ご挨拶/7月月例ネット句会を終えて

ご挨拶
7月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆様おめでとうございます。近年の天候不順で、これまで思い描いていた季節とは少し違うと感じることもあります。けれど、青田の眺めや風の流れ、夏越の祭、店に鮎が並んだり、一畝ごとの夏野菜の色が違ったり、翡翠がいたり、夏潮を走る船を見たり、など、確かな季節が俳句に詠まれて、季節の確かさを実感できた句会でした。
また、選とコメントをありがとうございました。今月は選者の私が、句会の途中体調をくずしまして、皆様にはご心配をおかけしました。年齢のせいかと思いますが、いつもより回復がおそいのですが、良くなっていますので、ご安心ください。これで7月月例ネット句会を終わります。暑さの折、みさなまお体大切に、ご健吟ください。
7月19日
髙橋正子

7月19日(土)

快晴
●関東地方にきのう、梅雨明け宣言がでた。今朝5時半ごろ窓を開けると、快晴の青空。きのうは陽が落ちて、萎れていた朝顔や百日草に水をやったので、今朝は青々としている。枯らさないですんだ。朝顔に1センチほどの蕾が付いている。
●レターパックで送った人には花冠が届いている。「俳壇」8月号の注文がぼつぼつ入る。後でまとめて本阿弥書店に発注。今月は花冠の希望が多く、いつもより10冊多く発注したが、いまぎりぎり。増刷を考えないといけないかも。
●この夏は、「休養」をとることにした。本は『マルテの手記』1冊のみ。『マルテの手記』の断章ごとに読み終わったら数字を頭に書き入れている。①とか、②とか。これは、いい効果がある。⑦は「詩は経験」と書いてあるとかが、すぐ思い出せる。数字に意味を見出すのは苦手なはずだが、『マルテ』の場合はうまくいっている。数字と中身がかなり付合している。

7月18日(金)

晴れ
藍ふかき竜胆一枝砥部焼に    正子
竜胆を活ける砥部焼露をふき   正子
水やれば朝顔葉むらを濃くしたり 正子
 
●朝9時、郵便局から花冠7月号(No.373)を発送。祝日連休があるので、22日(火)以降に配達される。昨夜、ポストにレターパック5個投函とあわせ51人に発送した。
 
●花冠を送ってハート内科へ行こうとバス停で待っていた。バスが5分ほど遅れている。疲れた感じがしたので少し腰を下ろした。立ち上がったとたん、めまいがして倒れてしまった。傍にいた人が救急車を呼ぼうかと言うが、断った。意識があるので、バッグの水筒の氷水を飲み、家へ歩いて引き返した。電話で病院の予約をキャンセル。具合が悪いので、皮肉にも病院をキャンセル。
 
●よく休まなければと思い、1996年、サイトウ・キネン・フェスティバルの小澤征爾指揮の「ザ・グレート」をYou Tube で今日も繰り返し聞いた。この録音が一番好きなのだ。立体的と思える音の深みと鋭りが私に心地よく響く。あとで、ルプでシューベルトのピアノソナタを聞いた。自然に耳に音がとけて入る。音楽家ではないので、ただ楽しんでいるだけで、これ以上音楽に対して私がすることは何もない。

7月17日(木)

曇り
 
●夕方、花冠7月号(No.373)が届く。夕食後、封筒に入れて発送準備完了。一部レターバックで送るものは今夜駅前のポストに入れた。明日南日吉郵便局から送る予定。荷造りして、玄関にスタンバイ。郵便局が開いたらすぐ送り、その後、ハート内科の定期受診に出かける。
 
7月号は92ページになったので、いつもの封筒にぎりぎり入った。総重量も重くなった。キャリーに載せて運ばないといけない感じだ。表紙は銀ねずにしたので、ちょっと学術雑誌ぽいし、男性好みのものになった。紙の色見本がないので、一か八か、賭けである。しっぱいかもしれないし、成功かも知れない。受け取った人の受け止め方次第。
 
●明日発信するネット短信の原稿をかく。今回は重要伝達事項あり。
 
●夕方病気後はじめて買い物に八百屋へ行ったが、まだ本調子ではない。用心に越したことはない。ついでにリンドウを買い供えた。

7月16日(水)

曇り
●朝、暗いうちに目が覚め、吐き気もそれほどでなくなっていたので、入賞発表の原稿を書きすぐ発表した。コメントは後回しにしようと思ったが、おなじこと、一気にすれば済むと少しがんばる。
 
●印刷所から花冠7月号が印刷でき発送したと、メールが入る。明日18時以降に届く。発行予定日を20日にしていたが、出来れば早くとメモをいれていたので、3日早くしてくれた。発送の封筒などの準備はできている。
 
