2月10日(月)

晴れ
春立つも星の冷たさ目を射しぬ  正子
夫のセーター袖を一折りして被り 正子
ひとり居に朝空春の色であり   正子

●2月月例ネット句会入賞発表
発表は正午の予定が13時になった。2月句会は近年になく、全員参加となった。個人的な印象に過ぎないが、最近、みんなの句がレベルアップしている気がする。

●俳句アトラス代表で俳人の林誠司から句集『海光』(2025年1月15日発行/俳句アトラス)を贈呈いただいた。前頂いたのは、第二句集『退屈王』だったので、第三句集。

●足利銘菓の最中と煎餅をいただく。足利学校にゆかりのあるお菓子。関東のお菓子はほとんど食べたことがない。何があるのかも知らない。

●もしかしたら、明日あたり元希が来るかもしれないので、猫のカリーヌのチョコレートと鳩サブレを買ってきた。

■2月月例ネット句会入賞発表■

■2月月例ネット句会入賞発表■
2025年2月10日
【金賞】
47.蜜柑摘み汽笛近づく海を背に/吉田 晃
蜜柑は瀬戸内式気候に恵まれた地域に多く栽培されるが、その蜜柑を摘むときの明るい風景が力強く詠まれている。海岸に沿って電車が汽笛を鳴らし近づいて来るのが、いっそう懐かしさを誘っている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
24.驚きの余寒や鉄の十字架に/多田有花
余寒というのは、もうこれからは暖かくなると思っているところに、不意にやってくる。そのときわれわれは、その突然さに驚かされるのである。鉄の十字架にまで余寒が至り、この世界は心底冷えているのだ。(髙橋正子)

29.降りながら土に光りて春の雪/藤田洋子
やわらかく、しずかな春の雪が、降りつつ解けてゆく儚さが、凝視の眼で詠まれている。しずかな調べに奥深さが読み取れる。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり/廣田洋一
凧上げをする親子の光景であろう。凧はあがるまでが子供には難しい。揚がってから糸をわたされた子の喜びようが目に見える。親子の情愛が温かく詠まれている。(髙橋正子)

13.待春や子犬の駆けるちから増す/弓削和人
春が近づくと、子犬も元気になる。ころころと駆ける四肢に力が増している。「待春」の気持ちがそっくり表されて、楽しくなる句。(髙橋正子)

36.落葉轢く音を体に車椅子/川名ますみ
車椅子に轢かれる落葉の音は、すぐさま車椅子に乗っているものの体に響いてくる。一つ一つ違う落葉の砕ける音、自然の音。自然とのちょっと楽しい一体感。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
24.驚きの余寒や鉄の十字架に/多田有花
このところの厳しい余寒には本当に驚かされます。南国では余り経験しない立春後の寒さです。頑丈な鉄の十字架さえも神様さえも想定外では。「鉄の十字架に」が効いていると思います。 (柳原美知子)

25.寒の水峡の社を鳴らしおり/柳原美知子
谷あいにある小さなお社でしょうか。豊かな水がそこに流れ込みいつもその音が社を包んでいます。社は神を祀っており、水は神自身の姿でもあります。(多田有花)

29.降りながら土に光りて春の雪/藤田洋子
春の雪は積もることなく、地面に触れた瞬間に解けて水となり、太陽の光を反射して光っている、そのような風情のある穏やかな情景が想像されました。 (土橋みよ)

36.落葉轢く音を体に車椅子/川名ますみ
車椅子に乗ることで、いっけん不自由な身に落葉一枚一枚を轢くたびに心身に自然の営みを敏感に感じ取っている景を表している。森羅万象が落葉に凝縮されて自然と一体となることを想像させられた句。車椅子の身だからこそ、健常者では味わえない瞬間だったかもしれない。(弓削和人)

43.大切に小さく咲いて節分草/髙橋句美子
春を告げてくれる節分草の白い可憐な花が咲いているのを見つけられた嬉しさ。余寒の中のその小さな希少な花のけなげさを愛しんでおられる優しさが伝わってきます。 (柳原美知子)

46.しんしんと雪降る闇を白くして/吉田 晃
先日からの寒波は南国の鹿児島や愛媛にも雪を降らせました。その降る雪を室内から眺めておられる情景でしょう。雪に光が当たり闇が白く輝くように見えます。(多田有花)

