今日の秀句/6月1日~6月10日

6月10日

該当句無し
6月9日(2句)

★鮎釣や浅間に遊ぶ雲数多/小口泰與
浅間山の景色を見ながらの鮎釣。「遊ぶ雲」が釣り人、つまり作者の楽しい気持ちを表していて、読み手にもその楽しさが伝わってくる。(髙橋正子)

★七変化旅の始めは白き色/廣田洋一
七変化は紫陽花のことだが、色が次第に変わってゆく花である。旅に出かけるときは白色。旅から帰ったときはどんな色になっているのか楽しみ。白に始まる旅の心も、旅を終えた時はどんな色に染まっているのか。(髙橋正子)
6月8日(1句)

★家々と空を映して代田あり/多田有花
代田は田植の準備が整って水が張られた田んぼのことをいう。水を湛えた代田には、近くの家々と空が映っている。「家々」だけでなく、「空」に気づいたことで、代田に映る景色がはっきりしてきた。ここがいい。(髙橋正子)
6月7日(1句)

★山形の澄みたる空やさくらんぼ/廣田洋一
山形はさくらんぼの一大産地。佐藤錦など有名な品種もあって、さくらんぼが熟れるころ訪ねたいところ。「澄みたる空」が作者の思い入れでもあり、さくらんぼに相応しい。(髙橋正子)
6月6日(1句)

★来客を妻出迎えに若葉風/桑本栄太郎
来客を迎えるのは、たいていうれしいもの。若葉を吹く心地よい風へでて来客を迎える行為も嬉しさの表れ。季節の良さがなおさら感じられる。(髙橋正子)

6月5日(1句)

★水入りし田の漣に立葵/多田有花
立葵は蕾の先まで咲くと梅雨があがるとも言われる花。水の入った田んぼはそよ風に漣が立っている。そこに丈高く立葵が咲いて、景色が涼やかなのがいい。(髙橋正子)

6月4日(1句)

★十薬や午後の光を強く浴び/多田有花
十薬は強い植物。しっかり根を張り、はびこっている。午後の強い光にも動じない。その一方、強さを思わせぬ白い十字の花は可憐。二つともがあっての十薬。(髙橋正子)
6月3日(1句)

★黒蟻の鋪道を歩む孤独かな/桑本栄太郎
鋪道を歩む黒蟻を見つけ、その歩み続ける姿を孤独だと感じた。夏の鋪道の暑さの中、黒蟻の静かな姿がくっきりと目に映る。(髙橋正子)
6月2日(1句)

★目覚めても眠りても鳴きほととぎす/多田有花
ほととぎすは日没後や夜明けによく鳴くといわれている。昼間も空を駆け飛びながら鳴くのもめずらしくない。5月から6月にかけホトトギスの声は和歌にも多く詠まれ、初夏を象徴している。今も変わらず実際の声を聞く。(髙橋正子)

6月1日(2句)

★夏蝶や黄色き光撒き散らし/廣田洋一
夏の蝶としては、アゲハなど大型な蝶をよく見るが、ときに、ちいさい黄色い蝶を見かける。ひらひら舞う黄色の蝶は、光を撒き散らして夏の庭をかがやかしている。(髙橋正子)

★今年竹大きく揺れて戻りけり/小口泰與
竹の生長は驚くべきはやさ。丈高く伸びた今年竹が大きく揺れて撓うと、大きく揺れもどる。その振幅の躍動感は竹の力強さとなって見るものを驚かす。
(髙橋正子)

6月1日~6月10日

6月10日(2名)

廣田洋一
庭の主新しくなり山法師★★★
昼顔の優しく咲けり法の庭★★★
押し合いて口を開けたる燕の子★★★

桑本栄太郎
小手毬の白に紅さす狭庭かな★★★
ふるさとの”エリザベス”とうメロン着く★★★
曇りても天の明るき走り梅雨★★★
6月9日(4名)

多田有花
田植機や夫操縦妻誘導★★★
出勤の始まる頃や時計草★★★
夏の風洗濯物を片寄せす★★★

小口泰與
鮎釣や浅間に遊ぶ雲数多★★★★
翡翠やかぎろう沼の面に魚★★★
青田風赤城のすそ野隠れなし★★★

廣田洋一
七変化旅の始めは白き色★★★★
白紫陽花ほんのり紅を刺しにけり★★★
紫の紫陽花多き法の池★★★

桑本栄太郎
  <阪急電車に乗り京都市内へ>
みどりさす河川畑や桂川★★★
せせらぎに紫陽花浸かる高瀬川★★★
見晴るかす遥か鞍馬や梅雨曇★★★
6月8日(4名)

