■6月月例ネット句清記


■6月月例ネット句清記
2017年6月11日
12名36句 

01.大海の浪に乗り居りあめんぼう
02.天王山逆さ青嶺の車窓かな
03.桑の実や母の無き子に甘く熟れ
04.初浴衣の露店巡りやお稲荷さん
05.噴水の雀の羽を濡らしをり
06.人だかりの原爆ドーム青鷺来
07.満ちみちて棚田の水や時鳥
08.包みたる濡れ新聞の夏の鯉
09.渓流の白銀の水夏木立
10.晴天の続くこのごろ芒種かな

11.光る水受けて芒種の田一枚
12.にわか雨何度も梅雨入のゴルフ場
13.張り紙の矢印の先ツバメの巣
14.梅雨入りの日の事務所に傘並ぶ
15.真っ青に広く大きく夏の空
16.時の日やひっくり返せる砂時計
17.空梅雨や如雨露の水を降らせたり
18.水馬や小魚の影踏みており
19.花菖蒲池に目をやる男の子
20.ちんどんやクラリネットは夏空へ

21.さらさらと葉より色のせ紫陽花の絵
22.蛍見に田水明りの山里へ
23.点るたび蛍の葦辺声上がる
24.せせらぎへ指差す先の初蛍
25.玉苗のずらりと置かれ水満々
26.梅雨に入る板間に飼い猫伏しおりて
27.枇杷熟れて雲間に空の青澄める
28.青梅も蕗もみどりよ夜の厨
29.青梅 の紅刷くものの転がりぬ
30.青梅を沈める水のゆらぎけり

31.石畳の間にどくだみの真っ白い花
32.ふわふわと靄につつまれアイスクリーム
33.夏風邪にソーダ水の缶冷たし
34.夏座敷男三代健やかに
35.初夏健やかに子が居て孫がいて
36.わが前を孫歩きいて初夏の風

※互選を始めてください。
5句選をし、そのうち一句にコメントをお願いします。

6月11日(日)

★バスの後ろ揺らし入りゆく青山河  正子
九十九折の山道を懸命に登っていくバスの姿と青葉若葉が生い茂る初夏の素晴らしい山の景色との素晴らしい対比。上り詰めたバスも青葉若葉の中でほっと一息つけることでしょう。(小口泰與)

○今日の俳句
伽羅蕗や子供ら帰省する事稀に/小口泰與
子供たちもそれぞれ家庭をもって、日常に忙しく、帰省も稀になった。みんなで囲む色どり豊かな食卓から、夫婦二人の食卓に。質素で、味わい深い伽羅蕗がそんなことを思わせる。(高橋正子)

●四季の森公園(2016.6.11)

白菖蒲白といういろたっぷりと     正子
満目の菖蒲白とむらさきと       正子
野萱草みどりの草浮く赤さ       正子
梅雨晴れに山の小鳥の名を知らず    正子    

○青梅

[青梅/横浜緑区寺山町]_[青梅/横浜日吉本町]

★青梅に眉あつめたる美人哉/与謝野蕪村
★溝またぎ飛び越えもして梅落とす/高浜虚子
★青梅や小房ながら清浄に/大谷句佛
★青梅を洗ひ上げたり何の安堵/細見綾子
★青梅を齧る子に道たづねけり/大串章

 店頭にも青梅が並ぶ季節になった。梅酒用の瓶と、氷砂糖と、ホワイトリカーと店頭に並べてあると、今年も梅酒を作りたくなる。毎年わが家では梅酒を作っている。多量に飲まないから、ひと瓶でいいのだが、一か月ほど前から去年のものを飲み始めた。青梅1キロに、ホワイトリカー一升(教わった時の習慣で一升と覚えている)、氷砂糖を800グラム入れている。甘いかなと思うが、普通氷砂糖は1キロなので、8割としている。私は風邪をひくと熱が下がるに従って咳が出始めなかなか止まらなくなる。最近、偶然なにかの本で読んで、梅酒は咳にも効くとあったので、寝る前薄めて飲んだら、たまたまなのか、咳き込むような咳が翌朝には止まった。本当に助かった。
 梅干しは紀州から取り寄せたものを毎年お中元、お歳暮と長らく頂いて過ごしていたので、作らなくなって、今は買うばかりである。私が作ったのはこれまでで一度だけ。生家では、梅干しを買うことなど考えられなかった。梅干し用に摘んだ梅が土間の籠に入れられて、昼夜いい香りを放って食べたいほどであったが、根拠は知らないが、これは、ひどい腹痛を起こすので食べてはいけないと言われていた。先日97歳で亡くなった母は結構大量に梅干しを甕につけていた。茶色い釉に、たらりと黒い釉を模様に垂らした例の甕である。だれがあれほどの梅干しを食べていたのかと今は思うのだが。梅雨が明けると、土用干しと言って梅干しを筵に広げて日に当てて、それから紫蘇と漬けこまれた。赤紫蘇ももちろん畑で育てていて、子どもは紫蘇の葉をむしる手伝いをした。赤紫蘇が出来るのを待って入れているような気もした。梅干し、味噌、たくあん作りは、年中行事のようでもあった。

