3月20日(日)

晴のち曇り
山菫小さきものに値札立て  正子
山菫揃いの値札立てられし    正子
チューリップ白がまず咲き丈低し 正子
●今朝、音楽の泉でドボルザークの弦楽セレナードを聞いた。音楽記号のことで初耳な話があった。p〈ピアノ〉、pp(ピアニシモ)は、ドボルザークにあっては、弱い音小さい音ではなくて、いつくしむように弾く記号とのこと。記号で別な話、繰り返し記号は、同じくを繰り返すことではない。これを聞くと、私が音楽として教えてもらったことはなんだったのかと。俳句ならば、どんなに教えてもらったのだろうかと。
●句美子がおはぎを手作りして持ってきてくれる。持ってきたのを見ると道明寺粉で作っている。椿の葉で挟んであれば椿餅と言えそうだが、白いおはぎ。黄な粉を振ってという。高校生のとき家庭科で桜餅を作ったのを思い出して、無性におはぎが食べたくなったそうだ。来週は桜の葉の塩漬けがあるから、桜餅を作ってくれるとのこと。
月末夫君の実家に行くので、お義父さんと、近くの義叔父さんに桜餅と鯛めしを持って行くとわが家からパック類を持ち帰った。
●孫の元希がキッズケータイを買ってもらったど電話番号を教えてくれる。早速掛けるとうれしそうにすぐ電話に出た。塾に行ってるから買ってくれたと教えてくれた。今いろいろ登録の作業をしてるから話はあとで、というので、切る。

3月19日(土)

晴れ
●母校の福山市立千年中学校の閉校式、記念式典をMicrosoft Teamで見る。閉校式はシンプルなものだったが、終わりを見届けることも、意味もあるだろうと、ゲスト参加した。ゲスト参加者は16名ぐらいか。記念式典に校歌を刻んだ石碑が除幕された。閉校後なにを残したいかを考えると、校歌となったのだろう。校歌は、戦後まもなく、生徒と教職員が歌詞を作ったことで、全国でもめずらしいことだったらしい。歌うこともないだろうが、歌詞も曲も心にのこっている。
千年中学校校歌
   作詞 千年中学校
   作曲 高田信一
藤波の千年の里は
空澄みて雲もたたえん
自由の大気
仰ぎ伸びゆくわれらの集い
高らかに声あげて
いざやたたえん あゝわが千年
二 口なしの瀬戸に開きし燧灘
かすみ晴れゆく
平和の海面
睦みて学ぶわれらの集い
晴れやかに眉あげて
いざや漕ぎ出ん あゝわが千年
三 我が行く手波荒くとも
おそれなし海に進取と
土には汗の
心はげますわれらの集い
大らかに胸張りて
いざや進まん あゝわが千年

3月17日(木)

晴れ
●俳壇の黒部さんから秀之さんの句へのコメントと次のアンソロジー『俳句の杜2022』の参加者の招待(依頼)がある。
●「少年」3月号(通巻150号)が送られてくる。信之先生の「寒椿その一輪が吾を向く」を小野京子さんが「続・ 京子の愛唱100句「癒し」(四十二)」のエッセイに書いてくださった。
●末の妹が知らせてくれたので、母校の小学校の閉校式をMicrosoft Teamで見る。ゲストとして見ていたのは9名のみ。小学校のランチルームなどでグループで見ていたのかもしれない。閉校式のあとの記念式典で、3世代のスピーチがあって、祖母としてスピーチした方は能登原小学校に通い、先生として能登原小学校に9年務めた方だった。閉校式に相応しい、一番いいお話をされたのでは思う。
能登原小学校校歌
 上村貞章 作詞
 鈴木賢悟 作曲
1. 朝だ 光だ そよ風だ
   窓にゆれるよ 老松の
   ときわの緑 いや深く
   明るいまなびや かよう風
   平和と希望の かがやく朝だ
2. にじだ 白帆だ 旗雲だ
   波も静けき 口なしの
   瀬戸の潮路の いや遠く
   楽しいあこがれ あかね雲
   自由とほまれの はばたく海だ
3. 星だ 理想だ 月の輪だ
   光さやけき 阿伏兎山
   かざす行く手の いや高く
   雄々しいあけくれ あけの星
   世紀の使命の 花咲く丘だ

