★みずひきの朱が試験期の図書館に 正子
みずひき草は、俳句を作るようになって、自然に知った花だと思う。上のみずひきの句は、大学生のときの句だが、図書館にさりげなく活けてあった。大学構内のどこかにあるのを司書の方が摘んできたのかもしれない。砥部の家の庭にも植えたのか、自然に生えたのかわからない形で、初秋のころから赤い糸を引くように咲いた。みずひき草が咲くと、やはり活けたくなって、切り取って玄関に活けた。みずひき草は、「澄んだ空気」とよく似合う。だから、空気と似合うように活けて自己満足する。
みずひき草には赤だけでなく、白い「銀みずひき」というのもある。蕾のときは、白さがよくわからないが、先日は、買い物の途中で、あの細いみずひきが満開になっているのを見た。それだけで済ますにはもったいないので、家に帰りカメラを持って出掛けた。小さな泡の粒粒が空気に浮かんでいるように見えたが、これもきれいだ。(自句自解)
○今日の俳句
★水滴に秋の日かがやきミント摘む/高橋句美子
ミントの葉に如露の水か、水滴が付いて、それを静かな秋の日が輝かせている。そのきれいな水滴の付いたミントの葉を摘むゆっくりとそして爽やかな時間が若々しく詠まれている。(高橋正子)
○北溟社から俳句手帳に載せる句の依頼が昨日あった。10月10日締め切りで、10月下旬発行。なんと手際よい。去年皆さんに配ったら、好評で今年は15冊注文した。去年は自分用は無しだった。
<青という空に垂れたる榛の花 高橋正子>
秋明菊が咲き始めるころになった。イギリス旅行したときも9月の終わりだったが、この花がよく咲いていた。今年は鉢植えの秋明菊が蕾をたくさんつけて花を楽しみにしていたのに、根元から急に枯れてしまった。原因はよくわからない。(2015)
○台風のこと
10月6日、台風18号が浜松に上陸し、横浜のお寺が潰れる被害があった。台風はわが家のあたりをほんの30分ほどで通り抜けた。そのあと、ぴかぴかの天気となった。吹き返しの風も吹かない。
松山や福山で暮らしたときの台風は、横浜の台風とは全く違う。横浜に来るのは台風というより、暴風雨だ。横浜の台風は、予兆というものをほとんど感じさせない。もっぱら天気予報で台風の来襲を知っている現状だ。台風は、もっと季節感がある。台風が来る予兆というのがある。肌身で台風の近付くのを感じるのだ。蒸し暑く、風の吹き方も少しずつ変わってきて、雲も暗く大量に空を覆う。海の色もどす黒く、波がぴちゃぴちゃと異様な音を立てる。今、沖縄あたりにいる台風は、今夜来るか、夜明けかなど、来る時間を想定し、雨戸を閉め、鉢植えなども大きなものは、風の当たらない陰へ移す。停電に備えて、懐中電灯や蝋燭を準備する。窓を開けるとカーテンが大きく風で膨らむのを見ると、窓をぴったりと閉め、来るべき台風を神妙に迎えるのだ。そして、台風が過ぎたあとの吹き返しの風が収まるのを待つ。吹き返しの風の涼しいが、やはりまだまだ台風なのだ。台風の後は、庭の落ち葉掃いたり、壊れたところはないか見回りをする。雨がはね上げた泥を流したりもする。これでさわやかな秋空が広がれば、「台風一過」となる。
台風来つつある夜の卓の丸い梨 正子
○桜蓼(さくらたで)

[さくらたで/東京・向島百花園]
★食べてゐる牛の口より蓼の花/高野素十
★一枚の洗ひ障子や蓼の中/瀧春一
★寺門出てそこが畦道蓼の花/稲畑汀子
桜蓼(さくらたで、学名:Polygonum conspicuum)は、タデ科タデ属の多年草。
北海道~九州の水辺に生える。根茎は地中で長くのび、枝を分けてふえる。茎は直立し、高さは50~100cmになる。葉は披針形で長さ7~13cm、短い葉柄がある。両端はとがり、両面に短い毛がある。鞘状の托葉は短い筒形で、ふちに長く堅い毛がある。秋に、うすピンク色のきれいな小花が咲く。花序は1~3本に分枝し、花穂は細長く、やや密に花をつけ、上部は垂れ下がる。花被は深く5裂し、長さ5~6mmで淡紅色を帯びる。花は直径約8mm。花には長花柱花と短花柱花との2型がある。雄しべは通常8個、雌しべは1個で柱頭は3岐する。果実はそう果で、長さ3~3.5mmの3稜形、黒色で光沢がない。 花期は8~10月。
よく似た「白花桜蓼(しろばなさくらたで)」もある。花色が白く、花被が長さ3~4mmと小さい。蓼の花には、犬蓼・桜蓼・御蓼・岩蓼・穂蓼がある。
◇生活する花たち「いぬたで・金木犀・やぶまめの花」(四季の森公園)

★いっせいに月を待つべく曼珠沙華 正子
○今日の俳句
早朝の山懐の霧深し/井上治代
