11月16日(月)

晴れ、夕方曇る。
裸木の銀杏となって鳥がいる 正子
鵯が虹色まとう高き枝    正子
曇来る小春夕の重さかな   正子
●おとといセンター北のJAの直売所でアリッサムを2鉢買ってきたのを定植。
「アリッサム」は日本名で「庭なずな」。呼び方はこっちがかわいいかも。
●喪中のはがきが届く。一通は、愛犬の死で喪に服すという。もう一通は、公司の弟の真治さんの喪。公司さん兄弟の死は早すぎる。どう言ったって60代。母上も去年亡くなられた。毎年の喪中では、
愛犬の死を知らされて、どうすべきか。句美子が「もしやお母さん、何もしないつもりじゃなかったんでしょうね。」という。「ここまで言ってきてるのだらか、なにかしなきゃ。」と。お花と線香のセット、お花だけ、プリザーブドフラワーの写真立て、などなど。
♪ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 Op.7 仲道郁代 2003

11月15日(日)

晴れ
●英国アムネスティのクリスマスカードと来年のぐりとぐらのカレンダーを注文。
●「俳壇12月号」来る。
林望先生の「いざ往かな、独吟行へ」を読む。林望先生の肩書は作家となっているが、書誌学者なのではないだろうかと思う。普段リンボー先生と呼んでいる。
「笈の小文」に及ぶ話と、川瀬巴水の話がある。
木版画家の巴水のことを先に言うと、リンボー先生によれば、「巴水も芭蕉と同じく、旅の詩人であった。日本中を隈なく歩き回って、そのどこかに眠っている無名の美景を発見し、描くことに生涯をかけたのである。」。巴水の版画に私が良くよく知っているところはないかとネットで探すと、ある。日本中隈なく歩いた証拠であろう。生家から1キロほどの岬の「備後・阿伏兎観音」(昭和14年)。これには帆掛け船が描かれている。戦後10年くらいまで、瀬戸内海の沖には帆掛け船が浮かんでいた記憶がある。そして「松山城名月」(昭和28年)。城門から東の月を見たもの。これらが、無名の美景ということになる。値段にして前者が、ほぼ45万円、後者が、ほぼ30万円。リンボー先生はこの巴水がお好きらしい。「笈の小文」の「見る處花にあらずといふ事なし」の絵画版であろう。前にリンボー先生のエッセイに川本臥風先生の「蕗のとう刻まれ俎板にちりぢりに」(正確な記憶ではないが)を挙げておられた。なんでもないところの美は、肩が凝らなく、身に馴染んで、作者の精神の有り様が見えて面白いのだと思う。
●巴水の「阿伏兎観音」を描いた位置は、ほぼ分かる。観音さんの石段を下りて足場の不安定な細い道を進み、岩場に突き当たる。その岩場に腰かけて描いたと思われる。岩場の裾は急に深くなって、水が青く寄せて来ている。そこから竜宮へでも行けそうな雰囲気である。「崖の上のポニョ」のポニョが泳いでくる場所である。
●巴水の「松山城名月」は、城門を潜り抜けると東側が広く見える広場がある。2、3月なら梅が匂うだろう。石段を上り、城門をくぐりほっとしたところの眺め。そこに城の下の方から、東の空から月が浮いて来るように上る。二人の人が描かれている。抒情的という。

11月14(土)

快晴
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番 /園田高広(ピアノ)
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番 / ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2-3 / ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 2005年6月~7月
31:26再生中
**♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調Op.7 / ダニエル・バレンボイム(ピアノ) 2005年6月~7月

11月13日(金)

快晴
蔦紅葉幹あるかぎり上りけり 正子
青空へ蔦の紅葉の巻きあがる 正子
鵯の斜め斜めに飛び渡る   正子
●5丁目の一番高い丘へ。信之先生の散歩のお供。ちょうど昼時、車も人も少なく、あたたかいので、散歩にはちょうど良い時間帯と知る。快晴の空なのに、
富士のほうは靄がかかっている。
●本阿弥書店から、アンソロジーや、句集を出す人の募集。美知子さんのアンソロジーは、予想以上に装丁が丁寧で品があってよかった。

11月11日(水)