3月16日(水)

晴れ
●『俳句の宙2021』の「波」・「玉藻」同人のH氏の俳句100句。花冠との関係は俳歴に一字もないが、私が、ネット上の公開で目を通し添削した句がずらりと並んでいる。それを多くの会員が知って、対処すべきだと言われ、やっかいなことになっている。
●「萩刈られ土に月光ひろびろと 正子」を善光寺の展覧会に工芸品に書いて飾りたいと電話がある。断ったものの、中途半端な俳人の弱みを狙ってきた電話が不愉快で、狙われたことが情けない。
●ラジオの緊急放送で番組が中断。福島・宮城に地震があったというが、そのとき横浜は揺れがなかった。数分後横に揺れ始め、しばらく揺れたが、震度4ぐらいか、棚の薬の小瓶が落ちた。東日本大震災の余震とのこと。

3月15日(火)

晴れ
花びらのひとひら反るより辛夷咲く 正子
桜蕾のみどりに花の色が見ゆ    正子
春障子のような光を白カーテン   正子
●上着を着て外を歩けば暑いほど。桜の蕾が緑色にまるくなり、桜色をちらっと覗かせているのもある。   

3月14日(月)

晴れ。
●ウクライナとロシアの戦争が2月25日から続く。こういうとき、世界で広く話される英語で俳句を書くことも必要かと思う。
day and night
broadcasting the war
blooming mimosas
                                      by takahasi masako
(戦争の報道昼夜咲くミモザ 正子)
以前、爆撃を受けた戦場から、インターネットで俳句を送って来た女性がいた。現状を訴えるもの。
●3月月例ネット句会入賞発表
3月になって、1人を除いて、全員の投句。暖かくなったこと、新年度がはじまることなど、気持ちが明るく活動的になっている。
●俳句添削教室を活発にしようと有料掲示板書き換えていたら、サーバーへのアクセスが禁止になった。料金は払っているし、書き込みも禁止していないし、禁止は初めてのことで、さっぱり、わけがわからない。serverの管理者にメールを送った。

■3月月例ネット句会/入賞発表

■2022年3月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年3月14日
【金賞】
09.ヒヤシンス根っこは水を掴み巻く/祝 恵子
水栽培のヒアシンスの根の逞しさを描写して、シュールなイメージを呼び起こす。「水を掴み巻く」が、人の手ならば、出来そうもないこと。透明感とヒアシンスの匂いを呼び起こしている。ここがよい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
31.花菜畑分けゆく先の海の青/柳原美知子
花菜畑の黄色、海の青い色の対比が鮮やか。風景を鮮明に捉え、日本人の原風景でありながらも、斬新な絵画のようであるのが新鮮。(髙橋正子)

20.鮮やかな袴で揃い卒業生/多田有花
卒業式に臨む女子学生たちが、鮮やかな袴で勢ぞろいした。鮮やかな色に、華やかさと凛々しさ、また若さが読み取れ、眩しいほどである。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
17.終着の近き電車へ麦青む/吉田 晃
電車が終着の駅に近づくと、麦が青々と育っているのを目にすることになった。電車は市街から郊外へと走り、終着駅近くになると田園風景が広がるということ。麦青む景色があるのがうれしい。(髙橋正子)

22.春日和巣立つわが子にスーツ買う/高橋秀之
社会人となる子に、はなむけにスーツを買う親の気持ちを「春日和」がよく表している。日常の言葉が素直に心に温かく響いて来る句だ。(髙橋正子)

