■4月月例ネット句会清記■

■4月月例ネット句会清記■
2024年4月14日
36句(12名)

01.あの辺り金蔵寺とや花の雲
02.はらり落つひとひら又も花の塵
03.散り敷きて尚も色濃く花の屑
04.山風にあらがう麦の青さかな
05.沼の面を袈裟切りに飛ぶ燕かな
06.揚がりきり点となりたる揚雲雀
07.日が注ぐ新芽は色が鮮やかに
08.参道の桜の影を踏みしめる
09.ふと見れば白夜の空に桜舞う
10.子雀の水浴びしたる潦

11.青空に紫映えるつつじかな」
12.公園のベンチの前や虞美人草
13.蝶にして花散る谷を飛ぶはやさ
14.花散るやしずかな息をはく地球
15.はちみつのような春の森時間
16.たがやせば目覚めて風に匂う土
17.枝垂れ咲く古刹桜の夕明かり
18.春水を吸ってあかるい芽の緑
19.藤蕾む枝垂れて咲くぞというかたち
20.枝垂れざくらピンクの下に集いおり

21.花吹雪く展示車両のひかり号
22.花終えて今いきいきと山の色
23.花の上連なる白亜の天守群
24.時おりは花びらに触れ歩きけり
25.花菜畑はろばろ夕日溶かしゆく
26.山頂まで桜透く日と鳥の声
27.山桜眼下に我が町光る海
28.列車来て桜若葉が揺れる朝
29.葉桜を横目に急ぐ朝出勤
30.花冷えやシネマ帰りの夜散歩

31.けさ二輪雲のいろしてさくら咲く
32.栗鼠の尾をなびかせており春北風
33.雪やなぎの光がビルの向こうから
34.青空にゆったり葉桜ゆれている
35.花吹雪どこへゆくのか空に消え
36.花祭り音楽聞こえた母の便り

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

4月14日(日)

晴れ
●4月月例ネット句会
桜の佳句が多く、句会が充実している印象。
投句
蝶にして花散る谷を飛ぶはやさ 正子
花散るやしずかに息を吐く地球 正子
はちみつのような春の森時間  正子
●句美子夕方6時ごろ来る。『泉』の選句がふたりともまだなので、急がせる。花冠夏号は、秀句を集めて季寄せのようにするのだというと、「企画力ある!」と。
俳句にコメントをつけているとそれにお礼を言われる。本当は、選にお礼を言ってほしいので、ちょっとおかしいことになっているのではないかと思いはじめた。そのことがあるので、夏号は、コメントなしの、季寄せ風にしたいと思っている。「俳句を読む」ことに重点を置きたい。コメントをつけると、俳句が少し良くなって思えるのかもしれないが、本末転倒なのでは、と。
●お寺から信之先生の一周忌が一か月前になったので、確認の電話があった。
●すっかり、暖かくなった。しばらく体調がなんとなく悪い感じだったが、コロナから完全に回復。コロナの型が変わって来て、肺炎にならなくなっていると聞く。熱、喉の痛み、咳はインフルエンザに近い。
●春キャベツが生協から一玉とどいているので、今日も半分を蒸しキャベツにして句美子に持たせる。蒸しキャベツのアイディア、薬膳料理のウィー・ウェン先生に教わる。

4月13日(土)