快晴のち晴れ。
蹴散らして落葉駆けゆく子等五人  正子
冬に入る子等のことばのかさこそと 正子 
蕪・大根葉がふさふさと袋より   正子
●朝、快晴。今日こそ富士山を見に行こうと思ったが、午前中、郵便の受け取り、生協の配達で過ぎてしまった。山際に雲が多くなったので、あきらめる。
●リハビリと薬をもらいに整形外科へ。7月からストレッチのリハビリを続けている。大したことをしているようでもないが、徐々に効いている。整形外科は公団の中にあるので、往復、草や木が楽しめる。
●『From Head to Toe』(Harper Collins Pubulishers/US$8.99)の英語版を句美子がアマゾンで買って送ってくれた。ちなみに、『Today Is Monday』(Penguin/US$7.99)『Von Kopf bis Fuss』(Gerstenberg-verlag/ )

11月10日(火)

晴れ。
双眼鏡をついと外れて秋の蝶  正子
秋の蝶羽の黄色が葉に浮きて  正子
秋雲の白さを双眼鏡に入れ   正子
●鯛ヶ崎公園まで信之先生を連れ出す。このところ歩いていないので、ステッキを持つよう勧める。去年買ったステッキが丘を登るとき役立つようになる。往復1時間の散歩。公園の小高いベンチから、欅や桜のもみじが眺められる。街並みは見えないが、空がよく見える。帰り、まいばすけっとによる。

■11月月例ネット句会/入賞発表■


■2020年11月月例ネット句会■
■入賞発表/2020年11月9日

【金賞】
8.立冬や靴音高く人が行く/古田敬二
立冬は、「秋が極まり冬の気配が立ち始める日」と説明される。立冬と聞けば、人はなんとなく無口になり、冬服の人もいる。空気が乾燥し、靴音が高く響く。「人が行く」の「人」は肌身ある人というより、客観的な「人」の意識。今日から冬が始まる景色をすっきりと詠んだ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
16.音軽し風に乾いて漆の実/吉田 晃
漆の実は、晩秋に葡萄のような薄茶色の房状の実となる。この種の皮から蝋が採られて和蝋燭の原料となるが、そんな漆の実も風に乾いて軽い音を立てている。「音軽し」が晩秋のものさびしさを救ってくれる。(高橋正子)

40.山茶花の真白に咲きて芭蕉句碑/廣田洋一
白山茶花の植えられた芭蕉の句碑を詠んだ句だが、真白な山茶花と芭蕉の取り合わせがいい。芭蕉の潔さやわびた心持を感じさせてくれる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
15.雨雲の晴れ行く中より冬紅葉/多田有花
雨雲がかかっていたところが、晴れてゆくと見事な冬紅葉が現れた。その鮮やかさは雲のかかる高度にあって神秘的といってよいほどだ。(高橋正子)

31.おみやげのどんぐり六つ手のひらへ/川名ますみ
散策のときに拾ったどんぐりか、六つほどをおみやげに持ち帰ってくれて、手のひらへ載せてくれた。童心にかえるような楽しさが湧く。(高橋正子)

22.冬晴れに洗濯仕事を軽やかに/西村友宏
曇りや雨で困るのは、洗濯物が乾かないこと。よく乾燥した冬の晴れ間はうれしい。洗濯のあれやこれやの仕事が軽やかにはかどる。洗濯仕事がたのしい仕事になる。いい生活句。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
22.冬晴れに洗濯仕事を軽やかに/ 西村友宏
冬になると洗濯物が多くなるだけでなく乾きにくくなります。そんな中の冬晴れの日の洗濯仕事を軽やかにというのは、すごく共感します。 (高橋秀之)

31.おみやげのどんぐり六つ手のひらへ/川名ますみ
男でも女でも、誰でも子供の頃団栗で遊んだ記憶は有るものです。ここでは大人へのお土産としての団栗と想われますが、平仮名使いの措辞が子供の頃の郷愁を誘います。 (桑本栄太郎)

08.立冬や靴音高く人が行く/古田敬二
15.雨雲の晴れ行く中より冬紅葉/多田有花
16.音軽し風に乾いて漆の実/吉田 晃
35,銀杏黄葉子らきらきらと駆けまわる/高橋正子
40.山茶花の真白に咲きて芭蕉句碑/廣田洋一

【高橋正子特選/7句】
02.雲低し枯木の丘の低ければ/小口泰與
07.織部焼志野焼き並んで秋の昼/古田敬二
08.立冬や靴音高く人が行く/古田敬二
15.雨雲の晴れ行く中より冬紅葉/多田有花
16.音軽し風に乾いて漆の実/吉田 晃
22.冬晴れに洗濯仕事を軽やかに/ 西村友宏
40.山茶花の真白に咲きて芭蕉句碑/廣田洋一

【入選/16句】
01.豆菓子をかりっと噛むや神無月/小口泰與
この頃は空気が乾いて音がよく響く。奥歯で噛む豆菓子の硬さがいい音をたてた。明るく軽い音は作者の明るい気持ちを想像させてくれる。(吉田 晃)