多田有花
家々と空を映して代田あり★★★★
つややかに陽を返しおり松葉菊★★★
風を待つ蓬髪のごと栗の花★★★

小口泰與
鮎掛かるさびき釣なり利根の風★★★
浅間嶺に夏雲遊び限りなし★★★
写真機に収む浅間山や夏の風 「あさま」★★★

廣田洋一
新玉葱細かくきざみカレーかな★★★
訳もなく捨てられてをり新玉葱★★★
味噌つけて生の胡瓜の夕べかな★★★

桑本栄太郎
木下闇隙間の天の青きかな★★★
房咲きの蹲踞となりぬ筒あじさい★★★
夾竹桃早も団地を飾りけり★★★
6月7日(金)

弓削和人
旅人を常世へ通す茅の輪かな★★★
渓谷の滝のしぶきや甘味店★★★
藍甕をこぼすに似たり夏の湖★★★

多田有花
ひとつずつもの片付けて梅雨を待つ★★★
花好きの人の庭なり花葵★★★
小さくも艶やかに光り茄子の紺★★★★

小口泰與
おおらかに翡翠鳴きて夏の沼★★★
夏霧や尾瀬の木道思い出づ★★★
塩鮎を丸ごと食し面映ゆし★★★

廣田洋一
黙々と草を取りたり狭き庭★★★
山形の澄みたる空やさくらんぼ★★★★
青梅のほのと紅さしうら若し★★★

桑本栄太郎
姫女苑のうす紅さすや雨催い★★★
あじさいの雨待ち顔や紺の色★★★
「「~顔」が問題です。(髙橋正子)

山桃の赤き実の落つ鋪道かな★★★★
6月6日(3名)

小口泰與
緑陰に覆われ子牛のおっとりと★★★★
おっとりと利根の流れや通し鴨★★★
おおよその赤城のすそ野麦青む★★★

多田有花
雀来て代田に餌をついばみぬ★★★
透百合面をあげて咲きにけり★★★
南天の花は実よりも控え目に★★★

桑本栄太郎
産直の婆の露店や胡瓜買う★★★
緑蔭となりし窓辺や句の推敲★★★
来客を妻出迎えに若葉風★★★★
6月5日(5名)

小口泰與
翡翠や静寂の中の鯉の跳ね★★★
万緑や牧の子牛のおおらかに★★★★
利根川の岸辺おおむね夏景色★★★ 

多田有花
水入りし田の漣に立葵★★★★
ほととぎす盛んに鳴きぬ快晴に★★★
アマリリス防犯カメラの下に咲き★★★ 

廣田洋一
駆けて来る日傘を待ちて市バスかな★★★
雨傘の日傘に変わる雨上がり★★★
黙然と席に座りて夏句会★★★ 

弓削和人
宿に着き薄暑と別れ旅鞄★★★
紫陽花の薄みどりなる四の辻󠄀★★★
新築に停留所かな立葵★★★ 

桑本栄太郎
頬赤き粒もありたり梅漬ける★★★
山影の映る田水や晩稲田に★★★
溝川の音に沿い行き風薫る★★★ 

6月4日(4名)

小口泰與
奇岩なる妙義の峰峰や夏の雲★★★
流れ行く野球ボールや夏の朝★★★
翡翠の眼光光る水辺かな★★★ 

多田有花
散歩する薔薇咲く庭のかたわらを★★★
飛び交わす巣作り中の夏つばめ★★★
十薬や午後の光を強く浴び★★★★ 

廣田洋一
夕凪や波平らかに由比ヶ浜★★★
翡翠や水面掠めて飛び去りぬ★★★
行列し氷菓子待つ小町通り★★★ 

桑本栄太郎
緑蔭の高き梢の空の青★★★
泰山木の花の朽ち居り錆色に★★★
ふるさとは峰の辺りや夏入日★★★ 
 
6月3日(4名)
小口泰與
夕虹やカメラ手入れの我と妻★★★
おほどかの赤城のすそ野青田かな★★★
燕の子池の水飲むこと覚ゆ★★★

多田有花
水たっぷり流れ六月の用水路★★★
雨宿りしているつがいの雨燕★★★
鉄塔の影を映して代田あり★★★

桑本栄太郎
雨あがり今朝の青空五月晴れ★★★
黒蟻の鋪道を歩む孤独かな★★★★
青空に木々の枝躍る若葉寒む★★★

廣田洋一
友と居て宵の一刻薪能★★★
神宮の森をしっとり夏の雨★★★
高楼を赤く光らせ夏の雨★★★
6月2日(4名)

