■9月月例ネット句清記


■9月月例ネット句清記
2019年9月8日
12名36句

01.大阪港の西に大きく秋の空
02.秋風が吹き寄す海に鳥一羽
03.台風の進路はいずこニュース見る
04.綾子忌の豆殻焚いて早風呂に
05.暮れ残る嶺の茜やあきつ飛ぶ
06.かなかなの峡の静寂や母の里
07.秋雷の後に鳴らして豆腐売り
08.西瓜切り子供へ無料の張り紙
09.秋初めお食い初めの鯛や汁
10.福岡の豊水店頭に高く

11.稲の波広々続く播磨の野
12.唐辛子赤し快晴の空青し
13.爽やかや渓流の音身の内に
14.秋の朝利根上流の堅き水
15.背(せな)ふたつ遠目に月の湖畔かな
16.一泳ぎゴーグル外せば鰯雲
17.靴ひもを結びて誓う墓参り
18.稲光車内に本を読みふけて
19.夏山に木を伐り倒す音立てて
20.卓上の芒が風に吹かれいる

21.しんとして夏の暑さの中に居る
22.天辺から楓紅葉木曽ホテル
23.音たてて木曽駒ケ岳(きそこま)流す秋の水
24.秋の夜や静かに語る満蒙談
25.芒の穂若きみどりが金を帯ぶ
26.葛の花の匂いここまで川はさみ
27.家づとに芒・露草・葛の花
28.採れたての野菜頂き秋の風
29.たらたらと肘に流れる桃の水
30.海べりの波打つ如き尾花かな

31.秋場所の初日の空の高く晴れ
32.秋茄子の母の煮びたし薬味の香
33.駅ホーム秋雨の叩く音響き
34.朝露に濡れて白猫帰りくる
35.稔田をはるかに飛機雲伸びゆけり
36.青銀杏吹きあぐる風身に透けり

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

9月8日(日)


台風15号が9時ごろ横須賀から千葉に上陸。
夜強い風と雨が降り出すまでは、台風の気配はなかったが、8時ごろから急に雨と風が強まる。朝方まで窓が鳴って、恐ろしい。これほど窓が鳴ったのは初めての経験。

9月月例ネット句会開催。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d
いい句なのに、表現が足らず特選に入れることができない句が何句かある。

 句会投句
芒の穂若きみどりが金を帯ぶ  正子
葛の花の匂いここまで川はさみ 正子
家づとに芒・露草・葛の花   正子

9月7日(土)


昨日は33度、今日もそれくらい。一時涼しくなっていたが、暑さが戻る。

朝、5丁目の丘に一人吟行。
芒、葛の花。ペパーミントの花、露草をお土産に持ち帰る。芒を折ろうとしたがおれない。穂先を抜くと、すっと抜けた。葛の花の匂いが、空気を染めて匂っている。持ち帰った花を咲き残っている白竜胆と合わせてガラスコップに。秋草らしくなりにける。

百日紅百日十日の秋暑し       正子
秋暑し甘藷畑に葉が熟れて      正子
すすきの穂若きみどりも金を帯ぶ   正子
ぽっかりと畑あり葛の花匂い     正子
葛の花ここまで空気を染め匂う    正子
つゆ草の青が溶け出しシャワー浴ぶ  正子
丘の道突き当りに湧く秋の雲     正子
砂糖黍の匂いが芒の茎にある     正子

●レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』を二度繰り返し読んだ。作中の作家ウェイドは、自分のある手紙で、自身の名にスコット・フェッジラルドを名を加えている。ウェイドは、フェッジラルド同様に酒飲み。それに重ねたか。ハリウッドがメイン舞台。フィッジェラルドもハリウッドで仕事をしていた。現実と話がクロスオーバーしそう。

ジョン・グラシャムの推理小説『カミノ・アイランド』を読みはじめた。時代はアップルのiPhone5の時代。翻訳がないので、原書なのだが、この本は、プリンストン大学のファイアストーン図書館にあるフィッジェラルドの手書き原稿を盗む話。オリジナルは粗末な紙なので、精巧なコピーをして、閲覧させている。3億円ばかりの値打ちか。フィッジェラルドは、実際プリンストン大学に入学し、兵役の関係か中退している。なぜこうもフィッジェラルドが出てくるのか。文学やアートに関した犯罪をネタにするのは、日本ではちょっと珍しいかも。それで興味がわいて読み始めた。

