8月16日(火)

晴れ、風強し
●ハート内科受診。夏なのに血圧が高すぎて薬が増える。内科の先生が私の血圧管理は難しい。でも必ず治します、と言われる。血圧が変化しすぎる。普通の内科に通っていたら今頃どうなっていたんだろう。帰りのバスは、間が悪くて2回乗りそこなう。
●ニトリで茣蓙一畳を2枚頼む。出入り口の畳の汚れと日焼け防止のため。品名を見たら、上敷きとなっていた。昭和の30年ごろ、着物を着るときに茣蓙を一枚広げてその上で着ていなかったか?そんな記憶がふっと蘇った。
●大学時代「原理研究会」というのが大学にあった。大学内で立て看板も見た。「原理、原理」と言う声も実際聞いたし、活動している学生も知っていた。キリスト教の原理であると聞いていたが、キリスト教の原理てっ何よ、という感じでそれが実際は何であるか本当のところは知らなかった。今になって明らかになりつつある。「うーん。」と思うばかりでウッカリ言葉が発せられない。

■2022年8月例ネット句会入賞発表■

■8月月例ネット句会/入賞発表
■2022年8月例ネット句会■
■入賞発表/2022年8月15日

【金賞】
26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花
盆の客を迎えた家の情景がありありと見える。衒いのない表現がいい。盆のお参りにきた近い親戚、遠い親戚もこの日は睦まじく近況を語り合う。幼き日に戻れたような懐かしさを覚える。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり/桑本栄太郎
梅干しを作る作業では、暑い盛り、とくに土用の日に当てることが大事。笊に広げて乾かすと塩がきらきらと噴きでる。そのままを詠んで無駄がなくすっきりとしている。(髙橋正子)

39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな/友田 修
生活の街として都心を少し離れて発展してきた世田谷。広広とした街空の日暮れに蜻蛉が横切る。世田谷ならではの生活感覚をもって上手く蜻蛉が表現されている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール/川名ますみ
久しぶりにお洒落な街へ出て来た嬉しさが、「素足にかるきハイヒール」に表現されている。素足の華奢な脚、細いハイヒール。街にあってこそ映える。(髙橋正子)

13.トマトの葉もぐ指先に同じ香が/吉田 晃
トマトの葉をもぐと指先もトマトの葉と全く同じ匂いが付く。そこまで強烈に付く匂いはトマト独特。夏を感じさせる青臭い生命力のある匂いだ。(髙橋正子)

18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原/弓削和人
とんぼうの習性がよく観察されている。というより、幼いころのからの経験が「引けば寄るなり」という巧みな表現をいとも易く言ってのけた感じだ。夕べの原にニュアンスがある。(髙橋正子)
【髙橋信之特選/7句】
18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原/弓削和人
夕方の原っぱでの蜻蛉との出会いと小さな発見。秋の訪れと涼しさのみなぎる心温まる句ですね。 (柳原美知子)

26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花
 お盆に久しぶりに会った者同士が近況を語り合う姿が良く解ります。家族の話や健康の話など尽きることがないですね。 (小口泰與)

39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな/友田 修
立秋後連日まだ残暑の厳しいものの、東京も都心を少し離れた世田谷ともなれば、夕暮れ時に微かに秋風が感じられ、蜻蛉が横切るようになります。「世田谷」との地名も入り、早くも秋の気配を感ずる作者です。 (桑本栄太郎)

04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり/桑本栄太郎
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール/川名ますみ
13.トマトの葉もぐ指先に同じ香が/吉田晃

【髙橋正子特選/7句】
11.植田見ゆ角をすぐると風にあう/祝恵子
「風にあう」という表現が新鮮だと思いました。植田から新しい生命力が吹いてくるイメージが出てきます。 (弓削和人)

35.稲穂出で夜風芳し星仄か/柳原美知子
稲穂の香りが漂う気持ちいいよ風とそらには星も瞬いています。のどかで綺麗な風景が目にうかびました。(西村友宏)

04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり/桑本栄太郎
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール/川名ますみ
18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原/弓削和人
26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花
39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな/友田 修

【入選/21句】
12.向日葵のわが実の重さに耐えており/祝恵子
大輪の向日葵なんでしょう。実がなってくると頭を垂れる向日葵が多い中、頑張って正面を向いている向日葵が目に浮かびます。 (高橋秀之)
ぐんぐんと太陽に向かってのびたひまわりも花が終わる時期になると、種の重さで首をうなだれるようになります。ひまわりが人の姿に重なってユーモアを感じます。 (多田有花)

19.天高し丹沢望む露天風呂/廣田洋一
気持ちよさそうですね。青空の下、空を仰ぎながら入る露天風呂。よくぞ日本に生まれけり、という気持ちになります。 (多田有花)