13.待春や子犬の駆けるちから増す/弓削和人

【髙橋句美子特選/7句】
04.凍雲の晴れて山の端白きかな/桑本栄太郎
雪の後の空模様なのでしょうか。山の端白きに遠目から見る冬の山の様子がうかがえました。 (高橋秀之)

11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり/廣田洋一
春先は風も良く吹き、凧揚げには良いものですね?ところが意外に難しく、風に乗るまでがひと苦労です。お孫さんでしょうか?子供さんでしょうか?凧を持って駆け、揚った所で凧糸を子に渡します。(桑本栄太郎)

21.春立ちて青天に白き月浮く/友田 修
立春となり、分厚い雲に覆われていた空も透きとおった青さに明けてゆき、淡く白い月を浮かべている。新たな季節を美しく捉えられ、実感された喜びが伝わってきます。 (柳原美知子)

28.春の雪窓に見つめて形見分け/藤田洋子
春になったのに思い出したように降る雪、形見分けの席に故人の気持ちが舞い戻ってきたように感じます。窓から見える雪景色は白く美しく、懐かしい故人の面影が浮かんでは消えているのではないでしょうか。(友田修)

39.睡蓮を沈めて青き冬の水/髙橋正子
水中に睡蓮を沈め、際立つ冬水の青さ。冬の水の澄んだ透明感、冷たくも凛とした季節感を静かに伝えてくれます。(藤田洋子)
寒さが増すにつれ、磨かれるように青を深める冬の水。その水の底には、睡蓮鉢があります。翌夏に花を咲かせるでしょう、睡蓮の株を静かに沈めて、尚「青き水」です。(川名ますみ)

47.蜜柑摘み汽笛近づく海を背に/吉田 晃
海に面した日当たりの良いみかん畑が懐かしい風景です。(髙橋句美子)

13.待春や子犬の駆けるちから増す/弓削和人

【入選/20句】
02.木を叩く小啄木鳥の嘴や春の杜 (コゲラ)/小口泰與
杜に聞くコゲラのドラミング。木を叩く嘴のせわしない動き、心地よい音の響きに、明るい春の訪れを感じます。(藤田洋子)

03.上州は山風豊か冴え返る/小口泰與
上州はかかあ天下と空っ風、という言葉を耳にしたことがあります。風の国上州の山から吹く風は身を切るような冷たさでしょう。それを「山風豊か」と表現されたのに詩心を感じます。(多田有花)

05.白きものほつほつ頬に春浅し/桑本栄太郎
春になりもう雪はないと思っていたのに、寒の戻りか雪が舞っている。外に出て見上げると頬に優しくあたる雪はやはり春の雪。氷のように固い雪の粒ではなく、「ほつほつ」と頬を撫でる。季節の変わり目の、季節の移ろいの「逡巡」を感じます。(友田修)

06.補助輪のこきこき行くよ春立ちぬ/桑本栄太郎
幼い子が小さな自転車に乗る練習をしている情景です。喜んで懸命にペダルを漕ぎます。まだ自立して走れませんがそれを支える補助輪の音が可愛らしいです。(多田有花)

07.文字を打つ指が悴む朝の駅/高橋秀之
寒中の早朝の冷え込みが想像される駅のベンチ。まだ人気もない時間帯でしょうか。ご自身の息遣いがかんじられるようです。体調にはお気を付け下さい。 (柳原美知子)

10.春暁や星のまたたき強くなり/廣田洋一
春とはいえまだ冷たい薄明かりの夜明け前、ことさら強い星の瞬きに、冬から春への季節感をあきらかに感じさせてくれます。(藤田洋子)

15.冬銀河鳰の湖へと流れけり/弓削和人
 冬は大気が澄み、凍空の星の光が鋭い。その輝く星が琵琶湖へと輝き流れ流れていく素敵な景ですね。(小口泰與)

19.朝日受け今は明るき枯野かな/友田 修
朝日を浴びて輝く枯野、荒涼と広がる野の侘しさにも、やがて迎える芽吹きの季節の明るさを感じ取れます。(藤田洋子)

23.少年ら余寒のなかを駆けゆけり/多田有花
この時期、体育の授業であったり、部活の基礎練習であったりで駆けている様子をよく見かけます。それは、私たちのころも同じでした。元気な子供たちを見ているとこちらまで昔を思い出して元気をもらえそうです。 (高橋秀之)