29.トンネルを抜けて空には春の虹/西村友宏
暗いトンネルを抜けるとそこにあるのは、空にかかる春の虹。予期しない春の虹に心が広がる思い。よいことがありそうだ。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
22.春日和巣立つわが子にスーツ買う/高橋秀之
我が子も漸く学生生活を終え、社会人となって巣立つ事になる春を迎えた。最後の子育ての心算でスーツを買い与え、ほっと安堵と同時に、一抹の寂しさも感ずる簿妙な親心が垣間見える。 (桑本栄太郎)

29.トンネルを抜けて空には春の虹/西村友宏
車か電車かあるいは徒歩か、いずれにせよ閉塞空間のトンネルを抜けたらその先の青空に虹がかかっていました。忘れがたい一瞬です。 (多田有花)

31.花菜畑分けゆく先の海の青/柳原美知子
黄色の花菜の畑を越えてゆくとその先なに青々とした春の海が開けている。希望の世界が目の前にある。素敵な景ですね。 (小口泰與)

41.戦争の報道昼夜咲くミモザ/髙橋正子
ミモザの黄の花が美しい季節となったけれど、同じ空の下ウクライナでは戦争が起き、多くの命と街が失われており、胸が痛みます。一日も早い停戦と平和を祈る日々です。 (柳原美知子)

09.ヒヤシンス根っこは水を掴み巻く/祝 恵子
14.菊根分鉢を受けたる垣根越/廣田洋一
20.鮮やかな袴で揃い卒業生/ 多田有花

【髙橋正子特選/7句】
28.水温の春めく朝に声弾む/西村友宏
水温で春を感じた、にそうなんだと思います。私もこの数日の温かさに、メダカの水替えをしたところです。(祝恵子)

34.青空へ桜の蕾ふっくら伸び/髙橋句美子
急に暖かくなり、桜の蕾がふくらんで青空に映え、気持ちも浮き立ちます。日一日と開花が待たれます。 (柳原美知子)

09.ヒヤシンス根っこは水を掴み巻く/祝 恵子
17.終着の近き電車へ麦青む/吉田 晃
20.鮮やかな袴で揃い卒業生/ 多田有花
22.春日和巣立つわが子にスーツ買う/高橋秀之
31.花菜畑分けゆく先の海の青/柳原美知子

【入選/12句】
03.利根川の水は水追い鳥雲に/小口泰與
豊かな利根川の流れの上を渡り鳥が北方へと帰ってゆきます。名残りを惜しみ、新たな季節の到来を実感される優しい眼差しが感じられます。 (柳原美知子)
06.目覚めても日差し明るき遅日かな/桑本栄太郎
昼寝をされていたのでしょう。冬ならばすぐに日が傾いてしまいますが、まだまだ明るいところに春の日永を実感されています。 (多田有花)
18.菜の花の匂いが海へ電車へも/吉田 晃
一面の菜の花に包まれた海沿いの鉄路。駅に停車するたび、菜の花の匂いが車内にもひろがり、駅を降りると海にもその匂いがひろがっていくのを感じます。春が実感される至福のひとときです。 (柳原美知子)
菜の花が広々と咲いている様子が思い浮かびました。(髙橋句美子)

21.花束を解けば春の香広がりぬ/多田有花
ラッピングを解いたことで漂う香りが素敵な春の訪れを演出しているような綺麗なシーンが浮かびました。 (西村友宏)

27.葉牡丹の茎立風をつかまえる/川名ますみ
これと同じ光景を近所の玄関で目にしました。小さな葉ボタンが立ち上がって伸び、まるで薔薇のようです。葉ボタンの新たな美しさを発見されていますね。 (多田有花)

30.伊予柑を剥くか剥かぬか午後十時/西村友宏
伊予柑を食べたい、でももう遅い時間だから、の葛藤が読み取れます。春になり夜の時間も過ごしやすくなってきました。 (高橋秀之)