多田有花
目覚めても眠りても鳴きほととぎす★★★★
その影を甍に映し夏つばめ★★★★
下校の子駆けゆく薄暑の横断歩道★★★

廣田洋一
同じ木の一花毎に七変化★★★
一礼してざぶと飛び込むプールかな★★★
老人が群れて歩けるプールかな★★★

小口泰與
夏の沼強き朝日の射しにけり★★★
仰せの如く魚籠いっぱいの岩魚かな★★★
引き算も難なく出来て朝の虹★★★

桑本栄太郎
外つ人のひげの濃くあり京の夏★★★
鴨川に迫り出し並ぶ川床座敷★★★
外つ人のファミリー着物夏日かな★★★
6月1日(4名)

廣田洋一
雨を待つ遊水池の夏薊★★★
夏蝶や黄色き光撒き散らし★★★★
翡翠や一閃したる橋の下★★★

多田有花
はつなつのふるさと城山に登る★★★
見渡せば代搔きを待つ田の並ぶ★★★★
昼ごはん青葉の城跡に座り★★★

小口泰與
ばら咲くや訪う人の数多なり★★★
煽られて向き向き変える庭の百合(原句)
一句に動詞はなるべく一つに。言いたいことの中心がはっきりします。(髙橋正子)
煽られて花向き向きに庭の百合(正子添削)
今年竹大きく揺れて戻りけり★★★★

桑本栄太郎
雷鳴の夢のどこかに目覚めけり★★★
片蔭を伝い散歩や今朝の晴れ抓む★★★
手を伸ばし泰山木の花抓む ★★★

自由な投句箱/5月21日~5月31日

※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

今日の秀句/5月21日~5月31日

5月31日(1句)
★縁側を開けるや蜥蜴走りけり/小口泰與
縁側を開けるや蜥蜴訪えり(原句)

原句は縁側を開けると蜥蜴が入ってきたと言う意味ですが、肝心の「訪えり」が蜥蜴の描写に不足です。添削は人間の住まうところに蜥蜴がいきいきと棲息していることを詠んだ例です。(髙橋正子)
5月30日(1句)

★草笛を吹いて孫らを驚かす/小口泰與
草笛で「ふるさと」の曲を吹きながら歩いている人に里山公園で出会ったことがある。曲といい、場所といい、ふさわしさに驚いた。私の世代さえ驚くのであるから、お孫さんたちの驚きようも想像できる。(髙橋正子)

5月29日(1句)

★麦秋の備前平野の入日かな/桑本栄太郎
山陽線沿いは広い平野が少ないなかで、備前平野は広々としている。麦秋の平野に入日が沈む景色は郷愁を誘う。旅にあれば、なおさら。(髙橋正子)
5月28日(2句)

★紫陽花や雨の色にぞ染まりたる/廣田洋一
紫陽花は雨の季節に咲く花なので、雨に染められ、雨の色になったのだという。その感覚がいい。(髙橋正子)

★高速の橋脚映り田水張る/桑本栄太郎
高速道路は、田んぼであったところを貫いている。水が張られた田に巨大な橋脚だ逆さに映って、自然相手の農と現代都市の橋脚とが併存している景色もまれではない。(髙橋正子)

5月27日(1句)

★神坐す奥宮青嶺を仰ぎけり/多田有花
神聖なこと、いやます奥宮から、青嶺を仰ぐと、青嶺が神々しく思われる。(髙橋正子)

5月26日(1句)

★ありがたや章魚の卵と身を食す/多田有花
章魚の卵からはたくさんの子章魚が生まれるであろうが、その卵と、卵を孕んでいた親章魚の身を両方頂く行為に、食物をいだたく「ありがたさ」を意識させられる。章魚の卵は珍味であろうが、その裏には生物の犠牲もある。

5月25日(2句)

★虞美人草ひねもす風に揺られおり/廣田洋一
「虞美人草」はひなげしのこと。漱石の小説の題名や、中国の秦の劉邦に負けた項羽の愛人の虞美人と言う名前に忍ぶことができる。虞美人草は明るく風通しの良いところを好むので、ひねもす野に吹かれている光景をみることができる。軽やかな花の揺れは心和む風景だ。(髙橋正子)

★田染荘(たしのぶのしょう)棚田に水の入り初めし/多田有花
田染荘は、古代の頃から開発がなされ、平安時代には宇佐神宮の荘園「田染荘」として誕生以来、昔ながらの田園風景が今もなお色濃く残されているということだ。棚田に水が入り、いよいよ田植えとなる。棚田の美しい景観が見られることだろう。(髙橋正子)

5月24日(1句)

★空蝉のこの世にしかとしがみ付き/小口泰與
もとの句は「しがみ付にけり」だったが、「けり」の詠嘆が弱く描写に終わるので、自分の見方、感じ方として「しかと」を入れて添削した。
空蝉はこの世の無常を示す象徴とされることが多く、その空蝉が蝉殻となってもまだ執着して木にしっかりとしがみついているところに着目。これを見て人は何を思うであろうか。(髙橋正子)
5月23日(1句)

