8月24日(土)


31度。しのぎやすくなった。

鳴きとぎれつくつくほうしはそれっきり  正子

角川俳句9月号が届く。隔月で広告を掲載しているため。
現代俳句協会の副会長の小林貴子氏、一物仕立ては、類句に落ちりやすいので、取り合わせの句を作りましょうと推奨していて、違和感を覚える。

長編『長いお別れ』を読み終わったが、犯人は特定できたもののいまいちあらすじがぼんやり。
私立探偵マーローの、嫌疑をかけられた友人が最後整形手術をして彼の前に別名で現れたのは、想定外。夜はすずしくなったし、はじめから読み返す。言葉一つに伏線があるのが、はっきりわかる。確かにハードボイルド。二度の戦争がやくざを生んだというセリフもある。戦争の後のハードボイルド小説が生まれている。50年前、英文科の女子学生たちが好んだヘミングウェイ。これもハードボイルド。ハードボイルドって、なんだって今思う。

介護保険の更新のため、主治医の先生に書類もって行く。本人の身長・体重の計測。

8月22日(木)


曇り 
東急で伊豆の天草を買ってきて心太を作る。城ヶ島に行ったときに天草を買ったが、その心太と比べると海藻臭さがない。買ったのは荒目という上等なものだが、ちょっと期待を裏切られた。
淡路島の天草から作った心太もおいしかった。城ヶ島のもおいしかったのだが。上等すぎたのかも。

天草に海の香しのびつつ煮出す  正子
ともしびのかけら散らばる心太  正子
ともしびも波になること心太   正子

8月18日(日)


晴れ。残暑ながら、35度。

●昨日、「俳句四季」、少し前に「俳壇」、それぞれ9月号が届く。「俳壇9月号」には、柳原美知子さんの句が掲載される。10月号は古田敬二さん、11号は桑本栄太郎さん。敬二さんからは、原稿依頼があったという、連絡はない。

●「切れ字」は、俳句の病という谷野予志先生の句は、ほとんど一物仕立て。教科書で、誓子の句に馴染んでいたから、俳句はそのようなものとして、俳句をはじめた。始めたばかりの私の句を予志先生は、天才かと思うほど誉めてくれたが、それもそうだろう。誓子の句をいいと思っていたころだから。今、やたら、切れ字、をいう俳壇に疑問をもっている。不即不離の原則も守られていない。俳句人口は飽和に達しているのかも。過飽和かも。

●信之先生歯痛で困る。お盆で歯医者は休みだし、この暑さで、歯に堪えない料理を何にするか困る。

調理され泳ぐ姿の鮎を買う  正子
閑散と朝のデパート鮎を買う 正子
デパートを出て炎天の港町  正子

8月16日(金)


曇り。台風の余波の風。

●台風10号が呉市に上陸し、日本海へ抜けた様子。きのうは、思いついたように時々雨が降った。今朝は、風があり、涼しい。

桃剥いて桃の香りが我にあり    正子
盆花の菊あふるるはさびしかり   正子
アンデスのコーヒー苦し秋初め   正子
京遠し五山の送り火新聞に     正子
台風の風らし窓に流れ入る     正子

8月11日(日)


台風10号が西日本へ近づいている。今は、小笠原諸島。

●海の事故が相次ぐ。大人は亡くなって、子供は浮いていて助かっているらしい。泳ぐ行為より、この「浮く」ことを学校で教えているので、子供は助かって大人は、助けようと力尽きるらしい。子供のころ、七夕(8月7日)が過ぎたら、海で泳ぐなと祖母から言われていた。それは、あたっている。

●8月月例ネット句会。いつもの12名が参加。オフ句会でも、このくらいの人数がちょうどよい。投句はその場合は、7句が普通だったが。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d

投句
★ひとひらの高き雲浮き秋に入る 正子
澄み渡った秋空にひとひらの雲、定めない秋空に雲の変化もあり、秋の気配を充分に身に染む頃となりました。素晴らしい季節に感謝です。 (小口泰與)
今年の立秋の日は、こちらでも青空に巻雲が出ていました。急に空が高くなったように感じられました。 (多田有花)

★灼けている煤あるごとく空暗み 正子
★きっかりと半月空に秋に入る  正子

8月月例ネット句会/入賞発表


■2019年8月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年8月12日

【金賞】
22.稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
稲穂が出始める季節。出穂のときは、穂はまだまっすぐだ。朝の光に、われもわれもと背伸びをするかのように、総立ちになる。歓喜で朝を迎えている。これからの実りが楽しみだ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
16.盂蘭盆会を前に仏花を求めくる/高橋秀之
先祖の精霊を迎える支度に、仏花を求めてきた。夏菊などが束ねられて、生き生きとした花だ。盆の花を用意し、先祖を迎える生活が生き生きとしている。(高橋正子)

32.展覧会モノクロ涼しき師の写真/高橋句美子
展覧会でモノクロ写真を目にした。シンプルな句だが、多彩な写真のなかで、モノクロ写真が涼しく思えた。師の写真には特別涼しさが加わったのだろう。(高橋正子)

