3月28日(水)


俳句
芽柳のるると色燃ゆ向こう岸  正子
自解:「るると」がお分かりだろうか。柳のさみどりの小さい芽が「る」という字に似て、また、小さな芽のつながる枝が「るる」と発音すればよさそうな具合に風に揺れていた。それが水を隔てた向こう岸にあるので、そこまで行って見たいような、こちら側から見ていた方がよいような風景だった。

○今日の俳句
桜咲く島へと長き水脈を曳き/柳原美知子
島に桜が咲くこと自体に抒情がある。その島まで船が長い水脈を曳いて、穏やかなみどり深き海が想像できる。島へゆくのは生活の船であろう。一景の画だ。

○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/

◇生活する花たち「桜・雪柳・菜の花」(横浜日吉本町)

3月27日(火)

★夜桜にオリオン星雲浮いてあり  正子
子供の頃には東京でもオリオン星雲を肉眼で見ることが出来ました。ただぼんやりと、見えた気になっていただけなのかもしれませんが。春の夕には、オリオン座が西空に消え残ります。おぼろげな有様、やがて沈みゆく儚さなど、夜桜と星雲との対比が印象的です。(小西 宏)

○今日の俳句
陽の庭に白木蓮の花浮かぶ/小西 宏
さんさんと太陽が降り注ぐ庭に、白木蓮が鮮やかに咲いている。庭の陽のあまりの明るさに、花は「浮かぶ」感じだ。白木蓮の花の姿をよく表している。(高橋正子)

○犬ふぐり(オオイヌノフグリ)

[犬ふぐり(オオイヌノフグリ)/横浜日吉本町]

★陽は一つだに数へあまさず犬ふぐり/中村草田男
★構想をまとめ返す歩犬ふぐり/稲畑汀子
★眼を閉ぢて数ふやしけり犬ふぐり/鷹羽狩行
★東京へ歩いてゐるやいぬふぐり/岸田稚魚
★ゆきすぎて胸の微光はいぬふぐり/林翔
★ふかぶかと春の露おくいぬふぐり/瀧春一
★馬とびの馬のつぶれて犬ふぐり/小沢昭一

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢、学名 Veronica persica)とはオオバコ科クワガタソウ属の越年草。別名、瑠璃唐草・天人唐草・星の瞳。路傍や畑の畦道などに見られる雑草。
 ヨーロッパ原産。アジア(日本を含む)、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種(帰化植物)として定着している。日本では全国に広がっており、最初に定着が確認されたのは1887年の東京である。
 早春にコバルトブルーの花をつける。まれに白い花をつけることがある。花弁は4枚。ただしそれぞれ大きさが少し異なるので花は左右対称である。花の寿命は1日。葉は1?2cmの卵円形で鋸歯がある。草丈10?20cm。
 名前のフグリとは陰嚢の事で、実の形が雄犬のそれに似ている事からこの名前が付いた。ただし、これは近縁のイヌノフグリに対してつけられたもので、この種の果実はそれほど似ていない。したがって正しくはイヌノフグリに似た大型の植物の意である。
犬ふぐりは、一般にはオオイヌノフグリをさす。俳句で詠まれている「犬ふぐり」の殆どが「オオイヌノフグリ」であり、在来種の「犬のふぐり」を見かけることは少ない。 

◇生活する花たち「しでこぶし・山吹・桜」(横浜市港北区下田町)

3月26日(月)

●晴れ。
2月21日に受けた病院の検査結果を聞く。最近、この病院では検査を希望する人が増えて、医師が少なくて間に合わないとのこと。私は、薦められて検査をうけている。超音波と血液検査でほとんど病気の状態が分かる。体全部をスキャンされているようなもの。検査値を見て、病気の判断が素人でも多少はできる。

3月25日(日)


晴れ。
菊名の駅ホームから山桜が咲いているのが見える。

現代俳句協会神奈川県支部の総会に信之先生と会場の横浜鶴屋町の県民センターまで一緒に行き、そこで信之先生と別れて帰る。私は血圧が急上昇しているし、気が進まないので、参加を取りやめた。横浜まで来たので、そごうにより、元希にエコルセを買い、私用に、梅園のわらびもちを買って帰宅4時45分に懇親会が始まるので、それまでに、懇親会場に信之先生を迎えに行く予定にした。ところが、2時ごろ信之先生が帰宅。新入会員の挨拶をしたら、何事か起こったようだ。

3月24日(土)


晴れ。霞。
金蔵寺に桜見物に。桜大門から金蔵寺境内へ。8分咲き。桜の写真を撮る。寺の屋根、寺の瓦と桜がよく似合う。明日神奈川の現俳協の会があるが、会報の句を読んで、つまらなさを思ってしまった。

京王フローラルガーデンのホームぺージを見る。西洋風の洒落たガーデン。家からだと、小旅行だ。①日吉本町(グリーンライン)→中山(横浜線)→橋本(京王相模原線)→京王多摩川下車。橋本からは新宿まで下りで、武蔵野の景色が楽しめる。
別のコースでは、②日吉本町(グリーンライン)→日吉(目黒線・東横線)→武蔵小杉(南武線)→稲城堤(京王相模原線)→京王多摩川。このコースで面白いのは、稲城堤。南武線の稲城堤と京王線の稲城堤は徒歩8分。ここを歩かなければならない。なんでこんな不便が生じたのか、敷設のときに話がまとまらなかったとかありそうだ。

それはともかく、この8分の徒歩の間に昭和の商店街がある。神代植物園に行ったとき、稲城堤の商店街の和菓子屋に寄った。、そのとき、ご主人がまた寄ってくださいよと、約束取るように言われたことを今日思い出した。②コースをとれば、稲城堤という不思議な駅がある。「正子さん旅行へ」の気分となる。

