10月17日(火)

晴れ
●午前ハート内科へ。インフルエンザワクチンの予約。
●薬の待ち時間をくまざわ書店で過ごす。『ベルリンは晴れているか』(深緑野分/ちくま文庫)、『井筒俊彦/世界と対話する哲学』(小野純一/慶應義塾大学出版会 2023/9)の2冊を本屋で見つけた。大江健三郎は、井筒俊彦に傾倒して、井筒の著著はほとんどすべて読んだという。頷ける。
●晴美さんに鯛めしを持っていく。きのう鯛の切り身を買っていたので、病院から帰って、少し休んで、鯛めしを炊いた。米が新米ではないのが残念だが、味は合格。松山のやまだ屋まんじゅうをお茶うけにいただく。

10月15日(日)

雨。
●夜中から雨が本降りになったようだ。朝外に出ると、雨が降って肌寒い。重ね着は嫌いながらベストを着る。昼からは雨はあがる。
●秋は白いご飯が一番だが、二番は炊き込みご飯が美味しくなる。先週は鯛めしにしたが、今日は松茸ご飯。松茸といいながら、一番多いのは平茸。ほんとうは茸ご飯。

10月14日(土)

晴れのち曇り

●美知子さんから電話。合同句集の原稿をメールしたからと。曰く「毎月のように総合誌に花冠が取り上げられるねー。」正子曰く「安倍さんが亡くなって、日本の構造が壊れはじめたのかも。」総合俳誌にここ最近、毎月取り上げられ、ほかの俳句結社の関心も引いているようだけれど、著名俳人もいない、小さいグループの作用にしては大きすぎる。信之先生が亡くなったことと、創刊40周年が関係しているのかも、とか考える。もう一つ思い当たるが、まあ、と言うことで。いずれ世の中が判断するでしょう。

●「俳壇11月号」の「俳壇月評ー9月の作品」に花冠を取り上げてくれたので、小西さんに礼状と、句美子の句集『手袋の色』を送る。亞蘇さん、莎逍さんにも『手袋の色』を送る。

●合同句集の締め切りが明日。一日原稿と向き合うのに疲れる。
奥多摩にいってみようかと。明日から天気は下り坂。晴美さんに聞くと、鳩の巣がいいと言う。近所の民生員さんもそう言っていた。片道2時間30分ほどを電車に乗って往復するだけでもよいかも。

10月13日(金)

晴れ
蕪丸く白し幼き子にも似て  正子
利兵衛栗少し詰め売る直売所 正子
秋火影LEDの燭ながら    正子
●「俳壇」11月号が届く。俳壇合評「9月号の作品」に花冠が取り上げられた。採りあげられた雑誌は花冠以外では、「俳壇9月号」、「雫 夏号」、「韻 第四十三号」。評者は小西昭夫氏。
以下に転載
菖蒲湯の父を最後の思い出に  髙橋句美子
(「花冠」九月号「菖蒲湯の父」十二句より)
 この句には、「五月二十四日父逝去」の前書きがある。父とは愛媛大学名誉教授の髙橋信之氏。氏は愛媛大学俳句会を指導し「水煙(現花冠)」を創刊主宰した。旧制松山高等学校俳句会の伝統を継承し、現代仮名遣いで誰にもわかる俳句を目指した氏の俳句は、時に短詩や自由律俳句に近い表情を見せるが、俳句の力は多様性の中にあると考える私には、「平明で深い」俳句を追求した氏の実績はもっと高く評価されてよいと思うが、娘はこんなに美しい挽歌を書いた。
●13日の金曜日。不吉な予感。昨日、年金事務所に遺族年金の進捗状態を電話で聞いていたのだが、今朝一番に電話があった。来年2月になる場合も、と。申請したのは7月3日。

10月12日(木)

晴れ
●よい天気。この前の大風の日に、傘の骨が折れて使えなくなった。雨の降らないうちに、プレイヤーズで傘を新調。ブルーグリーンよりブルーに近い色にした。決め手は雨の日は暗いので、明るい色の方が目立ち、事故に遭いにくいこと。こう指南してくれたのは、店の人。
●きのう生協で届いた青蜜柑シトラス21。甘くなっている。この気候に、酸っぱさ加減がいい。これも生協の瀬戸田の瀬戸内レモンケーキ。ほんとにレモンがしっかり、種以外は入っている。半分でいいくらい。
●昼はかけ蕎麦にした。葱がなくて、三つ葉たっぷり。残っていた去年の蕎麦を茹でたので、新蕎麦で出る今、出汁つゆはばっちりながら、蕎麦の風味がぐっと落ちている。