★青梅の土間に昼夜を匂いけり/高橋正子
★青梅の瓶にしずまる夜の青さ/高橋正子
★青梅のなかの熟れたる梅匂う/高橋正子

 梅干し(うめぼし)とは、ウメの果実を塩漬けした後に日干しにしたもので、漬物の一種である。日本ではおにぎりや弁当に使われるなど身近な食品である。なお、梅干しがシソで赤く着色されるようになったのは江戸時代になってからとされる。梅干しは健康食品としても知られる。
 酒(うめしゅ)は、一般的に6月頃に収穫される青梅を、蒸留酒(ホワイトリカー、焼酎が一般的)に漬け込むことで作られる混成酒(アルコール飲料)である。家庭でも作れることから、古来より民間で健康に良い酒として親しまれており、近年では食前酒としても飲まれている。日本では、果実酒である事から酒税法によって、日本酒やみりんなどのアルコール度数が20度未満の酒で作る事は違法であり禁止されている。

◇生活する花たち「あさざ・山紫陽花・コアジサイ」(東京白金台・自然教育園)

6月10日(土)

★祭笛山あじさいも街中に  正子

○今日の俳句
トマトの芽つんでは青き香を散らす/祝恵子
「散らす」がこの句を生きいきとさせ、実際に、「青き香」が読み手まで届くようだ。トマトの青き香に夏らしい清々しさがある。(高橋正子)

○とまとの花

[とまとの花/横浜・四季の森公園]____[とまとの花/横浜日吉本町]

6月9日(金)

★蛍ぶくろ霧濃きときは詩を生むや  正子
蛍袋は白や紫の釣鐘状の花が下向きに咲き、その奥ゆかしい姿はとても美しく山野草としても愛される花です。また名前から来るイメージ、まして濃き霧の中にうっすらと咲いていれば尚更に詩を生む情景が整い、御句に豊かな詩情を感じます。 (佃 康水)

○今日の俳句
早苗田に母屋どっしり映さるる/佃 康水
母屋の傍から田が広がる。田植えが済んだ田には、早苗の影ばかりではなく、母屋のどっしりと建物が映っている。田植えの後の安堵と、秋の実りが約束されている明るさがある。(高橋正子)

○花菖蒲

[花菖蒲/横浜・四季の森公園]

6月8日(木)

★祭笛山あじさいも街中に  正子
6月に入り、早いところでは夏祭りの準備も始まり笛の音が風に乗って聞こえてくるようになりました。おりしも街では山アジサイの花がちらほらみられるようになってきました。薄紫や薄水色に、門ごとにそれぞれのいろあいをきそっています。この時季の季節感に溢れた嬉しい景が目に浮かびます。(河野啓一)

○今日の俳句
射干の咲いて空には雲もなし/河野啓一
射干(ひおうぎ)は、葉が檜扇に似て、橙色に斑のあるこじんまりと品のある六弁花を開く。雲もない夏空に、日本的な射干の花の色が印象的である。(高橋正子)

○夏茱萸(なつぐみ)

[夏茱萸/横浜日吉本町]_[梅桃(ゆすら)/横浜日吉本町]

★夏茱萸の爛々として墓の上/津沢マサ子
★夏茱萸や妻の居ぬ日はものぐさに/村沢夏風
★夏茱萸や昔は子沢山なりし/青柳志解樹
★夏茱萸を含めば渋き旅愁かな/村岡黎史
★取る人のなき夏茱萸のこぼれ落つ/五十島典子
★小ちさき手に夏ぐみ数個のせて来し/TAKAKO
★降りだしてこの夏茱萸の千の揺れ/茜

