■2月月例ネット句会/入賞発表

■2月月例ネット句会/入賞発表
■2023年2月例ネット句会■
■入賞発表/2023年2月13日
【金賞】
13.雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり/吉田 晃
蜜柑の採れない雪国へ蜜柑を送った。「香をぎっしり」に送った人の思いがこもる。届いた荷を開けたとたん、蜜柑の明るい色と香りが弾けるように出てくるだろう。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
10.鳥帰る川面の影の途切れずに/廣田洋一
渡り鳥が返る季節。空を帰ってゆく鳥の影が途切れずに川に映る。「川面の影」を通して詠むことで、鳥たちへの別れのさびしさが表現されている。(髙橋正子)

22.春の水峡の四方の山鳴らす/柳原美知子
山に滲みこんでいた水や雪解けの水が、春になり水音高く流れ出す。迫り合う四方の山々からも流れ出すと、うれしい春の到来となるのだ。里山の風景が詠まれて懐かしい。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
06.また二人餅草摘みに現れし/小口泰與
暖かくなって、草餅にする餅草を摘みに二人が現れた。「また二人」連れ立って現れたのだ。ということは、先に来た人たちもいた。春が来て蓬摘みなど、生活はますます楽しくなる。(高橋正子)

08.初風呂や新たな湯気を胸いっぱい/弓削和人
年が改まって入る風呂は、湯気まであたらしい感じがする。あたらしい香りのする湯気をリッラクスして、胸いっぱい吸い込む。初風呂とはいいものだ。(髙橋正子)

38.梅咲けば庭おのずから光りだす/多田有花
梅の花は満開となっても静かな雰囲気をあたりに漂わす。庭に咲いて「おのずから光りだす」、静かな光のような花なのだ。先師の臥風先生は、梅が咲いた景色を「寂光土」と詠まれた。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
10.鳥帰る川面の影の途切れずに/廣田洋一
北国へ帰ろうとする鳥は何なのでしょう。鶴、鴨、雁、白鳥、いずれにせよ長い旅路の始まりです。途切れることなく列をなして飛んでいく姿は、冬から春への移り変わりを教えてくれます。 (多田有花)

21.珈琲をほっと頂く木の芽時/友田 修
木の芽時の春の息吹を感じる嬉しさの中にもまだまだ肌寒い日、コーヒーの温かさにくつろぐひとときの幸せ。「ほっと」がよく効いていて自然体の詠みぶりに惹かれます。 (柳原美知子)

03.まんさくの花芽ふくらむ葉のままに/桑本栄太郎
06.また二人餅草摘みに現れし/小口泰與
08.初風呂や新たな湯気を胸いっぱい/弓削和人
11.差し出せる手に飛び込みぬ福の豆/廣田洋一
13.雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり/吉田 晃

【髙橋正子特選/7句】
8.梅咲けば庭おのずから光りだす/多田有花
春の明るい日差しに照らされて輝くように咲く梅の花によって、自然と庭も明るくなります。 (西村友宏)

17.束ねらる菜の花蕾開きそう/祝 恵子
早春らしい御句です。束ねられた菜の花のひとつの様子に目をとめられた細やかな観察眼と優しいお気持ちが伝わります。(多田有花)

17.束ねらる菜の花蕾開きそう/祝 恵子
早春らしい御句です。束ねられた菜の花のひとつの様子に目をとめられた細やかな観察眼と優しいお気持ちが伝わります。(多田有花)

22.春の水峡の四方の山鳴らす/柳原美知子
山の積雪が解け、勢いよく流れ来る豊かな水。山からの水が、また四方の山を鳴らして春が始まります。山峡に響く、春の訪れを聴かせていただきました。 (川名ますみ)

06.また二人餅草摘みに現れし/小口泰與
08.初風呂や新たな湯気を胸いっぱい/弓削和人
10.鳥帰る川面の影の途切れずに/廣田洋一
13.雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり/吉田 晃
17.束ねらる菜の花蕾開きそう/祝 恵子

【入選/20句】
09.寝て起きぬひかりて根づく雪の原/弓削和人
雪国でなければ触れられない光景であり、感覚であると思います。日常のなかに雪があり、今朝は雪がやんで光が一面の雪の上に差しているのでしょう。厳しくも眩しく明るい景色が浮かびます。(多田有花)

14.手拭を浸せば透けて寒の水/吉田 晃
手拭が透けるほどの鮮烈な水の流れが冬の厳しさを感じると共に、澄み切った空気のもとで、日常生活をおくる一日の断面を切り取った瞬間が快い。 (弓削和人)