3月23日(金)

★雪割草のひらく時きて日があふる  正子
日が当たり、 小さな花の雪割草が咲きだしました。可憐な花の誕生です。(祝恵子)

○今日の俳句
少年の釣りし春鯉リリースす/祝恵子
少年の初々しさが「春鯉」とよくマッチしている。釣った鯉をリリースするのも少年らしいことと思った。(高橋正子)

●曇り。夜、雨。ベランダの花がよく咲きだす。ガーデンシクラメンの種から増えたのが咲いた。虹色すみれが華やかだ。クロッカスが一つ。見黒川の桜が3分らしい。日比谷に複合施設ビルが誕生。日比谷シャンテ。ちょっと行ってみたい。
梅山窯の砥部焼のピッチャーを花瓶にしている。来客があったので、季節でもないが大きなピンクの百合を挿している。砥部焼は春のものだ。
砥部焼の面のひかりも春の色 福田甲子雄 

更地の草萌え出し中に黄水仙    正子
雪水の鉢に咲きだすシクラメン   正子
春分の雪さつさつと力づき     正子
春望の白きビル群地より浮き    正子
彼岸会に参る祖母の見目よろし   正子

○木五倍子(キブシ)の花

[木五倍子の花/横浜・四季の森公園(2013年3月21日)]

★谷かけて木五倍子の花の擦れ咲/飯島晴子
★山淋し木五倍子がいくら咲いたとて/後藤比奈夫
★雨ながら十々里が原の花きぶし/古館曹人
★源流はもとより一縷木五倍子咲く/大岳水一路
★身心を山に置いたる花木五倍子/各務耐子
★木五倍子咲く地図には載らぬ道祖神/北澤瑞史

★木五倍子の花風あるかぎり揺れており/高橋正子
★里山の目を遣るところ木五倍子咲く/高橋正子

キブシ(木五倍子、学名:Stachyurus praecox)は、キブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木。別名、キフジともいう。樹高は3m、ときに7mに達するものもある。3-5月の葉が伸びる前に淡黄色の花を総状花序につける。長さ3-10cmになる花茎は前年枝の葉腋から出て垂れ下がり、それに一面に花がつくので、まだ花の少ない時期だけによく目立つ。花には長さ0.5mmの短い花柄があり、花は長さ7-9mmの鐘形になる。萼片は4個で内側の2個は大きく花弁状、花弁は4個で花時にも開出せず直立する。雄花は淡黄色、雌花はやや緑色を帯びる。雌花、雄花とも雄蕊は8個、雌蕊は1個あるが、雌花の雄蕊は小さく退化している。葉には長さ1-3cmの葉柄があり、互生する。葉は長さ6-12cm、幅3-5cm、葉身は楕円形または卵形で、先端は鋭形または鋭尖形、基部は円形、切形または浅心形になり、縁には鋸歯がある。果実は径7-12mmになる広楕円形、卵形または球形で、緑色から熟すと黄褐色になる。和名は、果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことによる。
 日本固有種で、北海道(西南部)、本州、四国、九州、小笠原に分布し、山地の明るい場所に生える。成長が早く、一年で2mくらいは伸びる。先駆植物的な木本で、荒れ地にもよく出現する。生育環境は幅広く、海岸線から内陸の川沿いまで見られる。

◇生活する花たち「辛夷(こぶし)・木瓜・ミツバツツジ」(横浜日吉本町)

3月18日(日)

★囀りの抜け来る空の半円球   正子
遮るものもない、丸く大きな青空から囀りが聞こえてくる。何処からだろうか。声だけで姿は見えない。まるで遥か高みから空を通り抜けてくるようだ。・・・静かで揺るぎない春のひと日を感じることが出来ます。(小西 宏)

○今日の俳句
ひとつずつ地に触れ消える春の雪/小西 宏
春の雪の降る行方を見ていると、雪片は一つずつ地に触れて消えてゆく。水分を多く含んだ春の雪の美しくも儚い様子。(高橋正子)

●気温が上がって、ベランダの花がよく咲きだした。だのに水切れの鉢も。萎れた花には特にたっぷりと水をやる。鉢の水切れは、つまらない忙しさが続いたため。
朝日の日曜俳句の選者に金子兜太が消えたまま。次の人がでてきたのがこれまでであったが、どうなってるのだろう。

○菫(すみれ)

[菫/横浜日吉本町]

3月17日(土)

★花すもも散るや夜道の片側に   正子
夜の静けさに、らんまんと咲いたすももの花の、雪のようにはらはらと散るさまが美しいかぎりです。夜道の片側にこぼれる、花すもものひそやかな情景に、春の夜の淡く柔らかな空気感も伝わってまいります。(藤田洋子)

○今日の俳句
桃の花馴染みの声の店先に/藤田洋子
桃の花が店に活けてある。店先に馴染みの声が聞こえて、「あら」と思う。桃の花には、気取らない、明るい雰囲気があるので、「馴染みの声の店先に」言ってみるのだ。日常の一こま。(高橋正子)

●晴れ。ゆうべの風が運んだ埃で物干し竿もベランダの手すりも誇りまみれ。春埃とはよく言ったもの。
春埃の手すり歳月かく過ぎぬ  正子
更地なりラッパ水仙残さるる  正子

ネット短信No.345発信。
俳壇4月号の秀之さんの句をコピーし会員に郵送。

○辛夷(こぶし)

[辛夷/横浜都筑区緑道ふじやとの道]