12月10日(月)

晴れ

●花冠1月号(No.372)編集完了。80頁になった。80頁になれば、全体を見渡し、誌面にメリハリが要る。イラストとか、囲みとか、記事サイズを変化させるとか。楽しいと言えば楽しい作業だが、一つ間違えるとあちこちが狂う。予定より1日遅れたが、明日入稿の予定。印刷用インクが次々なくなり、買い置きもなくなり、近くのOKでマジェンダを買い足す。何とかしのげた。

●編集中はずっと寒かったが、夜インクを買いに出てからは、全然寒くない。もしや気温が上がった?片頭痛もなおっている。

■12月月例ネット句会/入賞発表■

■12月月例ネット句会/入賞発表■
2024年12月9日
【金賞】
32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に/柳原美知子
「全き雪嶺」に目を瞠る作者の様子が。たちまち思い浮かぶ。朝夕、さまざまな姿を見せる石鎚山は、ことに雪嶺は圧巻だ。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬/吉田 晃
愛媛県の西に長く伸びる佐多岬。時雨に降られながら、鳥がしずかに渡ってゆく。さびさびとした鳥の渡りが大きく詠まれている。(髙橋正子)

26.冬の鵙いまは静かに止まりおり/多田有花
秋には、鋭い声で鳴いていた鵙も、冬となっては、静かに枝に止まっている。視線の鋭さもいくぶん和らぎ、瞑想めいている。秋、冬と姿を変える鵙だ。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり/桑本栄太郎
水鳥が飛沫をあげて着水したと思うと、次の水鳥が又やって来て飛沫をあげる。水鳥も、それを見ている作者も喜々としている。(髙橋正子)

09.空風や天のすみずみ晴渡る/小口泰與
上州の空っ風は、天のすみずみまで塵をはらい、すっきりと晴れ渡らせた。広大な、塵一つない晴れ渡る天への賛歌。(髙橋正子)

12.星空が輝く冬の夜明け前/高橋秀之
星空が最も輝くのは、空気が冷え込んだ夜明け前。多くの人がまだ眠りについているその時こそ、星空はみごとに輝くのだ。それを見届けた作者。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/8句】
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり/桑本栄太郎
次々と着水する鳥の様子が良く見える。又来たりが効いている。(廣田洋一)

12.星空が輝く冬の夜明け前/高橋秀之
冷え切った夜空に星空が最高に輝き、綺麗な空は夜明け前ですね。冬の未明の頃を歩く、作者が想われます。 (桑本栄太郎)

20.干し柿や旅路の果てに故郷(くに)想う/土橋みよ
干し柿が冬日に照り、風に乾いて軒先に揺らいでいる光景は郷愁を誘いますね。旅路の果てに想う故郷の景色がいつまでも変わらぬものであるよう祈りたいですね。 (柳原美知子)

24.蜜柑一つ持てば炬燵の暖かき/吉田 晃
炬燵での冬の団らんにつきものの蜜柑。丸くてひんやりとした蜜柑一個の感触が、賑やかで暖かい家族の団らんを思い出させてもくれます。 (柳原美知子)

26.冬の鵙いまは静かに止まりおり/多田有花
冬の寒さのなか、今はしんとした様子が感じられます。 (髙橋句美子)


29.ストーブの炎に和む夜の読書/西村友宏
 炎だから、ガスストーブか灯油のストーブだろう。炎が小さく揺らめくと手元の影が揺れ、それが疲れと緊張をほぐしてくれる。温かい家庭が感じられる。(吉田 晃)

32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に/柳原美知子
冷えた朝、雲が晴れてると見上げる石鎚山が冠雪していました。朝日に輝く雪の峰に冬本番を実感されたことでしょう。(多田有花)

22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬/吉田 晃

【髙橋句美子特選/7句】
11.冬の陽が海を染めあげ群青に/高橋秀之
日の光が海全体を照らして鮮やかな光景が一面に広がっている。「染めあげ」と言う表現で、よりスケールの大きい情景が浮かびました。 (西村友宏)