10月11日(水)

晴れ
朝焼け丸き頭の鵙猛り鳴く   正子
金みずひき金が芝草抽きん出で 正子
秋水のしらやまぎくをくぐる音    正子
●合同句集の締め切りが迫る。50句に苦労された方が何人かいる。あとで気づいたが、50句は、20句、30句、100句、200句より厳しい句数だったかもしれない。仮に10年分としても年5句。20年の人なら3句以下。人生それほど、切り捨てられるものではない。
●早朝、5時前、東の月と星を目指して歩きはじめ、近所を一周して5丁目の丘へ。みなとみらいの空がばら色に朝焼けていた。今日は衣更え日和とのこと。シーツや布団カバーを洗う。

10月10日(火)

曇り、のち晴れ、曇り
●仕事を急ぐつもりだったが、相手がいる仕事のこと、こちらの都合ばかりで進めるわけにいかない。待つなら、その時間、自分のペースで動こう。朝、9時郵便局が開くとすぐ超過しているかもと、封書を計ってもらい投函、その足で四季の森公園へ出かけた。
●きのうの雨で、プロムナードは落葉が濡れてへばりついている。公園に入ると、なにもかも濡れ気味。、人出はどうなのかと見ると、翡翠を撮る人たちがずらりと並んでいる。高齢者たちもいる。はす池を少し進んで野の花がいろいろ咲いていので、急に昔の記憶がよみがえった。すっかり野の花を忘れていた。ツリフネソウで思い出したが、この花が咲いていたころ、信之先生と四季の森に来ていた。何度か来た。
利根薊、白曼殊沙華、筑波トリカブト、シラヤマギク、ヨメナ、ツリフネソウ、黄ツリフネソウ、みぞそば、みずひき、金みずひき、蔓豆、吾亦紅、コスモス、キバナコスモス、芒、葦の花、蓮は実を結んでいた。赤い曼殊沙華は枯れたのが数本。
鳥は、翡翠、鵙、鵯、四十雀の声が聞こえた。一番元気なのは鵙。
長くいるつもりはなかったので、1時間半ほどで公園を出た。帰りセンター北で下車して、ユザワヤへ寄り、毛糸を見た。メモしていった毛糸がなくて、残念だったが、似たような毛糸をさがすことに。12時半ごろ帰宅。

ご挨拶/10月月例ネット句会を終えて

 10月の月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。句会の日の10月8日はちょうど「寒露」にあたり、秋は来るのだろうかと心配した暑さも収まり、秋らしい冷涼な日でした。これから深まりゆく秋の風物がいろいろ楽しめることでしょう。

 花冠もお陰様で創刊40周年を迎えることができました。40年は長いという印象なのでしょう、いろんな方から、お祝いを言っていただきました。皆様には、40周年記念の合同句集の「50句」と「四十周年に寄せて」の短文をお願いしています。そのまとめでご苦労しておられることとは思いますが、10月句会に12名の方がご参加くださいまして、うれしいことです。選とコメントもありがとうございました。

 世の中、新聞テレビ、あるいはネットなどで、驚くような事件を報じていますが、こうした複雑な世の中を生きるには、感覚が大事だとしきりに言われております。自分の感覚を信じて、正しい方向へ歩むことは、五感を大事にする俳句を作っている限りは大丈夫なのではと思うこの頃です。

どの句にもコメントはつけてありますが、ご自由に追加のコメントをお書きください。よろしくお願いします。これで、
10月月例ネット句会を終わります。
10月10日
髙橋正子
 
 

■10月月例ネット句会入賞発表■

■10月月例ネット句会入賞発表■
2023年10月8日

【金賞】
26.苦瓜の最後の重さもいでおり/祝恵子
苦瓜は夏の間は、日よけのグリーンカーテンになったり、花が咲き実をつけると、料理されて食卓にのぼる。秋になるといよいよ最後の苦瓜を収穫するようになる。一つ一つもぎながら、その重さを手に感じる。秋もこれから本格的になる。季節へのやさしい思いが感じられる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
13.曼珠沙華美しきまま初月忌/多田有花
有花さんのお母さんは、天寿を全うされて亡くなられたと聞いた。亡くなられて初めての月命日、秋を彩る曼殊沙華もまだ美しく咲いている。一か月たってもまだ美しいままは、却って切ない思いにさせられる。(髙橋正子)