大洲盆地らしい私の好きな風景だ。早朝でなくても、松山から峠を越えるあたりから、道は流れるような霧に包まれることもあった。(高橋正子)
○藪豆(やぶまめ)
[やぶまめの花/横浜・四季の森公園]
★藪豆の花と実を見る快活に/高橋信之
★秋の茂りやぶまめの花絡みつき/高橋正子
ヤブマメは、マメ科ヤブマメ属のツル性一年生草本で、学名は、Amphicarpaea edgeworthii var japonica。北海道から九州、朝鮮から中国に見られ、林縁や草原などに生育する。夏から秋にかけて花を咲かせ、実をつけるが、地中にも閉鎖花を付ける。茎の一部から地中に枝が伸び、土の中で果実を稔らせる。この果実の中には種子は1つしかなく、地上部に形成される種子よりも大きい。地上部の種子は有性生殖であるので多様な性質を持っており、新たな場所へと散布されることを期待している。地下に形成した種子は、単為生殖であるので自らと同じ遺伝子を持っており、まずは来年への存続を確保するという戦略である。このような戦略は、来年もヤブマメが生育可能な立地条件であることがかなりの確度で予想される場合に成り立つ。ヤブマメの生育地は、そのような、来年も一年性のツル植物が生育可能な立地である。 茎は細く,下向きの細い毛がある。葉は3小葉に分かれた複葉で,基部に托葉がある。頂小葉は広卵形または卵形で,長さ3~6cm。2型花をつける。開花する花は8~10月に葉腋(ようえき)から出る短い総状花序に2~8個がつき,紫色の蝶形花で,長さ15~20mm。閉鎖花は花弁がなく,葉腋に1個だけつく。果実は多くは閉鎖花から熟し,地上と地中とにできる。
北海道では山菜として食され、栽培化も試みられた比較的身近な植物になっている。特にアイヌの人たち好まれ、味は”甘栗”のようで炊き込みご飯や煮物にした『アイヌ民族博物館だより』。栄養成分分析によるとカリウムが多く含まれ、ついでリン、マグネシウムほかとなっている『伝承有用植物』。アイヌの人たちがいつ頃から食用にしていたのか分からないが、万葉集(4252)では別れがたい防人の想いをノイバラに絡みつくマメの姿に重ねて歌っており、このマメはヤブマメとされ、昔からその存在は知られていたようだ。
◇生活する花たち「ノダケ・シロバナサクラタデ・ユウガギク」(東京白金台・国立自然教育園)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて 正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)
○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
げんのしょうこは、季語では夏。昨日10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。
★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて 正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)
○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
げんのしょうこは、季語では夏。昨日10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
[2016年10月4日]
昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。
★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★秋の潮満ち来る波の触れあいて 正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)
○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
げんのしょうこは、季語では夏。昨日10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。
★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★刈り進む稲田の真っ赤なコンバイン 正子