【銅賞/3句】
13.水道は小さく絞れ広島忌/古田敬二
広島に原爆が投下され、犠牲となった人たちは、水を、水を、と水を求めながら死んだ。命と引き換えの水。水道は、小さく絞って、せめてこの日は使おうではないか。(高橋正子)

10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
蓮の葉が重なる。上の葉から、下の葉へ、水滴が滑り落ちる。その光景は、目にもきよらかで涼しい光景だ。(高橋正子)

35.山頂に飲み干すラムネに映る空/西村友宏
山頂でラムネを傾けて飲み干した。すると、瓶に空が映る。青いラムネの瓶に映る空も青く輝いている。山頂きの空気が爽やかだ。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
美しいものの代名詞のような、蓮の葉の上を転がる水滴です。風に不安定となり、きらめきながら転がり落ちた先も、又蓮の葉の上です。「ハ」と「ス」の頭韻が心地よく、美しい涼やかなリズムが生まれている。(桑本栄太郎)

23.朝風に初穂光りて揺れやまず/柳原美知子
稲穂が出揃う時期になってきました。朝の涼やかな風の中朝日に映えて輝く初穂の美しさが感じられます。 (多田有花)

13.水道は小さく絞れ広島忌/古田敬二
16.盂蘭盆会を前に仏花を求めくる/高橋秀之
22.稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
32.展覧会モノクロ涼しき師の写真/高橋句美子
35.山頂に飲み干すラムネに映る空/西村友宏

【高橋正子特選/7句】
05.百日紅の木陰にならび六地蔵/多田有花
暑い日差しは地蔵にも容赦なく照り付けます。そんな六地蔵が涼しさを求めているかのように百日紅の木陰に並んでいるのは、ほっとする光景です。 (高橋秀之)

35.山頂に飲み干すラムネに映る空/西村友宏
山頂で飲むラムネ。飲み干せば青空が。汗がひいたことでしょう。 (祝恵子)

17.幼子の袋に金魚が懐かしき/高橋秀之
夜店の金魚すくいで取った金魚でしょうか。ビニール袋に透ける赤い金魚を手に、うれしそうに歩く幼子の姿にかつての子供たちの姿が重なります。 (柳原美知子)

10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
13.水道は小さく絞れ広島忌/古田敬二
22.稲穂出て朝の光に総立ちに/柳原美知子
32.展覧会モノクロ涼しき師の写真/高橋句美子

【入選/10句】
03.テンカラの毛ばり呼び込む?の花/小口泰與
テンカラ釣りでは釣りの間中ずっと竿を振り続けます。渓流で竿を振る釣り人の上にタラの白い花が涼やかです。 (多田有花)

06.原爆忌いずこの町も燃えている/多田有花
このところの日本全国での酷暑は、原爆の火をイメージさせられるような気がします。地球上での様々な危機的状況について、考えさせられる原爆忌です。 (柳原美知子)

08.人影を石に映せり原爆忌/桑本栄太郎
広島で炸裂した原爆の光がそのとき座っていた人の影を敷石に残したという話は有名です。それを思い出しました。 (多田有花)

12.童話めくれば懐かしき夏灯し/祝恵子
童話のページのひとつひとつに、かつての読み聞かせの思い出が蘇る夏の夜の心温まるひと時です。 (柳原美知子)

18 帰宅路に聞こえる花火の音遠く/高橋秀之
帰宅時に、駅を出ると花火の音が聞こえることがある。どこの花火大会かなと思いながら、空を見回すが、花火は見えない。何となく寂しくなる心情を「音遠く」で表したところが上手い。(廣田洋一)

20.若かりし妻の好みのソーダ水/廣田洋一
ソーダ水を飲めば、若き日の奥様の笑顔や仕草がまなうらに浮かび、共に過ごした日々が懐かしく偲ばれます。素敵な愛の詩ですね。 (柳原美知子)

24.初秋の石鎚青きシルエット/柳原美知子
澄んだ空気に山のシルエットが綺麗に浮かび上がる景色が美しいです。 (高橋句美子)

33.レモン水透けるガラスにつく水滴/高橋句美子
レモン水の入ったガラスの涼し気な水滴。よく冷えていたことでしょう。透き通った向こうに見えてもの何だったのでしょう(古田敬二)

07.勇気こそ愛の証しや草田男忌/桑本栄太郎
34.天の川帽子を流す浜の風/西村友宏

■選者詠/高橋信之
25.夏ずぼん薄く軽きを楽しめる
26.外を見る出かける前の夏シャツで
27.窓外がかっと明るい真夏の陽

■選者詠/高橋正子
29.ひとひらの高き雲浮き秋に入る
澄み渡った秋空にひとひらの雲、定めない秋空に雲の変化もあり、秋の気配を充分に身に染む頃となりました。素晴らしい季節に感謝です。 (小口泰與)
今年の立秋の日は、こちらでも青空に巻雲が出ていました。急に空が高くなったように感じられました。 (多田有花)

28.灼けていて煤あるごとく空暗み
30.きっかりと空に半月秋に入る

■互選高点句
●最高点(同点2句/7点)
10.葉より葉へ蓮の水滴すべり落つ/祝恵子
29.ひとひらの高き雲浮き秋に入る/高橋正子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
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