11月22日(火)

★水鳥を見ていて一つが潜りけり  正子
水鳥の様子を飽きることなくみていると、その中の一羽が水の中に潜り、また、水の上に出てきてゆったりと泳いでいます。静かで幸せな時間が過ぎていく様子が伝わってきます。(井上治代)

○今日の俳句
背丈ほどの鍬振り上げて冬耕す/井上治代
鍬を使うは、大変な力仕事である。自分の背丈と同じほどの鍬を振上げ、よろめかぬように、力一杯振り下ろす。冬耕の土に向けた力が快い。(高橋正子)

○茶の実

[茶の実/川崎市宮前区野川・影向寺]  [茶の花/川崎市宮前区野川・影向寺]

★茶の花や白にも黄にもおぼつかな 蕪村
★茶の花に隠れんぼする雀かな 一茶
★茶の花や利休の像を床の上 子規
★茶の花や洛陽見ゆる寺の門 碧梧桐
★茶の花に暖き日のしまひかな 虚子
★散るは柿の葉咲くは茶の花ざかり 山頭火
★古茶の木ちるさかりとてあらざりき 蛇笏
★茶の花に富士かくれなき端山かな 秋櫻子

 茶の花は9月から11月にかけて咲きます。昆虫などによって花粉受粉し、ほぼ1年後の秋に種子が熟し、地面に落ちます。1つの実の中に1粒から5粒くらいの種子が入っています。翌年の春に発芽しますが、種子が乾きすぎると発芽しにくくなります。種子が落下した後、すぐに取り、直まきにするのが簡単です(秋まき)。なお、現在では茶の繁殖は、ほとんどが挿木によって行われています。
 昔は茶の種子から油を採り、食用や洗髪に利用していた地域がありました。また、家紋としてデザインされ、40種類以上の茶の実紋が生み出されるなど、茶の実は、日本人の生活と密接に関わってきました。(埼玉県ホームページ/農林総合研究センター茶業研究所)

 チャノキ(茶の木、学名:Camellia sinensis)は、ツバキ科ツバキ属で、中国や日本で栽培される1m前後の常緑樹である。チャの木、あるいは茶樹とも記される。単にチャ(茶)と呼ぶこともある。原産地は中国南部とされているが確かなことはわかっていない。
中国や日本で栽培される1m前後の常緑低木(学名 : Camellia sinensis)。
 幹はその株からもよく分枝して、枝が混み合うが、古くなるとさらにその基部からも芽を出す。葉は枝に互生する。長楕円状被針形、先端は鈍いかわずかに尖り、縁には細かくて背の低い鋸歯が並ぶ。表面は独特で、葉脈に沿ってくぼむ一方、その間の面は上面に丸く盛り上がり、全体にはっきり波打つ。花は10-11月頃に咲く。花は枝の途中の葉柄基部から1つずつつき、短い柄でぶら下がるように下を向く。花冠は白く、径2-2.5cm、ツバキの花に似るが、花弁が抱え込むように丸っこく開く。
 果実は花と同じくらいの大きさにふくらむ。普通は2-3室を含み、それぞれに1個ずつの種子を含む。果実の形はこれらの種子の数だけ外側にふくらみを持っている。日本の地図記号で茶畑を表す記号はこの果実を図案化したものである

◇生活する花たち「秋ばら・山茶花・楓紅葉」(東京調布・神代植物園)

11月21日(月)

   琵琶湖
★平らかな湖水に向きて冬はじめ  正子
「平らかな湖水」に日本で最大の面積と貯水量を持つという琵琶湖のイメージがすっと入って参ります。琵琶湖一杯に水を湛え何処までも澄み渡る湖面に向けば、遠山の色、湖に浮く鴨の光景も視野に入り、新鮮な冬の始めを感じられる大きな情景が見えて参ります。(佃 康水)