 夏茱萸(なつぐみ、学名:Elaeagnus multiflora form. orbiculata)は、トウグミと同様にElaeagnus multifloraの変種とされ、日本固有種です。基本種は東アジアに分布しているとされています。高さ2m~4mほどになる落葉低木です。樹皮は褐色で、老木では縦に不規則に剥がれおちます。
 春に淡黄褐色の花を葉腋に比較的多くつけます。花はやや下垂し、基部は筒型で先端に4枚のガク片がつきますが、4裂しているように見えます。花径は1cmほどです。葉は、葉先が鋭三角形状の広楕円形で、幅4cm前後、長さ8cm前後で、葉の縁はやや波打ちますが全縁(葉の縁のギザギザはない)です。葉の表面には鱗状毛があり、葉裏には銀色の鱗状毛が密生し、赤褐色の鱗状毛が混じるので、淡褐色に見えます。グミの仲間(グミ属)では普通ですが、葉裏が淡褐色や黄褐色です。果実は、両端が丸い円筒形で長さ1.5cm前後です。初夏に赤く熟して食べられます。北海道南部、福島県から静岡県の太平洋側に分布します。多摩丘陵では、自生のものは稀で、人家周辺に時々植栽されています。
 「グミ」の名は、漢名「茱萸子」からきているようです。「茱萸」を日本語読みしたもののようですが、はっきりとはしていないようです。「夏」は、初夏に果実が熟すことからです。
 万葉集を始め多くの歌集や文芸等にはその名は現れていないようです。平安時代の「倭名類聚抄」に「和名 久美」として現れているとのことです。江戸時代の「本草綱目啓蒙」などにその名が現れています。
 果実は美味しく古くから食用にされています。有毒であるという報告も薬用にするという報告もないようです。
 多摩丘陵には、この仲間(グミ属)では、以下のように、落葉樹であるこのナツグミとトウグミ、常緑樹であるナワシログミとツルグミを確認していますが、分布域的には可能性がある落葉のアキグミは未確認です。全て花や果実は似ていて葉裏も淡褐色から黄褐色で似ています。葉には多少の違いがありますが、変異もあるので葉だけでの区別は慣れないと結構困難です。多摩丘陵ではいずれも個体数は少なく、なかなか出会えません。
 このナツグミとトウグミは、とてもよく似ていて区別は大変困難です。植物学的にはナツグミでは葉の表面に鱗状毛があるのに対して、トウグミでは(若い)葉に星状毛があることで同定します。一般には、トウグミではナツグミよりも花や実つきがよいことで区別します。トウグミの果実はナツグミよりもやや大きいのですが見た目での判断は困難です。トウグミは、花や実付きがよく、果実もやや大きいので当初は中国などから持ち込まれた種であると考えられたために「唐グミ」と名づけられています。
他の常緑の2種では、葉がやや厚くてやや硬いことで区別できます。また、ナツグミやトウグミでは花期は春ですが、ナワシログミやツルグミでは花期が秋です。果期は、ナワシログミは初夏ですが、ツルグミでは春です。
 ナワシログミは、常緑で葉はやや厚くて硬く、小枝がトゲ状になっていることが特徴です。また、葉は葉先が鈍三角形状の長楕円形で葉縁が波打つことでも区別できますが、慣れないと困難です。花期も秋です。
 ツルグミは、茎がツル状に長く伸びて他物に寄りかかるようになるのが特徴です。葉は、やや厚くてやや硬く、葉先が長い三角形状です。花期は秋です。
 アキグミでは、花期は春ですが、果実が赤熟するのは秋です。また、果実が小さな球形(径7mm前後)なので容易に区別できます。

◇生活する花たち「岩タバコ・雪ノ下・夏萩」(北鎌倉/東慶寺・円覚寺)

6月7日(水)

 鎌倉街道
★昼顔を眸に映し旅ひとり  正子

○今日の俳句
郭公や頂上まではあとわずか/多田有花?
登ってきて、あとわずかとなったところで、郭公の声を聞いた。山の緑にこだまする郭公の声に励まされ、自然を満喫する作者の姿が涼しげだ。(高橋正子)

○雛罌粟(ひなげし)・ポピー

[ひなげし/横浜日吉本町]

★我心或時軽し罌粟の花/高浜虚子
★咲きやんで雛罌粟雨に打たれ居り/前田普羅
★ひなげしの花びらを吹きかむりたる/高野素十
★ひなげしや妻ともつかで美しき/日野草城
★遅れ苗もうひなげしの花となる/阿波野青畝
★陽に倦みて雛罌粟いよよくれなゐに/木下夕爾
★ひなげしの揺れて風あることを知る/高橋信之