晴れ
老年はとろんと落ちる春夕日 正子
濃縮の森の春からドラミング 正子
はちみつのような春の森時間 正子
●自由な投句箱の秀句について、AIがコメントをするとどうなるか、確かめる。
毎日しなければいけないコメントに、私に替わってAIにコメントをしてもらいたい気もする。ある俳句について、これが「平均より上か、中ぐらいか、下か」と質問すると、上質だとか、中程度だと判定する。AIのコメントを読むと、こちらの頭が少々おかしくなりそうだ。AIのコメントは良くても悪くても、読まないのが良い。
●『はじめて学ぶ ドイツ文学史』(柴田翔編著)の中世のなかに、フォーゲルバイデのミンネザングについて抒情詩概説がある。中世にかぎり抒情詩はリューリックではなくミンネザングと呼ばれるとある。ミンネザングはみな一様と思っていたが、フォーゲルバイデは上流貴婦人へのナイト精神からの愛ではなく農民の娘の愛を自然の人間の姿としてうたい新しいのだと言う。しかし言葉はローマ帝国時代から悦楽境をうたう伝統的な言葉、菩提樹、草原、花、草、水辺、小夜鳴鳥を使っている、という。中世よりあとになるが、芭蕉は、和歌の雅な言葉ではなく俗の言葉を使ったこと「俗語をただす」に功績がある。このあたり、面白いと思う。
フォーゲルバイデ(鳥の餌場)の詩はこの文学史にも、『ドイツの詩を読む』にも「リンデの木の下(Under der Linde)/ 「菩提樹の下」(Under der linden)」が引用されているが、経歴については、文学史が詳しい。辺境の宮廷巡りの彼は晩年ヴュルツブルクに土地を与えられ、そこで死に、石棺が墓となっている、とある。私がヴュルツブルクの教会の庭で見たのは、フォーゲルバイデの詩碑と聞いたが、いったい何だったのだろうか。
●文学史の本を読んでいて、2003年発行なので、「インターネット革命」と言う言葉が出て来る。グーテンベルクが印刷機を発明して社会が変わった同じ変化が起きていると、当時情報学者がよく言った。が、この文学史を書いた著者は、技術で社会が変わったわけではないと言う。気になる話。

4月12日(金)

曇り
初つばめ川面近くを行きゆきて 正子
堰落ちる水を離れず春の鷺   正子
葉桜となりつつ花のまだ白し  正子
●『ドイツの詩を読む』は、ドイツ語の初学者用にドイツ詩の総体がわかるよう源流から現代までに編集されている。それでも主体は20世紀の詩。著者の野村修は1930年生まれで、二次大戦の終結時には高校生だった計算になる。この詩集を読むと、ユダヤ人の詩や死をテーマにした詩が多いと感じることから、強い反戦へのメッセージをこめた詩集と感じた。ドイツ文学を読むとユダヤが問題にならないことはない。
●句読点の無いパウル・ツェランの「死のフーガ」は、ナチスの強制収容所内の様子だという。この解説がなければ、そういうことだろうと思って読むのと、その場所だと示されて読むのでは理解が違ってくる。
この詩について著者は言う。
「当時のドイツ人がMozartを愛する人殺しだったとすれば、われわれもまた短歌・俳句を愛する人殺しだったのだから、この詩を「他人(ひと)ごと」として読み流すことは、われわれにはできない.」ちなみに、著者はこの本で、読点は使うが、句点ではなく、ピリオドを使っている。
●読む気で読み始めたのではなかったが、詩の紹介という以上に著者のメッセージを感じる詩集で現代の詩人がメインが置かれている。ブレヒト以降の現代詩人はほとんど知らない。フーヘル、ツェラン、フリート、バッハマン、エンツェンスベルガー、ビーアマン。ビーアマのン「励まし」は切実さがある。
●ぼんやりと雲に包まれた夕日が落ちてゆくのを見ながら西へ、鶴見川の支流の早淵川の土手を歩く。川を飛ぶ燕を一羽見た。ふいに草むらから飛び立って宙返り。川の面白さは矢作川や鶴見川のほうが面白い。歩いたのは、往復3.5km。

4月11日(木)