26.節分や猫驚かす鬼の面/柳原美知子
節分の鬼。最近はかわいい鬼も多いですが、本来は猫も驚くぐらいの鬼こそが「鬼は外」の節分の鬼なのです。 (高橋秀之)

31.寒風や散髪帰りの耳を打つ/西村友宏
散髪でさっぱりした耳に寒風が当たるとより一層の寒さを感じる。冬の日にあるあるの光景ですが、その気持ちがすごく共感です。(高橋秀之)

34.梅のどの蕾も珠となりし朝/川名ますみ
梅の蕾のふくらみを日々楽しまれ、いよいよ蕾が全て色と光を帯び、珠のようにふくらんだ朝の喜び。待春の思いが梅の蕾に美しく表されています。 (柳原美知子)

35.梅咲いて紅色すこし薄らぎぬ /川名ますみ
ぎゅっと堅かった紅梅のつぼみ。その濃い紅色は、花開くにつれて周囲を明るくし、やがて景色に溶け込んでいく。梅の紅も次第に薄らいでいくようだ。ひかりが一枚一枚の花びらを透かしているのだろうか。ぎゅっとした凝縮から明るい広がりを感じます。(友田修)

42.春浅し卒寿の母の祝膳/上島祥子
平均年齢が81才を越えているとは言え、やはり卒寿はお目出度い。祝膳が効いている。 (廣田洋一)

09.打ち寄せる白波高き冬の海/高橋秀之
14.寒椿落ちゆくならば淡海/弓削和人
17.春待ちて慣れしクラ手にK.545を/土橋みよ
19.朝日受け今は明るき枯野かな/友田 修
27.春雪解け真夜の星座のありありと/柳原美知子
33.きらきらと輪切り蜜柑の映える朝/西村友宏
41.河風やマラソンランナー城下駆け/上島祥子

■選者詠/髙橋正子
37.万作やまだこれからの蕾なり
春とは名ばかりで木々の蕾はまだ硬く寂しい風情が伺えますが、それでも蕾が大きくなっていくのを楽しみに待っている心境が早春をよく表していると思いました。(上島祥子)
  
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に 
荒海の冷たさを表現するのは難しいと思われるが、「寒き翳り」と表現されており、そして「羽裏」とすることで、荒海を飛ぶかもめの姿がはっきり見えてきた。荒れ狂う風に羽裏を見せてバランスを取りながら体制を立て直し浮かんでいる姿である。(吉田晃)
  
39.睡蓮を沈めて青き冬の水   
水中に睡蓮を沈め、際立つ冬水の青さ。冬の水の澄んだ透明感、冷たくも凛とした季節感を静かに伝えてくれます。(藤田洋子)
寒さが増すにつれ、磨かれるように青を深める冬の水。その水の底には、睡蓮鉢があります。翌夏に花を咲かせるでしょう、睡蓮の株を静かに沈めて、尚「青き水」です。(川名ますみ)

■選者詠/髙橋句美子
44.藪椿郵便受けに落ちる赤
あざやかな花弁の藪椿が郵便受けにぽとりと一つ落ちている。厳しく寒い毎日に暖かさを感じる素敵な光景と思いました。(西村友宏)

45.晴れた日にメジロを探して空仰ぐ
晴天の空を眺めるのが私は好きです。雲一つない空でも、淡い雲があっても。透き通る空に引き込まれます。梅の木にやって来たメジロでしょうか?見つけたと思ったらぱっと飛び立ってしまった。急いでその先を目で追うとそこには広い晴天が広がっています。(友田修)

43.大切に小さく咲いて節分草

互選高点句
●最高点句(6点)
39.睡蓮を沈めて青き冬の水/髙橋正子  
集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

2月9日(日)

晴れ
●2月月例ネット句会
投句
37.万作やまだこれからの蕾なり    正子
春とは名ばかりで木々の蕾はまだ硬く寂しい風情が伺えますが、それでも蕾が大きくなっていくのを楽しみに待っている心境が早春をよく表していると思いました。(上島祥子)
  
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に 正子
荒海の冷たさを表現するのは難しいと思われるが、「寒き翳り」と表現されており、そして「羽裏」とすることで、荒海を飛ぶかもめの姿がはっきり見えてきた。荒れ狂う風に羽裏を見せてバランスを取りながら体制を立て直し浮かんでいる姿である。(吉田晃)
  
