■故髙橋信之先生追悼句会(6月月例ネット句会)清記■
2023年6月11日
45句(15名)
01.はんざきのように眠りぬ夏の風邪
02.かたつぶり片目つぶりてゆくところ
03.斧構えうじゃうじゃや生る子蟷螂
04.特急は梅雨のカーブに傾いて
05.菜園に初生り胡瓜の濃き一本
06.初夏の雨溝は濁りて赤手蟹
07.電話より聲高らかや松落葉
08.いかづちや避けて通れぬ死出の旅
09.へら浮子の塗りの見事や沼の夏
10.夜歩く山の寂しさ朴の花
11.ヤマホウシ昼日の差して白さまし
12.まさおなる空や二階へ枇杷実る
13.紫陽花を濡らす優しき朝の雨
14.どくだみに雨打つ白き朝かな
15.真青なる空に吹き初む夏の風
16.待合室花瓶に溢るガクアジサイ
17.メダカの子今は小さなちいさな子
18.時々は川面に触れて鯉のぼり
19.師の訃報告げる電話や五月逝く
20.いつになく早き梅雨入り師は逝けり
21.聖五月師は今生を去りにけり
22.一株の紫陽花大きく鮮やかに
23.空眺め気付けば今年も梅雨に入る
24.初蝶の舞い上がりゆく空広し
25.額装の師の墨痕に梅雨深む
26.紫陽花の薄きみどりに偲ぶ日々
27.紫陽花の今朝の色挿すガラス瓶
28.花樗かおる川風舟運ぶ
29.新玉ねぎペコロス皮ごと荷に詰める
30.水湛え朝空湛え田植待つ
31.夕日さす水面に光る鮎二匹
32.色あせたジーンズ干して夏の色
33.五月雨やレシピ片手にストレッチ
34.芍薬を深く抱く師の薄き胸
35.青葉雨心あそばせ光りとなる
36.明るくて深いところへ新樹光
37.絵ろうそく揺らぐ炎に蓮の花
38.芍薬の白はもうすぐ誕生日
39.初夏の雨花の苗は青々と
40.竹林の手入れを終へて梅雨満月
41.短夜やこむらがへりに目覚めたり
42.短夜のワイン控えめパリの宿
43.入らざりし点滴液捨つ夏隣
44.昼顔は真昼の花よ夫眠る
45.衣更えて夫かろやかに旅立てり
※互選をはじめてください。好きな句を5句選び、そのうちの一句にコメントをお願いします。
雨。
梅雨降ってはがきを落とす水たまり 正子
●暦どおりの梅雨入り。午後句美子が来る。友宏さんから生八つ橋の土産をくれる。夕飯のおかずを持たせる。
●公文さんに信之先生が亡くなったことを知らせる葉書きを出す。公文さんは信之先生が最後に会った教え子。出しに行く途中、はがきを水たまりに落としてしまった。睡蓮のシルクスクリーン絵はがきは水たまりに浮いて、乾いて事なきに。
●信之先生追悼句会
6月月例ネット句会を信之先生の追悼句会にする。
追悼句は互選をしない。
供 故高橋信之先生
★螢火や悼みて想う師の栄光/桑本栄太郎
★先生の手料理句会窓は初夏/吉田晃
★夕焼の消ゆる速さや恩師の死/小口泰與
★追悼の雨天心へ四葩かな/弓削和人
★紫陽花に色なきを見る朝かな/友田修
★大阪城師を囲みいた夏の句座/祝恵子
★亡き師との思い出遠き富士の夏/多田有花
★葉桜や子たちを連れて長浜城/高橋秀之
★梅雨に入る深き祈りの一と日より/藤田洋子
★バースデイカード五月の空の師へ送り/柳原美知子
〈2007年水煙俳句フェスティバル〉
★天の青知る師と乾杯十一月/川名ますみ
★薫風にいつかかわした君の声/遠部光子
★芍薬の香る葬儀に空青し/西村友宏
★菖蒲湯に最後の思い出父の家/高橋句美子
★外に出たき思いもありぬ聖五月/高橋正子
曇り
●俳句四季8月号の原稿のために、会員の秀句を選ぶ。25句まで掲載可。一人一句では句数が足りない。一人2句では載りきらない。次のように塩梅する。
信之(2句)・正子(2句)・句美子・美知子・洋子・有花・恵子・ますみ
晃・敬二・秀之・栄太郎・泰與・修・友宏・洋一・和人(17名)
治代・裕子・光子・あさ子・淑・?(6名)
●元が来たので、仏壇店に一緒にいき、仏壇と位牌を頼んだ。位牌が四十九日の法要に間に合うか一番の心配だったが、ほっとした。真言宗なので大日如来を祀るとのことで、仏像ではなくスタンドに入れた絵にした。仏壇はクリエイトファニチャーの樺の木。小さいわりに奥行きを感じる。髙橋家の先祖の墓は徳島の眉山の麓の光泉寺にある。光泉寺は真言宗でも仁和寺を本山とする御室派という。そのうち、仁和寺のある京都遊山に。
●今鎌倉がよさそう。テレビで北鎌倉から鎌倉まで亀ヶ谷の切通を歩き、江ノ電に乗り、七里が浜、鵠沼までの旅が紹介されいた。
雨のち曇り
●遺族年金の申請書に添付する戸籍謄本が送られてきたので、年金事務所に予約を入れる。7月3日(月)13時から14時の予約がとれた。ずいぶんまたなければいけない。
●角川俳句に載せる新作7句。出来上がったと思ったが、やっぱり直さないといけない。そう簡単にはいかない。温める必要がある。
●原稿資料を集めるのに疲れて「アルビノーニのアダージョ」がYou tubeにあったので、聞く。マーラーの5番のアダージェットにどこか通じるような。
シューベルトのピアノソナタ20番を聞いていたら、いつのまにか21番に。21番のテーマは耳に残りやすい。