26.冬の鵙いまは静かに止まりおり/多田有花
冬の寒さのなか、今はしんとした様子が感じられます。 (髙橋句美子)

32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に/柳原美知子
冷えた朝、雲が晴れてると見上げる石鎚山が冠雪していました。朝日に輝く雪の峰に冬本番を実感されたことでしょう。(多田有花)

09.空風や天のすみずみ晴渡る/小口泰與
16.天竜の川あおあおと冬はじめ/髙橋正子
20.干し柿や旅路の果てに故郷(くに)想う/土橋みよ
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬/吉田 晃

【入選/10句】
01.いにしえの戦は枯野の城址かな/弓削和人
つわものどもが夢の跡はそこが枯野となっても続きます。遠い昔その城をめぐって戦った侍たちがいた、そこに思いを馳せておられます。(多田有花)

25.枇杷の花咲き初む川沿いの道に/多田有花
枇杷の花が白く開き始め、ほんのりと甘い香りが川沿いに漂う散歩道。新たな季節の始まりが実感されます。 (柳原美知子)

28.毛糸帽深く被りてカフェ巡り/西村友宏
私自身もこの季節毛糸の冬帽子を深くかぶるのですが、これが本当に暖かい。冬のカフェ巡りのひとときを温かい気持ちで暖かく過ごす幸せのひとときです。(髙橋秀之)

30.読みかけの図書を返却十二月/西村友宏
借りた本をいつかいつか読もうとしていると、いつのまにか年末になった。あわただしい年の暮れの景観が目に浮かぶ。(弓削和人)

33.冬麗の新たな一歩吾子新郎/柳原美知子
御子息がご結婚されたのですね。吾子との言葉にこれまで育てられてきた万感の思いを感じます。(多田有花)

04.綿虫や想い出遠くなりいたる/桑本栄太郎
07.見事なる赤城のすそ野熊眠る/小口泰與
14.時々は見知らぬ鳥や冬の川/廣田洋一
23.冬銀河見上げ夜業の門を出で/吉田 晃
31.コック像へ冬薔薇の束名店閉ず/柳原美知子

■選者詠/髙橋正子 
17.京を過ぐ車窓に時雨ふりかかり
ふりかかる時雨に古都ならではの五重塔や冬紅葉がうっすらと浮かび過ぎる車窓。しとりとした旅情を感じます。(柳原美知子)

16.天竜の川あおあおと冬はじめ
先日お墓参りに帰られた旅の車窓から見えた景色でしょう。天竜川は大河です。ゆったりと初冬の風景の中央を流れていきます。(多田有花)

18.冬港止水のごとく潮が照り

■選者詠/髙橋句美子
34.新しきブーツの音は街中に
新しいブーツの足音を聴きながら歩く街は、また新鮮に思えることでしょう。クリスマスの季節の街を颯爽と歩かれる姿が目に浮かびます。 (柳原美知子)

35.冬帽子編まれた糸のやわらかさ
36.冬夕焼け真っ白な壁に夫婦の影

●互選最高点句(4点/同点3句)
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり/桑本栄太郎
09.空風や天のすみずみ晴渡る/小口泰與
16.天竜の川あおあおと冬はじめ

集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

2024年月例ネット句会最優秀句決定

●2024年も12月8日の月例ネット句会をもって1年を締めくくることができました。この1年のご参加、ご協力をありがとうございました。

また、このたびは、花冠の編集の都合で急なお願いをいたしました。それにもかかわらず、選句に10名の方にご参加いただき、今年の最優秀句と次点句を選ぶことができました。ご協力ありがとうございます。集計の結果を発表いたします。

去年2023年とは全く違う顔ぶれになりました。最優秀句の句美子さん、次点句の晃さん、おめでとうございます。ご精進の賜物と思います。ますますのご活躍をお祈りします。 (花冠代表 髙橋正子)  
    