○今日の俳句
牡蠣揚がる瀬戸の潮を零しつつ/佃 康水
広島は、牡蠣の産地として知られていますが、牡蠣の水揚げを間近に見て詠んだ句があります。潮を零しながら、しかも瀬戸の、と具体的な詠みに情景がくっきりと浮かび上がっています。(高橋正子)

●今日、読売新聞本社社会部の稲村記者の取材が自宅あった。漱石忌ネット句会についてで、信之先生と私は事務方として取材を受けた。ここ数日、記者の取材のために資料整理し、その資料をA4に200枚程度印刷した。直接役立ったのは、インターネット俳句コンテスト実施記録1枚と、第3回漱石忌ネット句会ご案内の1枚だけだった。
「草枕」も青空文庫から印刷して2回読んでおいた。おかげで、結構細かいところまで覚えた。思ったのだが、A4用紙に印刷することで、字が大きくなって老眼、乱視、近視を併せ持つ目には非常に読みやすかった。これからは、青空文庫を印刷して読むのもよいだろう、と思った。本をめくるより楽だ。

○地縛 (じ縛り)

[地縛/横浜日吉本町]

◇生活する花たち「皇帝ダリア・柚子・檸檬(れもん」(川崎市高津区子母口)

第3回漱石忌(没後100年)ネット句会のご案内


下記アドレスブログで開催します。
http://blog.goo.ne.jp/siki2013n

◆第3回漱石忌ネット句会のご案内/12月1~10日開催◆

?「漱石忌」(没後100年)および「インターネット俳句センター開設20周年を記念して」?

主催:インターネット俳句コンテスト実行委員会

共催:俳句大学

協賛::夏目漱石記念年実行委員会

選者:高橋信之(愛媛大学名誉教授/花冠名誉主宰)・木暮陶句郎(「ひろそ火」主宰)・五島高資(俳句大学副学長/インターネット俳句協会理事長/俳句スクエア代表)・高橋正子(花冠主宰)・髙橋句美子(花冠編集長)・松野苑子(「街」同人/第62回角川俳句賞受賞)・仲寒?(「里」同人/芸術選奨新人賞受賞)・永田満徳(俳句大学学長/「火神」編集長 /俳人協会熊本県支部事務局長)

実行委員会委員長:永田満徳

▼投句
①投句:「漱石忌」の句3句を下記の<コメント欄>にお書き込みください。
②投句期間:2016年12月1日(木)午前0時~12月9日(金)午後5時
④選句期間:12月10日(土)午前9時~午後6時
⑤入賞発表:12月10日午後10時
⑥伝言・お礼等の投稿は、12月10日午後10時~12月11日午後10時

▼互選
①清記:投句一覧表がブログに載ります。
②清記(投句一覧表)の中から3句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、12月10日(土)午前9時から始め、12月10日( 土)午後6時までに済ませてください。
③選句の投稿は、ブログのコメント欄にご投稿ください。
※選者も上述と同様に選をお願いします。選者の選は、選者特選として表彰されます。

▼入賞・伝言
②入賞発表: 12月10日(土)午後10時
③伝言・お礼等の投稿は、12月10日(土)午後10時~12月11日午後10時

11月20日(日)

★水鳥を見ていて一つが潜りけり  正子
鴨、雁、鳰、鴛などの水に浮かぶ鳥を水鳥と呼び、秋に渡ってきて春去るものが多く、川や湖、沼などに多く見かけます。その水鳥が一羽餌を求めてでしょうか、水に潜ったのを見つめる作者。何をとりに行ったのでしょうか。想像が楽しく膨らみます。(小口泰與)

○今日の俳句
朝霜や朝の挨拶短けれ/小口泰與
朝霜が降りるようになると、人は口をつむりがちになる。朝の挨拶も、寒さの中では、つい短く。しかし、その短い挨拶があたたかい。(高橋正子)

○百日紅の実/横浜日吉本町

[百日紅の実(2013年11月18日)]      [百日紅の花(2011年8月18日)]