31.音高く潮の満ちくる虫の闇/柳原美知子
虫の闇が広がるなかへ、潮がざざー、ざざーと音高く満ちてくる。潮が満ちる音を聞くと、不思議なほど、潮は心に深く満ちてくるようにも感じられる。真っ暗い夜に虫の音が鋭くいhびいている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
15.よく晴れて風縦横にコスモスへ/多田有花
「よく晴れて」は、空気もさらりとして、気持ちを軽くしてくれる天気。風が縦横に吹いて、コスモスを揺らすが、縦横な風は自由。開放的で、軽く、自由な世界がいい。(髙橋正子)

17.風さらに軽くなり十月の蜻蛉/吉田晃
「風がさらに軽くなり」は、晴れの日が続いて、空気がより乾いてくること。朝寒の日もある十月。動きが鈍い蜻蛉もいる。風が軽くなって、蜻蛉を飛ばしている。(髙橋正子)

34.かりんの実見上げるたびに空の青/髙橋句美子
かりんの実は、初めは緑色だが、熟れてくると黄色い色が印象的になる。緑のときは、緑の葉のなかで、黄色く熟れれば、葉が落ちて、やけに黄色い実が目につく。そんなかりんを見上げるときは、いつも青い空が背景にある。空の青が目に残る。(髙橋正子)


【髙橋正子特選/7句】
29.名月や足取り軽くビルを抜け/西村友宏
大都会でビルの間に昇る名月は、山の上に昇ってくるものとは一味異なる趣があるものでしょう。名月だと思うと思わず足取りも軽くなり心うきうきとする、そういう気持ちが伝わってきます。 (多田有花)

31.音高く潮の満ちくる虫の闇/柳原美知子
虫の声と闇となる海から聞こえる潮の音。それらが混じりあっての海のそばならではの御句です。(多田有花)

13.曼珠沙華美しきまま初月忌/多田有花
15.よく晴れて風縦横にコスモスへ/多田有花
17.風さらに軽くなり十月の蜻蛉/吉田晃
26.苦瓜の最後の重さもいでおり/祝恵子
34.かりんの実見上げるたびに空の青/髙橋句美子

【髙橋句美子特選/7句】
13.曼珠沙華美しきまま初月忌/多田有花
身内や親しくしていた方がみまかわれ、その一月後が、初命日の忌日ですね。ひと月経った今でも彼岸花はまだ美しく咲いて居り、未だに信じられず受け入れられないでいる作者の心情が垣間見えます。 (桑本栄太郎)

16.秋の日をさらさら落ちる砂時計/吉田晃
いつのまにか季節が巡り秋になった日を砂時計と共に時間の経過を楽しんでいる様子を感じます。 (髙橋句美子)

26.苦瓜の最後の重さもいでおり/祝恵子
最後のひとつとなった苦瓜も見事に育ってくれた。名残り惜しさと感謝をこめて、ずっしりとした苦瓜をもぐひととき。丹精こめた菜園の作物を収穫し終える充実感と安堵感が思われ、ひとつの季節の終わりへの
愛惜が感じられます。(柳原美知子)

03.青空に透けて黄色や銀杏黄葉/桑本栄太郎

銀杏黄葉を一番美しいと感じるのは、青空にそびえているとき。「透けて黄色」に、銀杏黄葉の透明感のある黄色が表現されて、この色に感嘆するのだ。(髙橋正子)
33.田を発てる鳩きらきらと秋天へ/柳原美知子
田んぼで啄んでいた鳩の群れが、何かに驚いたのか、秋天へと飛び発った。秋天の光を浴びた鳩は、きらきらと輝いている。それほどに秋天の光は透明にがきらきらしているのだ。(髙橋正子)

15.よく晴れて風縦横にコスモスへ/多田有花
19.引き潮の返す木の実のまだし/髙橋正子

【入選/9句】
02.ぷちぷちと木の実踏みゆく足裏かな/桑本栄太郎
ぷちぷちという音、足の裏の木の実の感触を楽しんでおられるのがわかります。秋の楽しいひとこまです。こちらも楽しくなりますね。(多田有花)