★若葉して明礬温泉硫黄の香/多田有花
明礬温泉は別府の温泉で湯の色が青いことで知られているようだ。温泉の硫黄の匂いと、温泉の色と、若葉の色が明礬温泉の景色となって印象付けられる。この句を読むと明礬温泉に入ってみたいと思うだろう。(髙橋正子)
5月22日(1句)

★青葉雨少年の弾くヴィヴァルディ/川名ますみ
ヴィヴァルディを力強く弾いている少年が思い浮かぶ。青葉に降る雨は、これまでに成長した少年の演奏に陰影を与えている。(髙橋正子)
5月21日(2句)

★赤赤と強き朝日や麦畑/小口泰與
麦畑は最近少なくなっているが、泰與さんの住む群馬は小麦の産地なので、麦畑は近くに広がっているのだろう。赤々と力強い朝日が麦畑に昇り、いきいきとした一日が始まる。力強く、人を励ましてくれる光景がいい。(髙橋正子)

★十薬の跋扈せる庭匂いたち/廣田洋一
十薬の花は繁殖力が強いので、「跋扈」することもまれではない。洋一さんの庭にも十薬が生い茂り、匂いをあげている。夏と言う季節の生命力を嫌でも感じさせられる。そんな時の俳句がいい。(髙橋正子)

5月21日~5月31日

5月31日(4名)

小口泰與
蟇蛙ドラムを叩く声のせり★★★ 

縁側を開けるや蜥蜴訪えり(原句)
縁側を開けるや蜥蜴走りけり(正子添削)
原句は縁側を開けると蜥蜴が入ってきたと言う意味ですが、肝心の「訪えり」が蜥蜴の描写に不足です。添削は人間の住まうところに蜥蜴がいきいきと棲息していることを詠んだ例です。(髙橋正子)

勾玉と同じ曲がりの守宮かな★★★

多田有花
じゅうじゅうと鮪ステーキ夏きざす★★★
青嵐伊予の島影あらわにす★★★
甘夏ソフト豊後水道の青し★★★

廣田洋一
ざざと降りさっと上がりて夏の雨★★★
雨上がりふわと吹き来る風涼し★★★
苑涼し水浴びしたる雀どち★★★

桑本栄太郎
断水のままの能登とや五月尽★★★
曇りても天の明るき走り梅雨★★★
木々の枝の躍り明るく夏あらし★★★

5月30日(4名)

廣田洋一
額の花外縁の花紅くなり★★★
桜の実色濃くなりて落ちにけり★★★
ビルに沿い一列続く濃紫陽花★★★

多田有花
手作りの苺ケーキに迎えらる★★★
夏かぼすたっぷりもいでいただきぬ★★★
アマリリス咲く菩提寺に参拝す★★★

小口泰與
忽然と風の襲えり夜店かな★★★
大利根の波恐ろしや走り梅雨★★★
草笛を吹いて孫らを驚かす★★★★

桑本栄太郎
あじさいのいよよ蕾のふふみけり★★★
紫陽花や雨を待ち居て水色に★★★★
ぽつぽつと雨の気配や花南天★★★

5月29日(4名)

小口泰與
金雀枝や朝日彩る日の光★★★
山峡の鳥の起き伏し夏帽子★★★
我が庭のばらと起き伏しひと日くれ★★★

廣田洋一
曇天をぱっと明るく花胡瓜★★★★
唐黍の花つんつんと天を指し★★★
枝下すのこぎりの音響きけり★★★

多田有花
デザートをいくつ並べて夏の朝★★★
巨大こけし寝かせ大分駅の夏★★★
ザビエルに宗麟公に青嵐★★★

桑本栄太郎
山影の映る田水や麦の秋★★★
西日受け城郭映ゆる福山城★★★
麦秋の備前平野の入日かな★★★★

5月28日(5名)