20.空の青薄く明るき春の朝/友田 修
春の朝の景色は薄く明るい青で、この句の通りである。上手い写生句である。(廣田洋一)
ぼんやりと明るい春の光を感じます。 (髙橋句美子)

25春の雪片手のクレープほかほかと/西村友宏
春の雪の白さとふわふわした質感が クレープとよく合っていて、軽やかで若々しい句ですね。 (柳原美知子)

26.新しきワイシャツ白く春の朝/西村友宏
新しい白いワイシャツと春の朝から、冬から春へと季節がまた巡ってきて、輝く希望を感じます。(友田修)

27.白梅や神社参りの背を伸ばす/西村友宏
神社へお参りに来て見れば、境内の白梅はもうすでに咲いて居り、その神々しい花と香りに、作者は思わず背筋を伸ばしました。 (桑本栄太郎)

30.豆まきの升をあふれて跳ねる豆/髙橋句美子
升から零れ落ちた節分の豆を見て「跳ねる豆」と詠まれたところに明日立春を迎える喜びが感じられ、素敵だと思います。 (柳原美知子)

40.春立つ日新しき刃が髪を断つ/川名ますみ
「立つ」と「断つ」。日本語は同音異義語が多く、そこから独特の連想を生みます。髪を切るのは何かを断ち切るような感覚、そして春が立つのは新しい始まりです。(多田有花)

41.新しき鋏の響き今朝の春/川名ますみ
 春とは言え2月はまだ極寒の月ではあるが、次第に温暖の日が多くなり、草木が芽ぐむ季節となる。新しい鋏で古い草木の枝を剪作者の気持ちの良い景が浮かびます。 (小口泰與)

02.薄氷の片方に寄りぬにはたづみ/桑本栄太郎
04.月光に妙義の奇岩冴返る/小口泰與
05.噴煙の広ごる先の余寒かな/小口泰與
07.みちのくの道はさびしや雪霰/弓削和人
15.冬灯し万年筆の黒き字へ/吉田 晃
18.頂きし冬の野菜はキッチンへ/ 祝 恵子
23.村はずれ一樹に咲き初む薄紅梅/柳原美知子
29.節分の赤鬼の面陳列され/髙橋句美子
37.足もとに青き輝きいぬふぐり/多田有花
40.春立つ日新しき刃が髪を断つ/川名ますみ
43.春の夜の灯りの下で妻を待つ/髙橋秀之
44.建国の日の丸眺める銀婚日/髙橋秀之

■選者詠/髙橋信之
31.たらの芽がしずかに白い皿の上
たらの芽のみずみずしいみどりが白い皿に映え、山の春の息吹と香りが感じられる食卓。静けさの中にも春到来の喜びが感じられるひとときです。(柳原美知子)

32.蓮根の穴が九つこれ立春
33.みな赤くパックに詰まり春いちご

■選者詠/髙橋正子
34.つぎつぎと水をくずして春の鴨
次々にやってきた鴨たちの着水、賑やかなことでしょうね。 (祝恵子)

35.満作の花よ悴む手を触れて
日本固有の木で、昔から生薬として重宝されてきた。しもやけや湿疹に効能があるという。詠者は幼少の昔、この葉の世話になったのだろうかと思ったりもする。悴む手を触れてそのことを思い浮かべているのであろうか。「満作の花よ」に込められた思いを想像する。(吉田晃)

6.雪どけの道濡れきって春の月

■互選高点句
●最高点句(7点)
13.雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり/吉田 晃

集計:髙橋正子

2月月例句会ネット清記録(別枠)

★髙橋秀之さんの句を別枠で受け付けました。選が可能な方は、一人一句選をお願いします。選は、ここのコメント欄にお願いします。(コメントは自由です。)よろしくお願いします。(髙橋正子)
2月月例ネット句会別枠清記
髙橋秀之
43.春の夜の灯りの下で妻を待つ
44.建国の日の丸眺める銀婚日
45.受験する子におはようと声をかけ

■2月月例ネット句会清記■

■2月月例ネット句会清記■
2023年2月12日
14句(42名)
01.足下の池のそこひや蘆の角
02.薄氷の片方に寄りぬにはたづみ
03.まんさくの花芽ふくらむ葉のままに
04.月光に妙義の奇岩冴返る
05.噴煙の広ごる先の余寒かな
06.また二人餅草摘みに現れし
07.みちのくの道はさびしや雪霰
08.初風呂や新たな湯気を胸いっぱい
09.寝て起きぬひかりて根づく雪の原
10.鳥帰る川面の影の途切れずに