今、当に稲刈りの真っ最中です。黄金に熟れた豊かな稲田を真っ赤なコンバインが爽やかな音を響かせて刈り進んでいる。コンストラストが鮮明でコンバインの勢いと刈り進んでゆく人の収穫の歓びも合わせ見えて参ります。(佃 康水)
○今日の俳句
満月や瀬戸の潮騒高まりぬ/佃 康水
月に左右される潮の干満。満月が昇ると、おだやかな瀬戸もざわざわと潮騒が高まる。潮騒の高まりに、ますます輝く満月となって、臨場感のある句となった。(高橋正子)
○貴船菊
[貴船菊/横浜日吉本町] [貴船菊/イギリス・コッツウォルズ]
★観音の影のさまなる貴船菊/阿部みどり女
「秀明菊」という名前を俳句では使いにくい。「秀明」という漢字が俳句的ではない。ことに「秀」が。したがって「貴船菊」を使うことになる。菊とは言え菊とは別の仲間。一重のものは、花の形が大ぶりながら可愛い。愛媛の砥部に住んでいたころ、近所の上品な夫人の家に一もと白があった。あちこちでも見るが、たいてい数本である。去年9月にイギリスに旅行したとき、コッズウォルズ地方の家々に咲きみだれていた。コッズウォルズで貴船菊に遇うとは、と驚いたのだが、しばらく見ているうちにそれがいかにもこの地方らしいと、納得した。大かたは、ピンク系であと少し白があった。ライムストーンの石壁によく馴染んでいた。コッズウォルズでも貴船菊は生活する花たちである。暮らしにも、家のたたずまいにも密着している。イングリッシュガーデンが日本でも一部で流行だが、一番は色合いが絵画的で、ゆっくりとした透明な時間が流れている。
★小さき村貴舟菊をどの家も/高橋正子
秀明菊は貴船菊ともいう。俳句では貴船菊が多い。多く観られる京都洛北の貴船に由来する。ピンクの花弁は実は額片で中央の黄色は雄蕊、地下茎で増える。
シュウメイギク(秋明菊、学名:Anemone hupehensis var. japonica)とは、キンポウゲ科の植物の一種。別名、キブネギク(貴船菊)。名前にキクが付くが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間である。中国から古い時代に入ってきた帰化植物である。文献上では「花壇綱目」に「秋明菊」の名前で記載が成れていて、日本に定着していたことが窺える。中国では明代末の「本草綱目」には記載はなく「三才図会」に「秋牡丹」の名前で記載されるようになる。「秋牡丹」の呼称は貝原益軒も「大和本草」で使用している。以後日本の園芸書には「秋明菊」「秋牡丹」で紹介されることが多くなり、「しめ菊」「紫衣菊」「加賀菊」「越前菊」「貴船菊」「唐菊」「高麗菊」「秋芍薬」などの多様な別名で呼ばれることになった。花色は赤紫色であるが、近年、他種との交配品種が市販されるようになり、弁数が少ない品種や白色の品種が多く栽培されて名称の混乱が見られる。多年草で開花期は秋、高く伸びた花茎の上に大柄な花をつける。花は多数の赤紫色の花弁状の萼片が目立ち、本物の花弁はない。
◇生活する花たち「ノダケ・シロバナサクラタデ・ユウガギク」(東京白金台・国立自然教育園)

★藤袴スカイツリーのいや真直ぐ 正子
古来より親しまれた秋の七草と、時代の最先端のタワーとの対照的な存在感ながら、秋空のもと美しく爽やかな景観です。淡紫色の小花の藤袴と空へ真っ直ぐ伸びる巨大なスカイツリーが新鮮に目に映り、風景の広がりを感じさせてくれます。(藤田洋子)
○今日の俳句
幾重にも石積みの畑秋高し/藤田洋子
段々畑は、石を積み上げて猫の額ほどの畑を山頂へと幾段も作った。作物にやる水も下から桶で運びあげねばならず、日本の零細農業の象徴のような存在だが、その景観は美しい。秋空を背にして山頂までの石垣がまぶしい。(高橋正子)
○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園] [げんのしょうこ/東京・向島百花園]
★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之
★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)
ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。
生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)

★金水引つゆ草さくら蓼野が埋まり 正子