39.睡蓮を沈めて青き冬の水   正子
水中に睡蓮を沈め、際立つ冬水の青さ。冬の水の澄んだ透明感、冷たくも凛とした季節感を静かに伝えてくれます。(藤田洋子)
寒さが増すにつれ、磨かれるように青を深める冬の水。その水の底には、睡蓮鉢があります。翌夏に花を咲かせるでしょう、睡蓮の株を静かに沈めて、尚「青き水」です。(川名ますみ)

今月は、全員参加となった。全員参加はめったにないこと。うれしいことではあるが、「何ごと」と思ってしまう。寒波のせいで予定が組めなかった、いや、みんなにやる気が出たのだ。いずれにしても、全員参加はいい事なのだ。

●キャベツのところに170円のポップが見えたので、迷わず1玉買った。買って気づいたが、それは半個の値段。見るからに柔らかそうな葉っぱ。ひとり暮らしなので、1個を買うことはめったにない。冷凍庫にミンチがあるので、このチャンスにロールキャベツを作った。10個あまりできた。平鍋には9個敷き詰められたが、少し残った。これは冷凍した。思った以上に美味しくできた。玉ねぎの粗みじんがよかったのか、キャベツが美味しいのか。煮込む時間がよかったのか、美味しくなった理由はいろいろ。月例句会の選句を皆がしている間に句美子のところへ持って行った。

●句美子の家からの帰りの電車、以前は全員スマホを見ていたが、最近ちらほら本を読んでいる人を見かける。こういう私も今日は、文庫本の『マルテの手記』を読んでいた。読んでいるとあっという間に終点の日吉に着く。

■2月月例ネット句会清記■

★今月は全員が投句しています。ご参加ありがとうございます。 (髙橋正子)

■2月月例ネット句会清記■
2025年2月9日
48句(16名)

01.心地よき嘴打つ音や森の春
02.木を叩く小啄木鳥の嘴や春の杜 (コゲラ)
03.上州は山風豊か冴え返る
04.凍雲の晴れて山の端白きかな
05.白きものほつほつ頬に春浅し
06.補助輪のこきこき行くよ春立ちぬ
07.文字を打つ指が悴む朝の駅
08.節分や鬼を横目に出勤す
09.打ち寄せる白波高き冬の海
10.春暁や星のまたたき強くなり

11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり
12.春寒や大賑わいの中華街
13.待春や子犬の駆けるちから増す
14.寒椿落ちゆくならば淡海
15.冬銀河鳰の湖へと流れけり
16.春の風レターパックで本届く
17.春待ちて慣れしクラ手にK.545を
18.寒空に来たりし友と多々良沼へ
19.朝日受け今は明るき枯野かな
20.節分会袋に入った豆を取り

21.春立ちて青天に白き月浮く
22.風の音高まる余寒の厳しさに
23.少年ら余寒のなかを駆けゆけり
24.驚きの余寒や鉄の十字架に
25.寒の水峡の社を鳴らしおり
26.節分や猫驚かす鬼の面
27.春雪解け真夜の星座のありありと
28.春の雪窓に見つめて形見分け
29.降りながら土に光りて春の雪
30.城濠の梅のふくらみ見て歩く

31.寒風や散髪帰りの耳を打つ
32.突風やコートすり抜け肌を刺す
33.きらきらと輪切り蜜柑の映える朝
34.梅のどの蕾も珠となりし朝
35.梅咲いて紅色すこし薄らぎぬ
36.落葉轢く音を体に車椅子
37.万作やまだこれからの蕾なり   
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に     
39.睡蓮を沈めて青き冬の水   
40.近況の挨拶其々コート手に

41.河風やマラソンランナー城下駆け
42.春浅し卒寿の母の祝膳
43.大切に小さく咲いて節分草
44.藪椿郵便受けに落ちる赤
45.晴れた日にメジロを探して空仰ぐ
46.しんしんと雪降る闇を白くして
47.蜜柑摘み汽笛近づく海を背に
48.春闇に金星夜漁の舟の灯と


※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

2月8日(土)