晴れのち曇り
森をでてすぐに田に鳴く初かわず 正子
うぐいすの声ふるわせば山桜   正子
橋よりは朴の若葉と尖る芽と   正子
●午後里山ガーデンへ。ガーデンフェスティバルの花壇を見てまわる。ビオラとチューリップがメイン。横浜で交配されたチューリップなどが植えられている。今年はの色合いは、地味な印象。花壇を一巡りして山道を下りて田んぼのほうへ。田んぼへ出るとすぐに初蛙の声。蛤のようなまるさで、クルックルッと鳴く。鶯の声、それから、大きな声でひーよひょろひょろと歌う鳥の声。啄木鳥のドラミングが聞こえるが姿は見れない。
●森の端の丘になった斜面の木の根元に小さいビニールシートを広げてお茶にした。『ドイツの詩を読む』をリュックに入れて来たので、取り出して読む。鶯や四十雀、それから歌うように鳴く鳥、啄木鳥のドラミングを聞きながらの読書。「詩型」についてのページはなんと難しい。集中して読めたので、6割ぐらいは飲み込めた感じだ。なんと複雑な。英詩の授業を思い出したが、女子学生ということだったのか、これほど複雑には習わなかった。
4時をすぎ、背中がぞっと冷えてきて、なんとなくあたりが暗い感じになったので帰ろうとすると、元の場所へ帰る門が2か所とも閉められている。フェスティバル期間中は4時閉門らしい。
もとへ帰れないので、すぐ向こうを車が走っているが、帰る道を探して歩いていると、鳥の話をしている男女にあった。ちょうどいいと思い、目の前で歌っている鳥の名前を尋ねると、「ガビチョウ」だという。中国からの外来種だとのこと。目の前に姿を見せてくれたが、男の人がカメラに撮ったカビチョウを見せてくれた。眼に白い隈取があり、茶色の鳥。鳥や植物に詳しい人らしく、この森のドラミングはアオゲラだという。女の人は画像を見せてもらっている間に居なくなっていた。四季の森公園の近くに自宅があるので、そちらへ行くのなら一緒に、と誘ってくれたので、後を付いて行くことにした。歩く道々いろんな情報をくれた。三崎の小網代を教えてくれた。三崎口から歩いても15分くらいらしい。小網代の写真も見せてくれた。
森で読書というのは捨てがたい。午後1時ごろ家を出てから夕方6時前の帰宅まで、私のアリバイはないと言えば、ない。この存在を知られない時間の読書。
●夜ユーチューブのオペラ対訳プロジェクトの『三文オペラ』を聞く、あるいは読む。

4月10日(水)

晴れ
●花を買ってきた。菊の花に、スターチスとカーネーションが入っていた。カーネーションは全く人工の花らしい。花粉が飛んでいるのか昨日から目がかゆい。
●英訳俳句の本を変形サイズにしたので、印刷が上手くいかない。B5サイズの横を24mm短くして、230mm×177,8mm。このサイズは変えたくない。
●『ドイツの詩を読む』(野村修著)にゲオルゲの詩「死んだといわれる苑にきて・・」があって、この詩には、ドイツ語では、普通大文字で書かれる名詞が小文字で書かれている。また、パウル・ツェランという詩人は「死のフーガ」で句読点をすべて省略している。それで意味が分かるので、問題なしと。また、詩では韻律を整えるために、アクセントを持たない語尾のeが省略されることがよくあるとか、また、語尾を変えてしまうとか。
イギリスやアメリカの詩人で、句読点の省略を実行した人を知らない。英語では文頭と固有名詞が大文字になるが、これも小文字にした人がいるのか、どうか。ドイツ語の名詞を小文字で書くことは英語俳句で文頭を大文字書かない場合もあることにも、なにかしら似ている。
●『ぼくのドイツ文学講義』も『ドイツの詩を読む』も、借りたくて借りた本ではなく、目当ての本がなかったので、借りたのだけなのに、思いがけず教わることがあった。2冊の本とも『ファウスト』の第二部について云々と書いてある。『ドイツ語の詩・・』の本には、辞書で調べなさい、と書いてあるので、ドイツ語の辞書を取り出す羽目になった。

4月9日(火)