 サルスベリ(百日紅=ヒャクジツコウ、Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科の落葉中高木。葉は通常2対互生(コクサギ型葉序)、対生になることもある。花は紅の濃淡色または白色で、円錐花序になり、がくは筒状で6裂、花弁は6枚で縮れている。8月頃咲く。
 本年枝の先に円錐花序を付ける。花弁はほぼ円形だが、不規則に縮れ、基部に長い柄のようなもの(爪)がある。独特の花冠になる。雄しべは多数あるが、特に6本長いものがある。1つの花は1日花(実際には数日)だが、次々に花が開くため、長い間咲いているように見える。実は球形の果。熟すと6裂し、翼のある種子が出てくる。
 さるすべりには、白、赤、ピンクの花がある。赤とピンクの色は、微妙に違った花が見られる。夏の間、夾竹桃と並んで咲き継ぐのが「さるすべり」。幹がつるつるして木登り上手な猿が滑り落ちるから、こんな名がついたのか。四国松山に住んでいた頃、わが家の庭の真ん中にあったのが、薄紫に近いピンク。風が吹けばフリルのような花がこぼれる。真っ青な空も、炎昼の煙るような空にも似合う。さるすべりには、古木も多く、日吉の金蔵寺には、幹の半分以上がなくなっているが、残った幹がよく水を通わせるのか花を相次いで咲かせている。県の名木に指定されている。

◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)

インターネット俳句コンテスト実施記録② 開催年度・選者


インターネット俳句コンテスト実施記録

※「インターネット俳句センター」(俳句雑誌花冠ホームページ)
開設1996年11月27日
審査員
第1回1997年(H9)秋 高橋信之
第2回1998年(H10)冬 高橋信之
第3回1998年(H10)春 高橋信之 秋尾 敏
第4回1998年(H10)夏 高橋信之 渡辺芳紀
第5回1998年(H10)秋 高橋信之
第6回1999年(H11)冬 高橋信之
第7回1999年(H11)春 高橋信之
第8回1999年(H11)夏 高橋信之
第9回2000年(H12)春  高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀

第10回2000年(H12)秋 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀
第11回2001年(H13)秋 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀 柳田征司
第12回2002年(H14)秋 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀 柳田征司 五島高資 高橋正子
第13回2003年(H15)秋 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀 柳田征司 五島高資 高橋正子
第14回2004年(H16)春 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀 柳田征司 五島高資 高橋正子 秋尾敏
第15回2004年(H16)秋 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀 柳田征司 五島高資 高橋正子 秋尾敏
第16回2005年(H17)夏 高橋信之 信岡資生 渡辺芳紀 柳田征司 五島高資 高橋正子 秋尾敏
橋本 直 林 桂 脇坂公司
第17回2008年(H20)夏 高橋信之
第18回2009年(H21)10月20日 高橋信之 信岡資生 高橋正子 五島高資 秋尾敏 林桂 林誠司
鴇田智哉 木暮陶句郎 仲田和弘 (一般の部)
小西宏 髙橋句美子 林 桂 仲田和弘 (こどもの部)
高橋信之 川瀬晶子 原田否可立 髙橋宏臣 村上伸生 (川柳・新俳句の部)

第19回2010年(H22)10月20日 高橋信之 高橋正子 木暮陶句郎 豊里友行 五島高資 秋尾敏 林桂
林誠司 鴇田智哉 (一般の部)
高橋信之 小西宏 髙橋句美子 林 桂 (こどもの部)
高橋信之 高橋正子 川瀬晶子 原田否可立 鳥海ゆい (川柳・新俳句の部)