2024年
【最優秀句】
①冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子 (6点)

【次点句】
⑥夏雲に海は青さを極めけり/吉田  晃    (4点)

集計:髙橋正子
2024年12月10日

12月9日(月)

晴れ

●昨夜ネット句会の入賞発表をする予定だったが、片頭痛のため、今朝未明に発表。その後、2024年月例ネット句会最優秀句の選出依頼を貼り付け、ネット短信No.429を「至急」で出した。「至急」の連絡にみんな選句に参加してくれるか、どうか心配だったが、心配無用。(実は本当に心配した。)大勢が参加してくれて、今年の最優秀句を選ぶことができた。皆の協力に感謝するほかない。うちのメンバーの協力体制半端じゃない。若い人からそうではない人まで。
【最優秀句】
①冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子
【次点句】
⑥夏雲に海は青さを極めけり/吉田  晃 


●今日は土鍋で白菜とベーコンのミルフィーユを作った。帰省土産の因島の海水から作った塩と胡椒だけ。土鍋でじっくり炊くと水無しで大丈夫。そのままと、ポン酢のふたとおりで食べた。

●なにか、意味があるものを聞いたり、見たりが嫌になっている。生きる力とか、いのちとか、言われたくない。音楽なら音楽だけ、詩なら詩だけでいい。意味がないほうがいい。直接に感じれるものだけでいい。今日の締めくくりに「皇帝」を聞いた。去年、みなとみらいホールでの演奏。
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」|レイフ・オヴェ・アンスネス – 尾高忠明 – NHK交響楽団 

■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2024年12月8日
36句(12名)

01.いにしえの戦は枯野の城址かな
02.窓硝子せんべい汁の湯気の粒
03.椅子を重ね空いたところの冬日かな
04.綿虫や想い出遠くなりいたる
05.水鳥の飛沫あげつつ又来たり
06.あおぞらに?然としたる冬紅葉
07.見事なる赤城のすそ野熊眠る
08.みすずかる信濃の湖の小白鳥
09.空風や天のすみずみ晴渡る
10.紅葉の映える御在所妻と観る

11.冬の陽が海を染めあげ群青に
12.星空が輝く冬の夜明け前
13.裸木のトンネルとなり段葛
14.時々は見知らぬ鳥や冬の川
15.開戦日停戦続く国のあり
16.天竜の川あおあおと冬はじめ
17.京を過ぐ車窓に時雨ふりかかり
18.冬港止水のごとく潮が照り
19.揺する影 紐の先には 白き肌
20.干し柿や旅路の果てに故郷(くに)想う

21.叱られてゆうにさみしくなばな摘む
22.時雨るるを鳥渡りゆく佐田岬
23.冬銀河見上げ夜業の門を出で
24.蜜柑一つ持てば炬燵の暖かき
25.枇杷の花咲き初む川沿いの道に
26.冬の鵙いまは静かに止まりおり
27.針葉樹の上の冬空青々と
28.毛糸帽深く被りてカフェ巡り
29.ストーブの炎に和む夜の読書
30.読みかけの図書を返却十二月

31.コック像へ冬薔薇の束名店閉ず
32.雲晴れて石鎚全き雪嶺に
33.冬麗の新たな一歩吾子新郎
34.新しきブーツの音は街中に
35.冬帽子編まれた糸のやわらかさ
36.冬夕焼け真っ白な壁に夫婦の影

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

12月8日(日)

晴れ

●12月月例ネット句会開催。
正子投句
京を過ぐ車窓に時雨ふりかかり
ふりかかる時雨に古都ならではの五重塔や冬紅葉がうっすらと浮かび過ぎる車窓。しとりとした旅情を感じます。(柳原美知子)