20.田起こしの所作軽やかに風の盆/廣田洋一
踊りの中のふり、田起こしを軽やかに踊りながら、遠ざかってゆく風の盆、一度は見て見たいものです。 (祝恵子)
風の盆は、富山の八尾の盆踊りですが、よく知りませんでした。編み笠に顔が隠れて、手をしなやかに使う踊りに合わせた胡弓の音がさびしそうです。田おこしの所作があるのを初めて知りました。 (髙橋句美子)

23.梨の実の瑞々しさは今年初/高橋秀之
お盆のころに今年の初物として梨が店頭に並び始めます。今年も先日スーパーで見かけてお盆なんだと感じました。 (多田有花)

24.夕食に酒はなくとも冷ややっこ/高橋秀之
多分、作者が一人で頂く夕食だろう。酒はなくとも、冷奴のさっぱりした味を楽しんでいる様が良く見える。 (廣田洋一)

28.革靴を磨きつつ待つ流星群/西村友宏
革靴を磨くという日常の中で、流星群という非日常を待つわくわく感が伝わってきます。秋の訪れが実感される夜空です。(柳原美知子)

31.アイスティーインクの乾く間を繋ぐ/上島祥子
手紙を書かれているのでしょうか?万年筆でしたためる一筆。 (多田有花)

36.水路の水汲んで苧殻火尽きるまで/柳原美知子
 炊いた迎え火を消えるまで眺めている。いろいろな思いや思い出を感じておられるのだと思う。燃え尽きた苧殻を家の前の水路の水で消すのだが、それはご先祖様が生前親しんでおられた水路の水なのだ。ご先祖様はきっと喜んでおられることでしょう。(吉田晃)

46.夏草をかき分け進む植物園/髙橋句美子
学術的にラベル付けされた、植物園の展示。その通り道にも、自然の夏草が茂っています。エネルギーに満ちた夏草を「かき分け進む」という描写に、力強さを感じます。 (川名ますみ)

01.利根川の岩場へつつと石たたき/小口泰與
02.夕鵙や風雨に晒さる摩崖仏/小口泰與
05.ひぐらしや想い出よぎる吾が半生/桑本栄太郎
06.かなかなのかなの途切れし茜かな/桑本栄太郎
07.空色の切り絵をひらく戻り梅雨/川名ますみ
09.髪切って胡瓜どっさり冷や汁に/川名ますみ
14.買い物へ苧殻の人とすれ違う/吉田晃
16.祖母もぎる指の無花果やわらかき/弓削和人
25.祖父母の像下に新盆叔父の像/多田有花
29.真っ新な運動靴で夏雲へ/西村友宏
34.夏祓墨絵の灯篭裏参道/柳原美知子
47.真夏日の大樹風に靡くまま/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
40.茗荷二個よく洗われて光る
41.茄子三個洗われ雫がたくさん
42.梨・茗荷・茄子を揃えてバットに載せ

■選者詠/髙橋正子
44.はじめての虫音響けり居間の窓/髙橋正子
今年は梅雨明けも早く熱帯のような湿度と猛暑の夏でした。まだまだ残暑の続く中、夜になりはじめての虫音が聞こえて来た時の嬉しさは、ひとしおですね。暦どおり秋は着実にすすんでいると実感されます。(柳原美知子)

43.ほてい葵盆にあわせて花ひらく
45.台風の過ぎ行く夜を灯ともして

■互選高点句
●最高点(同点2句/5点)
12.向日葵のわが実の重さに耐えており/祝恵子
26.近況を語り合いたる盆の客/多田有花

集計:髙橋正子

■8月月例ネット句会清記■

■8月月例ネット句会清記■
2022年8月14日
16名(48句)

01.利根川の岩場へつつと石たたき
02.夕鵙や風雨に晒さる摩崖仏
03.扁額の筆跡褪せし桐一葉
04.笊に乾す梅干塩の噴きにけり
05.ひぐらしや想い出よぎる吾が半生
06.かなかなのかなの途切れし茜かな
07.空色の切り絵をひらく戻り梅雨
08.街へ来ぬ素足にかるきハイヒール
09.髪切って胡瓜どっさり冷や汁に
10.苦瓜の種赤ければすくい食ぶ

11.植田見ゆ角をすぐると風にあう
12.向日葵のわが実の重さに耐えており
13.トマトの葉もぐ指先に同じ香が
14.買い物へ苧殻の人とすれ違う
15.袋菓子選る老の瞳に秋涼し
16.祖母もぎる指の無花果やわらかき
17.車より降りるや靴へ猫じゃらし
18.とんぼうは引けば寄るなり夕の原
19.天高し丹沢望む露天風呂
20.田起こしの所作軽やかに風の盆

21.盆踊りアームカヴァーのしなやかに
22.夏日差す熱きステージこぶし上げ
23.梨の実の瑞々しさは今年初
24.夕食に酒はなくとも冷ややっこ
25.祖父母の像下に新盆叔父の像
26.近況を語り合いたる盆の客
27.盆提灯叔父の写真の両脇に
28.革靴を磨きつつ待つ流星群
29.真っ新な運動靴で夏雲へ
30.風鈴と古典に耽るカフェテラス

