2024年月例ネット句会最優秀句決定

●2024年も12月8日の月例ネット句会をもって1年を締めくくることができました。この1年のご参加、ご協力をありがとうございました。

また、このたびは、花冠の編集の都合で急なお願いをいたしました。それにもかかわらず、選句に10名の方にご参加いただき、今年の最優秀句と次点句を選ぶことができました。ご協力ありがとうございます。集計の結果を発表いたします。

去年2023年とは全く違う顔ぶれになりました。最優秀句の句美子さん、次点句の晃さん、おめでとうございます。ご精進の賜物と思います。ますますのご活躍をお祈りします。 (花冠代表 髙橋正子)  
    
2024年
【最優秀句】
①冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子 (6点)

【次点句】
⑥夏雲に海は青さを極めけり/吉田  晃    (4点)

集計:髙橋正子
2024年12月10日

12月9日(月)

晴れ

●昨夜ネット句会の入賞発表をする予定だったが、片頭痛のため、今朝未明に発表。その後、2024年月例ネット句会最優秀句の選出依頼を貼り付け、ネット短信No.429を「至急」で出した。「至急」の連絡にみんな選句に参加してくれるか、どうか心配だったが、心配無用。(実は本当に心配した。)大勢が参加してくれて、今年の最優秀句を選ぶことができた。皆の協力に感謝するほかない。うちのメンバーの協力体制半端じゃない。若い人からそうではない人まで。
【最優秀句】
①冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子
【次点句】
⑥夏雲に海は青さを極めけり/吉田  晃 


●今日は土鍋で白菜とベーコンのミルフィーユを作った。帰省土産の因島の海水から作った塩と胡椒だけ。土鍋でじっくり炊くと水無しで大丈夫。そのままと、ポン酢のふたとおりで食べた。

●なにか、意味があるものを聞いたり、見たりが嫌になっている。生きる力とか、いのちとか、言われたくない。音楽なら音楽だけ、詩なら詩だけでいい。意味がないほうがいい。直接に感じれるものだけでいい。今日の締めくくりに「皇帝」を聞いた。去年、みなとみらいホールでの演奏。
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」|レイフ・オヴェ・アンスネス – 尾高忠明 – NHK交響楽団 

■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2024年12月8日
36句(12名)

01.いにしえの戦は枯野の城址かな
02.窓硝子せんべい汁の湯気の粒
03.椅子を重ね空いたところの冬日かな
04.綿虫や想い出遠くなりいたる
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり
06.あおぞらに?然としたる冬紅葉
07.見事なる赤城のすそ野熊眠る
08.みすずかる信濃の湖の小白鳥
09.空風や天のすみずみ晴渡る
10.紅葉の映える御在所妻と観る

11.冬の陽が海を染めあげ群青に
12.星空が輝く冬の夜明け前
13.裸木のトンネルとなり段葛
14.時々は見知らぬ鳥や冬の川
15.開戦日停戦続く国のあり
16.天竜の川あおあおと冬はじめ
17.京を過ぐ車窓に時雨ふりかかり
18.冬港止水のごとく潮が照り
19.揺する影 紐の先には 白き肌
20.干し柿や旅路の果てに故郷(くに)想う

21.叱られてゆうにさみしくなばな摘む
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬
23.冬銀河見上げ夜業の門を出で
24.蜜柑一つ持てば炬燵の暖かき
25.枇杷の花咲き初む川沿いの道に
26.冬の鵙いまは静かに止まりおり
27.針葉樹の上の冬空青々と
28.毛糸帽深く被りてカフェ巡り
29.ストーブの炎に和む夜の読書
30.読みかけの図書を返却十二月

31.コック像へ冬薔薇の束名店閉ず
32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に
33.冬麗の新たな一歩吾子新郎
34.新しきブーツの音は街中に
35.冬帽子編まれた糸のやわらかさ
36.冬夕焼け真っ白な壁に夫婦の影

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

12月8日(日)

晴れ

●12月月例ネット句会開催。
正子投句
京を過ぐ車窓に時雨ふりかかり
ふりかかる時雨に古都ならではの五重塔や冬紅葉がうっすらと浮かび過ぎる車窓。しとりとした旅情を感じます。(柳原美知子)

天竜の川あおあおと冬はじめ
冬港止水のごとく潮が照り

今回は初めての土橋みよさんが投句された。

●都筑阪急へ一匹ものの鰺を買いに行く。近所では売っていない。鰺の塩焼きが食べたい人のため。ついでにクリスマスマーケットによって、ジンジャーボーイのクッキーを一枚買った。これは大きくてテノヒラサイズ。東京横浜ドイツ学園の皆さんがつくったもの。ハート型にLiebeとかの文字をデコレーションしたのもあった。Danke shoen とだけドイツ語で挨拶。

12月7日(土)

晴れ
  クリスマス・マーケットにて
夕冷えの急にきたればグリューワイン 正子
ワイン試飲銀杏黄葉を踏みており   正子

●センター北のクリスマスマーケット(Weinachtsmarket)に行った。麦わらで編んだクリスマス飾りと、透かし彫りのオーナメントを買った。ホットグレープとポトフを注文したが、おいしいのはホットグレープの熱いのだった。熱いうちに飲まなくては。麦わらのクリスマス飾りは雪の形に見えるが、壊れそう。

●俳句日記、本気で編集完了。時々片頭痛。編集の休憩に粒あん饅頭を作った。
おとといクッカーで餡を作っておいた。一番おいしく食べたい。思いついたのが饅頭。普通の饅頭の倍ぐらいの大きさで作ってみた。小麦粉にBP、きび砂糖で皮を作り、餡をくるんで蒸す。100gの粉で8個できた。なかなか美味。