天竜の川あおあおと冬はじめ
冬港止水のごとく潮が照り

今回は初めての土橋みよさんが投句された。

●都筑阪急へ一匹ものの鰺を買いに行く。近所では売っていない。鰺の塩焼きが食べたい人のため。ついでにクリスマスマーケットによって、ジンジャーボーイのクッキーを一枚買った。これは大きくてテノヒラサイズ。東京横浜ドイツ学園の皆さんがつくったもの。ハート型にLiebeとかの文字をデコレーションしたのもあった。Danke shoen とだけドイツ語で挨拶。

12月7日(土)

晴れ
  クリスマス・マーケットにて
夕冷えの急にきたればグリューワイン 正子
ワイン試飲銀杏黄葉を踏みており   正子

●センター北のクリスマスマーケット(Weinachtsmarket)に行った。麦わらで編んだクリスマス飾りと、透かし彫りのオーナメントを買った。ホットグレープとポトフを注文したが、おいしいのはホットグレープの熱いのだった。熱いうちに飲まなくては。麦わらのクリスマス飾りは雪の形に見えるが、壊れそう。

●俳句日記、本気で編集完了。時々片頭痛。編集の休憩に粒あん饅頭を作った。
おとといクッカーで餡を作っておいた。一番おいしく食べたい。思いついたのが饅頭。普通の饅頭の倍ぐらいの大きさで作ってみた。小麦粉にBP、きび砂糖で皮を作り、餡をくるんで蒸す。100gの粉で8個できた。なかなか美味。

●リルケの詩からのインスピレーションによる俳句
「古い家で」から
緑青のドームを霧のすりガラス 正子
この句について詩としての抽象性の良さがあると言うコメントをもらった。
苦労は助詞「を」。助詞一字の物を言わせるのは技術かもしれない。

12月6日(金)

曇りのち晴れ
星澄みぬ空のきわみに冬ありて   正子
しっかりと星に角ありアドベント  正子
手をつなぐ孤独の星に待降節    正子

●花冠を退会した方から、維持費が送られてきたので、ありがたくも驚く。信之先生は「感性の共同体」を言っていた。あまり、大ぴらには言わなかったけれど、このごろの花冠の様子では、「感性の共同体」が成り立っている感触がある。同じ感性で理解し合い,感じあい、信頼しあう、その関係があるのが感性の共同体。

●正子の俳句日記の編集が終わる。墓参に帰省したこと、他にジャポニスムやリルケや読んだ本について書き残したいことがあるので、前号より4頁増えた。やむを得ないだろう。多分78頁になる。

12月5日(木)

晴れのち曇り

●正子の俳句日記部分の編集がほぼできる。編集が一段落したので、駒林神社のところから、尾根の道を歩いて、いつもの崖っぷちの公園に出た。尾根道とは言え、両脇に住宅や団地がある。それでも尾根なので見晴らしがよく、歩いていて気持ちがいい。ずいぶん歩いたと思うが7000歩。
●ますみさんが、ノエルチョコを送ってくれた。かわいいブーツやお洒落なプリントのあるチョコ。今年もクリスマスシーズンになった。

●夕方、武満徹の歌を聞いた。「小さい空」「翼」「死んだ男の残したものは」。武満徹が死んだのは前になるが、ここ2年もたたないうちに小澤征爾、大江健三郎、ついこの前に谷川俊太郎が亡くなった。信之先生も亡くなって、戦中戦後を経験した人がいなくなった。今、誰がどんな思想をもって世の中を支えているのだろう。生きている人と生きている花、今日と、また来るあしたが残っていると言うけれど。今漂うのは空虚感。

12月4日(水)

晴れ

●隣町の興禅寺まで歩く。菩提樹の葉は枯れて、実も落ちたのかなかった。殺風景な木になっている。夏のあいだ、興禅寺へは蚊がひどいので行かなかった。話好きの庭掃除の女性が今日はいなかった。どうしたのだろう。庭には落葉があちこちにかき集められ、バンジーが植えられていた。何かあったのか、様子が変わった印象がした。