晴れ

●明日の2月月例ネット句会の準備。

●昼過ぎ、延長コードを買いにノジマへ。今日は丘を越えて日吉まで歩くつもりだったが、無意識に赤門坂へ足が向いていた。赤門坂の空き地は造成され、新しい家が立ち並んでいる。ノジマで延長コードを探しているうち暑すぎて気分が悪くなった。コートを脱いでも暑いので、化粧室でセーターを脱いだ。他のお客は分厚いコートを着て平気で歩いている。コードは5mのを買ったが、手にして重い。これは本棚の裏をとおして仏壇のライト用に使う。

●夜、美知子さん、晃さん、秀之さんに電話。雪がちらついたり、少し積もったということだった。美知子さんとは60年近く前の学生時代の話。そのころ、松山は文化的に田舎だったと。思い出して見れば吟行の時、野良犬を一緒につれて畑寺から石手寺へと歩く道は舗装されてなく、道端には草が生えていた。もうその時代には帰れない。そのころ東大や京大を卒業して愛媛大学に次々赴任されてこられた若い先生方は、松山がどんなにか田舎であると思われたのではと思う。

2月7日(金)

晴れ

●眠ったのが午前2時ごろ。眠ろうとして眠れず、そのまま目を覚ましていたと思う。気づいたら、5時前だったので、起き出して、昨日林檎を炊いていたので、アップルパイを焼いた。200度で20分焼いたが、気温が下がっているせいか、いつもより、焼け具合が弱い。昨日材料の半分包んで嫌になって止めていた餃子の残りを包んで冷凍した。この辺は一人暮らしの気ままが通る。それから大根葉と胡麻と塩で菜飯の素を作った。
●朝、みよさんから花冠のバックナンバーの注文があったので、レターパックで送った。
30周年記念号、合同句集『泉』、花冠No.365,366、367、368、369、370。

●一日家で編み物。75センチ角のひざ掛けが出来上がる。夕方、ユザワヤへ注文していた毛糸を取りに行く。この毛糸5玉買ったので、「まとめ買いで安くします」と言いながら、レジをカチャカチャ打って、値引きしたレシートをくれた。毛糸のバーゲンをしている。買いたい気持ちを抑えて、秋になって新色がでたらそれを買うことにした。寒波が来ている間中編み物をしたが、あと一枚子供ベストを編んで終わりにしよう。

●髙橋正子の俳句日記の文章を生成AIでチェックした。AIは、「日本語、日本文化の影響と英語の文法と言葉の影響を受けて論理的で、短い文のリズム感は英語の影響」と言う。英語の影響は意識下のことなので、恐れ入った。そこまで見破るかとも。

2月6日(木)

晴れ

●全国子ども俳句協会、インターネット俳句協会、インターネット俳句コンテスト協会の三つの協会は現在活動を休止している。今後続けるかどうかは未定なので、口座管理の事務が残されている。活発に活動したが、終わりにするには、始める以上に困難がある。

●寒波の居座りが長い。ここは雪こそ降らないが、冷えている。暖房をつけなければ、北の部屋は10度に下がっている。普段なら着れば暑いセーターを着てちょうどよい。

●同級生からメール。先日送った去年の花冠が届いたということ。せっかくなら読んでわかる人にあげたいと言って、古典講座の講師の先生に差し上げたとのこと。この講師の先生は妹の高校の同級生。先生も妹からではなく、私の友人から花冠をもらったことに、面食らっておられるかもしれない。

●山田五郎氏のYouTube「大人の教養講座」を時々見ている。絵画の話で、面白くてためになるので、今日は「鳥獣戯画」と「青木繁」を見た。忘れていた話も思い出したり、ニッチな話題も飽きさせない。
「鳥獣戯画の本物は京都博物館にあって、複製が高山寺にあると聞いたことがある。今日の話にそのことは出て来なかった。高山寺の中興の祖の明恵上人が「あかあかやあかあかあかやあかあかや月」と月を詠んだことをふっと思い出した。

2月5日(水)

晴れ
街までを寒波の底を歩きたり   正子
包まれし紙を湿らせ冬野菜    正子
寒波来て菜飯のための菜を茹でる 正子

●寒波で外は冷え込んでいる。こまごました用事があるので、日吉まで歩いて行くつもりで歩きかけた。はじめは顔が冷たい程度だったが、体まで冷えてしまいそうな気がして、10メートルも歩かないうちに、電車で行くことにした。これは正解だったかもしれない。