春のピークと同様、秋の季節のピークには野山には秋の草花で覆われます。まさに秋の園、草の花、秋の色ですね!!青空に映えて散策が一際楽しくなる気候となりました。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
四条大橋~高瀬川界隈
せせらぎの岸に茶店や水の秋/桑本栄太郎
せせらぎのほとりの茶店はいいものだ。ゆっくりとお茶を飲みながら水音を聞き、水を眺める。「水の秋」の爽やかさである。(高橋正子)
○昨日は中秋の名月。今夜は特大満月。スーパームーン。次回のスーパームーンは来年の11月27日だそうだ。14か月先。10日近く風邪をひいているが、咳がひどいが、インフルエンザかもしれない。今年は、インフルエンザで学級閉鎖もありと知る。(2015)
満月のひかり花色照らしだす 正子
満月の葛の花色照らしだす 〃
満月の色やわらかに昇り初め 〃
風邪熱の覚めて月のベランダに 〃
◇ロンドンシティ◇
[ロンドン・ハロッズの電飾] [睡蓮(ロンドン・キューガーデン)]
2011年
今日は、今回のイギリス旅行の最後の観光となる。明日、ロンドンヒースロー空港発の便で帰国の予定。
今日の予定は、ヒースローのホテル(ホリディインロンドンヒースロー M4 JCT 4)を午前8時15分に出発。午前がロンドン市内観光。午後は自由行動。
○ロンドン
ロンドンの観光名所はすでにたくさんの写真で日本でもみんなに知られている。国会議事堂の時計ビッグ・ベン、ロンドン塔、タワーブリッジ、ロンドン橋(なんの変哲もない橋)、ウェストミンスター寺院、セント・ポール大聖堂、バッキンガム宮殿をバスの窓から。バッキンガム宮殿は降りて写真を撮ったりした。それからテムズ川の水。昼食は、イギリスの代表的な料理フィッシュアンドチップスを食べたが、これはフリーメイソンの建物の近くにある。「フリーメイソン」と聞くと、不思議な気分になる。昼食後、ロンドン三越で40分ほど買い物。その後自由行動。キューガーデンに行くことにした。三越があるところは、ピカデリーサーカス。このピカデリサーカスから、地下鉄(チューブと愛称されるが)でキューガーデンまで行く。ロンドン市内から3、40分。ピカデリー線のハンマースミス駅まで行き、そこからリッチモンド行きに乗り換え、キューガーデン駅で降り、徒歩15分ほどで、キュウーガーデンに着く。駅からほぼ真直ぐな道だ。
二階バス次々来たり秋暑し
○キューガーデン
キューガーデンでは、時間があまりないので、まず温室を見学。温度は28度Cに設定され、水蒸気をふかしているところもある。アフリカ、オーストラリア、などと分けられそこの熱帯植物が沢山集められている。いちいち名前を確認して写真をとることもできないので、よいと思ったものを次々に映した。日本で観葉植物として売られているものも多く見かけた。日日草などはアフリカの花である。胡蝶蘭は見事。温室の地下は水生植物や海藻などもあり、魚もいる。これはさすがと驚いた。
温室の後は、オニバスを見ようとウォーターリリーハウスに入ったが、運よく、水連の見ごろで、色とりどりの花が咲いていた。黄色、ピンク、紫、白など。日本で見かけるのと違って、花が大きい。茎も水の上に出て、やがて倒れて花が水に浮くようだ。蓮の花があったが、これに注意書きがあり、これは睡蓮ではないのだと書かれてあった。
温室を見たあと、なんとか伯爵公園、とか薔薇園を見る。もっと奥へゆくと宮殿があるのだが、そこに行く時間はない。薄の類を集めたとろこがあり、チカラシバまであった。歩けば、野菊、ほととぎす、日本の楓もある。ガチョウだろうか芝生に飼われて糞に気をつけながら歩いた。芝生には、マーガレットより小さい野菊ほどの白い花が芝に埋もれるように、日本でいえば、蒲公英のように咲いている。見学のあとショップでこの花を周りにあしらった写真立てを句美子が買った。三越集合が5時45分なので、四時半過ぎにキューガーデンを後にした。キューガーデンの駅にも咲きほどの白い小花のイラストが描かれてかわいいえきであった。苗や球根を売っている店も駅前にはいろいろあった。
睡蓮の花いろいろに水を出る
夕食は、三越近くの中華料理。夕食後、ヒースローのホテルへ向かうが、ハロッズがデパートの建物を小さな電飾で飾っていた。添乗員さんも初めて見たとのことである。ハロッズはロンドンシティのはずれにある。シティを出れば一路ヒースローのホテルへと走った。夜は帰宅の準備となって、カッスル・クームで拾った栃の実を残念ながらゴミ箱へ捨てた。
栃の実を捨てて旅の終わりなり
◇生活する花たち「茶の花・犬蓼・吾亦紅」(横浜下田町・松の川緑道)