小口泰與
翡翠の魚とらふる長き嘴★★★
一輪のほのと咲きたる庭のばら★★★
老鶯のうらうら鳴けり山の池★★★

多田有花
大分に来れば一面麦の秋★★★★
旧友と話は尽きぬ夏の夕★★★
明早し別府湾から陽が昇る★★★

廣田洋一
紫陽花や雨の色にぞ染まりたる★★★★
花南天道にはみ出し揺れており★★★
縁側に木椅子を寄せて簾かな★★★

桑本栄太郎
<新幹線、山口への車窓風景>
高速の橋脚映り田水張る★★★★
吉井川の遥か上流夏かすみ★★★
麦秋の備前平野の黄金なる★★★

弓削和人
隣家よりとりこむ音す走り梅雨★★★
村らくは雨戸で断てり五月闇★★★
河骨をついの棲み家に鯉の鰭★★★

5月27日(4名)
小口泰與
鈴鳴らすような鳥声初夏の森★★★
老鶯の池を挟みて鳴き交わす★★★
夏めくや赤城のすそ野うまし山★★★

廣田洋一
新人を止める壁なし五月場所★★★
夾竹桃燃えたつ如く街の角★★★
バナナとチーズを食べて朝餉かな★★★

多田有花
宇佐神宮青葉若葉に朱の鳥居★★★
花嫁に赤き唐傘夏はじめ★★★
神坐す奥宮青嶺を仰ぎけり★★★★

桑本栄太郎
<新幹線、京都から山口への旅の車窓>
幹線”のぞみ”は西へ風薫る★★★★
緑蔭の駅のホームや新神戸★★★
みどりさす古墳の森や岡山の★★★

5月26日(3名)

小口泰與
翡翠の羽の手入れや木の枝に★★★
老鶯や木木を揺さぶる山の風★★★
倒木の枝へ野鳥や初夏の丘★★★

多田有花
夏料理韃靼そば茶に始まりぬ★★★
ありがたや章魚の卵と身を食す★★★
夏料理蕎麦のコースは蕎麦で締め★★★

廣田洋一
中興塔の如来を仰ぎ風薫る★★★
釈迦像の燦然として薄暑かな★★★
虚子句碑や夏日の燦と法の庭★★★

5月25日(3名)

小口泰與
榛名湖の器の中のつばくらめ★★★
樹のうつろ中よりいづる蜥蜴かな★★★
産土の風に育む青田かな(原句)
「風に育む」は主語が何になるのでしょうか。本来なら「風に育まる」となるところではないでしょうか。(髙橋正子)

産土の風の育む青田かな(正子添削①)
産土の風に育てる青田かな(正子添削②)

廣田洋一
草引くや小さき花を残したり★★★
虞美人草ひねもす風に揺られおり★★★★
雛罌粟や人を見送る線路際★★★

多田有花
田染荘(たしのぶのしょう)棚田に水の入り初めし★★★★
薫風に吹かれ蕎麦屋の門に立つ★★★
涼しさやふたり切り盛りする蕎麦屋★★★★

5月24日(3名)

廣田洋一
蚕豆や一畝青く染めており★★★
蚕豆のどんぶり一つ分け合いし★★★
豆飯の緑くっきり夕間暮★★★

多田有花
海地獄熱帯睡蓮咲かせおり★★★
はつなつの日差したたえて海地獄★★★
夏浅し龍巻地獄閉じ込めて★★★

小口泰與
翡翠やこの現し世を飲み込みし★★★
翡翠の現の嘴の長きかな★★★
空蝉のこの世にしがみ付にけり(原句)
空蝉のこの世にしかとしがみ付き(正子添削)

5月23日(3名)

小口泰與
打ち返す畑あり麦の青青と★★★
うちつけに鮎見えている岩の間に★★★
川蝉の渦巻く沼へまっしぐら★★★

多田有花
初夏の湯に明石の人と語り合う★★★
若葉して明礬温泉硫黄の香★★★★
地獄蒸しプリンを食す若葉風★★★

桑本栄太郎
木蔭道たどり歩めり夏日かな★★★
茅花の穂絮となりたる流し吹く★★★

夏場所や小兵押し出す俵際(原句)
夏場所や小兵の押し出す俵際(正子添削)
助詞の省略はよくあることですが、俳句のように短いために、意味が紛らわしくなるときは、助詞の省略は避けた方がいいと思います。(髙橋正子)

5月22日(5名)

小口泰與
夏鷹や風を従え鳥狙う★★★
根係の浮子の乱舞や夏の雲★★★
青蘆や風に育む番鳥★★★

多田有花
鮎並や金の器に入りて来る★★★
はつ夏の鯛載る海の色の皿★★★
夏野菜添えし豊後牛ロースト★★★

廣田洋一
湘南と熱海がしこ名五月場所★★★
精彩を放つ幕尻五月場所★★★
太陽の育てし黄金麦の秋★★★★

川名ますみ
母の友梅花空木を提げ来たる★★★
青葉雨少年の弾くヴィヴァルディ★★★★
緑さす友の生徒のコンクール★★★

桑本栄太郎
川縁りの地道を行けば風薫る★★★
風に触れじゃらじゃら鳴りぬ小判草★★★
赤白の箱根卯木や青き空★★★

5月21日(4名)