9月6日(金)


8月24日から今日まで、いろいろあった。

●8月27日、信之先生が、急に仰向けに倒れて強い脳震盪を起こす。血圧降下剤の効きすぎと思う。一晩様子を見て、28日に脳神経科で、あたまのCTを撮ってもらった。異常なし。首を鞭打ちしている様子。頭痛と首の不快感あり。3か月は経過観察。水枕で頭を冷やしたり、食事に気を付けたり、また、倒れないかと神経を使う。
1日、日曜日、句美子が見舞いに来る。元は、心配して来るとはいったが、体調不良で来週くるという。

●9月3日に角川年鑑2010年の原稿「全国俳誌・結社ー一年の動向」をメールで送る。20×20の原稿用紙をダウンロードして使う。これがちょうどよかった。角川俳句の編集者が久しぶりに男性に代わる。

●客間のカーテン、2窓を新調。オーダーしようと思ったが、店員が既製品で大丈夫ということで、既製品に。シルバーグレーにした。フックにアジャスターがついていて、丈が調節できた。

●「子規新報」74号が「高橋信之の俳句」を特集した。5部送られてきたので、20部追加を頼んだら今日とどいた。三日だったか、編集者の小西昭夫くんにお礼の電話。彼は、船団にいるが、船団は来年5月に終刊になるとのこと。「廃刊ですか」と聞いたら、「終刊」だと訂正される。なるほどね。

●9月月例ネット句会投句ご案内●


●9月月例ネット句会投句ご案内●
①投句:当季雑詠(秋の句)3句
②投句期間:2019年9月2日(月)午前6時~2019年9月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:9月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:9月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、9月9日(月)正午~9月12日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

8月24日(土)


31度。しのぎやすくなった。

鳴きとぎれつくつくほうしはそれっきり  正子

角川俳句9月号が届く。隔月で広告を掲載しているため。
現代俳句協会の副会長の小林貴子氏、一物仕立ては、類句に落ちりやすいので、取り合わせの句を作りましょうと推奨していて、違和感を覚える。

長編『長いお別れ』を読み終わったが、犯人は特定できたもののいまいちあらすじがぼんやり。
私立探偵マーローの、嫌疑をかけられた友人が最後整形手術をして彼の前に別名で現れたのは、想定外。夜はすずしくなったし、はじめから読み返す。言葉一つに伏線があるのが、はっきりわかる。確かにハードボイルド。二度の戦争がやくざを生んだというセリフもある。戦争の後のハードボイルド小説が生まれている。50年前、英文科の女子学生たちが好んだヘミングウェイ。これもハードボイルド。ハードボイルドって、なんだって今思う。

介護保険の更新のため、主治医の先生に書類もって行く。本人の身長・体重の計測。

8月22日(木)


曇り 
東急で伊豆の天草を買ってきて心太を作る。城ヶ島に行ったときに天草を買ったが、その心太と比べると海藻臭さがない。買ったのは荒目という上等なものだが、ちょっと期待を裏切られた。
淡路島の天草から作った心太もおいしかった。城ヶ島のもおいしかったのだが。上等すぎたのかも。

天草に海の香しのびつつ煮出す  正子
ともしびのかけら散らばる心太  正子
ともしびも波になること心太   正子

8月18日(日)


晴れ。残暑ながら、35度。

●昨日、「俳句四季」、少し前に「俳壇」、それぞれ9月号が届く。「俳壇9月号」には、柳原美知子さんの句が掲載される。10月号は古田敬二さん、11号は桑本栄太郎さん。敬二さんからは、原稿依頼があったという、連絡はない。

●「切れ字」は、俳句の病という谷野予志先生の句は、ほとんど一物仕立て。教科書で、誓子の句に馴染んでいたから、俳句はそのようなものとして、俳句をはじめた。始めたばかりの私の句を予志先生は、天才かと思うほど誉めてくれたが、それもそうだろう。誓子の句をいいと思っていたころだから。今、やたら、切れ字、をいう俳壇に疑問をもっている。不即不離の原則も守られていない。俳句人口は飽和に達しているのかも。過飽和かも。

●信之先生歯痛で困る。お盆で歯医者は休みだし、この暑さで、歯に堪えない料理を何にするか困る。

調理され泳ぐ姿の鮎を買う  正子
閑散と朝のデパート鮎を買う 正子
デパートを出て炎天の港町  正子