晴れ
●2月月例ネット句会
投句
37.万作やまだこれからの蕾なり 正子
春とは名ばかりで木々の蕾はまだ硬く寂しい風情が伺えますが、それでも蕾が大きくなっていくのを楽しみに待っている心境が早春をよく表していると思いました。(上島祥子)
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に 正子
荒海の冷たさを表現するのは難しいと思われるが、「寒き翳り」と表現されており、そして「羽裏」とすることで、荒海を飛ぶかもめの姿がはっきり見えてきた。荒れ狂う風に羽裏を見せてバランスを取りながら体制を立て直し浮かんでいる姿である。(吉田晃)
39.睡蓮を沈めて青き冬の水 正子
水中に睡蓮を沈め、際立つ冬水の青さ。冬の水の澄んだ透明感、冷たくも凛とした季節感を静かに伝えてくれます。(藤田洋子)
寒さが増すにつれ、磨かれるように青を深める冬の水。その水の底には、睡蓮鉢があります。翌夏に花を咲かせるでしょう、睡蓮の株を静かに沈めて、尚「青き水」です。(川名ますみ)
今月は、全員参加となった。全員参加はめったにないこと。うれしいことではあるが、「何ごと」と思ってしまう。寒波のせいで予定が組めなかった、いや、みんなにやる気が出たのだ。いずれにしても、全員参加はいい事なのだ。
●キャベツのところに170円のポップが見えたので、迷わず1玉買った。買って気づいたが、それは半個の値段。見るからに柔らかそうな葉っぱ。ひとり暮らしなので、1個を買うことはめったにない。冷凍庫にミンチがあるので、このチャンスにロールキャベツを作った。10個あまりできた。平鍋には9個敷き詰められたが、少し残った。これは冷凍した。思った以上に美味しくできた。玉ねぎの粗みじんがよかったのか、キャベツが美味しいのか。煮込む時間がよかったのか、美味しくなった理由はいろいろ。月例句会の選句を皆がしている間に句美子のところへ持って行った。
●句美子の家からの帰りの電車、以前は全員スマホを見ていたが、最近ちらほら本を読んでいる人を見かける。こういう私も今日は、文庫本の『マルテの手記』を読んでいた。読んでいるとあっという間に終点の日吉に着く。
★今月は全員が投句しています。ご参加ありがとうございます。 (髙橋正子)
■2月月例ネット句会清記■
2025年2月9日
48句(16名)
01.心地よき嘴打つ音や森の春
02.木を叩く小啄木鳥の嘴や春の杜 (コゲラ)
03.上州は山風豊か冴え返る
04.凍雲の晴れて山の端白きかな
05.白きものほつほつ頬に春浅し
06.補助輪のこきこき行くよ春立ちぬ
07.文字を打つ指が悴む朝の駅
08.節分や鬼を横目に出勤す
09.打ち寄せる白波高き冬の海
10.春暁や星のまたたき強くなり
11.揚がりたる凧糸を子に渡しけり
12.春寒や大賑わいの中華街
13.待春や子犬の駆けるちから増す
14.寒椿落ちゆくならば淡海
15.冬銀河鳰の湖へと流れけり
16.春の風レターパックで本届く
17.春待ちて慣れしクラ手にK.545を
18.寒空に来たりし友と多々良沼へ
19.朝日受け今は明るき枯野かな
20.節分会袋に入った豆を取り
21.春立ちて青天に白き月浮く
22.風の音高まる余寒の厳しさに
23.少年ら余寒のなかを駆けゆけり
24.驚きの余寒や鉄の十字架に
25.寒の水峡の社を鳴らしおり
26.節分や猫驚かす鬼の面
27.春雪解け真夜の星座のありありと
28.春の雪窓に見つめて形見分け
29.降りながら土に光りて春の雪
30.城濠の梅のふくらみ見て歩く
31.寒風や散髪帰りの耳を打つ
32.突風やコートすり抜け肌を刺す
33.きらきらと輪切り蜜柑の映える朝
34.梅のどの蕾も珠となりし朝
35.梅咲いて紅色すこし薄らぎぬ
36.落葉轢く音を体に車椅子
37.万作やまだこれからの蕾なり
38.かもめ飛ぶ寒き翳りを羽裏に
39.睡蓮を沈めて青き冬の水
40.近況の挨拶其々コート手に
41.河風やマラソンランナー城下駆け
42.春浅し卒寿の母の祝膳
43.大切に小さく咲いて節分草
44.藪椿郵便受けに落ちる赤
45.晴れた日にメジロを探して空仰ぐ
46.しんしんと雪降る闇を白くして
47.蜜柑摘み汽笛近づく海を背に
48.春闇に金星夜漁の舟の灯と
※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