小口泰與
赤赤と強き朝日や麦畑★★★★
岩のぼる強き一歩の亀の子よ★★★
川蝉や風のうかがう山の湖★★★

廣田洋一
夏めくや木の葉を透かす日の光★★★
十薬の跋扈せる庭匂いたち★★★★
どくだみの十字点々狭庭かな★★★

多田有花
そら豆を入れし豆腐のうすみどり★★★
順才とすだちのジュレが前菜に★★★
ぶり鮪ひらめのお造り夏料理★★★

桑本栄太郎
山法師の花の気勢や木の上に★★★
葉の影の躍り狂うよ青あらし★★★
夕日受け葉の透き通る若葉かな★★★

自由な投句箱/5月11日~5月20日

※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
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「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

今日の秀句/5月11日~5月20日

5月20日(1句)
★緑さすやたら編みなる竹の壁/多田有花
「やたら編み」という編み方で作られた壁は風流なものだが、複雑に光を返し、自然の緑の木々のなかで静かな雰囲気を醸し出している。(髙橋正子)

5月19日(1句)

★外つ人の服の気ままや若葉寒む/桑本栄太郎
若葉のころは肌寒さを覚える日がある。外国の人たちは季節を意識するよりも、もっと緩やかに自由に服装を選んでいる。観光地の京都の初夏の風景が眩しい。(髙橋正子)
5月18日(1句)

★玻璃の皿烏賊刺盛りて昼餉かな/廣田洋一
ガラスの皿に白く透き通るような烏賊の刺身は目にも涼やか。旬の食材を季節にふさわしい皿に盛り付け、見た目もおいしさ同時に味わおうというもの。(髙橋正子)
5月17日(1句)

★遠峰の雲を奔らせ青嵐/桑本栄太郎
爽快ですがすがしい印象の景色。遠くの峰を見ると雲がよく奔っている。空の雲は青葉を吹く強い風が奔らせているのだ。(髙橋正子)
5月16日(1句)

★マーガレット遠くに見ゆる青き海/廣田洋一
遠くに青い海が見え、白く可憐なマーガレットが咲いている景色は、清潔感があって、初夏のさわやかさが読みとれる。(髙橋正子)
5月15日

※該当句無し
5月14日(1句)

★青空や無風無音に夏来る/弓削和人
ただ青空だけが広がる、風も音もない時。空からの日差しの明るさを見れば確かに夏が来ている。(髙橋正子)
5月13日(1句)

★サイダーや雲の湧き立つ浅間山/小口泰與
浅間山には実際「雲が湧く」現象がみられる。2500以上ある浅間山の2000mあたりの山の斜面に温かい空気があたり上昇し、冷えて雲になる現象がある。さわやかな味のサイダーの透明感と雲を湧かせる浅間山が読み手に爽快感をもたらせてくれる。(髙橋正子)
5月12日(1句)

★母の日やわが胸に白きカーネーション/多田有花
母の日の白いカーネーションは、亡くなった母に捧げる花。白いカーネーションを贈ることについて最近はあまり関心がもたれないようだが、母を亡くした人は多いはず。胸に挿しひとり母を忍ぶ日となった有花さんだ。(髙橋正子)
5月11日(1句)

★ふるさとの海懐かしき卯波かな/桑本栄太郎
この俳句は、「ふるさとの海/懐かしき卯波かな」のように切れている。ふるさとの海を思い起こせば、穏やかな卯波が懐かしいというのだ。ふるさとを忍ぶ、心穏やかななかにもせつない心情が伝わってくる。(髙橋正子)

5月11日~5月20日

5月20日(4名)

小口泰與
浮草を挟みし嘴に魚かな★★★
赤赤と鋼の朝日初夏の沼★★★★
老鶯や沼の水輪の数多にて★★★

廣田洋一
ちょろちょろと蛇の寄り来る草の道★★★
目高捕ると手網持ちたる女の子★★★
鯉幟取り払われて夏めきぬ★★★

多田有花
青空と新緑のほか何も無し★★★
緑さすやたら編みなる竹の壁★★★★
旅人を迎える庭の緑かな★★★

桑本栄太郎
<阪急京都線西京極駅>
緑蔭の駅のホームに西京極★★★
<河原町四条大橋界隈>
団子食ぶきもの姿や京の夏★★★
緑蔭の風吹きぬける高瀬川★★★
5月19日(4名)

小口泰與
来ぬ鳥を待ちてうまいや初夏の沼★★★
川蝉や風無き沼の水輪にて★★★
忽然と静寂を破る初夏の沼★★★

多田有花
夏はじめ黒を基調の珈琲屋★★★
五月の由布院盆地を見晴らしゆく★★★
紺碧の空と新緑豊後富士★★★

桑本栄太郎
<京都四条大橋界隈>
外つ人の服の気ままや若葉寒む★★★★
みどりさす街中行くや雨の京★★★
せせらぎの木下闇なる高瀬川★★★

廣田洋一
糸取器盥の繭を踊らせて★★★
公園の枝払う音ひとしきり★★★
今朝もまた筍飯の残りかな★★★
5月18日(4名)