●夕方、少し元気になり、疲労感もかなり抜けてきたので、おにぎり一個とみそ汁を夕食にした。久しぶりの米粒。夜10時半ごろ、「自由な投句箱」の選とコメントを書いた。7日分溜まっていた。気分がよくなって、小澤征爾の「グレート」を聞いた。この演奏はいい。

7月15日(火)

●句会の入賞発表の延期を皆に知らせたので、一安心して、一日休む。相変わらず、吐き気と胃から胸まで痛む。水は少し飲めるようになった。ビスケットを追加。倦怠感というか、疲労感が強い。それでも夕方には、椅子にかけてすごせるようになった。花冠のみなさんが、お見舞いの言葉をネット句会のブログに書いてくれているのが読めた。
 
●町内会のブロック長さんから電話。後期高齢者調査票を配ったが、あなたの年齢は知っているから書かないでよい、と言う。「元気?」と聞くから、「こうこうしかじかで、多分疲れからだろうが、臥せている。」と答えると、「なんであなたが疲れる?」と言う。みんな知らないんだ。私が仕事をしていることを。編集作業と同時進行でリルケの原稿書くなんてことは、非常に疲れることなのだ。いちおう、軽く説明したが、わからないだろうなあ。

7月14日(月)

雨のち曇り
 
●明け方、救急車を呼ぶか、よほど迷った。そのうち夜が明けるだろう、病院も開くだろうと時が過ぎるのを待っていた。ほんの少し眠ったらしく、起きたら、朝の10時。すぐに病院へ行く。途中の道の草が紫に見え、目の前が発光したように白んでいる。傘を杖にして100メートル先の病院へ行った。待つこと2時間。診察があり、もしやの疑いを確かめる再診察。点滴を打ってもらった。点滴を打てばすぐ回復するのに、全然回復しない。帰りは、傘を間違えられたが、それどころではなく、薬局に倒れ込んで薬をもらって帰った。つらさは、変わらず。夕方になり、ヘルシオでお粥を炊き、茄子だけの味噌汁で、今日の食事にした。少し水が飲め、食事がとれるようになった。
 
●夕方7月月例ネット句会の入賞発表を延期することを、やっと書き込む。吐き気がして、足元がふらふらして危ないので、家の中さえも用心して歩いている。書き込みを友宏さんが見たのか、句美子から見舞いの電話。病院へ行ったので大丈夫だと伝える。子どもたちに電話やメールするのもしんどかったので、知らせないままになっていた。

7月13日(日)

晴れ
●病気の主な症状は相変わらず。日曜日で病院は休み。ビオフェルミンを飲んでおくしかない。水と食事がほどんどとれないので、OS1ゼリーがあったので冷やして飲む。水筒に氷水を入れ枕元におき、和三盆の落雁を口にしながら水を飲む始末だった。白湯がいいが、白湯は吐き気がして飲めない。なるべく眠るようにして過ごす。かなり苦しい状態。

■7月月例ネット句会入賞発表■

■7月月例ネット句会入賞発表■
2025年7月16日
【金賞】
35.青田風四万十川へ抜けてゆく/吉田 晃
清流「四万十川」が青田すべての風を集めて、なお研ぎ澄まされた川になっていくようである。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
40.信号旗たなびく船に夏の潮/上島祥子
ここに溌溂とした詩がある。夏の潮をゆく船に信号旗がたなびいて、視覚にも夏をさやわかに訴えている。(髙橋正子)

25.鮎並ぶ淡く黄色の尾が透けて/髙橋句美子
「黄色の尾が透けて」の観察が正しく、清流の魚が魚店に並んでさえも清流を泳ぐ感がある。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
16.子ら走る夏越の杜の賑わいへ/藤田洋子
夏越(なごし)の祭は暑い夏を越えるために行われる。形代を持ってお参りし、茅の輪をくぐる。夜店が出ることも多く、子どもたちにとって楽しい祭りでもある。夏越の行われている神社の杜へと走るのだ。(髙橋正子)

19.水打てば葉陰に胡瓜のどっしりと/土橋みよ
真っ正直なものの見方に風格がある。水を打った葉蔭の胡瓜が「どっしりと」と思うくらい良く育っているのだ。(髙橋正子)

23.沐浴を終えし赤子に星祭/柳原美知子
沐浴を終え、汗をさっぱりとながした赤子も星祭に加わるのだ。健やかな成長をいのるばかりである。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
07.大空へひびく初蝉ぎこちなく/高橋秀之
蝉の鳴き始めは、8月の大合唱とは違い1匹だけで鳴きはじめ、鳴き方もやや不安定です。それだけだと少しの寂しさも感じますが、「大空へひびく」とあり、ぎこちなさの中にもとても堂々としている鳴き声が聞こえてくるようです。(土橋みよ)