11.差し出せる手に飛び込みぬ福の豆
12.カメラ持ち男も並ぶ針供養
13.雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり
14.手拭を浸せば透けて寒の水
15.冬灯し万年筆の黒き字へ
16.葉の落ちて新芽立ち上がる自然
17.束ねらる菜の花蕾開きそう
18.頂きし冬の野菜はキッチンへ
19.早春の朝ぽっかりと月浮かぶ
20.空の青薄く明るき春の朝

21.珈琲をほっと頂く木の芽時
22.春の水峡の四方の山鳴らす
23.村はずれ一樹に咲き初む薄紅梅
24.伊予柑食ぶしたたる果汁に顔うずめ
25.春の雪片手のクレープほかほかと
26.新しきワイシャツ白く春の朝
27.白梅や神社参りの背を伸ばす
28.春光の畦道続く雨上がり
29.節分の赤鬼の面陳列され
30.豆まきの升からあふれ跳ねる豆

31.たらの芽がしずかに白い皿の上
32.蓮根の穴が九つこれ立春
33.みな赤くパックに詰まり春いちご
34.つぎつぎと水をくずして春の鴨
35.満作の花よ悴む手を触れて
36.雪どけの道濡れきって春の月
37.足もとに青き輝きいぬふぐり
38.梅咲けば庭おのずから光りだす
39.かいつぶりのつがい浮かべて春の川
40.春立つ日新しき刃が髪を断つ

41.新しき鋏の響き今朝の春
42.春みぞれ訪問看護師手を頬に

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

2月9日(木)

晴れのち曇り
●吟行ガイドの原稿が捗らない。どうして捗らないのか、自分でもよくわからない。
●午後から急に冷えて来る。明日関東地方も夕方雪の予報。
●昨日シルクスイートが届いた。もう先の方が傷みかけている。今の時期さつま芋は傷みやすい。この前大寒波が来たとき、さつま芋と冷蔵庫の柚子が一日で傷んでしまって捨てる羽目に。
 使い切るために焼き芋にした。思ったより時間短縮で上手く焼けた。オーブンの温度230度。濡らした新聞紙を巻いてアルミホイルで包んで焼いた。

2月6日(月)

晴れ。
●3月のような陽気。信之先生が今日は全く眠くないようで、元気いっぱいなので、「散歩しますか」と言うと、行くというので、公団の緑地を散歩した。蝋梅がよく咲いているのを見たり、栴檀の実が生っているのを見た。四十雀がよく鳴いていた。昼間は結局信之先生に付き合って何もできなかった
●『懺悔室』(松本余一著 俳句アトラス出版)を恵贈いただいている。2月2日に林誠司さんにお礼の返事はすでに出している。
好きな句。(春夏秋冬20句)
海見えて波見えてくるいかのぼり
押すだけで湯の沸く雪の二月かな
麦踏みのひとりがとほい空をゆく
しゃぼん玉百も吹き出す日のひかり
桜湯に花のいのちを映しけり
水筒の冷たい緑茶夏期講座
矢車や夜は星空を駆けめぐり
夏めきて水に翳あり汽水域
遺言に涼しさしるす樹木葬
生きてゐる人だけ載せる蓮見舟
朝採れのたうもろこしを朝茹でて
新米の搗きかたあまくうすみどり
水澄みて一直線に空映す
出迎える影に言わるる十三夜
残菊や好きに咲いたら好きにしろ
鷹の目に水の星だとわかるまで
大雪で遅れたバスの頼もしき
手を胸に死に方決めて柚子湯かな
早梅や自分のことで精一杯
雪吊を見に来る星の集まりぬ

2月5日(日)

晴れ
●金蔵寺のご住職を訪ねる。金蔵寺の桜のこと、鐘のこと、本堂の建立のことなど、尋ねた。2時に訪ねる約束に早めに行ったので、裏山にある不動明王や日吉権現のことなど石碑があるので読む。金蔵寺は昔「東の三井寺」と言われた、と書いてある。それで大津の三井寺は天台宗と知る。家康・秀忠寄進の鐘は直接金蔵寺に寄進されたものではないそうだ。戦時中の金属類の供出ののち返ってきたのが、今ある家康・秀忠寄進の鐘とか。30分ほどお話を聞いたが、結構面白く貴重な話が聞けた。
ご住職に取材を申し入れるなど、自分にもジャーナリスト精神があったのかと思うほどだった。が、名刺もないので、どうかと思いつつ気弱な性質で「松の葉」をお持ちした。ご住職が「供えさせていただきます。」と言われて、ま、少し落ち着いて話が聞けた。
●原稿に起こそうと思ったが、慣れないことをしたので、夜はすっかり疲れてしまった。