 雛芥子(ヒナゲシ、学名:Papaver rhoeas)は、ヨーロッパ原産のケシ科の一年草。グビジンソウ(虞美人草)、シャーレイポピー (Shirley poppy) とも呼ばれる。耐寒性の一年草で、草丈50cm~1m位になる。葉は根生葉で、羽状の切れ込みがあり無毛である。初夏に花茎を出し、上の方でよく分枝し、茎の先に直径5~10cmの赤・白・ピンクなどの4弁花を開く。現在タネとして売られているものには、八重咲きの品種が多い。ケシやオニゲシに比べるとずっと華奢で、薄い紙で作った造花のようにも見える。移植を嫌うので、9月下旬から10月中旬頃に、花壇に直まきする。覆土はタネが見え隠れする程度でよい。かなり細かいタネなので、重ならないように丁寧に蒔き、発芽してきたら間引いて、株間が30cmくらいになるようにする。
 
 「ひなげし」と言えば、ずいぶん昔から付き合ってきた。呼び方も自分でも「ひなげし」から「ポピー」に変わった。漱石にも『虞美人草』という小説があるが、この呼び方もいい。紙のように薄い花びらと、少し湾曲した茎と愛らしい花の形が絵になる。ひなげしを始めて育てたのは、愛媛の砥部に住んでいたとき。土地が100坪少しあったので、花は種から蒔いて、野菜は西瓜やトマトじゃが芋まで育てたころだ。二人の子供が小学生と幼稚園のときに花壇を作って、ポピーの種を蒔いた。土がよくなかったのか、苗はひ弱だったが、葉が育ち茎が伸び、いろんな色の花をつけた。八重より一重が好みだが、切り花にしてガラスの細口の花瓶に生けると絵のように様になる。ひなげしで思い出すのは、テレビで見た映画「ラストエンペラー」。なぜがひなげしの花と重なる。

★ラストエンペラーポピーの花は紙みたい/高橋正子

◇生活する花たち「立葵・梔子(くちなし)・枇杷」(横浜日吉本町)

6月6日(火)

★夜空あり虚々実々の心太  正子

○今日の俳句
翡翠色潰さず盛りて豆の飯/佃 康水
豆飯の緑は、「翡翠色」というほどきれいだ。その色を保って炊き上げるのも難しく、きれいに炊き上がったときは、大変うれしいものだ。まん丸い翡翠色をつぶさないように、茶碗に装う。目をも楽しませる豆飯は、季節感あふれる食だ。(高橋正子)

○沙羅(しゃら)の花(夏椿)

[沙羅/横浜日吉本町]

★沙羅の花捨身の落花惜しみなし/石田波郷
★咲くよりも落花の多し夏椿/松崎鉄之介
★夏椿思へばそんなやうなひと/行方克巳
★亡き母のものに着替へん沙羅の花/斉藤志野

 夏椿(ナツツバキ、学名:Stewartia pseudocamellia)は、ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。別名はシャラノキ
(娑羅樹)。仏教の聖樹、フタバガキ科の娑羅双樹(さらそうじゅ)に擬せられ、この名がついたといわれる。原産地は日本から朝鮮半島南部にかけてであり、日本では宮城県以西の本州、四国、九州に自生し、よく栽培もされる。樹高は10m程度になる。樹皮は帯紅色でツルツルしており「サルスベリ」の別名もある(石川県など)。葉は楕円形で、長さ10cm程度。ツバキのように肉厚の光沢のある葉ではなく、秋には落葉する。花期は6月~7月初旬である。花の大きさは直径5cm程度で、花びらは5枚で白く雄しべの花糸が黄色い。朝に開花し、夕方には落花する一日花である。ナツツバキより花の小さいヒメシャラ(Stewartia monadelpha)も山地に自生し、栽培もされる。 ナツツバキ属(Stewartia)は東アジアと北アメリカに8種ほど分布する。
 これが夏椿だと最初に意識して見たのは、愛媛県の砥部動物園へ通じる道に植樹されたものであった。砥部動物園は初代園長の奇抜なアイデアが盛り込まれて、動物たちにも楽しむ我々にものびのびとした動物園であった。小高い山を切り開いて県立総合運動公園に隣接して造られているので、自然の地形や樹木が残されたところが多く、一日をゆっくり楽しめた。自宅からは15分ぐらい歩いての距離だったので、子どもたちも小さいときからよく連れて行った。その道すがら、汗ばんだ顔で見上げると、夏椿が咲いて、その出会いが大変嬉しかった。このとき、連れて行った句美子が「すいとうがおもいなあせをかいちゃった」というので、私の俳句ノートに書き留めた記憶がある。緑濃い葉に、白い小ぶりの花は、つつましく、奥深い花に思えた。
 今住んでいる日吉本町では、姫しゃらや夏椿を庭に植えている家が多い。都会風な家にも緑の葉と小ぶりの白い花が良く似合っている。
 植物とは全く違う話だが、まだ夏椿の花を見たことがないとき、かぎ針編みの模様に「夏椿」というのがあって、自分に似合うと思ったのだろう、この模様で製図までしてベストを編んでしばらく着た。