36.麗日のパン屋の香り坂下る/髙橋句美子
寒さが去りうらうらと春の日差しが差す坂道を下っていたら焼きたてのパンの香りが漂ってきました。春の何でもない一日の幸せです。 (多田有花)

37.雨音に春の夜明けと判じけり/友田 修
静かに土を濡らすような雨音に耳を澄ませ、春の夜明けを味わわれる。充実した一日となることでしょう。 (柳原美知子)

02.山裾の松の支える春の雲/小口泰與
05.三月や出会いと別れあるばかり/桑本栄太郎
08.送りくる春の荷包む新聞紙/祝 恵子
19.いかなごのくぎ煮や播磨の春の味/多田有花

■選者詠/髙橋信之
11.春の雲高しその下を鳥たちは
雲の高さと、その下を舞う鳥の姿が対比されていて、春の空を舞う鳥たちの喜びが見えるようだ。鳥たちが命を喜んでいる姿を感じておられるこの句は信之先生のものに間違いない。 (吉田晃)

10.春うららぽん菓子皿に軽くあり
12.白れんの道を妻と帰りたり

■選者詠/髙橋正子
40.花蕾枝に散らばりはや眩し 
桜の枝のそこここで、花芽が膨らみ始めました。ほんのり紅色を帯びて、はやくも春の陽射しに燦めいています。枝に散らばる蕾が眩しい、希望に満ちた光景です。 (川名ますみ)
    
41.戦争の報道昼夜咲くミモザ    
42.戦下のバス母も子もみな着ぶくれて

■互選高点句
●最高点(6点)
09.ヒヤシンス根っこは水を掴み巻く/祝 恵子
集計:髙橋正子

※コメントの無い句に、コメントをお願いします。

■3月月例ネット句会清記■

■3月月例ネット句会清記■
2022年3月13日
14名(42句)
01.噴く山の残雪とばす朝かな
02.山裾の松の支える春の雲
03.利根川の水は水追い鳥雲に
04.うつうつと面影追いぬ春の夢
05.三月や出会いと別れあるばかり
06.目覚めても日差し明るき遅日かな
07.昼月に一直線に飛ぶ雲雀
08.送りくる春の荷包む新聞紙
09.ヒヤシンス根っこは水を掴み巻く
10.春うららぽん菓子皿に軽くあり

11.春の雲高しその下を鳥たちは
12.白れんの道を妻と帰りたり
13.御開帳少しはずみしご喜捨かな
14.菊根分鉢を受けたる垣根越
15.道端に伏せて休める椿かな
16.のど飴の溶けゆく甘さ春の風邪
17.終着の近き電車へ麦青む
18.菜の花の匂いが海へ電車へも
19.いかなごのくぎ煮や播磨の春の味
20.鮮やかな袴で揃い卒業生

21.花束を解けば春の香広がりぬ
22.春日和巣立つわが子にスーツ買う
23.春風が頬をふんわり暖かく
24.ものの芽を見つけ微笑む昼下がり
25.木瓜の花すっかり枝を隠しきり
26.葉牡丹の茎立のさき軽き色
27.葉牡丹の茎立風をつかまえる
28.水温の春めく朝に声弾む
29.トンネルを抜けて空には春の虹
30.伊予柑を剥くか剥かぬか午後十時

31.花菜畑分けゆく先の海の青
32.マトリョーシカ雛に加えて祈りけり
33.青麦やフレンチトーストふわり焼け
34.青空へ桜の蕾ふっくら伸び
35.薄墨の空にぽつりと朧月
36.麗日のパン屋の香り坂下る
37.雨音に春の夜明けと判じけり
38.家々に明かりが灯る春の宵
39.黒土のほころぶころや春の雨
40.花蕾枝に散らばりはや眩し

     
41.戦争の報道昼夜咲くミモザ    
42.戦下のバス母も子もみな着ぶくれて 

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。