2月4日(土)

晴れ
●四季の森公園へ出かける。写真を撮り直すつもりだった。昨日いた小鳥が今日はいなかったが、姿を見せず四十雀が雑木林のなかではれやかな声で鳴いていた。歌手のような歌いぶりは初めて聞いた。晴れて気持ち良い日だったからであろう。
翡翠は今日は池の中の杭に止まっていて、カメラマンが7、8人。
節分草について管理事務所で尋ねたら、今年はまだ、とのこと。なくなったのではなかった。それではと、目を凝らして見ると、咲き切らない花が一輪。今日再度来たかいがあった。今日開いたばかりの節分草の写真を撮ることができた。帰りに事務所に報告。
万作、紅万作、蝋梅、三椏を撮りなおしたが、どれもいまいちなのだ。カメラの扱いがいまいちなのと、カメラがいまいちなのだ。写真を撮るためだけに来たののに昨日より1時間長くかかった。歩いたのは昨日と同じ3km。

■2月月例ネット句会ご案内

■2月月例ネット句会ご案内
①投句:当季雑詠(春の句)3句
②投句期間:2023年2月5日(月)午前6時~2023年2月12日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月12「日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月13日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月13日(月)正午~2月16日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

2月3日(金)節分

曇り
●今度書く記事には写真が数枚から十枚ぐらい必要。困ってしまった。とりあえず、しばらく使っていないデジカメを出して調整した。前から思っていた四季の森公園に出かけることにした。家を空けることができるのは3時間が限界かと。お弁当を置いて、行く先は、いつも行く「センター北」とメモに書き残して出かけた。電車で片道19分。
四季の森公園に入るやセツブンソウがあるあたりへまっしぐら。里山花壇と立て札がある林縁に、今日咲いているはず。ところが、なんの形も気配もない。振り返って雪割草が咲いているはずのあたりへ行った。雪割草もなかった。コロナになって3年間は来なかったが、その間に消えてしまっている。
しかたなく林縁を歩くと翡翠を撮っているカメラマン二人がいた。見ず知らずなのに、つい愚痴って「セツブンソウがなくなっているんですよ。」と言ったら、一人が「そこらに黄色い花が咲いとるよ。」と。それがすぐにマンサクとわかった。それは後で見るとして、「今日は来ましたか。」と聞くと、「来たよ。」と。私が残念そうな顔をしたのだろう、「あそこに2羽いるよ。」と。肉眼では見えない、遠い入り口近くの蓮の株があるあたりを指さしてくれた。そして、望遠カメラに翡翠をとらえて見せてくれて、すぐに普通の画像に直してくれたので、場所が特定できた。「逃げないんですか。」と聞くと「逃げない。」と言う話。私のは望遠のないカメラなので、翡翠のいる近くまで急いで行き、写真を撮ることができた。そこにもカメラマンが一人いたが、いっこう写真は撮らないで、声をかけてくれて、JAICAで外国人を世話をしたことなど話をしてくる。翡翠の写真は英語で解説をつけてFBにアップしているとのこと。外国人の友だちが200人ほどいて、日常生活の様子を報せてくれて、居ながらにして外国が楽しめるんだとか。途中で、先を見たいのでごめんなさいと失礼した。
見たもの花は、万作、紅花万作、蝋梅、三椏の蕾、枯れ葦、寒椿、白梅、紅梅、辛夷の蕾。鳥は翡翠、鴨、アオジ、百舌、目白、四十雀、笹鳴きの鴬、鵯、知らない鵯ぐらいの鳥。
水音が大きくなっている。水車が濡れていた。
帰宅後スライドショーで見ると、写真はスマホよりデジカメのほうがましとわかる。納得できる写真がない。明日もう一度写真を撮りに行きたい。2時間で3キロほど歩いた。電車が往復1時間。あと1時間欲しい。

2月2日(木)

晴れ
●桜大門と境内の桜のことを尋ねるつもりで、金蔵寺に行った。ご住職が出てこられ、明日節分で準備で忙しいから日を替えてお話しくださることになった。
金蔵寺はたびたびお詣りするとうか、行っているので、なんとなく知っているつもりでいたが、いざものに書こうとすると、知らないことだらけ。5日の日曜日に伺うことにした。
●境内の大まかな見取り図と古木などの位置も書き込んで帰った。