●松山の文学サロンでもあった珈琲屋さんに連絡が取れて一安心。お店は続けられるそうだ。笑顔が素敵で、働き者の奥さんはオールドママと呼ばれて、お店に出ておられるそうだ。大きな円形テーブルは老舗珈琲屋さんのシンボルだったが、お店が今のところに変わり、半分に切り落とされて店内に収まっている。浅炒り珈琲は横浜に越してきても時々郵送してもらっていた。

<リルケと俳句と私>
『マルテの手記』(大山定一訳/新潮社)に「ある月の景色」があった。「小さな月の力に、いまさら僕は驚かされた。」は、俳句を作る私にとっては、俳句を作る動機であるが、私は書き表わさないであろう。それに続く月の描写は次のよう。

 「月の夜はまわりのものが透きとおって空(くう)に浮かんで見え、きらきらする空気の中に浮き出ず、しかもはっきり見えるのだ。すぐ前にあるものが、はるかな遠方の響きに溶けあい、ただ遠くに見えるだけで決して手もとへ迫って来ない。川や橋や長く続く道や広場など、すべてが茫とかすんで、遠方との奇妙な関係を結んでいる。景色はなんとなくはるかな距離を獲得して、絵絹の上に描かれた風景のように、深い奥行きの中に広げられるのだ。」

ここを読んで、明らかにこの月はヨーロッパの月、であると思った。フランクフルトで見た月は余りにも広い空を渡り、月は小さかったことを思い出した。月が小さい印象なのだ。

2月4日(火)

曇りときどき晴れ
旧友へ手紙書くとき雪もよい    正子
お花代用意していて雪もよい    正子
読み更けて背筋寒波に冷えており  正子 
●寒波が来ているが、それほどの寒さではない。それでも用心して家で毛糸を編んで過ごす。昨日午後から編み始めたのを明日までには完成させたい。

●花冠7月号の花冠のなかの専門家に話を聞くシリーズに、晃さんに登場いただくことにしで、電話で依頼した。体育の専門からの話になる。「言葉と身体」あるいは「言葉の身体性」で書いてはどうでしょうかと提案。乗り気で書いてもらえることになった。

<リルケと俳句と私>
(一)『新詩集』(Neue Gedichte)(1907~08)より
リルケの『新詩集』は事物詩と言われている。以下は『新詩集』を読んで気づいたこと。
①「リルケの深さ」について
『新詩集』の「愛の歌」は本詩集の第3番目に置かれた詩である。一般に「愛」を歌う詩は数多くあるが、愛の詩人とも呼ばれるリルケのここに詠まれた「愛」は、単に互いの魂を触れ合わせることでも、二つの魂が一つになることでもない。それぞれの魂は弦楽器に張られた弦のように触れ合わない。そして誰かが二本の弦を奏でるとき、はじめて愛の歌となって響き合う、というものだ。リルケの独創的な視点から詠まれているが、それぞれの魂の奥深さと独立性を歌い、それぞれの魂が直接触れ合うのではなく、誰かの腕によって奏でられ愛の歌となるのだ。「誰か」の解釈は読者にゆだねられている。ここは読者に、経験をもとにということもあろうか、深く考えさせ、想像を許している。(続く)

2月3日(月)立春

曇り
●2月第1号として、ネット短信No.437を出す。「2月月例ネット句会の案内」と、「アンソロジーへの参加者募集」の件。

●午後手芸店へ。青みがかった貝ボタンを買い、コットンの編み糸を5玉注文し、バーゲンのオフホワイト毛糸を10玉入り一袋を買った。明日からの寒波の流れ込みに備えて家籠りのため。編み癖がついている。この10日ほどで、ベストとケープを編んだが、あともう一枚ベストを編むつもり。それに75センチ四方のケープと同じ模様の用途万能のもの。他の予定を組んでいたが、それは10日過ぎから始めることにして、今はせっせと編んでいる。

●故郷の同級生からメール。先月送った花冠1月号を1時間ほど読んだとのこと。長く続けているのが素晴らしいと誉めてくれた。それはありがたいが、彼女も俳句教室に通っていたと言っていた。もっとじっくり読むからとも書いてあった。彼女の作っていた俳句を知りたいが、それは次の連絡で教えてもらうつもり。