●リルケの詩からのインスピレーションによる俳句
「古い家で」から
緑青のドームを霧のすりガラス 正子
この句について詩としての抽象性の良さがあると言うコメントをもらった。
苦労は助詞「を」。助詞一字の物を言わせるのは技術かもしれない。

12月6日(金)

曇りのち晴れ
星澄みぬ空のきわみに冬ありて   正子
しっかりと星に角ありアドベント  正子
手をつなぐ孤独の星に待降節    正子

●花冠を退会した方から、維持費が送られてきたので、ありがたくも驚く。信之先生は「感性の共同体」を言っていた。あまり、大ぴらには言わなかったけれど、このごろの花冠の様子では、「感性の共同体」が成り立っている感触がある。同じ感性で理解し合い,感じあい、信頼しあう、その関係があるのが感性の共同体。

●正子の俳句日記の編集が終わる。墓参に帰省したこと、他にジャポニスムやリルケや読んだ本について書き残したいことがあるので、前号より4頁増えた。やむを得ないだろう。多分78頁になる。

12月5日(木)

晴れのち曇り

●正子の俳句日記部分の編集がほぼできる。編集が一段落したので、駒林神社のところから、尾根の道を歩いて、いつもの崖っぷちの公園に出た。尾根道とは言え、両脇に住宅や団地がある。それでも尾根なので見晴らしがよく、歩いていて気持ちがいい。ずいぶん歩いたと思うが7000歩。
●ますみさんが、ノエルチョコを送ってくれた。かわいいブーツやお洒落なプリントのあるチョコ。今年もクリスマスシーズンになった。

●夕方、武満徹の歌を聞いた。「小さい空」「翼」「死んだ男の残したものは」。武満徹が死んだのは前になるが、ここ2年もたたないうちに小澤征爾、大江健三郎、ついこの前に谷川俊太郎が亡くなった。信之先生も亡くなって、戦中戦後を経験した人がいなくなった。今、誰がどんな思想をもって世の中を支えているのだろう。生きている人と生きている花、今日と、また来るあしたが残っていると言うけれど。今漂うのは空虚感。

12月4日(水)

晴れ

●隣町の興禅寺まで歩く。菩提樹の葉は枯れて、実も落ちたのかなかった。殺風景な木になっている。夏のあいだ、興禅寺へは蚊がひどいので行かなかった。話好きの庭掃除の女性が今日はいなかった。どうしたのだろう。庭には落葉があちこちにかき集められ、バンジーが植えられていた。何かあったのか、様子が変わった印象がした。

12月3日(水)

晴れ
礼状に赤き実のある藪柑子        正子
冬日向芽生えし双葉が傾きぬ       正子
もみじと言い葉先のみ赤みどりの葉  正子

●妹からのゆうパックが届くのを待ちながら、編集作業。結局ゆうパックは、夕方届いたので、どこにも行かないで、一日炬燵にあたりながら、編集作業となった。ブログの俳句日記に原稿を散逸させないために何でも書き込んでいる。それを日記と分けてあたらしく整理しながら原稿に書き起こした。「文学とおもに俳句作品の批評に思うこと」と題した。

●センター北のクリスマスマーケットに7日(土)に晴美さんと出かけることにした。この日は大雪。気温が下がるらしいが、クリスマスらしくていいじゃないか。

12月2日(月)

快晴

●朝風呂に浸かりながら、あちこちの筋肉痛らしい痛みを感じている。きのうから、体全体がバリバリした感じなのだ。それが治るかどうか、ゆっくり風呂に入ってみた。ただお湯に浸かるだけ。それからもう一度眠る。少し眠って起きたが、全然。昼ごろになって、痛みが取れた感じがした。ようやく、編集作業に取りかかれた。

●編集しながら窓を見る。太陽高度は35度ぐらいらしい。朝だけ日が差して、昼前には陰る。留守の間の鉢植えの花は、白いペチュニアが鉢一杯に咲き、白いベゴニアが山盛りの花をつけ、赤いベゴニアは色が澄んで、ストックやパンジーやアリッサムは自然体。水をたっぷりやって旅に出た。これがよかったのかもしれない。

●夜、山田五郎のYou Tube でクリムトの動画を見た。クリムトについては小さいが画集も持っているし、バールの評論で読んでいるので、思い出しながら視聴した。クリムトを絵画としてだけ見ようとすると、面白くないかもしれない。しかし、分離派会館の開館の最初に出展した「パラス・アテナ」は美術アカデミーからの守り神としての「アテナ」だったし、次いで対として「ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)」が出展されたことを思うと、文学的とも言える。「ヌーダ・ヴェリタス」はヘルマン・バールの書斎に飾られていたと『世紀末ウィーン文化評論集』の表紙説明にあった。裸の女性が鏡を持っていて、「そのまま(裸)の真実を映しだしている」主張。また、会館入口上部に掲げられた言葉は美術アカデミーの歴史主義からの脱却、モダニズムへの追求を唱える分離派の精神が一目瞭然となって書かれていると言われる。「Der Zeit ihre Kunst, Der Kunst ihre Freiheit―時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」の文言だ。 シラーの芸術に対する言葉も書かれているそうだ。この時代はフランスでは印象派が終わりかけ、イギリスではウィリアム・モリスが美術と工芸の融和を主張し、面白い時代だった思える。ウィーンではいち早く評論家ヘルマン・バールが名乗りをあげ、それをリルケはパリで「谺」だと聞いている。こんな事情、切れ切れで、私の中では、繋がりそうもない。