晴れ、午後3時ごろから雨。
●葬儀屋さんから電話。仏壇と位牌をお世話いただけるとのこと。
●美知子さんからご香料と手紙。手紙には1日の信之先生の葬に合わせて近くの思い出の地を巡ってくださったとのことなど。
●「角川俳句8月号」の原稿一通りできる。あまり、考えないで書いたので。これからは、この手でいこう。
●「俳句四季8月号」の原稿は私の全身近い写真を付けないといけないので、どうしたものか。
●町内の民生委員の方に電話。信之先生が亡くなったことを知らせる。そのとき、「環境が変わるから、気を付けて。」と言われる。人が亡くなるということは、「環境が変わる」ということなのだと気づかされる。
晴れ。
●気温が上がる。29度はありそう。明後日からまた大雨が降る予報。
●葬式の前の日に備えた花かごが枯れ始めた。暑さで花がもたなくなった。お供えを見ると、夏みかんにカビ。急いで下げた。油断ならない。線香の匂いはそう悪くはないのだが
●遺族年金を請求書に添付する書類をいろいろ揃える。複雑そうに見えた提出書類は、結局2件、それに添付書類を添えればいいとわかる。予約がとれれば、週明け年金事務所へいきたい。
部屋に染み付く感じでエアコンを頻繁に使う。匂いが残っているのは線香ではなく夏みかんのカビのせいとわかた。
曇り
公団の緑地に赤つめ草がよく咲いて
赤つめ草フランクフルトの芝に摘み 正子
姫沙羅の掃き寄せられし小さき円 正子
梅雨入りか夕べ真白き胡蝶蘭 正子
●お寺に四十九日の法要を頼む。四十九日は7月11日だが、法要は7月8日(土)に行う。お寺の都合で15時から。
●夕方からしっかり曇っていよいよ梅雨入りの気配。
●Dellになって高速でブラウジングできる。YouTubeで3人のピアニストのそれぞれの「皇帝」を聞いた。はじめに古典的な色の赤いドレスの女性ピアニスト。この女性の赤いドレスは「皇帝」を弾くのに実にふさわしい。ドレスに惹かれて聞き始めた。次にツィマーマン、次にマウリツィオ・ポリーニ。いつも思うのだが、皇帝を弾き終えたピアニストも、指揮者も、聴衆も最後は歓喜で、恍惚の境地とでも言えそうな世界が出現する。やり切った満足感に歓喜あふれる表情だ。これぞベートーベンなんだろう。先ごろ聞いた韓国の若手男性ピアニストの「皇帝」も圧巻だった。皇帝を聞いていて、時計を見ると朝の2時28分。時を忘れて聞いていた。
晴れ
ハルジオン茅花かがやく丘の畑 正子
夏霞富士のかたちを透かしける 正子
ほーほーと鳥鳴く丘の夏霞 正子
●5丁目の丘へ。多分3月以来。公園の紫陽花がいろどりどり。丘を一巡りして帰る。今日は暑い一日。
●DELLのほうにメール、自由な投句箱、月例ネット句会、正子の俳句日記を移す。パスワードは保存ノートを確認しながら入れる。
●遺族年金などの手続き書類が来る。ざっと読んだが、用語がまぎらわしいので、メモを取りながら明日本気で読むことにした。さっさと手続きしなければすぐ日が経つ。
晴れ。
●きのう植えたベゴニアとペチュニアが元気でしっかり根付きそうだ。
●葬儀屋さんから仏壇と位牌のパンフレットをもらっているので、これで決めようとしたが、サイズが雲をつかむようでよくわからない。思い立って午後も3時近くなって「仏壇のはせがわ」に行った。日吉駅から徒歩8分ほど。お店の人に話をしていると、「よくご存じで」と言われた。お寺の隣で育ったので、知っているというのなら、知っているのだろうが。
樺の木の仏壇が気に入ったので、仏具や位牌などお任せでセットしてもらった。いい具合になったので、見積もりを出してもらった。すぐ買う気になったので、子供たちに見積書と仏壇セットの写真をメールで送っておいた。四九日までには位牌と真言宗なので大日如来様は揃えなくてはいけないとのこと。
●自由な投句箱の投句の★印と秀句を選んだ。5月25日~6月4日分まで。
晴れ
●夕方、丸善へ。癌の夫の最期を在宅で看取った看護師で、夫の死後出家して尼僧となった人の『死にゆく人に寄りそって』と言う本が目に入って立ち読み。それほど厚い本ではないので終わりまで読んだ。ちょっと真に迫った。
死にゆく人にはすることもなくなるので、ただ一緒にいることしかできないので、それが大事だと言う。たしかに。「眠るように死ぬ」「やすらかに死ぬ」と言うことが、死の際のきわに医学的(科学的)にあるのだろうかと思わざるを得ない。
●俳句日記を読んでくださっている圭泉さんからお悔やみの電話。圭泉さんはどうされているかしら、ご主人はまだお元気かしらと、ときどき気になっていた。ご夫婦でお元気でおられてよかった。
俳句日記をどなたが読んでくださっているかわからないのだけれど、なにかの折に読者を名乗ってくれて、それは有り難いことながら冷や汗もの。文学をするものの端くれなら、鴎外の言うように腸をえぐり出して書かねばならないのだろうが、そのあたりは、おっかなびっくりのおよびごしになっている。