晴れ
●明日の2月月例ネット句会の準備。
●昼過ぎ、延長コードを買いにノジマへ。今日は丘を越えて日吉まで歩くつもりだったが、無意識に赤門坂へ足が向いていた。赤門坂の空き地は造成され、新しい家が立ち並んでいる。ノジマで延長コードを探しているうち暑すぎて気分が悪くなった。コートを脱いでも暑いので、化粧室でセーターを脱いだ。他のお客は分厚いコートを着て平気で歩いている。コードは5mのを買ったが、手にして重い。これは本棚の裏をとおして仏壇のライト用に使う。
●夜、美知子さん、晃さん、秀之さんに電話。雪がちらついたり、少し積もったということだった。美知子さんとは60年近く前の学生時代の話。そのころ、松山は文化的に田舎だったと。思い出して見れば吟行の時、野良犬を一緒につれて畑寺から石手寺へと歩く道は舗装されてなく、道端には草が生えていた。もうその時代には帰れない。そのころ東大や京大を卒業して愛媛大学に次々赴任されてこられた若い先生方は、松山がどんなにか田舎であると思われたのではと思う。
晴れ
●眠ったのが午前2時ごろ。眠ろうとして眠れず、そのまま目を覚ましていたと思う。気づいたら、5時前だったので、起き出して、昨日林檎を炊いていたので、アップルパイを焼いた。200度で20分焼いたが、気温が下がっているせいか、いつもより、焼け具合が弱い。昨日材料の半分包んで嫌になって止めていた餃子の残りを包んで冷凍した。この辺は一人暮らしの気ままが通る。それから大根葉と胡麻と塩で菜飯の素を作った。
●朝、みよさんから花冠のバックナンバーの注文があったので、レターパックで送った。
30周年記念号、合同句集『泉』、花冠No.365,366、367、368、369、370。
●一日家で編み物。75センチ角のひざ掛けが出来上がる。夕方、ユザワヤへ注文していた毛糸を取りに行く。この毛糸5玉買ったので、「まとめ買いで安くします」と言いながら、レジをカチャカチャ打って、値引きしたレシートをくれた。毛糸のバーゲンをしている。買いたい気持ちを抑えて、秋になって新色がでたらそれを買うことにした。寒波が来ている間中編み物をしたが、あと一枚子供ベストを編んで終わりにしよう。
●髙橋正子の俳句日記の文章を生成AIでチェックした。AIは、「日本語、日本文化の影響と英語の文法と言葉の影響を受けて論理的で、短い文のリズム感は英語の影響」と言う。英語の影響は意識下のことなので、恐れ入った。そこまで見破るかとも。
晴れ
●全国子ども俳句協会、インターネット俳句協会、インターネット俳句コンテスト協会の三つの協会は現在活動を休止している。今後続けるかどうかは未定なので、口座管理の事務が残されている。活発に活動したが、終わりにするには、始める以上に困難がある。
●寒波の居座りが長い。ここは雪こそ降らないが、冷えている。暖房をつけなければ、北の部屋は10度に下がっている。普段なら着れば暑いセーターを着てちょうどよい。
●同級生からメール。先日送った去年の花冠が届いたということ。せっかくなら読んでわかる人にあげたいと言って、古典講座の講師の先生に差し上げたとのこと。この講師の先生は妹の高校の同級生。先生も妹からではなく、私の友人から花冠をもらったことに、面食らっておられるかもしれない。
●山田五郎氏のYouTube「大人の教養講座」を時々見ている。絵画の話で、面白くてためになるので、今日は「鳥獣戯画」と「青木繁」を見た。忘れていた話も思い出したり、ニッチな話題も飽きさせない。
「鳥獣戯画の本物は京都博物館にあって、複製が高山寺にあると聞いたことがある。今日の話にそのことは出て来なかった。高山寺の中興の祖の明恵上人が「あかあかやあかあかあかやあかあかや月」と月を詠んだことをふっと思い出した。
晴れ
街までを寒波の底を歩きたり 正子
包まれし紙を湿らせ冬野菜 正子
寒波来て菜飯のための菜を茹でる 正子
●寒波で外は冷え込んでいる。こまごました用事があるので、日吉まで歩いて行くつもりで歩きかけた。はじめは顔が冷たい程度だったが、体まで冷えてしまいそうな気がして、10メートルも歩かないうちに、電車で行くことにした。これは正解だったかもしれない。
●松山の文学サロンでもあった珈琲屋さんに連絡が取れて一安心。お店は続けられるそうだ。笑顔が素敵で、働き者の奥さんはオールドママと呼ばれて、お店に出ておられるそうだ。大きな円形テーブルは老舗珈琲屋さんのシンボルだったが、お店が今のところに変わり、半分に切り落とされて店内に収まっている。浅炒り珈琲は横浜に越してきても時々郵送してもらっていた。