?ボサノバをBGMに冬に入る/多田有花
街中の洒落たお店は折々に雰囲気が変わるよう、様々な工夫がされており、BGMも楽しみですね。立冬には低音でささやくようなボサノバに、新たな季節の到来が感じられ、楽しく耳を傾けられました。 (柳原美知子)

26.散り落ちて紅葉つぎつぎ流れゆく/髙橋句美子
我家の近くにある桜並木の紅葉が下の川に散り落ちて流れて行く。紅葉が散って流れる景色が良く見える。(廣田洋一)
落葉樹は、晩秋の寒冷にあうと、紅葉した葉が風に煽られて川に落ちて流れてゆく景は、華やかな紅葉の姿に晩秋の侘しさが感じられます。 (小口泰與)

32仄赤く富士を照らせる夕月夜/川名ますみ
富士山が見えるところへお住まいでしょうか。仄赤く富士山が染まった月夜、幻想的な景ですね。(祝 恵子)

41.長き首前へ前へと鶴渡る/廣田洋一
寒くなると北の国へ鶴が飛来する。長い首を前へ前へと伸ばして飛ぶ鶴。そのさまがうまく表現されていると思います。 (古田敬二)

04.飄然と風を待ち居りゑの子草/桑本栄太郎
風に揺れている情景を「飄然」という表現をされているのは面白いと感じました。秋ののどかな光景が浮かびます。(西村友宏)

20.秋天の青を返して笹の山/柳原美知子
秋の爽やかな青空が山を照らす様子が想像できます。 (髙橋句美子)

03.底冷えの牛舎や群の白き息/小口泰與
早朝、牛車に入って作業をされているのでしょう。牛の白い息、人の白い息、寒さの中での同じいきものの営みを感じます。(多田有花)

06.つまみ見るひつじ穂確と稔りけり/桑本栄太郎
稲刈り後の田にはひつじが伸びていっとき青々としてきます。やがて気温が下がり、それらは枯れていきますが、そのひつじ穂にもしっかりとした稔りを発見されました。(多田有花)

10.暮れの秋戻る賑わい夜の街/高橋秀之
今年は三月頃からコロナ禍に見舞われ、withコロナの生活は常態となりそのまま暮れていきそうです。それでも少しずつ用心しつつ元の生活の片鱗が戻りつつありますね。(多田有花)

14.立冬や缶詰カレーを温める/多田有花
17.カジュアルの街行く笑顔菊日和/吉田 晃
21.天空に芒の穂絮陽を透かせ/柳原美知子
37.立冬やあてを残して蛸ごはん/祝 恵子
38.冬瓜のころり転がる田の隅に/祝 恵子
42.神門の開け放たれし神の留守/廣田洋一

■選者詠/高橋信之
28.立冬の天井の灯の親しさよ
29.冬に入るデジタル時計に緑置き
30.大根をそのまま妻が卓に置き
産直市で買われた葉付きの大根が一本まるごとテーブルに置かれ、瑞々しい緑と白の輝きに冬の到来を実感されました。おでんや風呂吹き大根が楽しみですね。(柳原美知子)

■選者詠/高橋正子
36.献血車銀杏黄葉の降る下に
銀杏大樹の下に献血車が止まって、献血に訪れる人を待っている。そこに銀杏黄葉がはらはらと散ってきます。献血車の白に赤のストライプ、銀杏黄葉の黄色、明るい晩秋の晴天の午後の日差し、そういうものがはっきりと目に浮かびました。(多田有花)

35,銀杏黄葉子らきらきらと駆けまわる
公園の銀杏がすっかり黄葉し、風に舞い散る中、駆け回る子供たちも秋光を浴び、きらきらとしています。絵本を見るように美しくあたたかい情景です。(柳原美知子)

34.ななかまど夕日まっかに差し来る

■互選高点句
●最高点(6点)
16.音軽し風に乾いて漆の実/吉田 晃

11月8日(日)

●11月月例ネット句会
14名投句。14名にほぼ固定。入賞発表は明日午前にする。
投句
銀杏黄葉子らきらきらと駆けまわる
献血車銀杏黄葉の降る下に
ななかまど夕陽まっかに差し来る
●アメリカの大統領選挙、ニュースで見るが選挙制度かいまいちよくわからないが、バイデンさんが当確。3日の投票からまだ開票が続いている。
●とら豆の新豆を買ったので煮る。とら豆は初めて煮たが、ほっくりとしておいしい。