31.アイスティーインクの乾く間を繋ぐ
32.夏便り三度見直し投函す
33.夏帽子ゴム付け替えて母仕様
34.夏祓墨絵の灯篭裏参道
35.稲穂出で夜風芳し星仄か
36.水路の水汲んで苧殻火尽きるまで
37.秋立ちて風の動きに驚きぬ
38.立秋を確かに風に感じけり
39.世田谷の蜻蛉横切る日暮れかな
40.茗荷二個よく洗われて光る

41.茄子三個洗われ雫がたくさん
42.梨・茗荷・茄子を揃えてバットに載せ
43.ほてい葵盆にあわせて花ひらく
44.はじめての虫音響けり居間の窓
45.台風の過ぎ行く夜を灯ともして
46.夏草をかき分け進む植物園
47.真夏日の大樹風に靡くまま
48.禊萩の群生枝の小さい赤

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

8月13日(土)

雨。
台風の雨を来し子の傘の紺     正子
コンクリートを流れるときも秋の水 正子
夜の秋ジェーン・エアを見ておれば 正子 
●台風8号が夜伊豆半島に上陸。勢力が弱まったのか、雨も風もひどくなかった。
●元と元希が来る。台風が来ているので心配したが、それほどの雨ではなかった。昼ご飯を一緒にして2時間少しいて、台風が心配なので早めに帰った。
元希はファックスが気になったらしく、父親に説明してもらっていた。「メールがなかった時にとか、なんとか」。家を片づけていて英会話の子ども用のCD”Let's Go”がたくさん見つかったので、持ち帰った。
●YouTubeで偶然「Jane Eyre」が見つかった。BBCが放送したのを日本語に吹き替えたもの。夕食後台風が来ているのをよそ眼に見た。ブロンテ姉妹の住んだ牧師館を思い出した。9月の終わりなのに紫陽花が古風な色合いで咲き続けていた。墓地もすぐ近くにあったことも思い出した。イギリスの色あいが懐かしく思い出された。日本も今秋になっているのだ。

8月12日(金)

曇り、雨ぱらつく
●今朝の風は涼しいと思うや雨がぱらついた。それほど降らなくてすぐ止んだ。数日前虫の声を聞いている。蝉の声は遠くより、すぐに鳴き止むが、また弱弱しく鳴く、そして鳴き止む。
●今朝「俳壇9月号」の「好きな植物を詠む」を所々読んだ。みなさん、よくこんなことを考えて植物に向き合っておられるんだと感心する。私は、単純にその植物が好きで見れば嬉しくなって、いいなあと思っているだけ。できれば、皆さんが考えているようなことは考えたくないために、植物を見ている。まるで方向が反対なのだ。頭の中を空にして、のほほんと暮らしたいのだ。
きのうネット短信のメールで9月号の注文を募るが、いまのところ1名のみ。

8月11日(木)山の日

晴れ
●「俳壇9月号」(8月14日発売)に結社主宰101人競詠「好きな植物を詠む」に正子の俳句が掲載される。ネット短信No.383にそのことを載せ、注文を受け付ける。申込締め切りは8月17日(水)とした。
夕べひととおり読んだが、植物の詠み方がそれぞれとはいえ、俳人の好きな植物はそれほど雑多ではない。蕨(夏蕨)、青芒、蓮、吾亦紅は私も詠んだが、未草はだれも居なかった。同じ植物が好きな人には親近感が湧いたのは事実。
作句場所は台所、城ヶ島、尾瀬2句、予讃線。どれも愛着の場所。
●角川俳句年鑑の俳人住所録に信之、正子返信。今年から所属団体を書くことになった。

8月10日(水)

晴れ
●35℃ぐらいで暑いが、空の色や朝吹く風に秋の気配を感じるようになった。
●来年の9月には花冠創刊40周年になる。今から考えておかなくては間に合わなくなる。30周年のときは記念号を出した。通常の雑誌に、合同句集を加えたもの。別に合同句集をハードカバーで作ると100冊で原稿をPDFで作ったとしても数十万かかるので、赤字となる。合同句集を出して雑誌の経営が赤字になって苦労した話は聞いたことがある。結局、30周年記念号と同様に40周年記念号とするのがいいかと思う。
30周年記念号では、正子の花についての通し記事があった。これに変わる物を何にするか。

8月9日(火)長崎原爆忌

晴れ
●完全に暑さが戻って来た。35℃、36℃が続きそうだ。本棚に本を収めるのに今週いっぱいかかりそう。クローゼットの洋服を風に当てる。信之先生の喪服は手をとおしてないのに、カビが発生してクリーニングに出した。誰のときに着るのだろうと思いながら。