第20回2016年(H28)12月9日 高橋信之 高橋正子 高橋句美子 以下交渉中 五島高資 木暮陶句郎 林誠司 松野苑子

インターネット俳句コンテスト実施記録③主催一覧


主催

第1回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第2回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第3回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第4回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第5回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第6回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第7回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第8回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第9回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第10回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第11回インターネット俳句コンテスト実行委員会
第12回愛媛県久万町教育委員会主催 インターネット俳句センター 共催
第13回愛媛県久万町教育委員会主催 インターネット俳句センター 共催
第14回愛媛県久万町教育委員会主催 インターネット俳句センター 共催
第15回愛媛県久万町教育委員会 NPO法人水煙ネット
第16回愛媛県久万町教育委員会 NPO法人水煙ネット
第17回愛媛県久万高原町教育委員会 NPO法人水煙ネット
第18回インターネット俳句コンテスト実行委員会
インターネット俳句協会 全国こども俳句協会 インターネット俳句コンテスト実行委員会

第19回インターネット俳句協会 全国こども俳句協会 インターネット俳句コンテスト実行委員会

第20回インターネット俳句コンテスト実行委員会

インターネット俳句コンテスト実施記録④参考資料・選者詳細


参考資料
①第9回2000年春
花冠200号記念 深川芭蕉庵にて、授賞式 4月29日

②第18回2009年10月20日 開催挨拶
今回、第18回のインターネット俳句コンテストを開催できますことを幸いと思います。
第1回の開催から今回まで実行委員長を務めてまいりましたが、12年を経て、インター
ネットも当時と比べものにならないほど、社会に広く浸透したと感じております。特にビ
ジネスではなくてはならないものとなっております。文化の面では、17音からなる俳句
は、ネットの特性を生かして、ネット上で多くの方に楽しんでいただけるようになってい
ます。伝統文化である俳句の継承とその質の向上とを目指し、グローバル化の世界にも通
用する詩であることを願って、インターネット俳句コンテストから新しい俳句が生まれる
ことに期待を寄せています。多くのみなさま、自由でたのしい俳句をお待ちしています。
(インターネット俳句コンテスト実行委員会委員長 高橋正子)

③第20回2016年12月9日
(第3回漱石忌・インターネット俳句センター開設20周年記念)

④審査員詳細
高橋信之 全国こども俳句協会会長 愛媛大学名誉教授
信岡資生 成城大学名誉教授
渡辺芳紀 中央大学教授
柳田征司 前奈良女子大学教授 奈良大学教授
仲田和弘 北海道大学名誉教授
林 誠司 月刊俳句界編集長
秋尾 敏 軸主宰
林桂 鬣の会代表
五島高資 俳句スクエア代表  インターネット俳句協会理事長
木暮陶句郎 ひろそ火主宰
橋本 直 神奈川大学非常勤講師 
鴇田智哉 雲編集長
豊里友行 月と太陽代表
小西宏 全国こども俳句協会会長代行
脇坂公司 元花冠編集長
髙橋句美子 花冠編集長 慶大俳句出身
川瀬晶子 現代川柳かもめ舎主宰
鳥海ゆい 現代川柳かもめ舎同人
原田否可立 せんりゅうグループGOKEN代表
髙橋宏臣 川柳塔同人
村上伸生 詩人
高橋正子 花冠主宰 インターネット俳句コンテスト協会理事長

11月19日(土)

★咳こぼし青年ふたり歩み去る  正子
すれ違ったのでしょうか。青年が二人咳を残して去っていく姿に、風邪が流行り出したこの寒さと、何だか優しさを思います。(祝恵子)

○今日の俳句
初採りの冬菜根を持ち土落とす/祝 恵子
秋に蒔いた菜が寒さの中にようやく育った。引き抜いた菜の根を持ち土をほろほろ落とす。寒そうな土と丈夫な根に冬菜の元気が見える。

○枸杞(くこ)

[枸杞の実/横浜市都筑区東山田]       [枸杞の花/横浜市都筑区東山田]