★夏椿葉かげ葉かげの白い花/高橋正子

◇生活する花たち「あさざ・山紫陽花・コアジサイ」(東京白金台・自然教育園)

6月5日(月)

★石楠花のうすくれないも昼下がり  正子
「石楠花」を詠んで、初夏の風景をうまく捉えた。下五に置いた「昼下がり」がいい。その言葉に、作者の個性を読み取ることができる。(高橋信之)

○今日の俳句
青芒ひかり合いつつ野を充たす/小川和子
野一面の青芒を「ひかり合いつつ」「野を充たす」と、動きをもって、いきいきと詠んだ。積極的な視線がいい。(高橋正子)

○昼咲月見草

[昼咲月見草/横浜日吉本町]

★眠られず眠たし昼咲き月見草/佳世子★

ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草、学名:Oenothera speciosa)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年生植物。観賞用として栽培されている。草丈は30-60cmくらい。葉は披針形で互生する。5-7月頃に、4-5cmくらいの大きさの、白または薄いピンク色の花を付ける。花弁の数は4枚で、8本の雄蕊と、先端が十字型をした雌蕊がある。北米原産の帰化植物であり、観賞用として輸入・栽培されていたものが野生化している。名称の由来は、宵に咲くツキミソウと違って、昼間にも開花していることによる。

◇生活する花たち「花菖蒲・紫陽花・キスゲ」(横浜・四季の森公園)

6月4日(日)

★明易し畳に二つ旅かばん  正子
夜明けも早くなった夏の朝、部屋の中に二つの旅かばんがある。きっと、これから旅行に行くのであろう、そのうきうきとした楽しさが伝わってきます。(高橋秀之)

○今日の俳句
新緑の重なる先に飛行雲/高橋秀之
新緑のつややかな緑と、空に真っ白に描かれた飛行機雲の色彩的な対比がみずみずしい。(高橋正子)

○紫陽花

[紫陽花/横浜日吉本町]_小紫陽花(コアジサイ)/東京白金台・自然教育園]

★紫陽花や藪を小庭の別座敷/松尾芭蕉
★紫陽花の末一色となりにけり/小林一茶
★紫陽花の花に日を経る湯治かな/高浜虚子
★紫陽花や水辺の夕餉早きかな/水原秋櫻子
★紫陽花や白よりいでし浅みどり/渡辺水巴
★紫陽花の醸せる暗さよりの雨/桂信子
★大輪の紫陽花に葉の大きさよ/稲畑汀子
★里山の結界なせる濃紫陽花/宮津昭彦
★あじさゐや生き残るもの喪に服し/鈴木真砂女
★誓子旧居紺あぢさゐに迎へられ/品川鈴子
★紫陽花の花あるうちを刈られけり/島谷征良
★あぢさゐに触れて鋏のくもりけり/高田正子

紫陽花(アジサイ、学名: Hydrangea、アジサイ科アジサイ属の植物の総称である。学名は「水の容器」という意味で、そのまま「ヒドランジア」あるいは「ハイドランジア」ということもある。また、英語では「ハイドレインジア」と呼ぶ。開花時期は、 6月から7月15日頃。ちょうど梅雨時期と重なる。日本原産。色がついているのは「萼(がく)」で、花はその中の小さな点のような部分。しかしやはり萼が目立つ。紫、ピンク、青、白などいろいろあり。花の色は土が酸性かアルカリ性かによっても。また、花の色は、土によるのではなく遺伝的に決まっている、という説もある。

★妻の浴衣あじさい白く染め抜かれ/高橋信之
★あじさいに七曜またも巡りくる/高橋正子

◇生活する花たち「紫陽花・昼咲月見草・立葵」(横浜日吉本町)

●6月月例ネット句会投句案内●


●6月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2017年6月5日(月)午後1時~2017年6月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月12日(月)正午~6月14日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之