雨、風強し
●朝起きると本ぶりの雨。春の嵐。昨日夕方の散歩の帰りに6時ごろだったか、ぽつぽつ雨が落ちてきた。寝る前に洗濯物をベランダに干したが、しっとり濡れている。脱水機にかけて、部屋に干した。
●Quillbot とCopilot を使っているが、Qillbot のgrammar checker はまだしも、Copilotは眉つばものの気がする。
昨夜は自分の英訳俳句50句をQuillbotで文法チェックをした。難しいのは句読点。Quillbotがフィットさせたとおりの句読点でプリントアウトして考えることにした。俳句の切字部分と、「文とは何か」が少々哲学的問題。英語俳句自体がまだ成長段階と言えなくもない。その点、自由度があるのかもしれない。
イラストは、小学生ときの俳句の13句だけに入れてはどうかと、思い着く。苦肉の策から思いついたことなどだが、イラストはすべてモノクロにし、余白をとって、少し思索的にするのが、いいのではと思う。
●『ドイツの詩を読む』(野村修著)を読み始める。ドイツ語の詩と日本語の訳詩が載っている。最初は、ゲーテの「望楼守リンコイスの歌」、二つ目「いちょうの葉」。注はドイツ語の詩についての注で丁寧で目からうろこの教えがあって、ありがたく思う。ドイツ語の詩と訳詩と並べあるので、意義が深いと思う。
「いちょう」は、ginkgo とドイツ語でも英語でも書かれるが、この詩では、「Gingo」。私は「gingo」といつからか、覚えていた。いちょうは東洋からのものらしい。以前フランクフルトの公園で、いちょうの葉をひろった。つい拾いたくなるのが紅葉やいちょうなのだが、一緒にいたワルツォクさんが、いちょうの葉をひろった私に、「ゲーテが・・」と言ったのを思い出した。この詩のことだったのだろうかと思う。

4月8日(月)花祭り

曇りのち晴れ
●夕方パンを買いに出ると、桜が散り始めていた。接骨木の花、海棠の花が咲く。欅が若葉になる。金蔵寺の裏山も新緑が目立ち始める。鶯が二羽、こちらと向こうで鳴く。縄張りがあるのだろう。歩いていて高田東の町に迷い込んでしまったが、階段を上るとすぐもとの道に出た。どこからかシャボン玉が飛んできた。
●英訳の俳句のイラストをつける。
●自由な投句箱は花冠の会員だけなので、当然現代仮名遣いの俳句が投句されてくるはずなのに、何年花冠の会員なのかと思うが、歴史的仮名遣いの句を平気で投句してくる。新しい人まで、急に歴史的仮名遣いになる。それで、注意を書き込む。
歴史的仮名遣いで俳句を作りたいなら、花冠ではなく、ほかにいくらでもある。句集を出すときはお好きにと言っている。

■4月月例ネット句会ご案内■

■4月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
4月8日(月)午前6時~4月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:4月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:4月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、4月15日(月)正午~4月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

4月7日(日)

曇り
柏餅みどりの柏がよく匂い     正子
お供にすがすがしくも柏餅     正子
太陽より花を剪りとるチューリップ 正子
●月遅れで飾っていたお雛様をしまう。しまおうと箱を持ち上げると重い。血の気が引きそうになった。雛人形と入れ替えに、五月人形の金太郎を飾る。部屋が一度に夏向きになった。金太郎の人形ケースのガラスが割れていたので、ケースは捨てる。初夏を思わせる雰囲気に、お供えに柏餅を買ってきた。柏の葉のいい匂いがする。
●夕方句美子が来たので、お供の残りの柏餅を二人で食べる。今年初めての柏餅。ちょうどいい甘さ。
●1周忌の法事の食事の相談する。町田の小田急のレストランにすることに、ほぼ決める。元に聞いてそれでよければ予約を入れてもらう。その前に法事の次第を具体的にお寺に聞かないといけないので、これは私の仕事。
●句美子に英訳俳句を見せると、年末には、あまり乗り気でなかったように思ったが、今回は違っていた。多分年末のときは、英語俳句は初めて読んだのかもしれない。本の大きさをゆったりしたサイズにし、イラストを入れたので、断然子どもの本らしくなった。職場のネイティヴなみに英語が話せる人に見せる、とまでいう。出版のきっかけと目的は伏せておくが、ただ出版すればいいという単純なことで目下一生懸命なのだ。。
●桜が散ったらすぐ葉桜、すぐ夏。この冬一人用の炬燵を買ったが、一番役にたって、よき相棒となっている。簡単に動かせるし、椅子に座って使えるので、気づくと炬燵に足を入れてしっかり眠っていることがある。夜は冷えるので、まだまだ一人用炬燵は必須。