快晴
オリオン座冬の末尾の空高く 正子
すずらん植う五つ六つの芽を確かめ 正子
つめたさに赤を発色ばら蕾 正子
●今朝のラジオ。谷川俊太郎さんが茨木のり子を語っている番組での話。
「自分の書いたものは自分しかわからないのではと思う。自分でもわからないときもある。」と言うような話。これを聞いて安心した。自分しかわからないもの、自分でもわからないものを詩に書いている。
草田男が言っていること。「俳句は泣きどころがいる。」たしかに、「泣きどころ」のある句は、句会ではとくに票を得て人気がある。
●『白鶴亮翅』は休載かと思ったが、違ってた。
快晴
梅蕾まだまだ固く夕茜 正子
墓石に添いし水仙風に鳴る 正子
大寒の土深堀りて薔薇植うる 正子
●駅まで数分だが、歩いて気づいた。雨が降ればおおきな水たまりでき、朝、気温が零度近ければ氷っている。今日は快晴なので、水たまりはないが窪んでいそうな地面もない。いったいどこに大きな水たまりができるのかと思う。
●「子規新報」が届く。今回は,永野孫柳の特集。孫柳は桑原武夫と東北大で同僚。「俳句第二芸術論」の俳句は、孫柳が桑原に提供したとのこと。
●「白鶴亮翅」(2)
パウラは大学に通っていたころできた友達。私の部屋の室温は常に20度で、二重窓。秋は急な坂道のように冬に向かって傾斜している。バスに乗ってから、第1話で急にドアベルを押した、ヤーともナインとも言わないMさん(ドイツ人だろう。)からの頼まれごとはなにかと思いめぐらす。私は入居して日が浅く、Mさんとは2度しか口をきいていない。
快晴
●きょうから2月。旧正月の元日。
北京では冬のオリンピック・パラリンピックが4日に開会式があるが、競技は明日から始まるが。オミクロン株のコロナも猛威をふるうが、ドアを締めて閉じこもれば、危機感はない。これでいいものか、どうか。
●石原慎太郎氏が今日亡くなって、大きいニュースになった。89歳。
●『白鶴亮翅』
今日から、多和田葉子の『白鶴亮翅』の新聞小説の連載が始まる。「女性に元気をあたえる小説にしたい。」とのこと。ベルリンでの話。今日の分を読む。
多和田葉子に興味があるのは、なぜベルリンに居を移して物を書くのかということ。
旅行で一日ベルリンに居たことがあって、確かにベルリンと言う街は、いろいろ思うところが湧いてくるところに思えた。ブランデンブルグ門の向こうに東側のアパートが見えたり、ウンターリンデンは何もなければ、広すぎるし、日本好きの青年が寿司屋でとろけるようなウィンクを返したり、戦争で教会が黒焼けになったり、ベルリンフィルもあるし、世界で一番大きい動物園はうっそうとして淋しいし、シーメンスの会社はコンピューターで制御されて数人で動かしているし、バス停にはおのぼりさんがいるし、街はがっしり構築されているし、など。
題名の「白鶴亮翅」は鶴が両羽をパッと広げて人を誘う太極拳の技らしい。(私は鶴が両羽を広げ輪にしたマークを思い浮かぶ。)ドイツのドアは内に開く。(日本人にはドアノブの位置が高すぎる。)前かがみで足をあまりあげず歩くわたしは、転びやすい。(50代か60代か。)ドイツに来て私と友達になったのはパウラ。(名前がめずらしい。)パウラの家の前の大木の枝に70歳ぐらいの女性が平然と腰かけている(そんなことがあるか。元気であっけらかんな女性だな。)この女性はドイツ語が通じないらしい。それで、わたしが電話で呼ばれて、出かけるところ。(わたしは日本人。)
晴れ
●きのの続きで、残った巻きずしの具で巻きずしを巻く。今日は2本。
●有花さんの「落花流水」のメールが受信の返信も紛失。どこかに仕分けしてわからなくなったか。検索に入れて探したがない。ゆううつの種が増える。
曇り