14.熟れ初めし柿を包める空の青/多田有花
熟れはじめたばかりの柿が赤黄色にななり、秋空の青さがどこまでも広がっている景が目に浮かぶ。青色の背景に橙色の点が増えていきながら秋めいていく。(弓削和人)

28.名月を友と見上げる高架下/西村友宏
一年中でこの月が最も澄んで美しいとされる名月を仲の良い友と見上げる高架下の素晴らしいひと時です。(小口泰與)

30.朝寒に被る布団の柔らかき/西村友宏
理屈抜きに共感します。この季節、柔らかき布団で二度寝が幸せのひとときです。(高橋秀之)

32.名月へ湯の沸く音も湯けむりも/柳原美知子
名月の夜に入る温泉やお風呂はいやされるひとときですね。湯けむりと一緒に気持ちも軽くなるような心地よい空間を感じました。(西村友宏)

01.その中の一本黄色や曼珠沙華/桑本栄太郎

人の手によって白い曼殊沙華も植えられるが、曼殊沙華と言えば、赤い色。その中に一本、白でもなく、赤でもなく、黄色が一本ある。めずらしいが、そうだった。(髙橋正子)

05.秋天や雲脚とみに形を変え/小口泰與
「雲脚」は、垂れさがった雲。あるいは、雲の流れ。この句は垂れ下がったように見える雲だろう。秋の天気は変わりやすいというが、雲脚が急に形を変え
た。急に天気が変わりそうな予感がする。(髙橋正子)

09.爽やかに海から風が吹き抜ける/高橋秀之
海から吹いてきた風が爽やかなのは、海もいい天気ということだろう。海からふく秋風が颯爽としている。(髙橋正子)

11.新蕎麦の香り味はふそば湯かな/廣田洋一
新蕎麦には、蕎麦の香りがあり、味とともに香りも楽しめる。蕎麦を頼むと蕎麦をゆでた蕎麦湯も一緒に供されるが、ほっこりとした蕎麦湯のほうに、一層の香りがある。(髙橋正子)

22.新米を運ぶ軽トラ風新た/弓削和人
新米を運ぶ軽トラックが走っている。新米を軽トラックで運ぶ人の喜びを表すように、走っていく先々の秋風が新しくなっている。(髙橋正子)

■選者詠/髙橋正子
19.引き潮の返す木の実のまだ青し/髙橋正子
熟れて落ちたわけではなさそうな木の実。時々こういう木の実をみかけます。それが潮の間で揺り戻されています。木の実の青さを思いつつそれでもこれも間違いないひとつの秋の景色です。(多田有花)

20.飛び出でて露けきことよ草の虫
暑さが去り、この日を待っていたのだろう。まるで飛び出したように虫が集く。露に喉を潤しながら鳴き競う様を想像する。「露けきことよ」が、秋をいっそう強調していて、読み手はこの景色に引き込まれてゆく。(吉田晃)

21.彼岸花黒蝶来ては撮られけり
赤い彼岸花に黒揚羽が来て暫くとどまったのを見たことが有る。赤と黒の対比が美しいので、写真を撮った。こう言う景色を撮られけりと上手く詠んだ。 (廣田洋一)
黒蝶さんどこにも行かずとまっててと、離れていくまで撮っていることでしょう。 (祝恵子)

■選者詠/髙橋句美子
34.かりんの実見上げるたびに空の青
35.街中の彼岸花はひっそりと

彼岸花は畦道や川土手や野道のほとりに、急に燃え立つように花を咲かせる。また、街中の樹の根元や公園の片隅に数本あるのを見かける。街中の彼岸花は、ひっそりとして、陽にかがやくこともないさびしい彼岸花である。(髙橋正子)

36.茄子の花萎む夕日の差す中に
生き生きと咲いていた茄子の花も萎むときがきた。茄子の木に夕日が差して、そのことがよくわかるのだ。それにしても茄子に差す夕日がきれいだ。(髙橋正子)

■互選高点句
●最高点句(同点2句/5点)
26.苦瓜の最後の重さもいでおり/祝恵子
31.音高く潮の満ちくる虫の闇/柳原美知子

集計:髙橋正子
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