<リルケと俳句と私>
『マルテの手記』(大山定一訳/新潮社)に「ある月の景色」があった。「小さな月の力に、いまさら僕は驚かされた。」は、俳句を作る私にとっては、俳句を作る動機であるが、私は書き表わさないであろう。それに続く月の描写は次のよう。
「月の夜はまわりのものが透きとおって空(くう)に浮かんで見え、きらきらする空気の中に浮き出ず、しかもはっきり見えるのだ。すぐ前にあるものが、はるかな遠方の響きに溶けあい、ただ遠くに見えるだけで決して手もとへ迫って来ない。川や橋や長く続く道や広場など、すべてが茫とかすんで、遠方との奇妙な関係を結んでいる。景色はなんとなくはるかな距離を獲得して、絵絹の上に描かれた風景のように、深い奥行きの中に広げられるのだ。」
ここを読んで、明らかにこの月はヨーロッパの月、であると思った。フランクフルトで見た月は余りにも広い空を渡り、月は小さかったことを思い出した。月が小さい印象なのだ。
曇りときどき晴れ
旧友へ手紙書くとき雪もよい 正子
お花代用意していて雪もよい 正子
読み更けて背筋寒波に冷えており 正子
●寒波が来ているが、それほどの寒さではない。それでも用心して家で毛糸を編んで過ごす。昨日午後から編み始めたのを明日までには完成させたい。
●花冠7月号の花冠のなかの専門家に話を聞くシリーズに、晃さんに登場いただくことにしで、電話で依頼した。体育の専門からの話になる。「言葉と身体」あるいは「言葉の身体性」で書いてはどうでしょうかと提案。乗り気で書いてもらえることになった。
<リルケと俳句と私>
(一)『新詩集』(Neue Gedichte)(1907~08)より
リルケの『新詩集』は事物詩と言われている。以下は『新詩集』を読んで気づいたこと。
①「リルケの深さ」について
『新詩集』の「愛の歌」は本詩集の第3番目に置かれた詩である。一般に「愛」を歌う詩は数多くあるが、愛の詩人とも呼ばれるリルケのここに詠まれた「愛」は、単に互いの魂を触れ合わせることでも、二つの魂が一つになることでもない。それぞれの魂は弦楽器に張られた弦のように触れ合わない。そして誰かが二本の弦を奏でるとき、はじめて愛の歌となって響き合う、というものだ。リルケの独創的な視点から詠まれているが、それぞれの魂の奥深さと独立性を歌い、それぞれの魂が直接触れ合うのではなく、誰かの腕によって奏でられ愛の歌となるのだ。「誰か」の解釈は読者にゆだねられている。ここは読者に、経験をもとにということもあろうか、深く考えさせ、想像を許している。(続く)
曇り
●2月第1号として、ネット短信No.437を出す。「2月月例ネット句会の案内」と、「アンソロジーへの参加者募集」の件。
●午後手芸店へ。青みがかった貝ボタンを買い、コットンの編み糸を5玉注文し、バーゲンのオフホワイト毛糸を10玉入り一袋を買った。明日からの寒波の流れ込みに備えて家籠りのため。編み癖がついている。この10日ほどで、ベストとケープを編んだが、あともう一枚ベストを編むつもり。それに75センチ四方のケープと同じ模様の用途万能のもの。他の予定を組んでいたが、それは10日過ぎから始めることにして、今はせっせと編んでいる。
●故郷の同級生からメール。先月送った花冠1月号を1時間ほど読んだとのこと。長く続けているのが素晴らしいと誉めてくれた。それはありがたいが、彼女も俳句教室に通っていたと言っていた。もっとじっくり読むからとも書いてあった。彼女の作っていた俳句を知りたいが、それは次の連絡で教えてもらうつもり。
曇りのち晴れ
節分の夜の電車にコントラバス 正子
受験生スーツケース引き歩き 正子
●今日は雪の予報だったが、朝冷たい雨が少し降って止んだ。八王子あたりは雪が降ったようだ。
●今年の節分は例年より一日早い今日になった。スーパーには恵方巻がたくさん積まれて、この光景は当たり前になっている。わが家では生協に頼んでいたハーフサイズの冷凍巻きずしが届いているので、これを食べる。恵方を向いて食べることはしない。
●子供のベストにボタンをつけ、ケープを完成させた。ケープに付ける1個のボタン。このボタンは裏側に付けると編み図の説明にある。裏側につけ折り返し表になるようにボタンを嵌める。思いつくまでしばらく考えた。