多田有花
水底に卯月の光錦鯉★★★
通りより入れば薄暑の木が囲む★★★
黄菖蒲を水面に映し金鱗湖★★★

弓削和人
あざやかな浮葉のほかは流れつつ★★★★
喧騒の六角ぴんと鉄線花★★★
湖の果画舫は響き更衣★★★

廣田洋一
夏めくや「冷やし中華」の幟揺れ★★★
天蚕の糸吐きこもる繭白し★★★
玻璃の皿烏賊刺盛りて昼餉かな★★★★

桑本栄太郎
緑蔭の梢の空は青きかな★★★
葉の影の揺れる小径や木下闇★★★
すいすいと筋の白さや青すすき★★★
5月17日(4名)

小口泰與
目に映る利根の河原の初夏の色★★★
初夏の沼亀のいできて動かざる★★★
ほんわかと眠気を誘う初夏の森★★★

多田有花
ゆふいんの森や五月の森をゆく★★★
とり天を食ぶ湯布院の浅き夏★★★
由布岳に雲一つなき五月空★★★★

廣田洋一
園児らのかけ回る声夏めけり★★★
枝下す音の絶えざる法の庭★★★
紫蘭揺れ水音絶えぬ法の池★★★

桑本栄太郎
ひらひらと白き葉裏や風薫る★★★
遠峰の雲奔りゆく青あらし(原句)
この句を生き生きさせる(動きがでる)ように、添削しました。(髙橋正子)
遠峰の雲を奔らせ青嵐(正子添削)
夕暮れの買物道や忍冬花★★★
5月16日(4名)

小口泰與
狙いたる魚を川蝉矢のごとし★★★
夏帽子朝日をはじく池の面★★★
敷石を渡る鴉へ西日かな★★★
  
桑本栄太郎
木々の枝の躍り止まずよ青あらし★★★
吸い込みて胸の中までみどりさす★★★
今朝見ればうすき紅さす月見草★★★

廣田洋一
マーガレット遠くに見ゆる青き海★★★★
夏めくや髪を切りたる女の子★★★
夏めくやショートパンツの外国人★★★

弓削和人
葛餅や匙のさきまで葛浸る★★★
猫の眼の細く細くと五月晴★★★
五月鯉山は尾ひれに隠れおり★★★
5月15日(3名)
小口泰與
田畑へい行くも仕事炎天下★★★
翡翠のいつもの枝や天は青★★★
若楓楽し事の多かりし★★★

桑本栄太郎
つやつやと穂が揺れ茅花流し吹く★★★
べんがらの板塀道や柿の花★★★
山影の映る植田や大原野★★★

弓削和人
風薫る結婚式のリハーサル★★★
短夜や目覚めて寝入る夢おぼろ★★★
明け易し市乳温めず睡りおり★★★
5月14日(4名)

小口泰與
釣り上げし数多の鮎を訝しむ★★★
今更のすそ野の長き夏赤城★★★
鳥飛ぶや森はいよよ初夏の色★★★

桑本栄太郎
青梅の葉蔭に隠れありにけり★★★
風薫る木蔭の道やひと休み★★★
立ち止まり暫し嗅ぎ居り忍冬花★★★

廣田洋一
締鯖の夜も青々と冷酒酌む★★★
捩れ花素直であれと閻魔王★★★
マーガレット恋占いの好きな人★★★

弓削和人
青空や無風無音に夏来る★★★★
里若葉風を待たせる配達夫★★★
玉砂利を洗い清めし薄暑来★★★
5月13日(4名)

小口泰與
初夏の森数多野鳥の名を知らず★★★
サイダーや雲の湧き立つ浅間山★★★★
夕焼の利根源流の湯元かな★★★

廣田洋一
鯖寿司の鯖てらてらと夕餉かな★★★★
捩花の規則正しき捩れかな★★★
さつき咲く今年は白く咲きにけり★★★

多田有花
青空にオープンカーの聖五月★★★
夏野菜入れたっぷりのカレーかな★★★
新緑に濃さを加えて雨あがる★★★

桑本栄太郎
雨に濡れ箱根卯木の濃く淡く★★★
山法師雨に気勢の白さかな★★★
ぽたぽたと軒の滴や走り梅雨★★★
5月12日(4名)

小口泰與
あけぼのの数多の鳥や夏の沼★★★
源流の流れ涼しき山の木木★★★
妙義峰の巌奇岩や雲の峰★★★
景色はとても魅力的ですが、具体的な表現があると、さらに共感できる句になると思います。(髙橋正子)