19.水打てば葉陰に胡瓜のどっしりと/土橋みよ
胡瓜が夏の暑さにも負けずよく育っている様子が窺えます。(髙橋句美子)

23.沐浴を終えし赤子に星祭/柳原美知子
生後間もない赤ちゃん、沐浴を終えた安堵感のなか迎える星祭。ご誕生の赤ちゃんと今宵の星祭を迎える喜びとともに、これからの健やかな成長を願うお気持ちが伝わります。(藤田洋子)

25.鮎並ぶ淡く黄色の尾が透けて/髙橋句美子
清流の女王と呼ばれる鮎。「黄色の尾が透けて」にしっかりとした観察の目を感じます。塩焼きで食卓を飾ったのでしょうか。 (多田有花)

16.子ら走る夏越の杜の賑わいへ/藤田洋子
35.青田風四万十川へ抜けてゆく/吉田 晃
40.信号旗たなびく船に夏の潮/上島祥子

【髙橋句美子特選/7句】
03.端居して栞となせる五葉松/小口泰與
庭の見える縁側で涼みながら読書をしている様子が想像されます。五葉松の栞とは何と詩的で優雅でしょう。とても素敵な時間を過ごされているご様子が羨ましく思われました。(土橋みよ)

04.大薬缶並べ部活の氷水/桑本栄太郎
猛暑の中、アルマイトの大きな薬缶のかち割り氷でキンキンに冷えた氷水に一息つく部活動の子供たち。薬缶が並ぶ数だけの若さとエネルギー、夢が感じられ、この夏を元気で乗り越え、成長してほしいと願います。(柳原美知子)

19.水打てば葉陰に胡瓜のどっしりと/土橋みよ
胡瓜が夏の暑さにも負けずよく育っている様子が窺えます。(髙橋句美子)

22.ゆりかごを窓の青田へ揺らしおり/柳原美知子
涼しげです。青田の上を吹いて開け放たれた窓から入ってくる風、そのなかで揺れるゆりかご。穏やかで一枚の絵のようです。(多田有花)

29.目を丸く吾子はじめての稲光/西村友宏
生まれて初めての雷鳴と稲光、赤ちゃんが驚いてきょとんとしている様子が目に浮かびます。可愛いですね。(多田有花)

32.涼しさに熱のある児のよく笑う/髙橋正子
昔巷では、子供が知恵をつけるため頭をよく使うから出る熱と言われていたが、医学的な根拠はないようだ。6~7か月を過ぎると母親の免疫が無くなり、ちょっとした病気にかかりやすくなる。親は大変心配するが、これは子どもが自己免疫を獲得するために非常に重要のようだ。だが、乳児の発熱は心配なものだ。子育てをしたことのあるバアバでも心配。それでも当の本人が何事もないようにケラケラ笑っている姿をみて、安堵するバアバなのである。(吉田 晃)

35.青田風四万十川へ抜けてゆく/吉田 晃

【入選/18句】
01.翡翠や見事水面へ一直線/小口泰與
翡翠の敏捷な動き、一瞬の直線的な飛翔を見事に捉えられています。美しい翡翠を見る水辺がとても涼やかです。(藤田洋子)

02.しんしんと山白むなり夏の暁/小口泰與
夏の暁のものみな鎮まるひととき、山々のしろじろと明けていく様子がしんしんとによく表れていると思います。(柳原美知子)

06.夕立去り西山またも陽のあかり/桑本栄太郎
夕立が上がり、西山の空に陽が戻って夕焼となったのだろう。陽の明りが効いて、景が良く見える。 (廣田洋一)

09.冷奴窓からそよぐ昼の風/高橋秀之
冷奴の清涼感と窓からの風の心地よさに、猛暑の中でありながら、一抹の涼味とひと時の安らぎを感じさせていただきました。(藤田洋子)

10.涼風の吹き抜けて行く古都の路地/廣田洋一
古都の町並みには路地が広がっている。その路地を吹き抜ける風を感じている。その場に佇み気持ちよさを味わう様子が伺えます。(高橋秀之)
涼風が吹き抜けていく場所はいろいろあります。森の中、田園地帯、都会の一画など。古都の路地を吹く涼風にはまたそこならではの味わいがあります。(多田有花)

11.夏野菜一畝毎に色変わり/廣田洋一
夏野菜と言えばトマト 胡瓜 茄子 などでしょうか。実りが楽しみな気持ちが伝わります。 (上島祥子)