●大寒だけあって、寒さが厳しい。さくらでんぶを買いに東急へ。ついでに、茨木のり子の詩集が見て見たかったので、天一書房へ。ちくま文庫か、岩波文庫にあったと思うが、見つからなかった。詩歌コーナーに茨木のり子選集の『女のことば』(童話屋)の小さくてかわいい本があった。いいけど、ちょっと高い。ぱらっと読んでおしまい。その近くに『人はみんな可哀想』と言う題の詩集があった。そう思う人は私だけではないのだと思った。
●今日は封切前の焼き海苔があって、三つ葉が安かったので、それに節分の恵方巻のことも頭にちらついたので、巻きずしを巻いた。釜が3合炊きなのでせいいっぱい炊いて4本巻けた。巻きずしの芯の青みは、胡瓜でなく、三つ葉。夕方句美子が来たので3本持って帰らす。具が余っているので、あす、またお米を炊いて巻くことにした。節分には巻かない。
晴れ
●苺がよく出回るようになった。産直いちごの糖度が9度。産直でないのが10度。甘味を採るか、生きを採るか、迷ったが産直を買った。香りがよくて酸味も甘味もいい。苺は初夏のものだったのに、今食べていないと美味しい苺にありつけないなんて。
曇り
●今日はなんとなく、気分が落ち込んでいる。人生重荷が在りすぎる。
2月の行事を見るために暦を繰る。節分は3日。初午は10日。初午は午なのに、なんで狐の、稲荷神社の祭りなのかしらんと思いネットで検索。穀物の神様の伏見稲荷が711年に午の日に稲荷山に鎮座したことが由来のようだ。豊作を祈り、春めいたころの祭りに明るい兆しが見える。お供えが油あげやお稲荷も面白い。狐も表に出て遊びそう。13日が第2日曜でネット句会。23日の天皇誕生日。2月はこういったところ。
晴れ
●角川の広告料を振り込む。6分の1ページ、年鑑と奇数月分。
●ゆうちょ銀行の問い合わせにネットで答える。数分で回答できるものだが、マネーロンダリングがどうのこうのとか。そんなの凡々と暮らす主婦に聞いても無駄と思う。
●一日作業用シューベルトを聞く。ほかにホロヴィッツの『軍隊行進曲』1、23番を聞く。
曇りのち晴れ
むらさきも白も濃く咲く冬菫 正子
節分豆のテトラパックに鬼三人 正子
冬林檎箱にあるまま匂い立ち 正子
●朝起きると道路に雨のあと。本の整理を少し。
『俳句・漢俳交流集』という白い表紙に金文字を押した本が出て来た。1993年の記録。この交流集は、北京側が出版したと思う。
北京大学から、日本学生俳句協会に招待状が来て、北京で俳句交流会を持ったもの。軸主宰だった故河合凱夫氏が団長で軸から大勢参加されている。信之先生も参加している。そのとき、息子の元に北京大学から中国語の『三国志』を贈られたのが書棚にある。交流集に登場する王新華さんはわが家にも来られたことがあるが、信之先生が指導していたのだろう、俳句らしい俳句で日本語で作られ、日本側として参加。当時松山に住んでおられた。今ほど海外との行き来がそれほどでもなかったが、俳句の国際交流が身を張って盛んにおこなわれていたと時代だと、時代に参加して思う。
『俳句・漢俳交流集』(日本学生俳句協会訪華団/北京大学東方文化研究所 1993年刊)より。
髙橋信之の句
芽吹く樹へつぎつぎ心遊ばせる
川出合うところもっとも月光に
乾杯のビールあわあわ北京大学
城を打ち空へ吹きあぐ風青し
王新華の句
落葉積むその下からの命の芽
春天の中へ黒松そびえ立つ
曇り
●天気は下り坂。
●加賀の五郎島金時が配達された。直径が3センチか4センチ。思いつくのが、輪切りにして甘く煮て食べる。正月の栗の甘露煮のシロップの残りで炊いたらいい具合。思ったより、すっきりとした味。横浜に越して来て、いまいちと思っていた紅あずまの味にもなれた。舟和の芋羊羹は紅あずまとのことだが、その味も食べてすぐわかるようになった。売られている焼き芋も圧倒的にねっとり系。五右衛門風呂の置き火にくべたほくほくの焼き芋が懐かしい。