多田有花
冷奴今日より昼餉の一品に★★★
巣から顔のぞかせている夏つばめ★★★
母の日やわが胸に白きカーネーション★★★★

桑本栄太郎
鴨川に早やも用意や川床座敷★★★
銀輪の鴨川べりや風薫る★★★
せせらぎの木下闇なり高瀬川★★★

廣田洋一
締鯖に似合う冷酒を酌みにけり★★★
「冷酒」の具体的な表現(グラスや杯の様子など見たまま、感じたまま)があるとさらに良い句になると思います。(髙橋正子)
雅子妃の薔薇交番を飾りをり★★★
草取女横に袋を積上げて★★★
5月11日(4名)
廣田洋一
公園に白きテントや子らの声★★★
雨上がり赤み増したる桜の実★★★
捩れ花とて行く先は青き空★★★★

小口泰與
寝ねがての竿の手入れや鮎の宿★★★★
渓谷の岩打つ流れつばくらめ★★★
夏帽をかぶりし人もあらざりし★★★

多田有花
天清和フォルテピアノの軽やかに★★★
信号待ち薔薇美しき交差点★★★
夏空の雲なきをゆく航空機★★★

桑本栄太郎
木々の枝の躍り歓喜や風薫る★★★
母の日の母は無けれど母慕う★★★
ふるさとの海懐かしき卯波かな★★★★

自由な投句箱/5月1日~5月10日

※当季雑詠3句(春の句・夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

今日の秀句/5月1日~5月10日

5月10日(1句)

★茄子紺を残し鮮やか茄子料理/多田有花
茄子の紺色は「茄子紺」と呼ばれ、美しい。その色を残して料理されれば、それは茄子本来の味が残って滋味深い味わいとなる。(髙橋正子)
★金雀枝や無住の庭の夕明かり/廣田洋一
金雀枝の花の黄色は印象に残るはっきりした黄色。さびしい無住の庭には、却ってその強い黄色がちょうどよく、夕明かりとなって、庭に情趣を生んでいる。(髙橋正子)
5月9日(1句)

★昨日より軽めに羽織る夏始め/弓削和人
夏に向かうとき、日ごと気温が上がっていくことが多く、昨日よりも軽めに羽織って心地良い。あっさりとした詠みぶりが、夏の始めの明るく軽やかな気持ちに符合している。(髙橋正子)

5月8日(1句)

★初夏の朝は絵本をめくるごと/小口泰與
初夏の朝の目覚めるような新しさ、爽やかさを感じるままに「絵本をめくるごと」率直に表現したのがいい。(髙橋正子)
5月7日(1句)

★サーファーの乗れぬ高さや卯波立つ/廣田洋一
大きくうねる波を喜ぶサーファーではあるが、その波が大きすぎれば、乗り切れない。低気圧の影響などで卯波といえど、手に負えない波となって、サーファーを戸惑わせる。卯波が美しい言葉だけに、戸惑いが分かる。(髙橋正子)

5月6日(1句)

★こどもの日子らの自転車軽快に/多田有花
こどもの日はとくに、子どもたちが元気であるように思う。自転車もすいすしと軽快に、楽しそうに漕いでいる。(髙橋正子)
5月5日(1句)

★両手もて赤児水飲む立夏かな/桑本栄太郎
立夏の今日は気温があがり、暑くなった。戸外で遊ぶ子供たちはかき氷をおいしそうに食べる光景も見られた。赤子も喉が渇いているのだろう。水の入った容器を両手で抱え、ごくごくと水を飲んでいる。「両手もて」は赤子らしくてたくましい。(髙橋正子)
5月4日(1句)

★すず鳴らし八十八夜の家路かな/弓削和人
持ち物に鈴をつけているのだろう。八十八夜の家路に鈴のきれいな音が鳴り響いて、夏がちかづく開放感と心楽しさがうかがえる句。(最近は熊の用心のためにすずをつけていることもあって、開放感とはいかないかもしれないが、それは、また別の鑑賞となる。)(髙橋正子)

5月3日(1句)

★つつじ咲く街路を下校の少年ら/多田有花
燃えるように咲くつつじの街の道を少年たちが帰っていく。健やかな少年たちと燃えるつつじの取り合わせが眩しい光景となっているのがいい。(髙橋正子)

5月2日(1句)

★雨のまま八十八夜は冷えており/多田有花
今年の八十八夜は、雨がふって、それに実際、気温も低かった。「八十八夜は冷えており」に抒情の深さを感じる。(髙橋正子)

5月1日(1句)

★一天を押し広げたる帰雁かな/小口泰與
帰る雁は、列をなして、広がって北へ飛んでいく。大群をなして帰る雁に一抹のさびしさを思いながら、一天を押し広げるかのような帰雁の力強さに自然界に生きものの姿を見る。(髙橋正子)