 クコ(枸杞、学名:Lycium chinense)は、中国原産のナス科の落葉低木。食用や薬用に利用される。日本や朝鮮半島、台湾、北アメリカなどにも移入され、分布を広げている外来種でもある。枝は長さ1m以上、太さは数mm-1cmほどで、細くしなやかである。地上部は束状で、上向きに多くの枝が伸びる。枝には2-5cm程度の葉と1-2cm程度の棘が互生するが、枝分かれは少ない。垂直方向以外に地上にも匍匐茎を伸ばし、同様の株を次々と作って繁茂する。海岸、河原、田畑の畦、空き地の周囲など、人の手が加わりやすく、高木が生えきれない環境によく生える。ある程度湿り気のある水辺の砂地を好む。
 性質は丈夫であり、しばしばハムシの一種トホシクビボソハムシ(Lema decempunctata)の成虫や幼虫が葉を強く食害したり、何種類かのフシダニが寄生して虫?だらけになったりするが、それでもよく耐えて成長し、乾燥にも比較的強い。一旦定着すると匍匐茎を伸ばして増え続け、数年後にはまとまった群落となることが多い。開花期は夏-初秋で、直径1cmほどの小さな薄紫色の花が咲く。果実は長径1-1.5cmほどの楕円形で、赤く熟す。
 果実は酒に漬けこんでクコ酒にする他、生食やドライフルーツでも利用される。薬膳として粥の具にもされる。また、柔らかい若葉も食用にされる。クコの果実、根皮、葉は、それぞれ枸杞子(くこし)、地骨皮(じこっぴ)、枸杞葉(くこよう)という生薬である。ナガバクコ(学名: Lycium barbarum)も同様に生薬にされる。月経促進や人工中絶薬の作用をする成分(ベタイン)が含有されているため、「妊婦あるいは授乳中の摂取は避けたほうがよい」[1]との情報がある。 ワルファリンとの相互作用が報告されている[2]。食品素材として利用する場合のヒトでの安全性・有効性については、信頼できるデータが見当たらない。

◇生活する花たち「皇帝ダリア・柚子・檸檬(れもん」(川崎市高津区子母口)

11月18日(金)

★落葉ふる空の青さのどこまでも  正子
落葉がことごとく散るこの季節は、空の青さも果てしなく広やかで、ぬけるような大空が思われます。(小川和子)

○今日の俳句
小春日の芝生へ児ら吹くシャボン玉/小川和子
芝生で遊ぶ児がしきりにシャボン玉を吹いている。小春日のうららかさが、シャボン玉を吹く児を通してよく詠まれている。(高橋正子)

○レモン

[レモン/川崎市高津区子母口]

 レモン(檸檬、英語: lemon、学名: Citrus limon)は、ミカン科ミカン属の常緑低木、またはその果実のこと。柑橘類のひとつである。レモンの近縁種の一つ、シトロンの別名がクエン(枸櫞)で、クエン酸の名はこれに由来する。
 原産地はインド北部(ヒマラヤ)。樹高は3mほどになる。枝には棘がある。葉には厚みがあり菱形、もしくは楕円形で縁は鋸歯状。紫色の蕾を付け、白ないしピンクで強い香りのする5花弁の花を咲かせる。果実は紡錘形(ラグビーボール形)で、先端に乳頭と呼ばれる突起がある。最初は緑色をしているが、熟すと黄色になり、ライムにもよく似ている。ただし、レモンと名は付いていても他の柑橘類と交雑した品種(マイヤーレモンやサイパンレモンなど)では栽培環境で果実の形が変わり易く球形に近いものや、熟すとオレンジ色になるものもある。
 レモンを題材とした作品:梶井基次郎 『檸檬』、主人公が檸檬を爆弾にみたて、丸善を爆破する幻想に駆られる物語。さだまさし 『檸檬』、梶井の小説をヒントにしつつ、舞台を御茶ノ水に置換え、青春時代の恋愛の無常さを描いた楽曲。ヨハン・シュトラウス2世 『レモンの花咲くところ』 (シトロンと訳す場合もあり)。高村光太郎 『レモン哀歌』、妻智恵子との死別を書いた詩。

◇生活する花たち「鶏頭・皇帝ダリア・鈴懸黄葉」(横浜市港北区高田町・早淵川土手)