の声/河野啓一
木の葉を落としたり、黄葉もからからと枯れ、常緑樹も真冬の色となった寒林には、引き締まる空気がある。その林を抜けてくる鳥の声も鋭く耳に届く。冬も鳥らは元気である。(高橋正子)
○クリスマスローズ
[クリスマスローズ/ネットより]
★クリスマスローズ咲かせる窪の家/松崎鉄之介
★クリスマスローズ仰向くことのなく/椋本一子
★クリスマスローズかかへて友を訪ふ/坂本知子
★また一つクリスマスローズの鉢殖やす/渡邉紅華
★クリスマス来るたび母の誕生日/品川鈴子
★船上を人かげ歩むクリスマス/鷹羽狩行
★昇降機に英語満ち充つクリスマス/林翔
★牡蠣を焼きピザを頼みてクリスマス/高橋正子
★風邪に臥し一日清しクリスマス/高橋正子
「クリスマスローズ」という呼称はクリスマスのころに開花する「ヘレボルス・ニゲル」だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では「レンテン・ローズ」と呼ばれる「ヘレボルス・オリエンタリス」なども「クリスマス・ローズ」の名前で出回る。多くの品種は、クリスマスのころではなく春に開花する。
ヘレボルス(Helleborus)はキンポウゲ科のクリスマスローズ属に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。「チベタヌス」が中国の四川省から雲南省にかけて自生しているのを除けば、15の原種の全てが、東ヨーロッパからバルカン半島からトルコ、シリアに自生している。20世紀後半の品種改良は主にイギリスでヘレン・バラードや、エリザベス・ストラングマンによって進められた。「クリスマスローズ」という呼称も「イギリスのクリスマス」に開花するという意味である。夏は休眠状態となり根は活動を休止し、呼吸しているだけの状態となる。花に見える部分は植物学上では「花」ではなく「がく片」という部分である。そのため「鑑賞期間」が比較的長い。 ただし本来の花弁も蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もある。
◇生活する花たち「茶の花・花八つ手・木瓜」(横浜下田町・松の川緑道)