13.驚きて薮から出たる夏雀/友田 修
夏の雀たちは何に驚いたのでしょうか。大きな音、人の気配、ほかの動物などなど。そんなことを思いながらこの句を読ませてもらいました。(高橋秀之)

14,退院の手続きするや雲の峰/友田 修
入院している間に季節が進んで雲の峰が出来るようになっている。思いがけず長く入院していたと実感する気持ちが伝わります。 (上島祥子)

17.離れ住む娘の名も記す夏祓/藤田洋子
親元を離れて暮らしても、子どもたちのことは気になるもの。夏祓いに子どもの名前を記して健康、安全を祈願する。きっと名前を記しながら、子供たちが小さい頃の夏祭りなども思い出していらっしゃるのでしょう。(高橋秀之)

18.夏雲湧く城山街の真ん中に/藤田洋子
街空を仰げば真ん中に天守の見える松山城。折しも
城山の上の真青な空には真白い夏雲がむくむくと湧き、うつくしい夏景色とともに新たな季節の到来を告げてくれます。(柳原美知子)

28.式服に汗の滴るお食い初め/西村友宏
お食い初めを式服を着て格式を持って行うのが素晴らしいですね。夏は汗をかいて大人は大変では有りますが、その中心に少し大きくなった赤ちゃんが健やかにして居る様子が思われて幸せな気持ちになります。(上島祥子)
赤ちゃんの生後100ヶ日を祝って「お食い初め」を行います。丁度その頃が夏場とあっては、家族の特にご婦人達は汗が滴るほどの暑さの中です。祝い事は季節を待って呉れませんね。(桑本栄太郎)

36.ヤゴの背が割れて蜻蛉の生まれけり/吉田晃
背が割れて蜻蛉が生まれる、「変態」というという命の転換点をとらえているところに圧倒されます。 (友田修)

38.白雨来て夕刻の町清めけり/多田有花
自然な詠みぶりで、猛暑の中、一読して涼やかな気持ちになりました。白雨の後の町の余韻が感じられるようです。(柳原美知子)

39.クレチマス咲き上りたる濃紫/多田有花
様々な園芸品種のあるクレチマス。中でも「咲き上りたる濃紫」の描写が、クレチマスの見事に際立つ美しさ、夏陽に咲く逞しさを感じさせてくれます。(藤田洋子)

42.手水舎の吐水の龍に苔繁る/上島祥子
神社で、参拝者が手を洗い、口を漱ぐための手水舎の水の出口の龍の古びた様子が素敵な景ですね。(小口泰與)

24.万緑の雨滴こぼれて谷流る/柳原美知子
37.紅百合の雌しべのすべて天を指し/多田有花
41.紅蓮の百鉢並ぶ古刹かな/上島祥子

■選者詠/髙橋正子
22.涼しさに熱のある児のよく笑う  
昔巷では、子供が知恵をつけるため頭をよく使うから出る熱と言われていたが、医学的な根拠はないようだ。6~7か月を過ぎると母親の免疫が無くなり、ちょっとした病気にかかりやすくなる。親は大変心配するが、これは子どもが自己免疫を獲得するために非常に重要のようだ。だが、乳児の発熱は心配なものだ。子育てをしたことのあるバアバでも心配。それでも当の本人が何事もないようにケラケラ笑っている姿をみて、安堵するバアバなのである。(吉田 晃)

21.雷のあとのしじまの涼しかり
23.麦茶沸く匂いが隅に宵の口


■選者詠/髙橋句美子
27.夏帽子白さは雲に溶けそうに
「溶けそうに」がとてもユニークで、白い夏帽子と雲がよく似合っています。透明感溢れる句で詩的な美しさに惹かれました。(土橋みよ)
夏帽子の白さが溶けると言う表現で空の青さと雲の白さが際立つさわやかな夏の一コマが浮かびます。(西村友宏)

25.鮎並ぶ淡く黄色の尾が透けて
清流の女王と呼ばれる鮎。「黄色の尾が透けて」にしっかりとした観察の目を感じます。塩焼きで食卓を飾ったのでしょうか。 (多田有花)

26.汗拭いてやる赤子手を握りしめ
作者の愛情と優しい視点に惹きつけられます。赤ちゃんには生まれながらに把握反射が備わっていますが、それはわかっていても、人間らしい生命力と親子の触れ合いによる絆を感じられたのではないでしょうか。(土橋みよ)


互選高点句
●最高点句(5点)
36.ヤゴの背が割れて蜻蛉の生まれけり/吉田 晃
集計:髙橋正子
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